近年、ユニットバスと在来工法のそれぞれのメリットを組み合わせたハーフユニットバスが人気です。
ユニットバスの防水性を得ながら、デザインや素材が自由にこだわれるメリットがあります。
本記事では、ハーフユニットバスの基本的な情報から取り扱っているメーカー、施工事例、メリット・デメリットについて解説します。
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ハーフユニットバスとは?
ハーフユニットバスとは、浴槽や床などの浴室の下半分はあらかじめ工場で生産した既製品で、壁や天井などの浴室の上半分を現場で造作するお風呂のこと。平たく言えば、既製品とオーダーメイドの中間のようなお風呂です。
また、ハーフユニットバスは、ユニットバスと在来工法の浴室の中間的な特徴をもつお風呂と言うこともできます。
一般的に既製品のお風呂全般のことを、ユニットバスと言います。気密性が高いため冬でも比較的暖かいことや、肩湯や浴室内の調光などラグジュアリーな機能を取り入れやすいことがメリットです。ただし、既製品として販売する都合上、タイルや石などの素材感を活かしたお風呂にすることはできません。
既製品であるユニットバスに対して、昔ながらのタイルのお風呂のように現場で一から製作されるものは、在来工法の浴室と呼ばれます。タイルや石などの素材感が楽しめるお風呂になることが最大の魅力です。ただし、ユニットバスよりも工期が長く、費用の見通しがつきにくい傾向にあります。
ハーフユニットバスはこれら2つの良いとこどりをできます。ユニットバスの機能性や暖かさに加えて、在来工法の浴室の素材感や、自由に設計できる楽しさを併せ持つのです。ハーフユニットバスのおすすめメーカー・商品
続いてはハーフユニットバスを取り扱っているおすすめメーカーと、各社の商品の特徴について解説します。
◆おすすめメーカー◆
- TOTO
- 日比野化学工業株式会社
- サンワカンパニー
①TOTO|Half Bath 08
TOTOの「Half Bath 08」は、Type0とType8の2つのタイプに分かれています。
使いやすくシンプルなデザインをコンセプトとしたType0は、浴槽が0の形をしており、スッキリした形状となっています。また浴槽内部にヘッドレストやフットレストとしても使えるステップを備えているなど、体の負担が少ない設計も魅力です。
Type8は、人間工学に基づいた曲線の浴槽となっており、よりリラックスしやすい作りになっています。浴槽は、誰であっても使いやすいユニバーサルデザインです。浴槽の淵は出入りがしやすいよう握りやすくなっているため、小さなお子さんからお年寄りでもより安全に入浴できるハーフユニットバスとなっています。
両製品ともTOTO独自の技術が詰まった「カラリ床」に標準価格でお選びいただけます。これは掃除がしやすいように床の表面が特殊加工されているため、普段のお手入れの負担を減らす優れた床です。
価格 | 約65万円~約102万円 |
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特徴 | カラリ床、リラックスできる形状(Type0)、ユニバーサルデザイン(Type8) |
対応サイズ | 1616、1620 |
対応物件 | 戸建て、マンション |
②日比野化学工業株式会社 |ハーフユニットバス
日比野化学工業株式会社 の「ハーフユニット」は、最も設計の自由度が高い点が特徴です。基本的にユニットバスの出入り口は1つですが、日比野化学工業株式会社のハーフユニットは、出入り口を2つ設置することも可能。そのため、脱衣所以外にも、バルコニーや庭などへのアクセスも可能となっており、散歩の帰りに直接浴室に入れるような使用シーンも実現されています。
オプションも豊富に用意されており、アクセサリー部品の取り付けも可能です。壁と天井だけでなく、さまざまなデザインが可能なことから、デザイン住宅などでも使用されています。
一方で、オーダーメイドのため費用はやや高額となっています。
価格 | オーダーメメイドのため、プランごとの価格設定は無し |
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特徴 | 設計の自由度が高い、出入り口を2か所設置可能、手すりの設置も可能(オプション) |
対応サイズ | 1116、1216、1317、1616、1620、1818 |
対応物件 | 戸建て、マンション |
③サンワカンパニー|バルネア
サンワカンパニーは、搬送・組み立て・設置を一貫して行う責任施工という販売システムを取っています。基本的には、東京・大阪・名古屋・仙台・福岡を中心とした地域限定での販売となります。その一方で、ネット販売(メーカー直販)の仕組みのため、相場と比較して費用を抑えられています。
サンワカンパニーは、おしゃれ置き型のハーフユニットバス「バルネア」を発売しています。バスタブは見た目が欧米式でありながら、排水が洗い場に流れない構造。使い勝手は日本人に配慮した商品となっています。壁と床は磁器タイルになっていおり、在来工法に近いスタイリッシュなデザイン。海外風の浴室にしたい方には特におすすめのハーフユニットバスです。
バスタブの形と床・壁の色はお好みのものからを選ぶことが可能です。バスタブはシンプルな「バルカ」と、細部のパーツデザインにこだわり美しい曲線美が特徴の「グルービーエイト」の2種類。床・壁は程よい華やかさを演出してくれる「アッシュグレー」をはじめとした3パターンの配色からお選びいただけます。
価格 | 約60万円~84万円 |
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特徴 | 置き型のバスタブ、バスタブの形状・床・壁の色を選べる |
対応サイズ | 1616 |
対応物件 | 戸建て、マンション |
ハーフユニットバスのリフォーム事例【おしゃれ】
最後に、おしゃれなハーフユニットバスにリフォームされた事例を4つご紹介します。
①ハーフユニットバスで木の香りが楽しめるお風呂を実現
こちらのお客様は、ハーフユニットバスの上部と天井にはサワラを使用。木材ならではの豊かな香りが浴室に広がりました。
檜風呂に憧れを持つ方も多くいらっしゃいますが、メンテンナンスが負担に感じ断念してしまう方も多いのが実情。そんな方には、ハーフユニットバスがおすすめです。浴槽や浴室の壁の下半分はメーカー指定の商品からしか選べないものの、上半分を木で仕上げることで雰囲気が出ますよ。
②ガラス張りで開放感を演出
壁面と浴室のドアをガラス張りにしたことで、開放感がうまれました。洗面所から見た浴室、浴室から見た洗面所、両者ともに奥行が出て、広く感じられますね。
壁はタイル、天井はヒバとそれぞれ異なる素材を使用し、おしゃれに仕上げています。
③ホテルのようなラグジュアリーバスルーム
こちらのお客様は2階にお風呂をつくるためデザインも自由なハーフユニットバスに。浴室の壁には黒のシックなタイルを選ぶことで、ゆったりとした高級感が溢れています。
ハーフユニットバスであれば窓を大きくすることで、光が差し込む開放感あふれる空間にできることもポイント。坪庭の眺めが楽しめて、外から入浴姿も見えない素敵な工夫です。
④石のタイルが生み出す特別感と温かさ
まるで北欧のサウナを思わせる、石のタイルを使った壁と木材の天井のハーフユニットバス。石のタイルはリゾート感を演出できるアイテムとしても人気です。
白めの石のタイルと明るめの木材の組み合わせと木材の窓枠が、照明の明かりを温かく感じさせますね。
ハーフユニットバスのメリット
ここからはハーフユニットバスの3つのメリットを解説します。
◆ハーフユニットバスのメリット◆
- 浴室のサイズに柔軟な対応ができる
- 在来工法よりもコストと時間を抑えられる
- デザインや設計の自由度が高い
浴室のサイズに柔軟な対応ができる
ハーフユニットバスは、壁の上部と天井を自由なデザインにできるのがメリットです。
そのため、天井に傾斜があったり、浴室の広さが足りなかったりして、ユニットバスの設置ができない浴室でも、ハーフユニットバスであれば設置可能な場合があります。
ハーフユニットバスの広さは、基本的に1坪や1.25坪となりますが、オーダーメイドも可能な場合があるため、
これまでユニットバスを導入できなかった方でも、まずは業者に相談してみましょう。
在来工法よりもコストと時間を抑えられる
ハーフユニットバスは、バスタブと洗い場、壁の下部分がセットになっていて、セット部分を現地で組み立てるだけとなっています。
そのため、ユニットバスよりもパーツの数が少なくコンパクトなため、搬入や設置もスムーズに行うことができます。
また、手のかかるデザイン部分も、壁の上部と天井だけのため、全体を在来工法で施工するよりも、短期間・低コストでの施工となります。
とはいえ、ユニットバスと比較すると、1.2倍〜1.5倍の費用がかかります。
自分の理想の浴室とコスト、スケジュールとのバランスを考えた上で、ユニットバス・ハーフユニットバス・在来工法のどのタイプの浴室にするかを決めましょう。
デザインや設計の自由度が高い
ハーフユニットバスは、壁の上部と天井を好きな素材やデザインにすることができます。
窓の大きさや位置、棚や鏡の配置なども含めて、自由に選択できることから、デザインにこだわりたい方に適した浴室となっています。また、浴槽やドア、窓の位置を自由に決められる商品もあるため、入浴介助が必要な場合など、バリアフリーを導入してユニバーサルデザインにすることも可能です。
介護・育児・リラックスなど、浴室の使用スタイルによってデザインも変わってくるので、業者と相談して決めることをおすすめします。
ハーフユニットバスのデメリット
ユニットバスと在来工法の両方のメリットを採用しているハーフユニットバスにも、事前に知っておきたいデメリットが存在します。具体的には次の3点です。
◆ハーフユニットバスのデメリット◆
- 製造しているメーカーが少ない
- こだわりすぎると施工費用が高くなる
- 防水性がユニットバスよりも低い
製造しているメーカーが少ない
ハーフユニットバスは、ユニットバスと比較すると、浴室タイプの主流ではないため、製造しているメーカーが少ないというデメリットがあります。
メーカーは少ないですが、TOTOと日比野化学工業株式会社のハーフユニットバスが品質も良く人気となっているので、後述するハーフユニットバスのおすすめメーカー・商品を参考にしてみてください。
こだわりすぎると施工費用が高くなる
ハーフユニットバスは、ユニットバスに比べるとデザインの自由度が高いため、その分、1.5倍以上の施工費用がかかってしまいます。
壁の上部と天井を自由に選択でき、オプションのパーツも豊富にあることが理由ですが、こだわりすぎると、施工費用が予算を大きくオーバーしてしまうことになります。
そのため、あらかじめ予算を決めてから、その範囲で必要なデザインや機能を取捨選択しましょう。
また、浴室の形が変わっている場合なども、予算より高額になってしまう可能性が高いため、見積もりの際には業者にしっかり確認することをおすすめします。
防水性がユニットバスよりも低い
ハーフユニットバスは、浴室全体が一体となっているユニットバスに比べると、防水性が劣ります。
そのためリフォーム施工会社の方で、天井や壁の裏側などに防水処理を施すことが必要となります。
また、壁が一体型ではなく、ユニットの部分の下壁と在来工法の部分の上壁に別れているため、水が他の部分に漏れ出ることを防ぐ「水仕舞(みずしまい)」と呼ばれるつなぎ目の防水対策も必要です。
この防水対策の施工が不十分だと、腐食したりシロアリが発生したりすることもあります。
施工会社の技術力が重要になるため、ハーフユニットバスの施工実績がある業者に依頼することをおすすめします。
ハーフユニットバスの費用相場
ハーフユニットバスの施工費用については、主に本体価格と工事費用が発生し、合わせて、50万円〜200万円程度となります。
◆ハーフユニットバスの費用内訳◆
- ハーフユニットバスの本体代金
- ハーフユニットバスの設置工事費
- 浴室のドア設置費
- 壁のパネル施工費
- シャワー・水栓取付工事費
- その他の雑工事費
ただし、浴槽の種類や、壁や天井の素材やデザインによって、費用は大きく変動するため、正確な見積りが必要な場合は、業者に依頼して取り寄せることをおすすめします。
費用を抑えたハーフユニットバスで理想の浴室にリフォームしよう
本記事では、ハーフユニットバス・ユニットバス・在来工法のそれぞれの違いから、費用相場やおすすめのメーカー、ハーフユニットバスのメリット・デメリットを解説しました。
自分の好みのデザインを実現しつつ、予算に合った浴室が欲しい場合は、ハーフユニットバスがおすすめです。
費用は50万円~200万円程度が目安ですが、予算を決めて、その範囲内で実現できることを取捨選択すれば、費用を抑えることもできます。もちろん、細部にこだわるほど費用は高くなります。
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