FRP浴槽とは?メリット・デメリットと補修・塗装・交換に必要な費用を解説

  • 【更新日】2023-12-11
FRP浴槽とは?メリット・デメリットと補修・塗装・交換に必要な費用を解説

FRP浴槽は、ユニットバス向けの浴槽として広く普及しています。名称に馴染みがなくても、ワンルームアパートやホテルのユニットバスなどで使用したことがある方も多いでしょう。

本記事では、FRP浴槽へのリフォームを検討されている方に向けて

  • FRP浴槽の特徴とメリット・デメリット
  • FRP浴槽の交換のタイミング
  • 補修・リフォーム費用

といった気になる疑問点にお答えします。ぜひ最後までご覧ください。

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FRP浴槽の寿命・交換タイミングの目安とは?

FRP浴槽に限らず、水回りで使用する浴槽には耐用年数の目安があります。ここでは、FRP浴槽の寿命と、交換・リフォームを検討すべきタイミングを紹介します。

FRP浴槽の寿命は10年〜20年程度

​​FRP浴槽の寿命は、一般的に10年〜20年程度です。軽量で耐久性のあるFRP浴槽でも、温度変化により膨張と収縮を繰り返すことで、少しずつ劣化していきます。

寿命が近づくと、膨張したまま戻らなくなり、浴槽が変形する場合もあります。

また、人が入浴することで荷重がかかり、小さなひび割れ(クラック)の原因にも。ひび割れた箇所に重いものを落とすと穴が空いてしまうケースなどもあります。

FRP浴槽の交換を検討すべきタイミング

浴槽に以下のようなサイン・状況の場合、交換を前向きに検討すべき時期です。

◆FRP浴槽の交換を考えるチェックリスト◆

  • 20年以上同じ浴槽を使い続けている
  • 浴槽と壁の間にすき間が生じている
  • 取れないカビにより腐食が進んでいる
  • 大きなひび割れや傷がある

こういった状態を放置することで漏水のリスクも高まるため、早めに交換することをおすすめします。

FRPライニングで補修できる可能性も

FRP浴槽にひび割れが入ってしまった場合、FRPライニングという補修方法により寿命を延ばすことが可能です。

FRPライニングは、浴槽の傷んだ箇所にFRP素材の薄膜を当てて液状の樹脂を上から塗り込み、新しい層を合着させる方法です。

表面が新品同様に回復することから、浴槽を交換せずに使い続けることが可能です。ただし補修費用は割高になるため、浴室全体のリフォームを検討している場合には、浴槽も交換するなどリフォーム内容や見積もり費用によって決めましょう。

 

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FRP浴槽の特徴とは?

FRPとは?

FRP(繊維強化プラスチック)とは「Fiber Reinforced Plastic」の頭文字を取った言葉で、繊維(Fiber)で強化(Reinforced)されたプラスチック(Plastic)を意味しています。
「ポリバス」とも呼ばれるFRP浴槽は、強度の高いガラス繊維とプラスチック素材(ポリエステル樹脂)を組み合わせることにより、軽量かつ強度があります。

現在では浴槽の素材として最も広く普及しており、浴槽のほかにも車の車体に使われたり、スキー用品・ヘルメットなどにもFRP素材が使用されています。

防水性が高く、軽くて丈夫

FRPは航空機用に開発された素材であり、防水性と強度に優れています。ヨットの船体やプールだけでなく、防水リフォームにも使われるほどです。
重量の点でも、100kgを越えることもあるホーロー浴槽と比べるとFRP浴槽は非常に軽量であるため、戸建ての2階に浴室を作る際にもよく使用されます。

塗装でコーティングされている

FRP浴槽は、繊維強化プラスチックの基盤に塗料をコーティングさせることで、強度をさらにアップさせ表面を滑らかに美しくしています。
表面が塗装されているので、色褪せたり、髪の毛のように細い傷がたくさんできても、先ほどの解説にもある「FRPライニング」という方法で補修が可能です。

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FRP浴槽のメリット

FRP浴槽のメリットは他の素材と比較するとよくわかります。

形状 特徴
FRP浴槽
  • 強化繊維プラスチック素材
  • 安価で最もスタンダード
ステンレス浴槽
  • 耐久性が高いステンレス素材
  • 在来浴室でよく使われている
人工大理石浴槽
  • ポリエステル・アクリル樹脂素材
  • 大理石のような美しさ
人造大理石浴槽
  • 天然の大理石を含んだ素材
  • 見た目に高級感があり、肌触りも良い
ホーロー浴槽
  • 熱伝導率が高いホーロー素材
  • 高価でキズがつきにくい
木製浴槽
  • 独特の香りが楽しめる木の素材
  • 経年劣化しても味が出る

上記のように、浴槽には様々な種類がありますが、FRP浴槽にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

◆FRP浴槽のメリット◆

  • 値段が安い
  • 機能・形状・色のバリエーションが豊富
  • サビが発生しない
  • 補修がしやすく長く使える
  • オプションを後付けしやすい

それぞれ解説していきます。

値段が安い

ユニットバス向けの浴槽として最も普及しているFRP浴槽は、大量生産が可能なため製造コストが低いことから、本体価格の安価な点がメリットです。

安いものであれば2〜3万円程度で購入できる製品もあり、追い焚き機能やジェットバス、バブルバスなどのオプションを追加しやすい点も魅力です。

機能・形状・色のバリエーションが豊富

FRP浴槽は安価で加工も容易なことから、メーカーによって機能や形状、色にさまざまなバリエーションがあります。

腰掛けスペースや手すり、段差が設けられている浴槽も多く、小さなお子さんや高齢の家族がいる家庭で重宝するでしょう。ストレート型・ワイド型・たまご型など、浴槽の形状の種類も豊富で、ライフスタイルに合わせた形を選択できるのも魅力です。

汚れが目立ちにくい色や、高級感を演出できる色も選べるため、浴室のデザイン性にこだわる方にとってもメリットとなります。

サビが発生しない

ホーローやステンレスの浴槽は金属でできているため、メンテナンスを怠るとサビが進行してまいます。一方でFRP浴槽はプラスチックの一種のため、サビが発生しません。

補修がしやすく長く使える

FRP浴槽は本体価格が安いだけではなく、長期的なランニングコストも抑えられる傾向にあります。FRP浴槽も他の素材と同様に使い続けると経年劣化が発生しますが、劣化するのは表面の塗装であることが多いため、適切なメンテナンスを行えば交換・リフォームの回数を抑えることができます。

細かな傷であれば再塗装を行ったり、深い傷であっても「FRPライニング」という補修を行えば、新品同様に保つことができます。

また、ステンレスなどの金属素材などと比較すると、サビることもなく手入れがしやすいメリットもあります。

オプションを後付けしやすい

金属素材でできているステンレス浴槽や、加工に専門技術を必要とするホーロー浴槽と比べると、FRP浴槽は設置後の加工にも対応しやすいメリットがあります。

たとえば、追い焚き機能やジェットバス・バブルバス用の穴をあける場合にも、FPR浴槽であれば対応可能な施工会社は多くあります

家族構成やライフスタイルの変化で浴室機能を後付けしたくなった際にも、柔軟に対応できる点は大きなメリットといえるでしょう。

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FRP浴槽のデメリット

FRP浴槽のデメリットには、次の3つが挙げられます。

◆FRP浴槽のデメリット◆

  • 汚れやすい・汚れが目立ちやすい
  • 他の素材と比べて質感が劣る
  • 耐久性がやや低い

それぞれのデメリットと注意点を詳しく解説します。

汚れやすい・汚れが目立ちやすい

FRP浴槽は、表面の塗装部分に汚れが溜まりやすく、経年劣化によるシミや色褪せが目立ちやすいデメリットがあります。多くのFRP浴槽はホワイト系の明るい色のものが多いため、着色汚れが目立つと不衛生な印象となります。

再塗装によって回復は可能ですが、もし新品に交換する際には、汚れを防止するコーティングを依頼することをおすすめします。

また、グレードの高いFRP浴槽の中には、汚れにくい加工を施した製品もあるため、予算に合わせて防汚性・清掃性の高い浴槽を選ぶと良いでしょう。

他の素材と比べて質感が劣る

人造(人工)大理石やホーロー製の浴槽と比べると、FRP浴槽は質感やデザイン性が劣る点もデメリットです。主な原料がプラスチックのため、安っぽい印象を受けることも考えられます。

またガラス質でコーティングをしたホーロー浴槽と比較すると、肌触りのなめらかさも大きく異なります。そのため、メーカーのショールームに足を運び、素材ごとにどのような違いがあるのかを、実際に確認しておきましょう。

耐久性がやや低い

ステンレスやホーローなど、金属素材を使用した浴槽と比較すると、プラスチック製の​​FRP浴槽は耐久性がやや劣ります

10年、20年の長い目で比較すると、FRP浴槽はステンレスやホーローの浴槽よりも、劣化が進む可能性が高いです。ただし20年も経過すればどの素材でも劣化は進むため、丁寧にメンテナンスをしていれば、それほど気にならないデメリットでもあるでしょう。

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FRP浴槽の補修(FRPライニング)の費用

FRP浴槽の塗装の剥がれを補修する場合、浴槽全体の再塗装で10万円程度、ひび割れの補修を行う場合には4万円以上の費用が目安となります。

ひび割れた箇所のみ、または浴槽のみの補修だと、浴室全体でその部分だけが目立ってしまうため、もし可能であれば、浴室全体の再塗装を行うのがおすすめです。

FRP浴槽をDIYで補修するのは難しい

DIYに慣れている方であれば、自分でFRP浴槽の補修をしようと考えることもあるでしょう。しかし一般に売られている補修用の塗料を使う場合、1年程度で劣化して剥がれてしまう可能性があります。

また、ムラなくきれいに仕上げるためには専門家の技術が必要となるため、DIYでは見た目や肌触りが悪化することも考えられます。

FRP浴槽の塗装では、一度乾燥させてから上塗りをする工程も発生するため、プロの施工会社に依頼する方が安心です。

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FRP浴槽の交換・リフォーム費用

FRP浴槽を新品に交換する場合、FRP浴槽の本体価格だけで1〜35万円程度の費用となります。ここに4万円〜20万円程度の工事費もかかるため、工事内容によっては5万円〜55万円ほどとなります。

本体のグレードや工事内容によって施工費が変わるため、具体的な金額についてはリフォーム会社から見積もりを取り寄せて確認しましょう。

浴室全体のリフォームも要検討

FRP浴槽の劣化に合わせて浴室全体のリフォームを検討する場合、費用の相場は60万円〜150万円程度となっています。

浴室全体のリフォームでは、解体工事や電気工事が必要となるケースもあるため、予算内で収まる工事内容をリフォーム会社と相談すると良いでしょう。

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FRP浴槽のまとめ

FRP浴槽の耐用年数は10年〜20年ですが、表面の再塗装やFRPライニングによって補修をすることで、新品同様に回復させることも可能です。

補修の場合は交換・リフォームよりも費用を抑えられる可能性も高いため、一度リフォーム会社に現地調査を依頼して、どのような工事が必要か見積もりを依頼すると良いでしょう。

失敗しないリフォームのパートナー選びの際には、ぜひヌリカエの無料相談サービス もご利用ください。ご自身の条件・予算に合った複数のリフォーム会社を、比較・検討しながら選ぶことが可能です。登録・見積もりは無料のため、気軽に使ってみてはいかがでしょうか。

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