こどもエコすまい支援事業とは?申請条件・補助金額・募集状況をやさしく解説

  • 【更新日】2023-12-08
こどもエコすまい支援事業とは?

「こどもエコすまい支援事業」とは、2023年3月31日から始まった、運営する住宅の新築やリフォームに対して支給される公的な補助金制度です。

本記事では、こどもエコすまい支援事業の補助金が受け取れる条件や、支給金額の決まり方について、分かりやすく解説いたします。

「現在申請できるリフォーム補助金」については、下記の記事もご覧ください。

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執筆者:宅建士・FP技能士 澤﨑勝彦

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士(東京都登録)。
外壁塗装・リフォーム・補助金制度の解説を中心にこれまで400本以上の記事を執筆編集。

▼略歴・プロフィール
「監修者|澤﨑勝彦(株式会社Speee)」

こどもエコすまい支援事業とは

「こどもエコすまい支援事業」とは、省エネ・環境配慮型住宅の普及を目的に国土交通省が実施している事業です。

子育て世帯が省エネ性能の高い住宅を新築したり、省エネ性能を高める住宅リフォームをした場合に、補助金が受け取れます。
支給金額は、新築で最大100万円、リフォームでは最大60万円です。

本記事では、主にリフォームをお考えの方向けに解説を行います。

こどもエコすまい支援事業の概要

補助対象工事
  • 窓、外壁、屋根、天井などの断熱改修
  • エコ住宅設備の設置
  • 上記2つと同時に行うバリアフリー、子育て対応、防災化工事 等
補助金額
  • 工事内容・規模に応じた一定額を支給
  • 例として内窓・外窓の設置が1箇所あたり15,000円~31,000円外壁の断熱が56,000円~151,000円屋根・天井の断熱が20,000円~54,000円太陽熱利用システムの設置が1戸あたり27,000円
  • リフォームの場合、1戸あたりの補助金額は30~60万円が上限
募集期間
  • 2023年3月31日~2023年12月31日予算上限に達し次第終了
  • 6月7日時点の予算消化率は49%。残り51%
公式サイト 国土交通省「こどもエコすまい支援事業

こどもエコすまい支援事業は、本事業に登録しているリフォーム業者と契約をして、既存住宅の断熱改修や子育てをしやすくするリフォーム等を行った場合に、工事内容に応じた補助金が支給される制度です。

次章から、条件や金額をより具体的に説明していきます。

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リフォームで補助金を受け取るための条件

おもな3つの条件
  • こどもエコすまい支援事業の登録事業者と工事契約をすること
  • 断熱改修、省エネ・創エネ設備の設置等のエコリフォームを行うこと
  • 2022年11月8日から交付申請の間に着工すること

こどもエコすまい支援事業の補助金が受け取れるかどうかは、おもに「施工業者」「リフォーム工事の内容」「着工日」の3つによって決まります。

それぞれを見ていきましょう。

補助対象の業者

契約してリフォーム業者を行う業者が「こどもエコすまい支援事業者」であることが条件です。

業者が支援事業者であるかどうかは、公式サイトの補助金利用を相談できる事業者の検索から調べることができます。

補助対象の工事

以下の8種類のリフォーム工事が対象です。

  • ① 開口部(窓、扉など)の断熱改修
  • ② 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
  • ③ エコ住宅設備の設置
  • ④ 子育て対応改修
  • ⑤ 防災性向上改修
  • ⑥バリアフリー改修
  • ⑦ 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
  • ⑧ リフォーム瑕疵保険等への加入


ただし、④~⑧の工事はそれ単独では対象にならず、①~③のいずれかと同時に行う必要があります。

対象外の工事の例

ただし、以下に当てはまるリフォーム工事は補助の対象外です。

  • 中古品やリース品の設置
  • エネファームの設置
  • 太陽光発電設備の設置
  • 屋外の手すり設置・段差解消
  • 外気に面していない窓やガラス、ドアの工事
  • 設備を施主支給する工事 など

補助対象の期間

工事の着工日が、2022年11月8日から交付申請までの間である必要があります。
また、遅くとも2023年12月31日までに着工する必要があります。

工事の契約日は問われません。

以上3つの条件に加えて、申請者がリフォームする住宅の所有者であることも条件です。

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こどもエコすまい支援事業の補助金額

こどもエコすまい支援事業で受け取れる補助金の額は、工事ごとに決められた額の合計で決まります。

支給額には上限が決まっており、1戸あたり最大30万円です。
ただしこの上限は、世帯構成によっては最大60万円まで引き上げられます。

補助対象の工事と金額

対象のリフォーム工事は、条件にある①~⑧のグループに準じます。
それぞれ、具体的な工事や規模によって、何通りか補助金額が決められています。

①開口部の断熱改修

「開口部の断熱改修」に当てはまる工事は大きく分けて3種類です。

  • 窓ガラスの交換:1枚あたり3,000円~12,000円
  • 内窓・外窓の設置:1箇所あたり15,000円~31,000円
  • ドアの交換:1箇所あたり30,000円~45,000円

実際の細かい規定を以下の表にまとめました。

工事内容 補助金額
窓ガラスの交換
  • 1.4㎡以上:9,000~12,000円/枚
  • 0.8㎡以上1.4㎡未満:6,000~9,000円/枚
  • 0.1㎡以上0.8㎡未満:3,000円/枚
内窓の設置
  • 2.8㎡以上:23,000~31,000円/箇所
  • 1.6㎡以上2.8㎡未満:18,000~24,000円/箇所
  • 0.2㎡以上1.6㎡未満:15,000~20,000円/箇所
外窓の交換
ドアの交換
  • 1.8㎡以上の開き戸:34,000~45,000円/箇所
  • 1.0㎡以上1.8㎡未満の開き戸:30,000~40,000円/箇所
  • 3.0㎡以上の引き戸:34,000~45,000円/箇所
  • 1.0㎡以上3.0㎡未満の開戸:30,000~40,000円/箇所

②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修

「外壁、屋根・天井又は床の断熱改修」に当てはまる工事は大きく分けて3種類です。

  • 外壁の断熱:56,000円~151,000円
  • 屋根・天井の断熱:20,000円~54,000円
  • 床の断熱:34,000円~92,000円

補助金額は工事が全体断熱か部分断熱かによって大きく左右されます。
より細かい規定は以下の表のとおりです。

工事箇所 補助金額
外壁
  • 全体断熱:112,000~151,0100円
  • 部分断熱:56,000~75,000円
屋根・天井
  • 全体断熱:40,000~54,000円
  • 部分断熱:20,000~27,000円
  • 全体断熱:69,000~92,000円
  • 部分断熱:34,000円~46,000
  • 基礎の全体断熱:69,000~92,000円
  • 基礎の部分断熱:34,000~46,000円

③エコ住宅設備の設置

「エコ住宅設備の設置」に当てはまる工事は大きく分けて6種類です。

  • 太陽熱利用システムの設置:1戸あたり27,000円
  • 高断熱浴槽の設置:1戸あたり27,000円
  • 高効率給湯器の設置:1戸あたり27,000円
  • 蓄電池の設置:1戸あたり64,000円
  • 節水型トイレの設置:1戸あたり19,000円~20,000円
  • 節湯水栓の設置:1戸あたり5,000円

④子育て対応改修

「子育て対応改修」に当てはまる工事は大きく分けて4種類です。

  • 家事負担軽減の設備:1設備あたり11,000円~21,000円
  • 防犯性向上:1箇所あたり20,000円~49,000円
  • 低騒音化:1箇所あたり3,000円~34,000円
  • 対面キッチン化:89,000円(設備も変えること)

細かい規定は以下のとおりです。

工事内容 補助金額
家事負担軽減の設備
  • ビルトイン食器洗機:21,000円
  • 掃除しやすいレンジフード:11,000円
  • ビルトイン自動調理対応コンロ:14,000円
  • 浴室乾燥機:21,000円
  • 宅配ボックス:11,000円
防犯性向上
  • 外窓交換:20,000~34,000円/箇所
  • ドア交換:35,000~49,000円/箇所
低騒音化
  • ガラス交換:3,000~9,000円/枚
  • 内窓設置・外窓交換:15,000~23,000円
  • ドア交換:30,000~34,000円
対面キッチン化
  • 設備交換+対面化改修:89,000円
  • 既存設備の移動のみ:対象外

⑤防災性向上改修

「防災性向上改修」に当てはまる工事は割れにくい窓への交換です。

ガラスを割れにくいものへ交換した場合は1枚あたり6,000円~15,000円、外窓を交換した場合は1箇所あたり15,000円~37,000円が補助されます。

⑥バリアフリー改修

「バリアフリー改修」に当てはまる工事は大きく分けて4種類です。

  • 手すり設置:1戸あたり5,000円
  • 段差解消:1戸あたり6,000円
  • 廊下等の拡張:1戸あたり28,000円
  • 緩衝畳の設置:1戸あたり17,000円

⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置

「空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置」をした場合の補助額は設置したエアコンの消費電力によって3段階に変わります。

  • 3.6kW 以上:1台あたり25,000円
  • 2.2kW超~3.6kW未満:1台あたり22,000円
  • 2.2kW 以下:1台あたり19,000円

⑧リフォーム瑕疵保険等への加入

リフォーム瑕疵保険に加入費を支払った場合、1契約あたり7,000円が補助されます。


こどもエコすまい支援事業の補助金は、以上の工事内容による計上金額の合計が5万円以上となった場合に受け取ることができます。

補助上限の引き上げ条件

申請者が子育て世帯・若者夫婦世帯である場合や、居住のために既存(中古)住宅の購入と同時に行うリフォームである場合は、上限補助額が通常の30万円から45~60万円に引き上げられます。

申請者のパターンと上限補助額は以下の4通りです。

子育て・若者夫婦世帯 既存住宅購入 上限補助額
当てはまる 当てはまる 60万円
当てはまる 非該当 45万円
非該当 当てはまる
※安心R住宅のみ
45万円
非該当 非該当 30万円
こどもエコすまい支援事業における「子育て世帯」とは、申請時点で2004年4月2日以降に生まれた子がいる世帯です。同じく「若者夫婦世帯」とは、夫婦いずれかが1982年4月2日以降に生まれた世帯を言います。
以下のすべてを満たす場合、既存住宅の購入と同時のリフォームと認められます。
  • 売買契約締が2022年11月8日以降
  • 売買契約締結時点で建物が築1年以上
  • 売買代金が100万円(税込)以上
  • リフォーム工事の契約が売買契約から3ヶ月以内
  • 申請時点が子育て・若者夫婦世帯出ない場合、住宅が「安心R住宅」である

こどもエコすまい支援事業の申請期間

こどもエコすまい支援事業の補助金を申請した場合、2023年3月31日~2023年12月31日の間に手続きをする必要があります。

なお予算上限に達した場合は、この期間より早く受付が終了する可能性があります。
ちなみに2023年5月26日時点の予算消化率は42%で、申請期間終了を待たずに受付を締め切る可能性が高いでしょう。

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まとめ

以上、こどもエコすまい支援事業の補助金支給条件や金額の決まり方などについて解説しました。

“こども”エコすまい支援事業といっても、必ずしも子どものいる世帯である必要はないのがポイントです。

住宅リフォームの費用を上手に抑えるには、本制度のような公的補助金の活用がおすすめです。
リフォームで利用できる制度は多く、積極的に活用することで費用の負担を大きく抑えられます。

いま現在で申請できる他のリフォーム補助金制度を知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

制度ごとの適用条件や申請方法を確認し、ポイントを守って確実に補助金を利用しましょう。

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