「そろそろリフォームしたいな」と検討されている人の中には「リフォームって住みながらできるの?」「リフォーム中ってどこにいればいいの?」と疑問を持たれる方も多いと思います。
結論、住みながらでもリフォームすることは可能です。本記事では住みながらリフォームできる範囲や注意点を解説します。また、後半では仮住まいをしながらリフォームするケースについてもあわせて紹介。工事の内容に合わせて適切な行動を取れるようになります。
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【結論】住みながらでもできるリフォームは6つ
結論から言うと、自宅に住みながらでもリフォームはできます。ここでは、仮住まいに移ることなくできるリフォームと目安となる工事期間を紹介します。
- 壁紙の張替えや床の張替え
- キッチンの交換
- 浴室の設備交換やグレードアップ
- トイレや洗面所の設備交換
- 屋根や外壁のリフォーム
- エクステリア
①壁紙の張替えや床の張替え
経年劣化する壁紙や床材の張替えは、2日〜4日程度で終わります。そのため、住みながらでも十分にリフォーム可能です。
②キッチンの交換
システムキッチンも経年劣化によって入れ替えの必要があります。また、リフォームを機にキッチンを移動させたり、レイアウトを変更する家庭も多くあります。
キッチンの入れ替えだけであれば1週間程度で終わります。しかし、移動させたりレイアウトを変更する場合は、配管等の関係もあるため1ヶ月程度が目安です。
③浴室の設備交換やグレードアップ
浴室の場合は、昔ながらのタイル素材からユニットバスへのリフォームで1週間程度が工事の目安となります。ユニットバスの交換だけであれば1日〜2日で工事が終了します。
④トイレや洗面所の設備交換
トイレや洗面所の交換は、本体の取り替えだけであれば半日程度で終了します。しかし、トイレを和式から洋式にリフォームする場合は配管工事や電気工事も必要なため、1週間程度を目安としましょう。
⑤屋根や外壁のリフォーム
外壁塗装と屋根塗装は経年劣化とともに必ず実施したいリフォームです。外壁塗装だけであれば1週間程度で終了しますが、屋根塗装も合わさると2週間程度の期間を要します。
「壁を塗るだけでは?」と思いますが、外壁の塗装は多くの工程を経て仕上がります。足場を組んだり、苔や汚れを落としたりと様々な作業が含まれるため、住みながらできるリフォームの中でも比較的長期間の工事です。
⑥エクステリア
家の外回りを意味するエクステリアのリフォーム工事には下記のものがあります。
- 門扉・門柱
- 塀
- アプローチ
- カーポートやガレージ
- ウッドデッキやサンルーム
どの工事を行うかによって期間は大幅に変動するため、数日から1ヶ月程度と大きく振れます。また、季節によっては施工できないものもあります。カーポートのためのコンクリートなどは雪や低温下では施工できないため、雪国では春まで伸びることも。
エクステリアのリフォームは住みながら進めやすい工事ですが、事前の工期確認やタイミングが大切です。
あなたはどっち?住みながらのリフォームは向き不向きがある
住みながらできるリフォームは多くありますが、人によっては不向きな場合もあります。ここでは、住みながらリフォームに向いている人と向いていない人の特徴を解説します。
住みながらリフォームに向いている人
住みながらリフォームがおすすめの人は下記の通りです。
住みながらリフォームに向いている人
- 費用を少しでもおさえたい人
- 日中の騒音や振動が気にならない(関わらない人)
仮住まいに引っ越してリフォームすると、ウィークリーマンションやホテルの宿泊費が発生します。実際に1Kのウィークリーマンションを1週間借りると、東京都内では55,000円程度かかります。さらに家族で滞在するとなるとより出費がかさみます。
しかし、少しの不便を我慢して自宅に住みながらリフォームすると、上記の費用を削減できます。仮に負担が増えるとしたら、キッチンの工事中に必要となる飲食代や浴室の工事中の銭湯代が挙げられます。
しかし、飲食代も銭湯代も宿泊費用に比べると安価です。そのため、住みながらのリフォームは費用をおさえてリフォームをしたい人におすすめです。
また、日中は仕事で家にいなかったり、騒音や人の出入りが気にならない場合も住みながらのリフォームがおすすめです。リフォームで感じるストレスのほとんどが工事の騒音や振動、人の出入りです。そのため、工事をする昼間に自宅にいない場合はあまり不便を感じません。
住みながらリフォームに向いていない人
一方で、下記の条件に当てはまる人は住みながらのリフォームに適していないと言えます。
住みながらリフォームに向いていない人
- アレルギー体質の人
- 人に気をつかってしまう人
- 小さな子どもがいる家庭
工事中はどんなに養生してあったとしても粉塵が舞います。そのため、ホコリアレルギーや気管支が弱い方は体調を崩す可能性があります。
また、頻繁に人が出入りするため気疲れする可能性もあります。さらに、小さな子どもがいる家庭の場合はおいてある機材を触ってしまったり、危険な現場に立ち入ってしまうことも考えられます。
住みながらリフォームの注意点は5つ
住みながらのリフォームは費用面や効率面でメリットが豊富です。しかし、あらかじめ知っておきたい注意点もあるため、ここで確認しておきましょう。
①騒音でストレスを感じる
工事中は機材を使う音や人の出入りなど騒音が発生します。とくに、エクステリアや外壁工事の場合は、日中に大きな音を聞きながら過ごすことになります。そのため、夜勤をしている方や小さな子どもがいる方は騒音にストレスを感じる可能性があります。その場合は、仮住まいを検討しましょう。
②人の出入りにストレスを感じる
工事中は業者の出入りが盛んです。内容によりますが、複数人が家を出入りすることになります。そのため、常に人の気配を感じて「自分の思うように生活ができない」と感じることがあります。人がいることで身体が休まらない方は仮住まいがおすすめです。
③粉塵による健康への被害
工事中はあちこちで粉塵が舞います。各業者は工事の際に養生したり整理整頓を心がけてきれいな現場づくりに努めています。しかし、アレルギー体質の方や、敏感な方の場合は呼吸器官に影響が出たり体調不良に陥る可能性も。粉塵による体調不安を抱える場合は、リフォームの間だけ仮住まいを確保することもおすすめです。
④水回りが使えず不便さを感じる
キッチンやトイレ・浴槽など水回りのリフォームの場合は工事中は使用不可能です。とくに、キッチンが使えない場合は外食になったりテイクアウトで済ませたりと不便を感じます。
トイレや浴槽は1日で工事が終わることがほとんどですが、まれに2〜3日かかるケースもあります。その場合は、銭湯に行ったり仮設トイレを使うことになるためストレスを感じる可能性があります。
⑤荷物の移動に手間がかかる
住みながらリフォームの場合は、本格的な引っ越しの必要はありません。しかし、工事を行う場所の荷物や家具を移動させるため、少し手間がかかります。移動にかける時間はもちろん、荷物の一時保管場所の確保も必要なため、事前の段取りが欠かせません。
住みながらリフォームする際の段取りを確認!
住みながらのリフォームの場合は、荷物の移動や家族の理解を得る必要があります。そのためには、リフォームの流れを知っておくことが大切です。ここからは、リフォームの流れを紹介します。
リフォーム会社が率先して進めてくれますが、自分でもあらかじめ動きを把握し、見通しを持って準備を進めましょう。
STEP1:工期の確認
リフォーム範囲や設備を決定し契約を済ませたら、工期を確認します。着工・完成日はもちろん、工事をする時間や曜日を確認しておきましょう。
また、天候によって工事が延びる可能性についても事前に聞いておきましょう。遅れることを想定して計画を組んでおくと精神的にゆとりを持ってリフォームに臨めます。
STEP2:水回りの利用について確認
キッチンや浴室をリフォームする場合はどの程度使用できるかを確認しておきます。また、トイレの工事がある場合は、仮設トイレの貸出についても確認します。
STEP3:工事に関する注意事項を共有
工事に関するさまざまな注意事項を明確にします。工期が延びた場合の対応や、リフォーム中の現場への立ち入り可否などを確認します。また、リフォームに際して荷物や家具の移動が必要な場合もここで確認しておきます。
STEP4:工事中は「無理なく不安なく」を意識
実際に工事が始まったら、時間がある時に現場を確認します。疑問を感じたり、不安をおぼえた場合はリフォーム会社の担当者や作業者に随時確認しておきましょう。
STEP5:完成
リフォームが完了したら、仕上がりを確認します。また、今後のメンテナンス方法や点検時期についてもチェックしておきましょう。
住みながらのリフォームにストレスを感じた時の対処法
短期間で終わるリフォームの場合は、住みながらの工事が可能です。しかし、ストレスを感じたときは早めに対処することが大切です。
ここでは、住みながらのリフォームにストレスを感じた時の対処法を3つ紹介します。
ホテルやウィークリーマンションを検討
工事を始める前までは「騒音なんて大丈夫」と思っていても、工事が進むにつれて「辛いな」と感じることがあります。その場合は、ホテルやウィークリーマンションで過ごすことがおすすめです。
工事は基本的に日中のため、働きに出ている場合はあまり負担がありません。しかし、 夜勤のある人や在宅ワークで日中家に滞在する場合は、ホテルやウィークリーマンションの利用を検討しましょう。
ウィークリーマンションであれば、家具家電など必要なものがすべて揃っています。そのため効率的にスポットで滞在することができます。
子どもがいる場合は実家や親戚宅を検討
小さな子どもがいる場合は、ホテルなどの新しい環境に適応させるのも大変です。その場合は、実家や親戚宅にお願いしてみましょう。
とくに、小さな子どもがいる場合は注意していても入ってしまったり工具に触ってしまう可能性も。また外壁で足場を組んでいる場合は、興味が湧いて近づいてしまったり思わぬ事故の原因になる可能性があります。
そのため、小さな子どもがいる場合は実家を頼ったり親戚宅を頼ることもおすすめです。
「土日だけ」「平日だけ」自宅に滞在する
住みながらのリフォームでも、休日もしくは平日だけ自宅に滞在するという方法があります。「平日はリフォーム中でゆっくり休養できないからホテル住まいで。休日は自宅で」と、仕事や学業に配慮してホテルに滞在する人もいます。
住みながらリフォームのFAQ
最後に、ここではリフォームに関するよくある質問を紹介します。
業者への差し入れはどうしたらいい?
業者への差し入れは、あくまで「気持ち」です。そのため、差し入れ可能な場合は持っていくという程度で構いません。
もし、差し入れをおこなう場合はタイミングと持参品に注意が必要です。工事の業者は12時のお昼休憩のほか、10時と15時に軽い休憩をとります。そのタイミングで持っていくとより親切です。しかし、時間が合わないときは「ここにおいていきますね」と声掛けして、作業の邪魔にならない箇所においておきましょう。
また、夏場に腐りやすいものを持っていくと食中毒などの原因になります。そのため、持っていくものは、お茶やスポーツドリンクがおすすめです。反対に、冬場は温かい飲み物を持参すると喜ばれます。
工事の中で気になる点があるけど、聞くのは迷惑?
工事で気になる点がある場合は、抱え込まず都度確認しましょう。
とくに住みながらのリフォームの場合は、作業内容を見るタイミングが多くあるため、気になる点がよく目に付きます。その場合は、作業の邪魔にならないタイミングで確認しましょう。
機材を使っている間の声掛けは事故やトラブルの元となります。そのため、安全なタイミングで「この箇所のキズは消えるのか」「この部分の塗装が浮き出ているんだけど」と気になる点を伝えましょう。
自宅のトイレを業者に使ってほしくないんだけど…
自宅のトイレを使ってほしくない場合は、リフォームの打ち合わせの際に担当者に伝えておきましょう。担当者から業者に連絡事項として伝えてもらえます。
また、業者によってはトイレを外で済ませるきまりを設けていたり、長期になる場合は仮設トイレを用意することも。自宅のトイレを使ってほしくない場合は遠慮なく伝えましょう。
住みながらのリフォームは不安や疑問を解消してから行いましょう!
キッチンや浴室、エクステリアなど、自宅に住みながらリフォームできる箇所は多くあります。しかし、人によってはストレスを感じたり、アレルギーで体調を崩してしまう可能性もあるとわかりました。
住みながらリフォームを進める際は、工期を確認したり養生の有無を確認して、少しでも快適に過ごせるよう事前準備を行いましょう。