賃貸リフォームで空室率改善!費用相場や事例も解説

  • 【更新日】2023-12-08
賃貸リフォームで空室率改善!費用相場や事例も解説

賃貸物件を経営されている方の中には、賃貸リフォームを行って家賃収入を増やしたいと検討中の方も多いのではないでしょうか。

賃貸物件のリフォームを行うと、家賃収入の向上や節税効果につながるメリットがあります。

本記事では、賃貸リフォームの費用相場や工事期間、利用できる補助金やローンについて解説します。

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賃貸リフォームの効果

賃貸リフォームとは、築年数が経過した賃貸物件を改修し、住み心地や資産価値を高めることを指します。

リフォーム時期の目安としては、お風呂やトイレ・キッチンなどの水回りは10年程度、物件の築年数は15年~20年程度を経過した頃がリフォームを検討する時期といえます。

賃貸リフォームによって生じるメリットは以下の3つです。

  • 空室対策
  • 家賃収入の向上
  • 節税対策

 

一つずつ解説します。

空室対策

近年、住宅は供給過多となっているため、空き室に悩む貸主の方も多くなっています。

少子高齢化の影響もあり、借り手よりも賃貸物件の供給の方が多い状況となり、空室率が上がっているためです。

近隣物件との差別化を図り、入居者を集めるためには賃貸リフォームが有効な対策の一つとなるでしょう。

住みやすくきれいになった部屋に入居者が入れば、空室の解消へとつながります。

家賃収入の向上

賃貸リフォームによって、家賃を値上げできる場合があることもメリットです。

リフォーム後のきれいな部屋であれば、家賃を多少値上げしても、新築や築浅の物件よりはお手頃な価格で借りられるため、借主にとっても良い物件となります。

また、女性に人気の対面型キッチンや、独立洗面台を取り入れるなど、高級感やおしゃれな雰囲気の部屋にリフォームすることにより、賃料アップを行っても入居者が入りやすくなるでしょう。

節税対策

賃貸リフォームの規模が比較的大きい場合、リフォーム費用が減価償却の対象となり、節税につながります。

減価償却は、耐用年数の期間にわたって、毎年分割して費用を計上できる会計処理のことで、資産価値や耐久性が上がる20万円以上の工事を行った場合が対象です。

リフォーム費用を耐用年数で分割して経費に計上できるため、節税が可能となります。

工事内容が減価償却の対象になるかは、事前にリフォーム業者や税理士に相談しておくことをおすすめします。

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賃貸リフォームの費用相場・工事期間

ここからは賃貸リフォームの費用相場・工事期間を解説します。

内装・間取り・水回りについて、それぞれの工事内容と費用相場・工事期間の目安を紹介するので、工事内容を検討する際のご参考にしてください。

内装のリフォーム

内装をフルリフォームする場合の費用相場は約500万円~1,000万円程度となりますが、部分的なリフォームであれば費用を抑えられます。

以下の表は、内装リフォームの詳細な施工内容と費用相場です。

リフォーム内容 費用相場 工事期間
フルリフォーム 500万円~ 2ヶ月~4ヶ月程度
和室から洋室への変更 約100万円 2週間前後
フローリングの張り替え 約20万円~ 1日~3日
 ・無垢フローリング  2万円~6万円/1畳 1日~3日
 ・複合フローリング  13,000円~37,000円/1畳 1日~3日
壁/クロスの張り替え 10万円~ 1日~4日
 ・ビニールクロス(量産品) 約900円~/㎡ 1日~4日
 ・紙クロス  約1,500円~/㎡ 1日~4日
 ・織物クロス  約1,800円~/㎡ 1日~4日

内装がきれいな物件は、入居者にとって気持ちが良く魅力的に映るため、空室対策につながるでしょう。

間取り変更のリフォーム

古い設計で使い勝手の良くない物件や、部屋が狭い物件は、間取り変更のリフォームを行うことで暮らしやすさが向上します。

2部屋の間仕切りを撤去して広々とした1部屋にしたり、逆に仕切り壁を新設して仕事部屋や子供部屋を増やしたりするなど、想定する入居者像に合わせたリフォームを行うと良いでしょう。

以下の表は、間取り変更のリフォーム内容と費用相場、工事期間にかかる日数の一覧です。

リフォーム内容 費用相場 工事期間
スケルトンリフォームでの間取り変更 300万円~2000万円 2ヶ月~4ヶ月程度
3LDKから2LDKへの間取り変更 約750万円 1ヶ月程度
ダイニング / キッチン / リビングをLDKに変更 100万~300万円 1ヶ月程度
間仕切り壁の設置 5万~30万円 4日~5日程度
パネルドアの設置 10万円~30万円 2時間~3時間程度
アコーディオンカーテンの設置 5万~8万円 1時間~2時間程度

水回りのリフォーム

トイレ・洗面台・お風呂・キッチンなど、水回りの設備が新しいと、入居者の印象が良くなります

水回りの設備は耐用年数の10年~20年程度を目安に、入れ替えやリフォームを検討すると良いでしょう。

主な水回りの平均寿命は次の通りです。

水回りの設備 平均寿命
キッチン 約10年
お風呂 約20年
洗面所 約10年
トイレ 約20年

水回りのリフォーム費用の相場と工事期間は以下のようになっています。

リフォーム内容 費用相場 工事期間
水回りのリフォーム(全体) 約300万円 1週間~2週間
キッチン 60万円~300万円 2日~1週間
お風呂 60万円~200万円 2日~2週間
洗面所 5万円~15万円 1日~5日
トイレ 30万円~70万円 1日程度

水回りの設備はグレードによって費用が上下するため、どの程度のグレードにするかも検討して予算を決定しましょう。

なお、現代の設備は低いグレードでも機能が優れているため、賃貸物件の利回りや収益率を考慮すると、グレードを抑えることもおすすめです。

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賃貸リフォームの施工事例

ここからは、事例を通して費用やリフォームのポイントをご紹介します。

①クロスの張り替え

出典:リライフデザインプラス

賃貸物件の入居者確保の目的で、クロスの張り替えを行われました。アクセントクロスを取り入れたことで、単調な印象からおしゃれで個性的なお部屋に。インターネットでの部屋探しが当たり前になった今、内見したいと思わせる動機づけになるでしょう。リフォーム面積が狭いため、費用を安く済む点がメリットとして挙げられます。

リフォーム費用 1.5万円
施工期間 1日

②和室から洋室(フローリング)へ変更

出典:ナミキリフォームサービス

和室の物件は珍しくはありませんが、賃貸物件の条件検索に「フローリング」とあるほど洋室(フローリング)を絶対条件としている方は多いです。

物件の写真も和室と洋室では大きく異なり、メンテンナンスの費用も抑えられます。洋室の方が人気があるため、賃料アップを期待できるでしょう。

リフォーム費用 130万円
施工期間

③キッチンリフォーム

出典:クレインホーム株式会社

築年数が経過している物件では、水回りの設備も老朽化してしまっています。こちらのオーナー様は、古く使いづらくなってしまっていたキッチンのリフォームをされました。

キッチンは基本性能が充実していながらコストパフォーマンスに優れたマイセットのM1シリーズに。入居者のニーズに応えるべく、収納のスペースも増えました。

リフォーム費用 35万円
施工期間 3日

④3点ユニットバスから風呂トイレ別に

出典:ソリック

お風呂とトイレと洗面台が一体となっている3点ユニットバス。不衛生なイメージや入浴後にトイレが濡れるなど、賃貸物件を探す中で敬遠される方も多くいらっしゃいます。こちらは同じ部屋に合った浴室とトイレを分離させた事例です。

衛生面で優れ、2人以上の世帯にも便利になりました。ただ、間取り変更を伴うためリフォーム費用が高額になってしまいます。

リフォーム費用 140万円
施工期間 1か月

⑤デザイナーズマンション風にフルリフォーム

出典:水工房

ターゲットを変え若い単身者向けの物件するためにフルリフォームされました。玄関ドアを開けてもお部屋が丸見えにならないよう廊下を設ける、タイル張りのお風呂をユニットバスにするなど、入居者のニーズに応えるリフォームを中心に実施。キッチンには特にこだわり、一般的な壁付けのI型から目を引く個性的なものにしました。

物件のターゲットを明確にし設備を差別化することで、入居率を上げることができるでしょう。

リフォーム費用 472万円
施工期間 40日

⑥アパートの全面リフォーム

出典:ウスイホーム

築40年を超えたアパートの全面的なリフォーム実施。3世帯+ガレージのアパートから4世帯のアパートに生まれ変わりました。

外観は賃貸物件の第一印象を左右します。そのため、内装だけではなく外壁のリフォームもあわせて行いモダン風のアパートに。基礎、柱等の使える部分は利用し、古くなった箇所は交換したことで費用を抑えています。

リフォーム費用 約2000万円
施工期間

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賃貸リフォームで利用できる補助金やローン

賃貸リフォームで利用できる補助金やローンについては、主に次の2つのポイントが挙げられます。

  • 賃貸リフォームは補助金が利用できる場合もある
  • 賃貸リフォームで利用できるローンは賃貸住宅向けリフォームローン

 

それぞれ解説します。

賃貸リフォームは補助金が利用できる場合もある

賃貸リフォームの内容によっては、国や自治体の補助金を利用できる場合があります。

対象となる工事内容は主に、耐震リフォーム、断熱リフォーム、省エネルギー・エコに関するリフォームなどです。

自治体の補助金については、賃貸物件のある地域によって対象工事が異なるため、まずは自治体のHPをチェックしたり、窓口に問い合わせたりしてみましょう。

賃貸リフォームで利用できるローンは賃貸住宅向けリフォームローン

賃貸物件をリフォームする自己資金が足りない場合には、金融機関からの借入も可能です。

賃貸用の収益物件では、一般住宅向けのリフォームローンは利用できず、賃貸住宅用のリフォームローンを利用することになります。

金融機関によって異なりますが、対象となる主なリフォーム内容は以下の通りです。

  • 増改築・改修
  • 配管設備の交換
  • 入居者退去後の内装工事資金
  • 宅配ボックスなどの付帯設備購入資金
  • キッチンやトイレなどの住宅設備機器の購入資金
  • オール電化システムなどの環境配慮型設備の工事資金
  • 耐震・免震工事資金

 

リフォームローンは、一般的に変動金利を導入している金融機関が多いため、年によっては金利が高くなる場合もあるので注意しましょう。

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賃貸リフォームを成功させるポイント

ここからは賃貸リフォームを成功させる3つのポイントを解説します。

  • リフォーム費用の回収と収益性を計算する
  • DIYではなく業者に依頼する
  • 複数の事業者から見積もりを取り寄せる

 

ひとつずつご紹介します。

リフォーム費用の回収と収益性を計算する

賃貸リフォームを成功させるためには、かかったリフォーム費用を家賃収入から回収できるかを検討することが大切です。

入居者にとって魅力ある賃貸物件にするために費用をかけすぎてしまうと、リフォーム費用を回収できない可能性があります

例えば、リフォーム後の家賃を1万円上げると仮定して、キッチンをリフォームする場合のシミュレーションをしてみましょう。

例・考え方

たとえば、キッチンの耐用年数は10年程度のため、10年間でリフォーム費用を回収する必要があります。

10年間で回収できる金額は、120万円(1万円×12ヶ月×10年)となるため、リフォーム費用は120万円以内に収める必要があります。

家賃をアップしても入居者が見つかるか、あるいは耐用期間の10年の間に家賃を下げなければならない状況が発生しないか、といった見通しも合わせて検討する必要があります。

そのためリフォームを行う際には、支出と収入のバランスを考えながら、リフォーム業者と相談しましょう。

DIYではなく業者に依頼する

リフォーム費用を節約するために、塗装や壁紙張り替え、床張り替えなどをDIYで行って、失敗してしまうケースは少なくありません。

支出を減らして収益性の向上をはかるつもりが、かえって、やり直しのために業者に依頼することとなり、時間もお金も余計に使ってしてしまうことが多くなっています。

よほどDIYに慣れているという場合を除いて、リフォーム工事については業者と相談して決めることをおすすめします。

複数の事業者から見積もりを取り寄せる

賃貸リフォームの費用は業者によって大きく異なります。

賃貸リフォームには多くの費用がかかることから、工事を検討する際には複数の業者から相見積もりをとり、比較検討してより良い業者に依頼するようにしましょう。

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賃貸リフォームは実績豊富な業者を選ぼう

賃貸リフォームの規模にもよりますが、リフォームには多額の費用がかかります。

しかし、工事の内容によっては、国や自治体から補助金を受けられる場合もあるため、お住まいの地域のHPなどを確認するようにしましょう。

また、周囲の賃貸物件と差別化を図り、入居者にとって魅力的な物件にするための賃貸リフォームですが、費用をかけすぎてしまうと、家賃収入から回収できない可能性も出てきてしまいます。

そのため、賃貸リフォームを行う際には、家賃収入から費用を回収できるかどうか、シミュレーションも行うようにしましょう。

なお、リフォームに関して、業者選びにお悩みの方はぜひ「ヌリカエ」をお試しください。全国2,000社以上の中からあなたの地域に近く、ご希望の条件に合う業者をご提案いたします。ネットから複数の見積もりと提案を取り寄せられるので、賃貸リフォームの費用相場を知ることができます。ぜひ使ってみてはいかがでしょうか。

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