火災保険リフォームの補償対象と注意点とは?トラブルの相談事例と対策もご紹介

  • 【更新日】2022-03-01
火災保険リフォームの補償対象と注意点とは?トラブルの相談事例と対策もご紹介

火災保険は、火災や自然災害、偶然の事故などによって住宅が損害を受けたときに、建物や家財を補償する心強い存在です。

補償対象は火災以外にも幅広く、損害に応じて支払われる保険金で、住宅の修理をすることができます。

一方で近年、全国の消費生活センターなどには「保険金を使って自宅をリフォームしませんか」と勧誘する、住宅修理サービスに関するトラブルの相談が多く寄せられています。

本記事ではどのような火災保険が利用できるのか、またトラブルにはどのようなケースがあるのかを解説します。

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火災保険のしくみ

住宅の火災保険は、災害や事故で建物や家財が壊れたときなどに、補償として保険金が支払われるものです。

ここでは、地震保険の簡単なご紹介と、火災保険でリフォームできる場合、火災保険をリフォームに使うメリットとデメリット、保険の申請方法などをご紹介します。

火災保険の補償対象

火災保険の補償は、幅広い事故に対応しています

契約の内容によりますが、火災をはじめ、落雷や破裂・爆発、風災、雹災、雪災、水濡れ、衝突、水災などが対象です。

また落雷による電化製品の故障、台風による瓦や屋根の破損、洪水による浸水などの自然災害、空き巣が窓を割って侵入したときの盗難被害なども補償の対象となります。

なお、地震による火災の補償は、地震保険での補償となり、火災保険の対象外となることに注意しましょう。

また、家屋などの「建物」と、建物内にある「家財」は別の保険対象のため、それぞれ保険を申し込む必要があります。「建物」だけに保険をかけている場合は、「家財」の被害についての保険金を受け取れません。

地震による火災の補償は「地震保険」への加入を

地震や津波、噴火による火災や損害については、基本的には火災保険では補償されません

そのため、地震保険に加入する必要があります。地震保険は単独で契約することができず、火災保険とセットでの契約となります。

「地震保険に関する法律」によって、地震保険の契約内容や保険料はどの保険会社でも同じです。地震保険による建物と家財の補償例は次の通りです。

建物の補償の例

  • 地震による建物の倒壊
  • 津波による家屋の流失

家財の補償の例

  • 地震による家具の損壊
  • 津波による家財の流失

火災保険で修理できる場合

火災保険の対象となる修理は、損害を受けた部分を回復するための工事のみです。

経年劣化による住宅の修繕やリフォームは、災害や事故による損害ではないため、保険の対象外です。

たとえば、台風による雨漏り被害の例だと、台風の強風で屋根や外壁が損傷し、そこから雨漏りがした場合は保険の対象となりますが、台風後、元々あった隙間やひびの間から雨漏りがするようになった場合は経年劣化のため対象外となることもあります。

以下は、火災保険での修理対象の例です。

  • タバコの火の不始末による火災で損傷した箇所の修繕
  • 落雷による電子錠の故障
  • 台風により屋根に穴があき雨漏りがする
  • 台風による強風で雨どいが破損
  • 大雪により駐車スペースの屋根が破損
  • 雹により窓ガラスが割れた
  • 土砂崩れによる建物の損壊

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火災保険をリフォームで使うメリットとデメリット

火災保険を適用することで、自己負担などが軽くなる、また回数制限が設けられていないことがメリットです。

デメリットとしては工事完了までに時間がかかることが挙げれらます。以下では火災保険をリフォームで使うメリットとデメリットについて、詳しくご紹介します。

メリット

災害によって損害を受けた場合の修繕には、火災保険の適用を受けたほうが自己負担が少なくなります

例えば、自動車保険の場合は事故を起こして保険適用を受けると、次年度以降の保険料負担が多くなりますが、火災保険は、契約期間内であれば何度保険適用を受けても、受ける回数に制限はありません

デメリット

一方のデメリットは、申請してから工事が終わるまでに期間がかかることです

申請してから保険の適用対象かどうかの査定や、保険金支払い額の算定にかかる期間、修理の見積りを業者に依頼してから、施工・着工し、工事が完了するまでにある程度の期間を要します。

損傷の内容と災害の規模にもよりますが、1~2か月以上はかかると想定したほうがよいでしょう

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火災保険の申請方法

契約や被害の内容にもよりますが、火災保険の申請から保険金の受け取りまでは、おおむね次のような流れになっています。

保険金受け取りまでの流れの例

  1. 契約している保険会社に災害や事故の被害を連絡
  2. 連絡後、保険会社から送られてくる請求書類を受け取る
  3. 請求に必要な書類の作成・用意
  4. 必要書類が揃ったら保険会社に送付
  5. 保険会社から保険金額の連絡を受ける
  6. 保険金の入金

「必要な書類」とは

  • 保険金請求書
  • 損害状況の写真(物件全体と破損部など複数)
  • 修理の見積書(修理を依頼する業者から工事明細の記載された見積書をもらう)

保険会社にもよりますが、火災保険の申請期限は、被害を受けてから大体3年以内となっています。時間が経つと被害状況の査定にも手間がかかるため、早めの申請がおすすめです。

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火災保険でのリフォームを使った勧誘商法には注意しよう

近年、「保険金を使うので、自己負担が不要でリフォームができる」という悪徳業者の勧誘によるトラブルが増加しています。

全国の消費生活センター等に寄せられた相談件数は、2010年度が111件、2020年度は5,359件と、10年間で約50倍に増加しています。

契約当事者が60歳以上の場合が過半数にのぼり、高齢者の方の相談が増えています。以下では、火災保険リフォームのトラブルについて、主な事例を解説します。

「自己負担がない」と強調

突然、業者が自宅に訪問してきて、「火災保険を使って自宅のリフォームが無料でできます」と勧誘されるパータンです。

「近所で工事をしています。お宅も壊れた雨どいを保険で修理できますよ」など、身近な例を挙げられ、つい契約してしまうケースもあります。

また、勧誘されるだけではなく、新聞の折り込み広告や、郵便ポストに入っていたチラシ、インターネット広告などを見て、記載の事業者に自分から連絡をしてしまい、強引に契約を結ばされてしまう事例もあります。

手数料の説明が不十分。クーリング・オフに手数料を迫られる場合も

うちが申請をサポートすれば、保険金がもらえます」などと勧誘されて、修理契約をしたら、事業者から高額なサポート手数料の支払いを迫られた事例もあります。

手数料についての記載は、「実際の保険金額が、見積金額より大幅に低く修理が困難な場合は30%の手数料を払う」などとあります。

このとき、工事費用の見積もりを水増ししている悪質なケースもあります。

また、契約を不審に思って、クーリング・オフ(契約書の受取日から8日以内は契約解除ができる制度)を申し出たら、「工事の契約はクーリング・オフができますが、手数料は工事をしなくても払うことが法律上決まっています」などと、手数料の支払いを迫られたケースもあります。

うその理由で保険金請求をしてしまうと、自分が詐欺罪に

業者からの提案であっても、虚偽の内容で保険金請求してしまうと、ご自身が保険金詐欺に該当してしまうことがあります。

たとえば、台風被害で壊れたのは外壁だけのところを、もともと壊れていた雨どいも「台風で壊れたことにして、保険で直しましょう。」などと業者から勧誘されて保険金請求をしてしまうと、ご自身が刑事罰(詐欺罪)に問われてしまう恐れがあります。

保険金請求が虚偽と判明した場合は、保険契約の解除や、支払われた保険金の返還を求められたり、あるいは詐欺罪となったりすることがあります。火災保険の補償対象は、災害や事故で受けた損傷のみということに注意しておきましょう。

トラブルに巻き込まれないために

国民生活センターによると、トラブルの相談件数が特に多いのは、「訪問販売」「通信販売」「電話勧誘販売」となっています(下図参照)。保険金を使った無料修理の勧誘を受けた際は以下の点に注意しましょう。

  • すぐに契約をしない
  • 修理が必要ではない場合は、勇気をもって勧誘を断る
  • 契約時や契約書は手数料やキャンセル時の違約金などの記載に注意する
  • 修理工事は複数社の見積もりを比較する

契約してしまった場合などは、消費生活センター(電話番号188:いやや!)などの第三者機関に相談しましょう。

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火災保険でのリフォームは、リフォーム工事ではなく原状回復工事

日本は地震や洪水などの自然災害が多い国です。また自然災害はいつ発生するのかを見極めるのは困難で、被害内容によっては家が損壊してしまうことあります。

このような場合、リフォームでの火災保険を適用することで、自己負担を少なく済ませることができます。

ただし火災保険を使ったリフォームは、実際にはリフォーム工事というよりも、損害を受けた部分の修理工事となります。

そのことを念頭に、災害や事故に遭ったときには適切に火災保険を利用して、快適な住まいに復旧しましょう。

なお、修理工事の事業者選定をご検討の際には、無料で検索や見積もりの依頼ができる「ヌリカエ」が便利です。無料で複数の見積もりを取り寄せることができるので、ぜひお気軽に活用ください。

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