和室に敷かれている畳のリフォームには、さまざまな方法があります。現在使用している畳をそのまま使う方法から、完全に新調するやり方、さらには別の床材に変更することも可能です。グレード別に見ると、1畳あたりの畳のリフォーム費用は次の通りです。
- 高級品:約12,000円(1畳)
- 一般品:約8,000円~(1畳)
- 手頃品:約6,000円~(1畳)
また、リフォーム時にはいくつかポイントがあるため、細部まで理解を深めて、畳のリフォームを上手に行いましょう。
POINT
- 畳には手頃品、一般品、高級品があり、1畳あたりの費用は6,000~12,000円程度とグレードによって変わる
- 畳以外の床材に変更する場合は、フローリングやクッションフロア、カーペットなどがあり、費用相場は7万円~30万円程度
- 畳は5~6年たったら表替えをして、10年以上たったら張替えか交換がおすすめ
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畳の交換や張り替えのリフォーム費用の相場
どのグレードの畳を使用するかによってだけではなく、どのような方法でリフォームするかで畳の張り替えにかかる費用の相場が異なります。
張り替え方法 | 費用相場(1畳) |
---|---|
裏返し | 3,500〜6,000円 |
表替え | 4,000〜9,000円 |
新畳 | 7,500〜20,000円 |
畳の状態によってどの方法が適切かは異なるため、自宅や畳の張り替え場所の状況に合わせてやり方を選びましょう。
裏返し:3,500〜6,000円(1畳)
そもそも畳は長持ちする床材であり、表と裏の両面を使用できます。裏返しという方法は、文字通り現在使用している畳を裏返し、まだ使っていないほうを表面にするやり方です。いわば畳をひっくり返すだけで行えるリフォームのため、1畳あたりの費用は安く、3,500〜6,000円程度で行えます。
新品の畳は3~5年で日焼けやささくれなどの劣化が目立ちはじめます。このようなタイミングで裏返すことにより、緑色した畳として使用することができます。ただし、裏面も畳縁は経年劣化をしている可能性がありますので、その際は縁だけの取り替えが必要な場合があります。
裏側になっていた使用していない畳は、多少劣化していてもこれまでの表面よりはきれいな状態のままです。そのため、畳特有のい草の香りがあり、見た目にもきれいなままであることが多いでしょう。畳自体がそれほど傷んでいないなら、裏返しでも十分に対処できます。
表替え:4,000〜9,000円(1畳)
畳の表替えは、現在使用している面の「い草」を剥がし、新しいい草を貼って行うリフォームです。畳自体を変えるわけではないため、1畳あたりの費用も4,000〜9,000円程度と比較的安価です。表替えは基本的に一度だけ行える方法のため、表替えの後に畳のリフォームをするなら、畳そのものを交換しなければなりません。
表替えの目安は裏返しを3~5年でした場合は、同様に3~5年を経過した時期の両面で6~10年くらい経過した時期が望ましいといえます。ただし、湿度や日当たり具合によっては黒ずんできたり、劣化の激しい場合は早めに交換をおすすめいたします。
完全に新調するより費用は安いため、畳床がそれほど劣化していない場合におすすめの方法です。裏返して使うのに抵抗があったり、裏返しても表面がやや傷んでいる場合などは、表替えで対処するとよいでしょう。
畳は芯材と呼ばれる部位と、表面のい草で構成されており、芯材が消耗していない限りは表替えで対処できます。
新畳:7,500〜20,000円(1畳)
さきほども申しましたが、両面を使用して6~10年くらい経過した時期が新調するタイミングですが、黒カビが目立つようになったり、畳床が柔らかくふかふかしたきたら中が腐食している可能性がありますので、年数が経っていなくても新調されることをおすすめします。
新畳はグレードによって費用が異なり、手頃なものなら1畳で6,000~7,500円程度、高級品だと20,000円程度かかります。中間の価格帯として8,000~10,000円程度のものもあるため、グレード次第でコストの調節がしやすいです。
【床材別】畳をリフォームした場合の費用相場
現在畳を敷いている部屋でも、畳以外の床材に変更してリフォームを行うことも可能です。この場合は、床材によって費用の相場が異なります。
種類 | 費用相場 |
---|---|
琉球畳 | 約2万円(1畳) |
フローリング | 約18万~30万円(6畳) |
クッションフロア | 約10万円~(6畳) |
カーペット | 約7万円(6畳) |
畳は1畳で考えることが基本であるのに対して、他の床材は6畳をベースにして考えます。
琉球畳:約2万円(1畳)
琉球畳は沖縄で栽培されている「七島イ」という材質を使った畳です。通常の畳とは違い、ふちがない点が特徴です。現在では沖縄以外でも栽培されており、普及率も高くなっています。琉球畳は表面に七島イを使用することを基本としますが、現在はい草や和紙材、化学素材などさまざまな素材で作られています。
導入当初はざらつきがありますが、使い込むほどに柔らかくなり、長く使用できる点も特徴です。また、カラーバリエーションも豊富であり、畳特有の濃淡の緑色だけではなく、モノクロや赤や茶色などにも変更できます。完全な和室はもちろん、和洋室のように幅広いコンセプトの部屋にも合うため、人気の高い床材です。
フローリング:18万~30万円(6畳)
洋室の床材として主流になっているフローリングは、畳からの変更でも人気があります。フローリングは掃除がしやすく、畳のように虫やダニなどが発生しづらいというメリットがあります。
和室を洋室に変更したい場合におすすめであり、他の部屋でフローリングを使用しているなら、家全体の雰囲気にも合わせやすいでしょう。フローリング材にはさまざまな種類があり、価格帯の違いやカラーバリエーションも考慮して選ぶことが大切です。
フローリングの種類 | 費用相場 |
---|---|
複合フローリング | ・6畳:約18万円 ・8畳:約22万円 |
無垢フローリング | ・6畳:約25万円 ・8畳:約30万円 |
広さと材質で金額が変動するため、交換時の参考にしましょう。
クッションフロア:約10万円より(6畳)
畳のように柔らかい材質を求めるなら、クッションフロアがおすすめです。クッションフロアは、クッション性の高いビニール素材でできており、これにもさまざまな種類があります。床材の表面はビニール素材でできていますが、中間には発泡層があります。
ここには不織布やビニール層が使用されていて、裏打ちの材質はさまざまです。費用は6畳で10万円程度であり、8畳の広い部屋だと14万円程度となります。また、表面は自由に変更でき、木目調にしたり、石目を表現できたりもするため、自由度の高い床材といえます。
カーペット:約7万円(6畳)
洋室への変更では、カーペットへの張り替えも人気があります。カーペットは素材による特徴の違いが大きく、柔らかい感触のものから、ハードな質感のものまで自由に選べます。
カラーバリエーションとデザイン性ともに選択肢は多く、部屋の雰囲気に合わせたリフォームがしやすいでしょう。カーペットはグレードによっても異なりますが、6畳なら7万円程度、8畳なら9万円程度が費用の相場です。
畳リフォームの張り替え時期
和室の畳を張り替える際には、いつ行うのか、適切な時期を知っておくことが大切です。使用している畳のグレードによっても異なりますが、基本的には5年で表替えをし、10年経過で新調するとよいでしょう。張り替え時期を見極める際には、畳の表面の色の変化や畳そのものの劣化状況を確認することが大切です。
3~4年経過している場合
畳を張ってから3~4年程度なら、それほど劣化していないことも多いです。表面上特に問題が見られない場合はそのまま使用しても構いませんが、色あせていたり、表目がささくれ立っているようなら裏返しを検討してもよいでしょう。
裏返して使用できるのは芯材が劣化してないことや、裏返して表面に問題がない場合のみです。また、裏返した際には畳のふちのみ交換が必要な場合もあるため、劣化状況を確認しておくことが大切です。
高級品なら長持ちすることも多いですが、人の出入りが多い場合や日当たりがよく、日焼けによる劣化が見られる場合は3~4年程度で裏返しをするとよいでしょう。
5~6年経過している場合
畳を張ってから5~6年程度経過している場合は、表替えをしたほうがよいことが多いです。表面のささくれや日焼け、ふちの劣化などが目立つようなら、表面を一新することがおすすめです。
裏返しで対処できることもありますが、5~6年程度経過していると、裏面自体が劣化していることもあります。また、すでに裏返した畳をもう一度裏返して使用することはできないため、状況に合わせて表替えを行いましょう。
約10年経過している場合
畳を張ってから10年経過しているなら、表裏の両面とふち、芯材が劣化していることが多いです。そのため、新調して張り替えることがおすすめであり、完全に交換したほうが見た目も性能もよくなります。
人の出入りが少なかったり、日に当たりづらい場所だったりするなら表替えで対処できることもありますが、経年劣化で芯材が傷んでいることも少なくありません。畳特有の香りが消えてしまっていることも多いため、10年に一度は張り替えると考えてよいでしょう。
畳のリフォームを行う際の5つの注意点
失敗なく畳のリフォームを行うには、次の4つの注意点を頭に入れておくことが大切です。
- 1.畳を新調する場合はまず畳の種類を把握する
- 2.畳リフォームのDIYは難易度が高い
- 3.洋室にする場合は他空間とのバランスを考慮
- 4.マンションの場合は管理会社に確認する
- 5.畳からフローリングにする場合は床暖房を考慮
各種ポイントを参考にして、スムーズにリフォームを行いましょう。
畳を新調する場合はまず畳の種類を把握する
ひとくちに畳といっても様々な種類があるため、まずは種類を把握してからどれに新調するかを決めましょう。
種類 | 特徴 |
---|---|
国産表 | ・丈夫で色合いが自然 ・経年劣化による変色も楽しめる |
中国表XXX | ・安価で購入できる ・耐久性が低い ・着色料使用のため色合いが人工的 |
化学表 | ・天然の和紙やポリプロピレンなどを使用している ・耐久性が高く変色が少ない ・耐久性が高く変色が少ない ・ダニやカビの発生を抑えやすい |
糸引き表 | ・価格が安い ・綿でできた経糸のため耐久性が低い |
麻引き表 | 綿よりも耐久性が高い |
綿W表 | ・麻と綿の経糸で織られている ・高品質のものなら耐久性が高く、色合いが美しい |
麻W表 | ・2本の麻糸で織られている ・高級品 |
縁なし畳 | ・デザイン性が高い ・高価なものが多い |
基本的にはデザイン性や耐久性の高いものほど高価です。特に洋室にも使える縁なし畳は、縁ありのものより割高になることも少なくありません。
畳リフォームのDIYは難易度が高い
リフォーム内容によってはDIYで費用を節約できるものもありますが、畳は難易度が高いためおすすめできません。裏返しだけでも難しく、ふちの交換が必要な場合は結局プロに依頼することになります。
また、畳から別の床材に張り替える場合も、床材自体は用意できても、段差ができないようにバランスよく張り替えることは至難の業です。和室と洋室では高さが違い、畳を取ってカーペットなどを敷いても段差ができてしまいます。
また、交換した後の畳の処分に困ることも多いため、無理せず業者に依頼することが無難です。無理にDIYをしようとして失敗し、余計に費用がかかることもあるため、最初から業者に頼むほうが結果的にコストも安くなるでしょう。
洋室にする場合は他空間とのバランスを考慮
業者に依頼して畳から洋室に変更する場合は、空間全体のバランスを考える必要があります。例えば和室の畳をフローリングに交換した場合は、床だけ見ると洋室ですが、天井や壁紙、ふすまなどは和室のままで、バランスが悪くなることも多いです。
洋室に変更する場合は床以外にも注目が必要であり、場合によっては天井や壁紙の変更などでコストアップする可能性があることは頭に入れておきましょう。
マンションの場合は管理会社に確認する
戸建てなら問題はありませんが、マンションでリフォームをする場合は管理会社に確認し、許可をもらわなければなりません。特に畳から別の床材に変更する際には注意が必要であり、変更後の床材の防音性に問題がないか、必ずチェックしておきましょう。
マンションは防音性の高い床材を使用しており、建物によってこの基準は異なります。厚みのある畳と他の床材では、畳のほうが防音性が高くマンション向きといえるため、変更する際には注意が必要です。管理会社に確認し、防音基準を満たす床材のみ使用可能なため、先に確認してから選択肢を絞り込むとよいでしょう。
畳からフローリングにする場合は床暖房を考慮
床材を畳からフローリングに変更するなら、床暖房を導入するかも検討しておくことがおすすめです。畳とフローリングでは温かさが違い、畳に慣れているとフローリングは冷たく感じてしまうことも多いです。
夏場は気持ちよい冷たさでも、冬になると底冷えすることもあるため、季節ごとの室温や暖房設備などを考慮して、床暖房を導入するかどうか決めましょう。
後から床暖房を導入することも可能ですが、この場合は工事が2回にわかれて手間もお金もかかるため、コスト面を考えると変更時にまとめて導入することがおすすめです。
畳をリフォームする際の業者選びのポイント
スムーズに畳のリフォームをするには、リフォーム業者の選び方が重要です。業者を選ぶ際には、次のポイントを意識しましょう。
- 1.丁寧で迅速な対応 / 提案をしてくれるか
- 2.見積もり内容に不備がなく詳しく説明してくれるか
- 3.アフターフォローが充実しているか
親切丁寧な対応と充実したサポートをしてくれるかどうかが、業者を選択する際の重要なポイントです。これらのポイントを意識した上で複数の業者に見積もりを依頼し、もっとも条件がよいものを選びましょう。
業者選びにお困りのかたは、一括見積もりサイトをご利用ください。同じ条件の結果を、複数社から比較することができます。「ヌリカエ」なら、リフォームの専門知識を持った相談員が、リフォーム内容に合わせた業者をご紹介します。
畳の張り替えはもちろん、畳から別の床材に変更する場合でもおすすめの業者を紹介してくれるため、利用先の選定がしやすくなるでしょう。
上記のポイントを押さえた業者を絞り込むために、一括見積もりサービスを利用して複数の業者とコンタクトを取り、相談を行った上で、希望にあった業者に依頼しましょう。
畳をリフォームして快適な部屋にしよう
畳は特有のよさがありますが、長く使っていると消耗するため、裏返しや表替え、交換などで対処しなければなりません。このとき畳のままにせず、床材を変更することも可能です。
畳のままがよいか、別の床材に変更するかを考えてリフォームを行い、床材にこだわって快適な部屋を作り上げましょう。