「業者みたいな知らない人から、『屋根瓦がズレていますよ、雨漏りが危険なので工事しましょうか?』などと言われた・・・」
「悪質な修理業者がいると聞いたのだけど…。詐欺かどうかを見分ける方法はあるのだろうか?」
本当に屋根が損壊しているなら早急に修理したいものの、詐欺かもしれませんよね。
詐欺だった場合は、注意しないと大金を失って泣き寝入りする可能性も。
また、修理する場合も信頼できる業者を選ばなければなりません。
悪徳業者に依頼をすると、ずさんな工事で最終的に大きなコストが発生したり、想像以上の金額を請求されたりする恐れがあります。
そこで今回の記事では、
- 実際にあった屋根工事の詐欺被害
- 優良業者と悪徳業者の違い
- 詐欺にあわないためのポイント
を紹介します。
専門知識を持たない素人が悪質な業者を完全に見抜くのは難しくなっています。しかし、優良業者と悪徳業者の違いを知っておくことで詐欺被害を防げるでしょう。
監修者:外装劣化診断士 小林 成光
600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。
▼略歴・プロフィール |
【実際にこんなことがあった!】屋根の修理工事での詐欺被害4選
まず最初に紹介するのは、実際にあった屋根の修理工事の詐欺被害です。
ちなみに詐欺とは、他人をだまして金銭などを奪ったり損害を与えたりする行為を指します。
ここでは実際の被害事例をもとに、「詐欺に遭うとどんなことが起きるのか?」をお伝えしますね。
【詐欺被害1】火災保険で屋根修理が無料になると嘘をつかれる
(前略)悪質な業者は「火災保険の保険金を使えば、無料で修理や塗装ができますよ」などと甘い言葉をかけてきます。
いきなり訪問してきた業者に「屋根や外壁をこのままにしておくと危ない」などと半ば強引に契約を迫られるケースも増えています。
建物の老朽化が原因で外壁の塗装が剥がれたり、屋根が壊れたりしている場合には、火災保険は使えません。
出典:Yahoo!知恵袋
近年増加している火災保険を悪用した詐欺では、修理業者が「保険を使えば無料で工事出来ます!」などと言い、契約を求めてきます。
火災保険は内容や保険会社によって保証範囲・金額が様々です。工事が必ず無料になるわけではありません。
火災保険を使用する場合は、保証会社からの審査結果が出てから、契約するしないを判断しましょう。
【詐欺被害2】屋根の状態を指摘され、必要のない工事を契約させられる
(前略)作業着を着た男性ふたりが訪ねてきて「近所で工事をしていて〜」と言い、許可を取って屋根にのぼり、「瓦が割れていたり、ズレている。こんなにひどい状態だ」と写真を見せたそうです。
(中略)後日、昔からお願いしている大工さんに屋根を見てもらったところ、詐欺業者の言う瓦の割れ、ズレはまったくありませんでした。【似たような色の瓦で、なおかつ壊れている】別の家の写真を「ほら、こんなひどい状態ですよ」と見せていたのです。(後略)
出典:発言小町
突然やってきて屋根の状態を指摘するのは、詐欺業者にありがちな行動です。
屋根は普段目に見えないので、業者はだましやすいと考えています。そのため、屋根の劣化をおおげさに伝えるなど不安をあおってきます。
【詐欺被害3】工事前の支払いを強要され、修理代金を持ち逃げされる
屋根修理を依頼する場合は、工事前に代金を要求してくる業者に気をつけてください。
全額支払ったらその後連絡がつかず持ち逃げされた、という詐欺被害があります。
警察に届けたとしてもお金が戻ってくる保証はないですよ。
【詐欺被害4】契約前に屋根工事をされ、修理代金を請求
点検を依頼しただけなのに、点検後に「補修が必要」などと勝手に工事したあげく、代金を要求してくる業者も存在します。
知らない業者を屋根に登らせるのは危険なので、「応急処置をします!」などと業者が屋根に登ろうとした場合は気をつけてください。
屋根修理の工事で詐欺にあわないために意識すべき3つのポイント
ここからは、屋根修理工事での詐欺被害を防ぐために意識したいポイントを3つお伝えします。
複数の業者に屋根を点検してもらう
屋根の劣化を指摘されたら、別の業者に点検依頼をしましょう。本当に劣化しているか判断できる材料になります。異なる専門知識を持つ業者の意見を参考にするのは、対応を間違えないために必要なことです。
点検時の屋根の写真をもらう
屋根を点検された場合は、点検時の写真をもらった方が良いです。通常、屋根の上は自分で確認することができないので、いくらでもでまかせを言えます。
屋根の状態を確認できる全体写真と、1メートル以内の写真を撮ってもらいましょう。写真を撮ってくれない業者は、信用に値しません。
即決しない
業者の対応に気になる点、怪しい点などがあった場合、即「契約」するのはおすすめしません。
「本当に修理やリフォームが必要なのか」を落ち着いて考えるために時間を起き、冷静に考えるようにしましょう。
本当に優良な業者なら「検討したい」胸中を察してくれるハズです。「今日中に契約していただかないと」などと強引にせまったり、値引きをちらつかせて契約を急かす業者は、信用に値しません。
屋根修理の工事トラブルは多い!
屋根修理の工事被害やトラブルの状況を紹介します。屋根の修理工事と簡単に考えがちですが、実は様々なトラブルが起こっているのです。屋根修理工事の被害やトラブル数
屋根の修理工事に関するトラブルは枚挙にいとまがありません。
2011年3月11日の東日本大震災に関して、行政法人国民生活センターは「震災関連の相談12,605件のうち屋根の修理サービスに関する被害相談は533件で、ガソリンや食料品等の物資不足を除いた相談の中では賃貸住宅に次いで多く寄せられている。」と述べています。
被害相談の内訳は以下↓のようになっています。
- 「契約・解除」に関する相談…67.2%
- 「価格・料金」に関する相談…47.8%
- 「販売方法に問題がある」という相談…47.3%
また販売購入の形態は以下↓のとおりです。
- 訪問販売…47.1%
- 店舗購入…34.1%
あくまでこれは東日本大震災関連のデータですが、それでも屋根の修理工事に関するトラブルの多さがうかがえます。
屋根の修理工事で優良業者を選ぶのは難しい
屋根の修理業者を選ぶのが難しいのは、業者と工事の依頼主の間に情報の非対称性があるからです。
情報の非対称性とは
ある知識や情報を一部の主体だけが持ち、ほかの主体が持たない状態のこと情報格差があるのは当然のことです。しかし悪徳業者はそこにつけ込んできます。
そのため、ずさんな修理工事がされて後になって再修理が必要となる、不透明な見積もりで契約してしまい相場より高い代金を請求される…といったトラブルが頻発するのです。
厄介なのは悪徳業者も一見するとまともな修理工事をする点です。そのため完了時点で瑕疵(欠陥など)に気づくことが難しくなります。
屋根修理工事において優良業者を選ぶのは難しいのです。
優良業者と悪徳業者の違い
それでは屋根の修理工事を悪徳業者に依頼した場合と、優良業者に依頼した場合の違いを見ていきましょう。具体的には工事結果の違いと勧誘手口の違いを解説します。
工事結果の違い
はじめに工事結果の違いを見ていきましょう。悪徳業者と優良業者には以下↓の違いがあります。
悪徳業者に修理を依頼することで一時的な修復こそ実現できますが、またすぐに屋根が損壊する恐れがあります。これは悪徳業者が手抜き工事をしているか、専門知識を持っておらず適切な修理を行うことができていないためです。
加えて、悪徳業者は工事代金を多く支払わせるために、本来であれば必要ない部分の修理まで行う恐れがあります。
一方で優良業者は、根本原因を取り除くために必要最低限な修理のみを行います。そのため再修理の必要がなく、料金も妥当なものとなるのです。
勧誘手口の違い
次に勧誘手口の違いを見てみましょう。知っておくことで、強引な悪徳業者を避けることができます。
悪徳業者の勧誘は、全体を通して適切な情報が提供されないところに大きな特徴があります。それでいて、「このままでは家全体に被害が及びますよ」などと不安をあおるのです。脈絡もなく大幅な値引きを行った代金を提示することもあります。
優良業者は全体を通して詳細な説明を行うところに特徴があります。丁寧な業者だと、修理工事前の状態と修理後の参考資料を写真で見せてくれることがあります。
悪徳業者はメーカーのフリをして定期点検に来ることがある
悪徳業者は、自宅を建てたハウスメーカーのフリをして定期点検に訪れるケースがあります。「屋根の劣化を指摘され、契約したら実はメーカーとは関係ない業者だった」なんてことにならないように、突然の点検や無料点検に注意しましょう。
メーカーなどの定期点検がある場合でも、依頼するのは名刺などの確認後にしたいですね。
「怪しい」と感じたらきっぱりと断ることが大事です。
優良業者と悪徳業者を見分けるには?信頼できる業者の4つの特徴
ここまでに屋根修理工事のトラブルの状況と、悪徳業者と優良業者の違いを説明しました。悪徳業者に騙された場合の被害の大きさがわかったはずです。悪徳業者の特徴を知って避けることも大事ですが、並行して優良業者の特徴もつかんでおきたいところ。
屋根工事の優良業者には以下↓の4つの特徴があります。
・原因調査の段階で屋根に上がって調査をする
・原因を写真や画像で説明し、どういった方法で修理工事するかを示す
・見積もりの内訳が詳細
・アフターフォローがある
「優良業者と悪徳業者の違い」で紹介した点と重複する部分もありますが、以下↓では上記4つの特徴を詳細に解説します。
原因調査の段階で屋根に上がって調査をする
一般的に屋根の修理工事は以下↓の流れで行われます。
1. 異常を発見2. 業者に連絡
3. 業者による調査
4. 原因と修理方法の説明
5. 見積もりの提示
6. 見積もりを承諾
7. 修理工事
8. アフターフォロー
原因を写真や画像で説明し、どういった方法で修理工事するかを示す
信頼できる業者は屋根に登り、現在の状況を写真に撮った上で修理方法と見積もりを提示します。これは顧客の不信感を拭い去る目的で行われるものです。
一方で悪徳業者の場合は、屋根に上がったとしても原因と修理方法については口頭で説明するだけの場合が多くなっています。そうすることで本来であれば必要のない修理工事まで行い、高い料金を顧客から得ることができるためです。
つまり、調査の段階で屋根に上がらない業者は論外であり、その後に写真や画像を使って丁寧に原因と修理方法の説明をしてくれるかまでチェックしていく必要があるのです。
見積もりの内訳が詳細
業者が料金についての合意を行うタイミングは、見積もりが出てからとなります。つまり業者の示した修理工事の内容と金額に納得することで着手となるのです。一方で、提示された見積もりに納得できない場合はお金を支払う必要はありません。
そのため業者から提出される見積もりはしっかりとチェックする必要があります。優良業者は見積もり金額の内訳を詳細に記載してくれます。材料費、工事の種類、人件費などについて一つずつ料金が決められており、その合算額が見積もり金額として表れるのです。
これに対して悪徳業者は見積もりの内訳を公開せず、「工事代金一式」とだけ記載するような場合があります。
さらに悪徳な手口としては、当初の工事代金一式を相場よりはるかに高く設定し、そこに割引を加えていくものがあります。
一見するとお得に思えるのですが、そもそもの設定金額が異常に高いため、割引後の価格も相場より高くなるという仕組みです。
>>【参考記事】「屋根塗装の見積もりはどこを見る?適正金額と契約前の注意を解説」
アフターフォローがある
優良業者の多くにはアフターフォロー制度があります。これは「一定期間内に同じ被害が起こった場合、無償で修理する」といった内容となることが多いです。
もちろんアフターフォローの有無は業者ごとの販売戦略とも関係するため「アフターフォローがない=悪徳業者」という構図は一概に成り立つわけではありません。
しかしここまで紹介した他の要素を組み合わせることで、優良業者を見極めるポイントとなります。
なぜならば、そもそも過剰な料金をとってずさんな修理工事をする悪徳業者の場合、アフターフォローで無償修理をしていたのでは利益が小さくなってしまうためです。つまりアフターフォローがあるということは、それだけ1回目の修理工事で完全に直す自信があるということです
注意点:実際に自力で業者を見分けるのは難しい&難しい理由
ここまでに悪徳業者と優良業者の違いや、信頼できる業者を見抜く方法をお伝えしてきましたが、いかがでしたか?悪徳業者による工事被害を防げるイメージを持つことができたでしょうか。
もちろん、100%悪徳業者を避けられるわけではありません。業者の手口も巧妙化しており、従来では考えられなかったような手法で消費者を騙す場合があるためです。
極端な例ではありますが、屋根の調査の際に業者自ら屋根を壊し、その分の修理費まで請求するといった事例すらあるのです。
ここまでされてしまうと、いくら消費者が目を光らせたところで「いたちごっこ」になってしまいます。
そのため、不要なトラブルを回避するならば、悪徳業者を避けることと同時に、優良業者を探すことも重要となります。つまり2つの側面からトラブルを回避していくのです。
ただし冒頭で述べたとおり、悪徳業者の手口はどんどん巧妙化しています。どんなに優良業者を探そうと努力しても、完全に悪徳業者を避けることはできないという点は頭の隅に入れておいてください。
悩む前に相見積もりをとろう!
「トラブルに巻き込まれないためには悪徳業者を避けつつ、優良業者を探す…、しかし悪徳業者を100%避けることはできない」という説明を受けて混乱されたかもしれません。どんな業者に対しても「悪徳なのではないか?」と疑心暗鬼におちいってしまうかもしれません。
しかし、適切な修理範囲を適切な料金で実現する優良業者は存在します。そういった業者を見つけるためには相見積もりをとることが重要です。
相見積もりとは複数の業者に調査を依頼し、それぞれから見積もりを出してもらうことです。そうすることで、各業者の見積もりを比較しながら優良業者を探すことができます。前述したとおり悪徳業者の中には見積もりの内訳が不透明なところがあるため、この時点でそういった業者を候補から外すことができるのです。
プロへの相談もおすすめ
「近くで工事をしていたら屋根が壊れているのを発見した」などと口実をつけて屋根の修理を行おうとする訪問販売型の手口にも注意してください。そういった手法をとる業者の多くは、実際にどこかから家の屋根をチェックしたわけではありません。
単なる口実として使用して、高い料金で修理を行わせようとしているだけなのです。屋根の修理工事は訪問販売で行うのではなく、プロに相談する形で行うようにしましょう。これも悪徳業者を避けることにつながります。
まとめ
今回の記事では、屋根の修理で実際にあった詐欺被害や、工事業者を選ぶポイントなどをお伝えしました。
現実問題として、確実に悪徳業者を避けることは難しいですが、知識を持っておくことで防げる被害もあります。
屋根修理の業者選びに迷った場合などは、今回お伝えした内容を思い出してみてください。そうすることで、巧妙な手口で騙そうとする悪徳業者を避けられる可能性が高まります。それでも迷った場合は「ヌリカエ」が紹介する業者に相談してみてください。
ヌリカエは国内最大級の修理・塗装業者の紹介ポータルサイトとして、地域の厳選優良業者の紹介を行っており、過去に5千件以上の契約実績があります。
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屋根という普段は目にしない場所だからこそ、業者選びは慎重になる必要があるのです。ヌリカエを利用して適切な価格での屋根の修理工事を実現させてくださいね。
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