外壁塗装を控えて、塗料に何を使えばいいか迷っていませんか?
最近は、業者に「パーフェクトトップ」という塗料を勧められる方が増え、性能や安全性についての情報が求められていると感じます。
はじめに結論を言ってしまうと、パーフェクトトップは性能・コストパフォーマンスともに良く、どなたにもおすすめできる塗料です。
そう判断できる理由を、今から解説していきます。
- パーフェクトトップの耐用年数は約15年
- パーフェクトトップの価格は、2,400円/㎡前後が相場
- パーフェクトトップは、耐用年数と価格のバランスがよく、幅広い方におすすめ
外壁用塗料「パーフェクトトップ」とは?
項目 | 性能・数値 |
---|---|
メーカー | 日本ペイント |
耐用年数 | 12年~16年 |
材工価格 | 3,360円/㎡~ |
色数 | 標準46色、調色 |
光沢 | 5種類(艶あり、7分艶、5分艶、3分艶、艶なし) |
樹脂 | アクリル樹脂塗料 |
分類 | ラジカル制御形塗料 |
パーフェクトトップとは?
「パーフェクトトップ」とは、大手塗料メーカーの日本ペイントが2012年に発売した、外壁用塗料です。
従来の同価格帯の塗料よりも耐用年数が長いこと、作業性が高いことが魅力で、近年多くの人々に選ばれるようになった製品です。
パーフェクトトップの基本性能
また、パーフェクトトップは「ラジカル塗料」に分類される塗料です。
塗膜の劣化原因である「ラジカル」の発生を抑える性能を顔料(着色成分)に持たせることで、塗料価格をほぼ上げずに耐久性を上げることに成功した、コストパフォーマンスの高い塗料です。
「ラジカル塗料」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ラジカル塗料ってなにがすごいの?メリット・デメリットを徹底解説!」
パーフェクトトップの塗料としてのグレード
パーフェクトトップの耐用年数は約12~16年、塗料価格は約3,360円/㎡~(材工価格)です。
パーフェクトトップ価格帯は、4グレード中、上から2番目の「シリコン塗料」と同程度に含まれます。
一方、耐用年数は最上位の「フッ素塗料」と2番目「シリコン塗料」の中間に位置しており、価格に対して耐用年数が長いことが最大のメリットと言えます。
塗料の種類 | 耐用年数 | 価格(単価)相場 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 5~7年 | 1,400円~1,600円/㎡ |
ウレタン塗料 | 7~10年 | 1,700円~2,200円/㎡ |
シリコン塗料 | 10~15年 | 2,200円~3,000円/㎡ |
ラジカル塗料 | 12年~16年 | 2,400円~3,000円/㎡ |
フッ素塗料 | 15年~20年 | 3,800円~4,800円/㎡ |
「各塗料樹脂のグレード」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「アクリル塗料の特徴とは?他塗料と比較したメリットデメリット」
>>「ウレタン塗装は何にするもの?塗料の特徴と塗装できるものを詳しく解説」
>>「シリコン塗料って本当にいいの?おすすめ製品やメリット・デメリット、注意点を解説」
>>「フッ素塗料の特徴、費用対効果は? 高価でも「屋根」と「雨どい」にはフッ素が効く!」
パーフェクトトップの普及度・人気
これまで、外壁の塗り替え用の塗料としてはシリコン塗料がもっとも人気でした。
しかし、シリコン塗料と同等価格で耐用年数が2~3年長いパーフェクトトップが登場したことで、こちらに徐々に人気が移っています。
「パーフェクトトップの耐用年数」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「パーフェクトトップとプレミアムシリコンを徹底比較。性能・価格・仕上がりに違いはある?」
パーフェクトトップのメリット
パーフェクトトップには、機能・性能面で他の塗料に比べて以下のようなメリットがあります。
耐用年数が長い
パーフェクトトップは、同価格帯のシリコン樹脂塗料と比べ、耐用年数が2~3年長い大変お得な塗料です。
塗料の耐用年数を上げるには、従来は高価な樹脂を使用する必要がありました。
しかしパーフェクトトップは、樹脂ではなく顔料に工夫を加えることで、価格をほぼ据え置いたまま耐用年数の向上を実現しています。
高光沢
パーフェクトトップは、ハッキリした光沢のある仕上がりを特徴にしています。
パーフェクトトップを使うことで、明るく高級感のある外壁に生まれ変わるでしょう。
汚れが落ちやすい
表面がなめらかでつるつるしているので、ゴミやホコリなどの汚れが定着しづらく、落ちやすいというメリットもあります。
安全・低刺激
パーフェクトトップは水で希釈して使う塗料なので、溶剤(シンナー)系塗料のような刺激臭がせず、人体にも安全です。
安全性の指標となる「ホルムアルデヒド放散等級」の区分も、パーフェクトトップは最も安全な「F☆☆☆☆」(エフフォースター)に認定されています。
塗装可能な素材が多い
パーフェクトトップは、塗り替えが必要な外壁材に全て対応しているので、素材の相性を心配する必要なく塗装可能です。
パーフェクトトップが対応している外壁材は、窯業系サイディング、金属系サイディング、モルタル、コンクリート、ALCパネルなどの主に5種類です。
熟練した職人が多い
パーフェクトトップは人気が高いことから、塗装経験のある職人も全国的に増えています。
そのため、地域を選ばずパーフェクトトップに慣れた業者が見つけやすいこともメリットと言えます。
パーフェクトトップのデメリット
自然環境での耐用実績がまだない
パーフェクトトップの期待耐用年数は約12~16年ですが、発売は2012年です。発売からまだ15年は経過していません(2022年現在)。
戸建てに塗装された状態での実績がまだないため、メーカーにとって想定外の原因で公称耐用年数に耐えられない、という結果にならないとは言い切れません。
その点、汎用のシリコン塗料等であれば、実環境下で耐用年数を経たデータは多数あるため、パーフェクトトップに比べれば実績は豊富で安心です。
白系・淡色系の色でないと性能が発揮できない
ラジカル塗料が、塗膜の劣化物質を抑制するメカニズムは、「白色」ないし「白に近い淡い色」で最大限発揮されます。
そのため、黒や濃色系の外壁に仕上げたい人は、あえてパーフェクトトップを選ぶメリットはあまりないと言えます。
「パーフェクトトップの色・仕上がり」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「パーフェクトトップの施工例13選。写真で外壁の色の仕上がりをチェック」
パーフェクトトップの適正価格・費用相場は?
パーフェクトトップを使用した外壁塗装の見積もりが手元にある方は、費用が適正金額かどうか気になっていると思います。
パーフェクトトップの塗装費用の実勢価格は2,400円/㎡ですが、塗装する外壁によっても前後するので、以下に素材別に3通り詳しく記します。
窯業系サイディング外壁の場合
窯業系サイディングボードをパーフェクトトップで塗装する場合、費用は2,400~2,800円/㎡(材料費・工賃込み)が目安です。
費用の差は、外壁の凹凸の深さや、使う色数によって変動します。
平らなサイディングならば費用は安くなりますが、波型の外壁であれば高額になります。
窯業系サイディングにパーフェクトトップを塗装する場合、下塗り材には「パーフェクトサーフ」を使用します。
モルタル外壁の場合
モルタルやコンクリートの外壁をパーフェクトトップで塗装する場合、費用は2,500~2,800円/㎡(材料費・工賃込み)が目安です。
窯業系サイディングと同様に、外壁面が平滑なほど費用は安く、凹凸が大きいほど費用は高くなります。
モルタル・コンクリートにパーフェクトトップを塗装する場合、下塗り材には「パーフェクトフィラー」を使うのが一般的です。
金属系サイディング外壁の場合
金属系サイディングや、軒先など鉄部をパーフェクトトップで塗装する場合、費用は2,450円/㎡前後(材料費・工賃込み)が目安です。
また、パーフェクトトップを塗る下地が金属素材の場合は、下塗り材に「パーフェクトプライマー」を使う必要があります。
パーフェクトトップのシリーズ製品と使い分け
パーフェクトトップには、性能や用途が異なるシリーズ商品が複数存在します。
使用予定の塗料や下塗り材が誤った組み合わせでないか、施工前に今一度確認しておくと安心です。
パーフェクトトップ
製品名 | パーフェクトトップ |
---|---|
用途 | 中塗り・上塗り用 |
分類 | 1液型・水系 |
パーフェクトトップは、「パーフェクトシリーズ」のメイン商品である上塗材です。
とくに断りなく「パーフェクトトップ」と呼ぶ場合は、この商品を指します。
用途は、外壁の中塗り・上塗りで、別途パーフェクトシリーズの下塗り材と組み合わせて使用することで発揮を発揮します。
パーフェクトトップローズ
製品名 | パーフェクトトップローズ |
---|---|
用途 | 中塗り・上塗り用 |
分類 | 1液型・水系 |
パーフェクトトップローズは、パーフェクトトップにバラの香りを添加した塗料です。
それ以外の性能は、普通のパーフェクトトップと変わりません。
ファインパーフェクトトップ
製品名 | ファインパーフェクトトップ |
---|---|
用途 | 中塗り・上塗り用 |
分類 | 1液型・溶剤系 |
ファインパーフェクトトップは、通常のパーフェクトトップとは異なり、溶剤系(油性)となっています。
溶剤系の塗料は、水系に比べて塗膜の耐久性は上がりますが、施工中のニオイが発生します。
パーフェクトセラミックトップG
製品名 | パーフェクトセラミックトップG |
---|---|
用途 | 中塗り・上塗り用 |
分類 | 2液型・水系 |
パーフェクトセラミックトップGは、水系であるパーフェクトトップの安全性はそのままに、2液型にすることで耐久性を上げた塗料です。
パーフェクトシリーズの外壁用塗料では、最上級に位置付けられます。
2液型塗料とは、主剤と硬化剤の2つに分かれた塗料のことです。
開封してする使用可能な1液型に比べて、使用前に撹拌・混合する手間が発生する代わりに、硬化時間が早くなり、仕上がりの耐久性も向上します。
塗装費用は、2液型塗料のほうが少し高くなります。
パーフェクトフィラー
製品名 | パーフェクトフィラー |
---|---|
用途 | 下塗り用(モルタル・コンクリート) |
分類 | 1液型・水性 |
パーフェクトフィラーは、塗装の前に外壁に塗ることで、外壁と塗料の密着性を上げる「下塗り材」です。
パーフェクトフィラー自体は、塗装完了後には見えなくなるので、色や光沢とは関係ありません。
パーフェクトフィラーは、外壁がモルタルやコンクリート製の場合に使用されます。
パーフェクトプライマー
製品名 | パーフェクトプライマー |
---|---|
用途 | 下塗り用(鉄部) |
分類 | 金属系サイディングボード改修用下塗り材 |
パーフェクトプライマーは、パーフェクトフィラーと同様に、塗装前に塗る下塗り材です。
パーフェクトプライマーは、金属系サイディングや、付帯部分の鉄部に使用されます。
パーフェクトサーフ
製品名 | パーフェクトサーフ |
---|---|
用途 | 下塗り用(窯業系サイディング) |
分類 | 窯業系サイディングボード改修用下塗り材 |
パーフェクトサーフも、塗料ではなく下塗り材です。
パーフェクトサーフは、外壁が窯業系サイディングの場合に使用されます。
ファインパーフェクトシーラー
製品名 | ファインパーフェクトシーラー |
---|---|
用途 | 下塗り用(コンクリート・モルタル・窯業系サイディング) |
分類 | 弱溶剤系2液・下塗り材 |
ファインパーフェクトシーラーも、塗料ではなく下塗り材に分類されます。
ファインパーフェクトシーラーは、中塗り・上塗り塗料がファインパーフェクトトップの場合に使用されます。
モルタル・コンクリート・窯業系サイディングなどの外壁面に使用可能です。
まとめ
以上、パーフェクトの基礎知識からより詳しい情報までを解説しました。
外壁塗装をお考えの際は、新築時のハウスメーカーよりも、地元の塗装業者に相談するほうが、安くて高品質な工事を受けられるためオススメです。
当ページからも、あなたの家のリフォーム適正金額や、業者からの相見積りを取り寄せることができますので、この機会にご利用いただければ幸いです。
最後に、記事の要点を振り返ってみましょう。
パーフェクトトップって、簡単に言うとどんな塗料?
従来のシリコン樹脂塗料と同等価格でありながら、耐用年数を2~3年伸ばしたお得な塗料です。2012年に発売された比較的新しい塗料になります。詳しく知りたい方は外壁用塗料「パーフェクトトップ」とは?をご覧ください。
パーフェクトトップにはどんなメリットがある?
高いコストパフォーマンス、高光沢で汚れにくい外壁面、水性なので安全・低刺激であることなど、多くのメリットがあります。詳しくはパーフェクトトップのメリットをご覧ください。
反対に、パーフェクトトップのデメリットは何?
発売したてでまだ耐用年数の実績がないこと、白色に近い色でないと十分に性能が発揮されないことなどです。詳しくはパーフェクトトップのデメリットをご覧下さい。
パーフェクトトップを業者に勧められたけど、言う通り塗装に使っても大丈夫?
はい、大丈夫です。パーフェクトトップ自体は信頼のできる良い塗料です。人気向上に従って、パーフェクトトップを施主に勧める業者も増えています。詳しくはパーフェクトトップの普及度・人気をご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こちらの記事をふまえたうえで、外壁塗装の塗料の基礎知識から知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「【2022年最新】外壁塗装の塗料6種類の特徴・価格は?選び方と人気塗料ランキングも紹介」
日本ペイント「パーフェクトトップ」
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