「サイディングの外壁がしている気がするけど大丈夫かな…?」
築数年が経った住宅にお住まいの方の中には、このような不安を抱える方が多くいらっしゃいます。
メンテナンスフリーなどと言われることもあるサイディングの外壁ですが、実は太陽光や雨風の影響で徐々に劣化が進行し、一般的には8~10年程度でメンテナンスが必要となります。
本記事ではお住まいの住宅の外壁に劣化のサインは出ているのか、劣化していた場合どのように対処するべきなのかを詳しく解説して行きます。
サイディングの劣化症状7つ
本章ではサイディング外壁の代表的な劣化症状を7つ紹介していきます。
ご自宅の外壁をチェックし、1つでも該当するものがあればリフォーム業者や塗装業者への点検依頼をおすすめします。
症状 | 概要 |
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チョーキング現象 | 壁を触ると手に白っぽい粉がつく現状。 紫外線による劣化が原因で、放置しているとひび割れの原因となる。 |
外壁の変色・退色 | 外壁が変色する現象。 紫外線が主な原因で、外壁の防水性が損なわれている初期段階のサイン。 |
塗膜の剥がれ |
塗膜が浮いたりはがれたりする現象。 紫外線や経年劣化が原因で、放置していると外壁材が腐食する原因となる。 |
コーキングのひび割れ |
コーキングがひび割れる現象。 経年劣化が原因で、放置していると雨漏りの原因となる。 |
塗膜の膨れ |
塗膜が風船のように膨れ上がる現象 ひび割れ・剥がれから侵入した雨水が原因で、放置していると雨漏りや腐食に繋がる可能性がある。 |
カビ・コケ |
日当たりの悪い場所などに藻やコケが生える現象。 水分や汚れなどが原因で、塗膜表面の劣化の初期段階のサイン |
ひび割れ |
外壁がひび割れる現象。 乾燥や経年劣化が原因で、放置していると雨漏りの原因となる。 |
ここからはサイディングの劣化症状を1つずつ順番に紹介していきます。
①チョーキング現象
具体的な症状 | 壁を触ると手に白っぽい粉がつく |
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原因 | 紫外線などによる経年劣化 |
補修方法 | 外壁塗装 |
サイディングの表面を指で触ると、古くなった塗膜がチョークの粉のように付くことがあります。
これは「チョーキング」という現象で、塗膜が防水性を失ってきておりサイディングに塗装の時期がきているサインとして最も代表的なものです。
放置しているとひび割れなどの原因にもつながるため、外壁の再塗装を検討することがおすすめです。
②外壁の変色・退色
画像出典:リフォーム専門店 BXゆとりフォームの屋根リフォーム・外壁塗装の相談窓
具体的な症状 | 外壁が変色する |
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原因 | 紫外線などによる経年劣化 |
補修方法 | 外壁塗装 |
外壁の変色・退色は、色味が薄くなったり色が白くぼやけて見える現象です。
チョーキング現象と同じく、主に紫外線や雨風による経年劣化が原因とされます。
放置しておくと、塗膜の防水効果切れ、サイディングの腐食のおそれがあるため、外壁の再塗装を検討しましょう。
③塗膜の剥がれ
具体的な症状 | 塗膜が浮いたりはがれたりする現象 |
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原因 | 施工不良/紫外線や太陽光の熱などによる経年劣化 |
補修方法 | 外壁塗装 |
塗膜がむけて、素材の表面が露出している状態です。
原因としては業者の施工不良ももしくは、紫外線などの熱による経年劣化が挙げられます。
露出した部分から浸水・腐食がすすむおそれがあるため、早めのサイディング塗装が必要です。
④コーキングのひび割れ
具体的な症状 | サイディングボードの隙間を埋めている材にひびが入る症状 |
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原因 | 紫外線などによる経年劣化 |
補修方法 | コーキングの交換、増し打ち |
コーキングのひび割れは、経年劣化や施工不良によって起こり、「切れ」「破断」とも言われています。
放置しておくと雨水が入り、雨漏りやサイディング内部の浸水・腐食に繋がる可能性があります。
コーキング自体を交換するか、元々あるコーキングの上から新しいコーキングを打つことが必要です。
⑤塗膜の膨れ
具体的な症状 | 塗膜が風船のように膨れ上がる現象 |
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原因 | ひび割れ・塗膜の剥がれから侵入した雨水 |
補修方法 | 外壁塗装 |
塗膜の膨れは、内側に閉じ込められていた水分が熱で気化することが原因で発生します。
じきに塗膜に破れが生じて雨水が入り、雨漏りやサイディング内部の腐食に繋がる可能性があるため、早急に再塗装が必要な劣化と言えます。
膨らみの部分の塗装を除去したうえで、外壁の再塗装を検討することをおすすめします。
⑥カビ・コケ
具体的な症状 | 外壁にカビやコケが生える現象 |
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原因 | 日当たりの悪さや汚れなど |
補修方法 | 高圧洗浄後に再塗装 |
軽いコケは自分で落とせますが、厚いコケは塗膜を突き破って根を張っている可能性があります。
きちんと除去しない限り再発・増殖することが多く、サイディングの反りなどの原因となります。
湿気が多い面や日光が当たりにくい方角のサイディングを普段からチェックするほか、該当部分を洗浄後に再塗装することがおすすめです。
⑦外壁のひび割れ
具体的な症状 | 外壁にひびが入る |
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原因 | 紫外線や地震などによる経年劣化 |
補修方法 | 補修材で埋める |
外壁のひび割れは、紹介するなかでもっとも危険度が高い状況です。
放置しておくと雨水が入り、雨漏りやサイディング内部の浸水・腐食に繋がる可能性があります。
小さなひび割れであれば補修材で埋めることで対応できますが、1mm以上のひび割れであれば最悪の場合建物自体の倒壊につながる恐れもあるため、直ちに業者に依頼しましょう。
サイディングに劣化が見られる場合の対処法
自宅の外壁に前章で紹介したような劣化症状が見られた場合、早急に業者に点検を依頼することがおすすめです。
実際の症状の度合いにもよりますが、一般的に補修工事は大きく分けて以下の3つとなります。
・サイディングのカバー工法
・サイディングの張り替え
それぞれについて、詳しく解説して行きます。
サイディングの塗り替え
劣化の症状が軽度の場合、ほとんどがサイディングの再塗装で対応することができます。
再塗装を行うことにより、劣化の主な原因とされる紫外線や雨風に対して外壁を守ることが可能です。
費用は30坪ほどの一般的な家1軒分でおよそ60~80万円ほどとなっています。
ただし費用は使用する塗料のグレードによって変動することを理解しておきましょう。
世の中には「ただ外見上の問題だから…」とトラブルが生じていても塗装をしない方もいらっしゃいます。
しかし、そのままにしておくと雨漏りが生じたり最悪の場合は住宅が倒壊するおそれもあるため、まずは塗り替え・再塗装で対応できないか検討してみましょう。
サイディングのカバー工法
外壁の劣化が進んでおり、再塗装では対応できない場合には「カバー工法」が選択に入ります。
既存のサイディングを撤去せずに、上から新しいサイディングを張ることによって外壁の強度を保つ工法のことです。家1軒分の外壁にすべてカバー工法を行った場合、費用相場はおよそ150万円ほどとなります。
こちらも施工する面積やサイディングの種類によって費用は変動することを覚えておきましょう。
カバー工法は外壁を取り外して新しく交換するよりも費用が安いことがメリットとして挙げられますが、古い外壁の経年劣化が根本から直せているわけではないなどのデメリットがあります。
またすでに雨漏りがしていたり、シロアリが沸いていたりとあまりにも劣化が進んでいる場合にはカバー工法が使用できないため注意しましょう。
サイディングの張り替え
外壁の劣化が末期まで進んでいる場合、外壁の張り替えが必要になります。
張り替えとは既存の外壁を全てはがし、完全に新しいものを取り付ける工法を指します。費用はこれまで紹介した工法のなかで最も高く、家一軒分に直すとおよそ200万円前後が相場です。(施工面積や外壁材によっても変動します)
外壁を完全に取り換えることによって根本から外壁のトラブルを解決できるというメリットがありますが、その分費用が掛かるというデメリットがあると言えるでしょう。
サイディングの劣化が気になったらプロに相談しよう
本記事で挙げたようなサイディングの劣化症状が気になった場合、まずはプロに点検を依頼することをおすすめします。
というのも、症状の進行具合を判断することは難しく、まだ小さな劣化だと思っていたら構造部分まで大きく問題が広がっていることもあるためです。
プロに依頼し点検を行ってもらうと、実際に施工を行うかは別として、以下のような資料を提示してもらえます。
- 外壁の劣化箇所のリストアップ
- それぞれの箇所の進行具合
- 補修の必要性・緊急性
- 補修を行う場合の見積もり
このようにどの程度の状況であるのか、いつごろまでにメンテナンスをするべきなのかなどの相談をするためにも、早い段階でプロに相談してみることは大切と言えるでしょう。
サイディングの劣化に関するまとめ
サイディングメンテナンスへのためらいは解消されたでしょうか。
メンテナンスを怠ると、家が倒壊したり、雨漏りが発生したりするなど、デメリットがたくさん挙げられます。
メンテナンス費用だけ見ると安くはありませんが、少しでも今の自宅に長く住めるように、建て替え工事で高い費用を払わずに済むように、今のうちから対策しておきましょう。
メンテナンスをしないことによるメリットはほとんどないので、何かサイディングについて不安なことがあったら、なるべく早く業者に相談してください。
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