外壁塗装のご予定があるかたや直後の方のなかには、「リフォーム工事には詐欺やトラブルが多いと聞いて不安になった…」、「外壁塗装の工事で思いもよらないトラブルが起こってしまった…」といったお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、外壁塗装のトラブルについて不安な方や対処したい方に向けて、外壁塗装のよくあるトラブル事例のランキングやトラブル別の対処法と予防策、困ったときの相談先などについて詳しく解説しています。
外壁塗装のトラブル事例ランキング
外壁塗装では、様々なトラブルが発生する可能性があります。ほとんどの場合は大きなトラブルなく終わりますが、大がかりな工事になるため「トラブルになったらどうしよう」と不安に思われる方は多いのではないでしょうか。
本章では「ヌリカエ」が5月に実施した調査より、特に多くみられたトラブルをランキングでまとめたものになります。
ランキング | トラブル | 解説 | 予防策 |
---|---|---|---|
1位 | ひび割れ | 外壁の状態や業者の知識不足によって、ひび割れが発生する可能性がある。 | ・下地補修にかける工数を業者に確認する ・弾性塗料や追従性のある塗料を選ぶ |
2位 | 手抜き工事 | 主にコストカットのために業者が手を抜くことで、様々な不具合が発生する可能性がある。 | ・詳しい工程表を出してもらう ・工事の進捗報告をしてもらえる業者に頼む |
3位 | 施工不良 | 塗料と外壁の相性や天候によって、塗装直後でも剥がれや色褪せなどが発生してしまうことがある。 | ・保証内容が充実している業者に依頼する |
4位 | 仕上がりが イメージと違った |
色は光の当たり具合や面積によってイメージが異なる場合があり、実際の仕上がりが希望通りにならない可能性がある。 | ・カラーシミュレーションや実際の施工事例を確認する ・色見本は屋外で確認する |
5位 | 塗料の飛散 | 塗装作業中はと慮が粒子状となり飛散するため、養生していても鉢植えや車などに塗料が付く可能性がある。 | ・汚れてほしくないものは移動させておく |
データ出典:ランキングは「ヌリカエ」が行った2025年5月のデスクリサーチをもとに記載
外壁塗装におけるトラブルとして、塗装後のひび割れが多く見受けられました。ひび割れは、外壁と塗料の相性や下地処理の不十分さ、業者の腕など様々なことが原因で発生します。また、手抜き工事や施工不良など、業者側に原因がある可能性の高いトラブルも多いです。
外壁塗装は実際にどのような作業が行われるのか把握しづらいため、信頼と実績のある塗装業者に依頼する必要があります。悪質業者に塗装を依頼してしまうと、大きなトラブルに発展してしまう可能性があるでしょう。
ここからは、「工事契約前後」「外壁塗装中」「外壁塗装後」の3フェーズに分けて、外壁塗装のトラブルについてご紹介します。
「工事の契約前後」に起こるトラブル事例と解決・予防方法
「外壁塗装中」に起こるトラブル事例は、主に下記の3つです。
- セールスで契約してしまった工事を取り消したい
- 工事がもうすぐ始まるのに、業者が契約書や工程表を持ってこない
- 塗装業者の駐車スペースがなく、工事が難しそう
外壁塗装の契約前後では、訪問販売による強引なセールスや書類の未交付、工事に関する準備不足など、さまざまなトラブルが発生することがあります。
たとえば「今日契約すれば安くなる」といった甘言に乗せられて、本来の相場より高い費用で契約してしまったという声は少なくありません。訪問販売形態の契約の場合、契約日を含め8日以内であればクーリングオフができます。
契約書や工程表を提示しない業者にも注意が必要です。着工直前になっても書類を提出しないようであれば、依頼を見直すことをおすすめします。
また、工事車両の駐車スペースが確保できず工事をしづらいといったケースもあります。車を遠くに停めざるをえない場合は運搬費などがかさみ、費用が割り増しになる可能性もあるので注意が必要です。
これらの事態を防ぐためには、1社の話を鵜呑みにせず複数社から見積もりを取り、やりとりを記録に残すなど、冷静かつ慎重な対応を心がけることがトラブル予防につながります
「外壁塗装中」に起こるトラブル事例と解決・予防方法
「外壁塗装中」に起こるトラブル事例は、主に下記の6つです。
- 近隣の家から、騒音に対して苦情が入った
- 隣家から、塗料の飛び散りについて苦情が入った
- 自宅の車や植木を汚された・壊された
- 中塗りと上塗りが同じ日に済んでしまった
- 工事費用の追加・上乗せを要求された
- 前金の支払をしたのに業者が倒産した・逃げてしまった
工事が始まると、騒音や塗料の飛散など、周囲との関係性に影響を及ぼすトラブルが多発する可能性があります。
足場の設置音や高圧洗浄の音に対しての苦情のほか、「工事車両が邪魔で駐車しにくい」「夏場のエアコンの音がうるさい」といった声は意外と聞かれます。そのため、工事前は近隣挨拶をしておくとよいでしょう。多くの場合は業者が代わりに行ってくれますが、近隣との関係が深い場合などは一緒に挨拶周りをしておくことをおすすめします。
また、塗料が隣家に飛び散った、あるいは自宅の車や植木が汚されたというケースもありますが、業者の保険で対応できる場合が多いです。冷静に写真などの証拠を残しながら対処しましょう。
契約後に追加費用を請求されるトラブルも発生していますが、契約内容を超える工事費を請求された場合は毅然と対応する必要があります。前金を支払った後に業者が倒産して連絡が取れなくなったという事例もあるため、契約時には支払条件や業者の実績などを確認しておきましょう。
「外壁塗装の後」に起こるトラブル事例と解決・予防方法
「外壁塗装の後」に起こるトラブル事例は、主に下記の6つです。
- 外壁の仕上がりがイメージと違う、気に入らない
- 数ヶ月から数年で、塗料が剥がれてしまった
- 保証を受けたくても、業者と連絡がつかない・倒産していた
- 意図していなかった部分まで塗装されてしまった
- 「自社のオリジナル塗料」が、実際はメーカー製の塗料を薄めたものだった
- 見積もり書と違う金額を請求された
塗装が完了した後にも、「思っていた色と違う」「塗りムラがある」など、仕上がりに対する不満が残ることがあります。完成後にイメージと違うと感じてしまうのは、色見本と実際の屋外での見え方に差があるからです。
施工途中であれば手直しできますが、完了後は業者の明らかなミスがない限り無料でやり直してもらうことは基本的にできません。引き渡し後に剥がれやひび割れが発生することもあり、その場合は施工不良や下地処理の不備が原因である可能性もあります。
これらのトラブルを未然に防ぐには、工事完了後に必ず現地確認を業者と行い、不明点があればその場で伝えることが大切です。
万が一トラブルが発生した場合に備え、保証内容やアフターフォローの体制がしっかり整っている業者を選ぶことも安心につながります。
トラブルが起きたときの5つの相談先
前章までは、具体的なパターンを用いて、予防策や解決策をご紹介してきました。
ではもし上記以外のトラブルが発生したら、どこに相談すればいいのでしょうか。この章では、トラブルの内容によるそれぞれの相談先を解説します!

1. 塗装業者
外壁塗装になんらかの不具合があった場合は、まずは施工業者に相談しましょう。
不具合の要因が業者のミスだった場合は、無償でやり直してもらえるケースもありますが、業者の保証には条件もあります。契約する前にしっかり確認しましょう!
詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください!
⇒外壁塗装の保証はいつまで受けられる?適用条件と申請方法を徹底解説2. 住宅リフォーム・紛争処理支援センター
手抜き工事をされた場合や、不当に高額な請求をされた場合など、業者に関するトラブルが発生した場合は「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」や「国民生活センター」に相談しましょう。
「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」は、建築士や弁護士が在籍しており、リフォームに関する専門的な知識を持った人に相談に乗ってもらうことができます。
3. 国民生活センター
「国民生活センター」は、リフォームに関するスペシャリストが相談に乗ってくれるわけではありませんが、「リフォーム訪問販売」など多数相談が寄せられている案件に関しては対処法をアドバイスしてくれるでしょう。
明らかな詐欺などの場合はこちらに相談しましょう。
4. 保険会社
工事後しばらくたった後、外壁塗装に問題が発生した場合、業者の保証期間内であれば無償で補修してもらえることが多いですが、万が一、施工業者が倒産してしまった場合はその保証も無効になってしまいます。
そのようなリスクにも万全に備えたいという方は、塗装工事を行う際に前もって「リフォーム瑕疵(かし)保険」に加入すると良いでしょう。リフォーム瑕疵保険に加入していれば、倒産した業者に代わって補修工事の代金を補ってもらうことができます。
5. 弁護士
専門機関に相談してもなかなか解決してもらえない場合などは、弁護士に相談してもよいでしょう。
ただし、弁護士への相談は有償なのが一般的なので、各相談窓口へ連絡した後の最終手段と考えましょう。
外壁塗装のトラブルは年間7,000件近く発生
外壁塗装に関するトラブルは、現在も少なくありません。
公益財団法人住宅リフォーム・住宅紛争処理支援センターには、リフォームに関する相談が年間 6,818件(2017年度)寄せられ、そのうち約20%が「外壁や基礎のひび割れ」、約10%が「外壁や内装などのはがれ」という内訳でした。
他にも国民生活センターには「悪質な塗装業者」に関する相談や「リフォーム訪問販売」に関する相談も寄せられています。
金額も安くない塗装工事。トラブルはなるべく避けたいですし、もし万が一トラブルに遭ってしまっても、スムーズに解決したいですよね。
この記事では、外壁塗装にまつわる様々なトラブルの事例と、その対応策・相談先についてご紹介します。
塗装のやり直しや詐欺について不安な方はこちらの記事も参考にしてください。
>> 「塗装のやり直しの防ぎ方」について詳しく知りたい方はこちらトラブルを予防するための6つの心がけ
トラブルに遭わないために、どの段階でも共通して役立つ準備や対策を下記にまとめました。

6つのポイントに共通するのは、「お金の約束や受け渡しを、書面や録音に残すこと・即決しないこと」です。
この1点だけでも覚えていただければ、トラブルはかなり防げるでしょう。
記事のおさらい
最後に、本記事の要点を振り返ってみましょう。
外壁塗装中、近所とトラブルになってしまったら?
早めにあなた自身がお詫びに行きましょう。塗料の飛び散りなどへの補償は、業者が入っている保険から行われるのが通常です。詳しく知りたい方は隣家から、塗料の飛び散りについて苦情が入ったをご覧ください。
外壁塗装後、すぐに塗装が剥がれてきてしまった
施工不良や手抜き工事が疑われます。見積もりや契約書から保証期間内かどうかを確認し、業者にやり直しを依頼してみましょう。詳しくは数ヶ月から数年で、塗料が剥がれてしまったをご覧ください。
外壁塗装でトラブルが起きてしまったときの相談先は?
施工に不具合があった場合は工事した「塗装業者」、手抜き工事や高額請求などは「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」、詐欺が歌われる場合は「国民生活センター」などが相談先となります。詳しくはトラブルが起きたときの5つの相談先をご覧下さい。
外壁塗装のトラブルを予防するためにできることは?
いくつかポイントがありますが、すべてに共通するのは「約束事やお金の受け渡しを書面や録音などの記録に残すこと」「即決しないこと」です。詳しくはトラブルを予防するための6つの心がけをご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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