外壁塗装が高いのはなぜ?悪質業者を疑うべき5つのケース

  • 【更新日】2022-10-28
ウチの外壁塗装…高いかも?

外壁塗装の見積もりを業者からもらい、予想を超えた金額に驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。金額が高い理由には様々な要因があり、ポイントさえ抑えておけば、納得のいく値段で外壁塗装を依頼できるようになります。

本記事では、外壁塗装が高いと言われる理由と安く抑える方法について解説していきます。外壁塗装の費用の内訳を理解し、相場観を把握しておきましょう。

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注意! 不当に高い外壁塗装業者の手口

外壁塗装の価格が高いと同時に、見積もり書の書式や営業方法に以下のような特徴がある場合は要注意です。
その金額は不当に高い可能性が濃厚と思われます。

  1. 見積もり書に「一式」が多い
  2. 見積もり書に製品名や使用量がない
  3. 塗料名で調べても製造元や仕様がよくわからない
  4. 現地調査をされていない・時間が短い
  5. 「特別な値引き」をアピール

 

各特徴が不当な料金の請求につながりやすい理由を、価格のごまかしの手口とともに説明します。

①見積もり書に「一式」が多い

くわしい数量が分からない見積もり書

上図のような、見積もり書の“数量”などの項目に「一式」という記述が多い場合は、費用を高めに見積もられた金額である可能性があります。

通常“数量”の欄には、塗装面積や足場を架ける面積など、金額算出のために重要な数字が入ります。
見積もり書で数量を明らかにしないということは、調べられても価格が高いことをバレないようしているか、面積の算出方法などの工事の知識がないどんぶり勘定の業者が担当している場合が考えられます。

②見積もり書に製品名・型式・仕様がない

あるべき塗料名がない見積もり書

外壁塗装の見積もり書には、使用する塗料の製品名や、使用する足場部材の種類、作業に使う機材の名称などが明記されているのが普通です。
これらの記載がない見積もりを出す業者は、塗料名などを依頼主にネットで調べられないようにしている可能性があります。

いまどきは塗料の相場価格(設計価格)はネットで誰でも調べられますので、塗料名を書くと塗装費用が高いと施主に分かってしまうことが多いのです。

例えば、塗装作業の項目に具体的な塗料製品名がなく、「シリコン塗料」などとしか書かれていない場合は要注意です。シリコン塗料のなかでも値段の安い、耐久性の落ちる製品を使う予定かもしれません。

③塗料名で調べても製造元や仕様がよくわからない

さらに巧妙な業者は、既存のOEM塗料に自社しか使わない名前をつけて、同等の性能の塗料より金額が高いこと調べにくくしていることがあります。

そのため、見積書に塗料名が書かれているだけで安心せず、塗料名をネットで検索したうえで、

  • 製品情報が検索で正しくヒットするかどうか?
  • ヒットした場合、塗料の情報発信者は、見積もり業者と別の企業か?
  • 聞いたことのないメーカーでないか? 大手など実績のあるメーカーの製品か?
  • くわしいカタログがあるか? 塗料の「設計価格」「適合下地」「標準塗装仕様(希釈率・塗り回数・使用量など)」が公開されているか?

をしっかり確認するとよいでしょう。

現地調査をされていない・時間が短い

見積もりを出すためには、外壁の面積や劣化具合の調査に最低30分~1時間以上を要します。
一方で、契約をとることしか頭にない業者は、次々と戸別訪問をしなければいけない都合上、営業トークをしたあとは長くその家にいない傾向があります。

見積もりの前に、家の計測などをされていなかったり、調査したと主張していてもあなたが実際に様子を確認できていない場合は、高い金額ありきの契約を迫られている可能性を疑うべきでしょう。

「特別な値引き」をアピール

警戒すべき営業トークの例

  • 「もうこれ以上お値引きできないという金額です」
  • 「このランクの材料でこの金額で出てくることはもうない」
  • 「この機会を逃せば同じ価格での提供ができなくなる」
  • 「足場代が無料」

出典および参考:消費者庁「新生ホームサービス株式会社及び株式会社新生ビジネスパートナーズが行う外壁塗装工事等の役務の取引に関する注意喚起」2022年8月22日閲覧

契約をとるためのテクニックとして、「今のタイミングだけの値下げ」「地域・人数限定の値下げ」をアピールする方法があります。
これらの手法で提案された工事は、値下げ後でも相場より高かったり、金額は相場内でも値段不相応の質の低い工事が少なくないことが、国民生活センターへの相談事例などから分かっています。

先に挙げた4つのトーク例は、2022年6月に消費者庁による注意喚起に含まれていた事例から抜き出したものです。
同じような営業を受けている場合、くれぐれもご注意ください。

「悪質な塗装業者の特徴」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

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外壁塗装の金額が高くても心配ないケース

そう頻繁に行うわけではない外壁塗装工事。
多くの方にとって外壁塗装の相場はよく分からず、金額だけ聞いて「高い」と感じる方も多いようです。

以下では、提示された外壁塗装費用が高くてもとくに不審ではないケースと、なぜ高くなってしまうのか理由を解説します。

  • ハウスメーカーに依頼した場合
  • 家の劣化状態が進んでいる場合
  • 家が大きい場合
  • 形状が「総二階」などの家の場合

ハウスメーカーに依頼した場合

マイホームを建設した方が外壁塗装の工事を依頼する際、まず相談するのはマイホームを建設したハウスメーカーの担当者なのではないでしょうか。

その際、ハウスメーカーは外壁塗装工事の依頼を引き受けてくれますが、ほとんどのハウスメーカーは自社で塗装工事は行っていません

ハウスメーカーは多くの外壁塗装業者と共同で仕事を行っており、そのような業者に案件の下請けとして外注に出しています。予算やスケジュールの関係で下請け会社が施工工事ができないときには、孫請け会社と呼ばれるさらに下の業者に塗装工事を回します

こうして窓口となったハウスメーカーは、実際に塗装工事は行わないにもかかわらず、紹介料という形で中間マージンをとるため、顧客への見積もりには高い料金が反映されます。

地元業者に直接依頼すれば安くなる

一般的に、塗装を自社で行う業者と塗装を行わないハウスメーカーに工事依頼をした場合を比較すると、見積もり額が30%~50%ほど高くなる場合もあります。見積もり額が高いと感じたら、直接業者へ依頼するなどの方法を考えましょう。

家の劣化状態が進んでいる場合

外壁塗装は外壁の劣化状況によって、使用する塗料や塗りの回数などが異なるため、状態によっては見積金額が高くなることがあります。

例えば、築年数が数十年も経っているものだと外壁の劣化が進み、修繕箇所が多くなってしまいます。

また、周囲が家で囲まれていて日当たりが悪い場合はコケやカビが生えやすくなります。一方で道路に面して一日中日当たりのいい場合は砂埃や直射日光の影響を受けて、外壁が剥がれ落ちたり激しく劣化している場合があります。

このように、周辺環境によっても外壁の状態は大きく変化し、比例して外壁塗装にかかる費用も高くなります。見積もりを依頼した業者に説明を求めた上で、改めて金額を確認しておきましょう。

家が大きい場合

当然ながら、家が大きいほど塗装作業の面積が多くなり、材料費や人件費が大きくなります。
ご近所に比べて見積もり金額が高い場合でも、あなたが比較的大きな家にお住まいならば、特に心配すべきことはありません。

平均的な家の大きさは?

国内の一戸建て大きさは延床面積では32坪、外壁面積127~180㎡ほどが平均と言われています。

総二階の家の場合

建物の形状やデザインによっては、同じような大きさの家に比べて外壁や軒天が広くなることがあり、その場合は塗装費用も高くなります。

具体的には、1階と2階が同じような作りをしている、いわゆる「総二階」の場合に、その家の外壁面積は広くなりやすいです。

ベージュの外壁にグレーのラインが入った住宅 グレーメタリック外壁の一戸建て

画像出典(右):アイジー工業

反対に、2階が1階より小さくなっていたり、斜めにカットされているようなデザインだと、家の大きさ(高さ)の割に外壁面積は小さくなります。

ルーガ雅を使用した一戸建て ジョリパットフレッシュ∞の施工例

画像出典(右):アイカ工業

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外壁塗装の費用はどうやって決まる?

外壁塗装の見積もり時に提示される項目や、その金額の相場・決まり方を見ていきましょう。

足場設置・養生費用

外壁塗装では、安全で正確な塗装を行うため、まず足場を設置してから作業を行います。足場の相場は、「家の外周+0.5m」×「家の高さ+0.5m」によって算出された面積に単価をかけて求めます。

なお、足場設置面積は、塗装面積から算出するわけではないので注意しましょう。こうして求められた足場設置面積にかける足場の平米単価は、およそ700円~900円です。

養生においては、外壁塗装面積に平米単価およそ300~500円を掛け合わせて算出します

ただし、養生は近隣の住宅との間が狭いため、境界で養生を行う必要があります。盆栽や庭の養生を行う必要がある場合は、外壁塗装の面積以上に養生が必要となり、費用がかさむ可能性があることを覚えておきましょう。

高圧洗浄・塗装工事費用

外壁塗装工事を行う前に、高圧洗浄などで外壁のコケや汚れを落とし、塗装しやすくします。高圧洗浄では、施工面積に平米単価およそ200円~400円をかけて求めるのが一般的です。

高圧洗浄が終了次第、塗装へと移ります。塗装工事の際に使用する塗料の値段はグレードにより大きく異なります
住宅に用いられる塗料には、一般的に「アクリル(樹脂塗料)」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」の4つのランクがあります。

塗料の種類 耐用年数 実勢価格
アクリル塗料 5~7年 1,500円/㎡
ウレタン塗料 7~10年 1,950円/㎡
シリコン塗料 10~15年 2,300円/㎡
フッ素塗料 15年~20年 4,300円/㎡
外壁塗装のリフォームで使用されるのは、シリコン塗料であることが多いです。

付帯塗装費用

付帯塗装とは、外壁や屋根以外の塗装工事のことを意味します。具体的には軒天などの塗装工事です。

付帯塗装は、外壁とは異なる範囲の工事のため、塗装工事の面積と平米単価から算出するのではなく、個別の工事に値段設定をし「付帯部塗装一式」と表現されることもあります。

一般的に、付帯工事を平米単価で算出するとおよそ500円~1500円であることが多く、付帯塗装費用も外壁塗装の費用と同様に塗料のグレードによって変わります。

手数料・諸経費

外壁塗装工事では、補修工事の際、使用済みの塗料や養生でのごみなど、たくさんのごみが出ます。また、外壁塗装の前に使用する高圧洗浄の機械の運搬費用や、塗装工事を行う職人の交通費も発生します。

これらをあらかじめ見積もりに入れて表記しているのが「手数料」「諸経費」というものです。手数料や諸経費は、総工事費用のおよそ5%~15%で算出して見積もりを出すのが一般的です。

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高い外壁塗装費用を安くする方法

外壁塗装が高い理由と見積もりで提示される外壁塗装の費用の相場を項目別でみてきました。正しい金額を把握し、外壁塗装の相場観を養っておくことは非常に重要です。しかし、そもそも塗装工事を依頼する業者選びの段階で費用を抑える方法はないのでしょうか。

ここからは、外壁塗装の工事費用を抑えるために覚えておきたい対処法について説明します。

地元業者に依頼する

上述した通り、建築を依頼した大手ハウスメーカーに外壁塗装を依頼すると、自社では外壁塗装は行えないため、下請けや孫請けに仕事を外注します。その際に、見積もり額は大手の窓口を通しているため紹介料として中間マージンが取られてしまいます

そのため、自社で塗装工事を行う地元業者に見積もりを依頼することで費用を抑えられる可能が高くなります。

外壁塗装はおよそ10年に一度を目安に行う定期的な家のメンテナンスになっているので、地元で長くお付き合いができる業者に依頼するのがおすすめです。

また、塩害や砂埃などの地域特有の問題や周辺環境を熟知しているため、より効果的な塗料の提案や緊急時の対応の速さ、親身になって意見を取り入れてくれる可能性が高いという点も魅力です。

相見積もりをとる

外壁塗装に関しての知識や経験が乏しい方にとって、1枚の見積もりからそれぞれの工事費用が適切な値段なのかを判断するのは至難の業です。

また、業者によっては、「外壁塗装費用一式」「付帯工事費用一式」「諸経費一式」のように一つ一つの費用の内訳を示さない見積もりを提示してくる業者も存在します。そのため、複数業者に見積もりを依頼する相見積もりをとるのが効果的です。

相見積もりをとる際は、提示する条件を同じにして、予算や納期を正確に伝え、それぞれしっかりと真摯に話を聞いてくれるのかを見ておくのもポイントです。

相見積もりの効果的な利用は、不当な高額請求を防ぐだけではなく、長期的にお付き合いができる良い塗装業者を見つける手段になります。

不明瞭な見積もり内容を指摘する

提示された見積もりの中に、理解できない内容があった場合、直接業者に質問する、もしくは問い合わせてみることも費用を抑える上で有効な手段です。

見積もりの内訳の中で「外壁塗装費用一式」のように内訳が記載されていないような場合は、塗料にかかる費用と工事費用を聞いてみることをおすすめします。

また、「手数料」や「諸経費」は業者の必要経費であるため内容がありません。多めに見積もりを提示して契約をとる業者もいますので相場である総工事費用のおよそ5%~15%以上を請求してくる場合、それぞれの内訳を確認してみるのがいいでしょう

なお、相場からあまりに安すぎる見積もりに対しても注意が必要です。工事が開始した後に追加で費用が必要になったり、請求額が大きく膨らんだりする場合もあるため、見積もり内容に少しでも疑問を持つ場合は、契約前に塗装業者に確認して問題を解決しておくと良いでしょう。

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外壁塗装が高い理由は「業者が悪質」か「中間マージン」

外壁塗装の費用が高くなる理由として、中間マージンの存在、外壁の劣化状態や周辺環境などの理由を解説しました。

外壁塗装の費用が高い場合、そこから価格を抑えるためには、地元の業者に依頼する、相見積もりをとる、不明瞭な見積もり内容を確認して解決するなどの対策が有効です。

ですが、「地元業者と付き合いがない」「相見積もり先の心当たりが少ない」という方も多いようです。
そんな方々のために、当サイト・ヌリカエでは全国の優良業者情報に詳しい無料の相談窓口を用意していますので、お気軽にお問い合わせください。
窓口では、自分の場合の適正費用がよくわからない方のご相談にものっています。

最後に、本記事の要点を振り返ってみましょう。

外壁塗装の価格が高いと感じたら、悪質業者だと思っていい?

すべてが悪質業者とは言えませんが、価格が高いのと同時に、見積書に省略や不明瞭な記載が多かったり、特別な値引きであることを強調されたり場合は注意するべきです。詳しく知りたい方は注意! 不当に高い外壁塗装業者の手口をご覧ください。

外壁塗装費用はどんな場合に高くなりやすい?

工事をハウスメーカーに依頼した場合、家の劣化状態がかなり進んでいる場合、形状が「総二階」などの家の場合は、費用が高くなりやすい傾向があります。詳しくは外壁塗装の金額が高くても心配ないケースをご覧ください。

外壁塗装の費用はいくらぐらいなら高くないといえる?

工程別の単価でいうと、足場代は「700~900円/㎡」、高圧洗浄費が「200~400円/㎡」、塗装費用が「2,300円/㎡」ほどなら高くないと言えます。詳しくは外壁塗装の費用相場とは?をご覧下さい。

外壁塗装費用が高い場合、安くする方法はある?

地元の塗装業者に直接依頼する、相見積もりを取得する、見積もりの不明瞭な部分を確認するなどの対策があります。詳しくは高い外壁塗装費用を安くする方法をご覧ください。

外壁塗装は10年に一度を目安に行う家のメンテナンスです。納得する業者と長いお付き合いができるように依頼者側も相場観を身につけましょう。

▼書籍
  • 菊池克弘『住宅リフォーム重要事項32選』都市環境建設 2015
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