窯業系サイディングを塗装する前に知っておきたい基礎知識

  • 【更新日】2022-02-14
窯業系サイディングを塗装する前に知っておきたい基礎知識

 

初期費用が比較的安く、工事もしやすいので人気な窯業系サイディング。
サイディングには窯業系、金属系、木質系、樹脂系と4種類あり、その中でも日本で一番シェアが多いと言われている窯業系サイディングですが、塗装のときはどんなことを気を付けたらよいのでしょうか。
外壁塗装は事前知識の有無が成功と失敗を分けるとまで言われています。

そこで、この記事では窯業系サイディングの塗装をするときに必要な知識をまとめました。
みなさまの塗装工事の際に、参考になれば幸いです。

本記事のPoint
  • 窯業系サイディングの塗装は防水効果を維持させるために大切!
  • 塗料選びは何をこだわりにするかを決めてから業者の話を聞こう!
  • 窯業系サイディングにメンテナンスフリーはないので要注意!

外壁材は決まった!工事金額はざっくりいくらだろう?

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窯業系サイディングの塗装はなぜ必要なの?

窯業系サイディングの塗装は特殊な塗料を使用していない限り、目立った外傷や劣化症状がなくても10年に1度は塗装を行わなければなりません。

塗装が必要な理由は主に4つ

・美観を保つため
・デザインを変えるため
・劣化症状を補修するため
・防水効果の維持
窯業系のサイディングボード自体に防水効果はなく、最初に塗ってある塗料の効き目はどんどん切れてきてしまいます。そのため家を長持ちさせるのに、塗装は必ず必要なのです。

そのため家を長持ちさせるのに、塗装は必ず必要なのです。

では、もし塗装をせずにそのまま過ごしたらどうなってしまうのでしょうか。以下で一緒に見ていきましょう。

もし塗装を行わなければどうなるのか?

もし塗装を行わなければ外壁材内部にまで、雨水が侵入してしまう可能性があります。こうなってしまったときがとても大変なのです。外壁材の内部まで水が侵入してしまうと家の中まで雨漏りしてしたり、構造部分が腐敗したり、シロアリの住処になったりしてしまいます。
特に構造内部が腐敗した場合は、家の強度や耐久性が著しく落ち、地震や台風で家が崩れてしまう可能性が出てきます。そうなると、塗装工事とは比べ物にならない工事費用がかかってしまうのです。

そもそも「塗装」ってどんな意味なのだろう…こんな疑問を持つ方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

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窯業系サイディングにこういう症状があったら危険!

劣化症状によっても行う工事内容は変わってくる

それぞれの家の状況でどれくらいの工事が必要か、費用がいくらかは変わります。その目安となるのが劣化症状です。
ここでは窯業系サイディングの劣化症状別に必要な工事に関して見ていきましょう。

劣化症状 内容 危険度
色褪せ 紫外線などの影響により外壁の色が褪せてしまうこと。
塗膜のひび割れ 乾燥や地震などにより外壁の塗膜にひびが入ってしまうこと。
内部のひび割れ 幅0.3mm、深さ4mm以上のひび割れは塗膜を突き抜けて外壁の内部までひび割れが来てしまっている可能性がある。この場合は水が侵入し、内部が錆びてしまうので早めの補修が必要。
剥離 塗料の密着度が悪く、塗膜が剥がれてしまうこと。内部まで剥離が来てしまっていたらすぐ補修を行おう。
チョーキング 外壁を触って手に白い粉のようなものが付く現象のこと。危険度が高いわけではないが、防水効果が切れてきているサインになる。
カビ・コケ・藻 太陽の光が当たりにくく、湿度が高い北側に多い。かなり美観を損なわすのでなるべく早めに補修できるといい。
※危険度の塗装時期目安 ◎:早急に業者に依頼しましょう 〇:半年以内を目安に塗装を依頼しましょう △:1年以内を目安に塗装を依頼しましょう

色褪せ、チョーキング、カビ・コケ・藻

洗浄+塗装が必要です。まだ劣化症状として進行が低い色褪せやチョーキングは、粉やほこりを落として塗料の密着度を良くするために高圧洗浄で外壁を洗浄してから塗装を行います。

カビ・コケ・藻が外壁に付いてしまっている場合も同じように洗浄を行うのですが、高圧洗浄では落としきれない可能性があるので、そのときはバイオ洗浄といって特殊な洗浄剤を使って汚れを落としてから塗装を行います。特にカビ・コケ・藻はそのままにしておくと、美観を損なわすだけではなく、健康被害にも影響が出たり、外壁が弱くなったりしてしまいます。きちんとプロの力で洗浄をして根本から撤去しないと再発しやすくなってしまうので、注意しましょう。

塗膜のひび割れ、内部のひび割れ、剥離

劣化部分の補修+洗浄+塗装が必要です。ひび割れや剥離してしまった部分は必ず補修を行います。

もし見積もり書に補修の内容が記載されていないときは注意しましょう。

塗装工事を行うなら知っておきたいコーキング補修について

窯業系サイディングにはコーキングという部分があります。コーキングとはサイディングボード同士のすき間を埋める目地充填剤のことです。
このコーキングにも5~10年という寿命があり、塗装と同時にコーキングの補修をした方がよいでしょう。

外壁と一緒にコーキングの劣化症状もチェックしよう!

危険度1:ひび割れ

 

コーキングに細かいひびが入っています。ひび割れはコーキングの寿命が近づくと現れる症状です。中が見えている状態でなければ補修がすぐ必要という段階ではありませんが、注意しながら様子を見ておきましょう。

危険度2:肉やせ

 

コーキングが痩せてきてしまい、厚みがなくなってしまっている状態です。こちらもひび割れ同様、急を要する状態ではありませんが、悪化しないよう経過を観察していかなければなりません。

危険度3:剥離・欠落

 

写真のようにコーキングが剥離したり欠落したりして、外壁材の中が見えてしまっている状態は、早めの補修が必要です。もし雨水が中に侵入してしまうと、サイディングボードが水を吸収してしまったり、家自体が腐敗してしまったり大変なことになりかねませんので、すぐ業者に相談しましょう。

コーキングの補修方法は打ち替えがおすすめ!

費用相場 耐用年数
増し打ち 約350~900円/m 2~5年
打ち替え 約700~1,200円/m 7~10年

コーキングの補修方法は打ち替え増し打ちの2通りあります。
打ち替えとは、既存のコーキングを外して新しく付け替える方法で、増し打ちとは、既存のコーキングの上から新しいコーキングを付ける方法です。

増し打ちの方が費用はかかりませんが、打ち替えで行った方がおすすめです。
なぜなら増し打ちだと上から充填するため、新しく打ち直す打ち替えより耐久性が劣ってしまい、耐用年数も下がってしまうからです。
どうしても気になる箇所を一時的に補修するのであれば増し打ちで対応しても問題ないので業者に相談してみましょう。

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窯業系サイディングの塗装方法は3種類

窯業系サイディングを塗装するときは主に3種類の方法があります。

単色塗りつぶし

 

塗装といえば多くの方がこの単色塗りつぶしをイメージするでしょう。
既存の外壁の上から色のついた塗料を塗る方法です。塗料の色によってガラッとイメージチェンジも可能です。

多彩色塗装

<引用:株式会社トラスト美装

単色塗りつぶしと違って、複数の色を使用して仕上げる塗装方法です。
2色以上使用することで柄や模様にも対応できて、個性的な風合いを引き出すことができます。多彩色塗装は外観にこだわりたい方におすすめです。

クリアー塗装

<引用:有限会社永健工業

クリアー塗装は透明の塗料を使うので、現在の外壁の色やデザインはそのままにできます。「新築のときに悩んで選んだ外壁デザインなので、できればそのままのデザインにしたい」とクリアー塗装を選択する方も増えています。
特に多彩色塗装をしたお家の方は、そのままの模様を活かしたいという方が多く、クリアー塗装を選択されるケースが多いです。
ただし、クリアー塗装をするには目立った劣化症状がない場合に限ります。

クリアー塗装について詳しくはこちら↓

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窯業系サイディングに合う塗料・費用相場

塗料のグレードについて理解しよう

まずは塗料のグレードについて知りましょう。
塗料はグレードによって耐用年数や値段が変わります。以下が塗料のグレード表です。

グレード 耐用年数 費用相場 特徴
アクリル 5~8年 1,000~1,200円/㎡ ヒビ割れしやすい
ウレタン 8~10年 1,800~1,200円/㎡ 紫外線に強く水はじきもよく長持ちする
防汚性に劣る
シリコン 10~15年 2,500~3,500円/㎡ 紫外線や汚れに強く防汚性も高い
フッ素 12~20年 3,500~4,500円/㎡ 耐久性に優れている
光触媒・無機塗料 15~20年 5,000~5,500円/㎡ 汚れが非常に付きにくい
遮熱・断熱塗料(ガイナ) 15~20年 5,000~5,500円/㎡ 温度差で2~3度の断熱・遮熱効果がある

塗料選びは自分の家にとって何が大切なのか、それぞれの目的に合った塗料を選ぶ必要があります。以下ではタイプ別に具体例をご紹介しているので参考にしてみてください。

タイプ①基本的な機能は欲しいけどなるべく費用を抑えたい!

このタイプには、シリコン塗料がおすすめです。一番スタンダードな塗料で、価格や性能、耐用年数などのバランスが良い塗料なので、「迷ったらシリコン塗料にすれば間違いはない」と言われています。

タイプ②とにかく耐久性や機能面にこだわりたい!

このタイプには、フッ素塗料や光触媒・無機塗料、遮熱・断熱塗料などグレードが高く、特化したポイントがある塗料がおすすめです。
シリコン以上のグレードが高い塗料だと、強味がはっきりとした塗料が多いですが、「どんな人・場合におすすめなのか」は変わってきます。
またどんなに性能の良い塗料でもそれが向いていない場合もあるので、自宅に必要な要素を精査する必要があります。

例えばガイナ↓

例えばサーモアイ↓

塗料を選ぶときの注意点

業者が売りたい塗料に誘導されていないかを気を付けましょう。

「あれ?この塗料ばかりおすすめされてる・・・」
「この塗料の良いところしか聞かされていない・・・」など
業者が売りたい塗料(利益率が高い塗料など)の売り文句ばかりになっていないか注意しましょう。

とはいえ業者が心からあなたのためを思っておすすめしてくれている場合もあります。見分けるためには、以下の点を気にしながら話を聞くことをおすすめします。

・自分の目的に合っている塗料か
・耐久年数はこれからのライフステージに合っているか
塗料についてもっと詳しく↓

メンテナンスフリーのサイディングってあるの?

新築時に、「これは難付着サイディングだから塗装は不要です」「ずっとメンテナンスフリーのサイディングです」と言われたことがある人がいるかと思います。

しかし現状、メンテナンスフリーの塗料は存在していません。 難付着サイディングとは、汚れを弾く光触媒塗料や無機ハイブリッド塗料などが最初に施してあることで、上から塗装する塗料すらも弾いてしまい、塗装が難しいのです。故にメンテナンスフリーと謳うことで消費者を惑わしたいという思惑もあります。
難付着サイディングの上から普通の塗料を塗るのは難しいため「できない」と言ってしまう業者が多く、施工可能かは業者の技術にかなり左右されます。
もしご自宅が難付着サイディングだった場合やメンテナンスフリーだと言われた場合は、ヌリカエにぜひご相談ください。

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窯業系サイディングの塗装費用について

窯業系サイディングの外壁塗装工事にはいくらぐらいかかるのでしょうか。
一回の塗装工事にかかる費用は平均で80~120万円の間だと言われています。ここでは坪数ごとに相場を見ていきましょう。

坪数 費用相場
30坪(平均外壁面積125㎡) 60~96万円
40坪(平均外壁面積145㎡) 71~112万円
50坪(平均外壁面積175㎡) 86~136万円

費用相場に幅がある理由は、同じ坪数でも外壁面積に違いがあることと、何の塗料を使うかによって費用が大きく変わることにあります。
また外壁塗装は定価が存在しない業界なので、業者の言い値で決まってしまいます。
そのため業者選びが、外壁塗装において最も大切なのです。

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まとめ

もし相場と大きく費用が違っていたり、業者の説明に少しでも不安を感じたりしたら「相見積もり」をとるのがオススメです。

複数業者からの提示金額、塗装面積、使用塗料、工事内容などを比べることで、失敗を最大限に防げるため相見積もりは外壁塗装において欠かせない準備です。

もし、声をかける業者をどこにすれば良いか分からない場合はヌリカエをご利用下さい。
業者紹介前には、専門知識のある相談員があなたのご要望を丁寧にヒアリングしますので、不要な連絡がいくご心配もありません。お役立ていただけますと幸いです。

 


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