外壁塗装をするとき、「どんな色にすればいいんだろう?」と迷ってしまう方は、少なくないのではないでしょうか。
この記事ではそんな方に向けて、「外壁の色の組み合わせ」についての知識をまとめました。
外壁に使う色を決める際の考え方、人気の色・配色パターン、仕上がりをなるべく正確に知る方法などを徹底解説していきます。この記事を読んで、理想通りの外観を手に入れましょう。
監修者:外壁劣化診断士 小林 成光
600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。
▼略歴・プロフィール |
外壁塗装色の組み合わせの基本ルール
外壁に使用する色を選ぶ際に、おしゃれに仕上げるためのコツお教えします。
外壁の色を選ぶ際に抑えるべきポイントは以下の5つです。
①色数は多くとも3色以内
塗料には多くのカラーバリエーションがあるため、「あの色も使いたい」「この色も使いたい」と、ついつい色を多くしてしまいがちです。
しかし、多くの色を使いすぎると、全体にまとまりがなく落ち着かない印象の外壁になる可能性があります。
使用する色は2色~3色程度にとどめ、その中で塗装面積の配分を考えるのがよいでしょう。
②好きな言葉からイメージを広げる
「外壁の色の組み合わせイメージが浮かばない」という場合には、まずは一言でどんなテーマ・テイストの外壁にしたいかを考えてみましょう。
「ナチュラル」「モダン」「スタイリッシュ」などの定番のテイストでもいいですし、「春」「ひまわり」「海」などの漠然としたテーマでも構いません。
それぞれに使われている色を書き出し、その中で組みわせてみることで、理想の配色が見つかるかもしれません。こちらもチェック
色を指定すると、その色を含めた2~4色を使ったオシャレな組み合わせを提案してくれる無料ツールもあります。
「Color Supply」
③「景観条例」に注意
「お住まいの地域によっては外壁に使用できない色がある」ということは、念頭に置いておきましょう。
景観の保護を目的とした「景観条例」を設けている地域では、条例違反の外観に罰則が与えられることがあります。景観条例では「マンセル表色系」という基準により使用できる色を定めているので、その中で色選びをする必要があります。
お住まいの地域に景観条例が設けられているかどうかは、『市区町村名+景観条例』などのキーワードで検索をして調べることができます。
④ワンランク上の外壁を目指すなら「意匠性塗材」も検討
単純な色の組み合わせだけではなく、模様付きの塗料を使うことでも、外壁のデザインに幅を持たせることができます。
エスケー化研の『セラミエレガンス』や菊水化学工業の『グラナダ』などの「意匠性塗材」を使用すれば、外壁材を変えることなく、外壁に高級感のある模様をつけることができます。
「外壁塗装の色の基本」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
外壁塗装の色選びに失敗しないワザ
実際に外壁を塗装する前に、色の組み合わせの相性やイメージを確認する方法を3種類ご紹介します。
塗料メーカーのカラーシミュレーターを使う
外壁の色の組み合わせを考える際にまずオススメなのが、塗料メーカーや外装メーカーが用意しているカラーシミュレーターです。
カラーシミュレーターでは、自分の家に近い形の戸建て選んで、色を部位ごとに自由に変えて試すことが可能となっています。
色を変えられるのは外壁だけでなく、屋根や玄関、窓枠なども含まれます。
戸建て用のカラーシミュレーターは各社から色々出ていますが、以下の2つがとくにオススメです。
エスケー化研「住まいの塗り替えシミュレーション」
三大塗料メーカーのひとつ「エスケー化研」提供のカラーシミュレーション。
シミュレーターのなかでは色数が特に豊富で、操作も色と部位をクリックで選んでいくだけと非常に簡単。
塗り替えリフォームの検討用にもっともオススメのシミュレーターです。
サイト名 | 住まいの塗り替えシミュレーション |
---|---|
戸建ての形状 | 9種類 |
使用可能な色数 | 約155色 |
色変更できる部位 | 外壁(2~3パーツ)、屋根、玄関ドア、軒天、破風、雨どい 等 |
特徴 |
|
ケイミュー「外観シミュレーション」
外装材メーカー大手の「ケイミュー」が公開するシミュレーター。
家の形状のパターンが豊富で、塗り分け方も複数選べるため、非常に細かいシミュレーションが可能。
そのかわり、色を直接指定するのではなく、ケイミューの外装材の商品名を先に選んでから商品にある色を当てはめる操作と、とっつきづらい部分も。
外壁の塗り替えの検討用よりも、新築のデザイン決めに向くシミュレーターと言えます。
サイト名 | ケイミュー外観シミュレーション |
---|---|
戸建ての形状 | 44種類 |
使用可能な色数 | 20~30種類 |
色変更できる部位 | 外壁(2~3パーツ)、屋根、玄関ドア、破風、軒天、雨どい、窓ガラス、背景、エスクテリア 等 |
特徴 |
|
▼「カラーシミュレーター」についてもっと詳しく知りたい方におすすめ
大きいサイズの色サンプルを取り寄せる
ある程度使いたい色の目星がついたらら、A4~A3サイズの色見本を取り寄せて、実際に家の外壁に立てかけてチェックすることです。
これにより、冊子サイズの色見本だけで確認するよりも、仕上がり後のイメージギャップを減らすことができます。
A3サイズの色見本は契約する予定の塗装業者に頼むと取り寄せてもらえます(有料。500~1,000円程度)。
Point
カラーサンプルを立てかけて確認する際は、天気の違う日で試したり、距離や角度をかえて色々な場所から眺めると、よりイメージ違いが起こりにくくなります。
カラーパレットツールを使う
デザイナーが配色を決めるによく使っているのが、ウェブ上の「カラーパレットツール」です。
なかでも「Color Hunt」というカラーパレットツールは、「ヴィンテージ」「レトロ」「ナチュラル」といったイメージを選ぶだけで、おすすめの色の組み合わせや比率を数多く提案してくれます。
英語サイトですが、クリックだけで使えるので操作に困ることはないでしょう。
オシャレな組み合わせ、カッコいい組み合わせにこだわりたいなら是非ともオススメです。
- Dark(ダーク):黒や暗色をつかったスタイリッシュな配色
- Wark(あたかかい):アースカラーや肌色を使ったナチュラル寄り配色
- Popular(人気の組み合わせ):サイト利用者の多くが気に入った、人気の組み合わせを確認できる
外壁塗装におすすめの色の組み合わせ10選
外壁塗装で人気の色の組み合わせ10選を、実際の施工事例とともにご紹介します。
理想のカラーリングがあるか、ぜひ探してみて下さい。
今回は以下の10個の例をご紹介します。
× | 白×ベージュ |
× | 黒×白 |
× | 白×青 |
× | ピンク×白 |
× | グリーン×白 |
× | グレー×黒 |
× | 白×ブラウン |
× | ブラウン×グリーン |
× | ブラウン×オレンジ |
× | 黒×ブラウン |
白×ベージュ
ややクリームがかった「白」と、ピンク寄りの明るいベージュのさわやかで温かみにあふれた組み合わせ。
2色の相性もよくどちらもクセがないため住人やご近所の好みを問いにくく、リラックスした雰囲気の自宅になるでしょう。
砂ぼこりなどの白っぽいの汚れが目立ちにくいのもポイントです。
黒×白
清潔感とやさしさのある「白」、高級感と堅牢さのある「黒」の定番の組み合わせ。
モノトーンカラー同士なので万能に相性よく仕上がり、多少個性的なデザインに挑戦しても奇抜になりすぎないのも良いところです。
白・黒ともに汚れが目立ちやすい色なので、その点だけ注意しましょう。
白×青
有彩色のなかではもっとも定番の「青」と、どんな色とも馴染む「白」の安心感とスタイリッシュが両立した組み合わせ。
白、青ともに清潔感・清涼感を与えるカラーなので、印象もバッチリです。
青の色味を鮮やかにすると個性的な仕上がりに、明度を低くすると周囲と調和する仕上がりになるでしょう。
ピンク×白
やや薄茶色に近い「ピンク」ベースの外壁に、窓枠や幕板の「白」がアクセントカラーになったポップなイメージの組み合わせ。
ピンクというと個性的すぎるイメージをもつかもしれませんが、上図のように鮮やかさを抑えると悪目立ちしない上品な仕上がりになるでしょう。
グリーン×白
深緑に近い「グリーン」と、雨樋や窓枠に使われたハッキリとした「白」のナチュラル感・カントリーっぽさのある組み合わせ。
グリーンと赤は補色の関係にあるため、お互いを強調し合います。
写真のように庭や外構に「赤」「赤茶」が多い家の外壁にグリーンを使うと、ほとんど黒に近い深緑でも鮮やかに見える効果が生まれます。
グレー×黒
モノトーン同士もうひとつの定番、「黒」と「グレー」のシックで落ち着いた印象の組み合わせ。
男性的なイメージになりすぎるのを避けるには、グレーの割合を多めにしたり、陰影や模様・テクスチャのある外壁材を使うとよいでしょう。
白×ブラウン
クッキリした「白」と、レンガ模様でやわらかい「ブラウン」のプレーンで周囲の景観を選ばずマッチする組み合わせ。
どちらも落ち着いた色味の定番色です。
2色の割合は、どちらかというと白が少なめのほうが締まって見えるので格好良いでしょう。
ブラウン×グリーン
前の例とはうってかわり、赤みの濃いレンガ調の「ブラウン」と、少しくすんだ「グリーン」の伝統・格調を感じる組み合わせ。
似合う家をやや選ぶ、センスが必要なカラーリングです。
写真のようにな屋根や外壁の形に特徴のある住宅にならよく似合うでしょう。
ブラウン×オレンジ
チョコレート色の「ブラウン」と明るい「オレンジ」の活発なイメージながら、まとまりもある組み合わせの住宅です。
ブラウンとオレンジは実は、黒味にさがあるだけのほぼ同一色相の色なので、相性は良いのです。
また、写真のようにオレンジの彩度を落とすことで、明るいトーンにしてもどぎつくならない効果があります。
黒×ブラウン
つや消しの「黒」の外壁と、ドアやベランダ、フェンスに木目の「ブラウン」を使用したモダンで高級感のある組み合わせ。
ブラウンと黒はナチュラルカラーとモダンカラーでありながらとても相性がよく、とりいれると手軽にカッコいい住宅にできます。
黒のメタリックさを強調した「金属系サイディング×木目柄の外構」のパターンも人気があります。
▼「外壁デザイン集」をもっと多く見たい方にオススメ
外壁色の塗り分け方は5パターン
外壁の配色方法としては、大きく以下の5パターンが定番です。
- 同系色でまとめる
- ツートーンカラーでまとめる
- 水平に塗り分ける
- 垂直に塗り分ける
- ワンポイントカラーをいれる
以下で詳しく見てましょう。
同系色でまとめる
画像出典:ケイミュー株式会社
画像出典:ケイミュー株式会社
まず1つ目のパターンは、同系統の色でまとめるパターンです。
濃度の違う同系色のカラーで塗り分けることで、統一感のある落ち着いた雰囲気を自然に作ることができます。
ツートーンカラーでまとめる
画像出典:ケイミュー株式会社
画像出典:ケイミュー株式会社
2つ目のパターンは、明度の差の大きい2色を使うツートンカラー配色です。
異なる系統の色を組み合わせることではっきりした印象を出すことができます。
水平に塗り分ける
画像出典:ケイミュー株式会社
画像出典:ケイミュー株式会社
3つ目のパターンは、1階と2階を分ける帯の部分で色を塗り分ける配色パターンです。
多色使いの外壁ですが奇抜になりにくいので、攻めすぎない程度に家の雰囲気を変えたいという方におすすめです。
垂直に塗り分ける
画像出典:ケイミュー株式会社
画像出典:ケイミュー株式会社
4つ目のパターンは、外壁を縦で塗り分けるパターンです。
家の凹凸や面で色を分けることにより、スタイリッシュな雰囲気を演出することができます。
ワンポイントカラーをいれる
画像出典:ケイミュー株式会社
画像出典:ケイミュー株式会社
5つ目のパターンは、ワンポイントカラーを用いる配色パターンです。
同系統でまとめた外装の中に異なった系統の色をワンポイントとしておくことで、全体の雰囲気が引き締まり、ハイセンスな外観に変わります。[
外壁塗装の人気色は?
世間ではどのような色の塗料が外壁でよく用いられているのでしょうか?
今回はヌリカエでの成約実績などを参考に、外壁塗装の人気色TOP10をご紹介していきます。
1位:ベージュ・クリーム
画像出典:ケイミュー株式会社
外壁塗装で用いられる色で最も人気が高いのは、ベージュ・クリームなどの色です。他のどの色とも調和しやすく、利用するシーンを選ばないのが人気の理由でしょう。汚れも淡色の中では目立ちにくいです。
2位:白
画像出典:ケイミュー株式会社
汚れやすい印象の白も、そも見た目の美しさから根強い人気があります。
ベージュ・クリーム同様に様々な色と組み合わせやすく、清潔感のある印象を与えられるのが白の外壁の良いところです。昨今では汚れにくい塗料・外壁材も開発されているので、白色でも外壁を美しく保ちやすいです。
3位:ブラウン
画像出典:ケイミュー株式会社
ナチュラルさを演出したい方には、ブラウンの外壁が人気です。
ベージュ以上に汚れが目立ちにくいほか、自然で温かみのある印象を与えるので、お庭でガーデニングなどをされているお家などにはよくマッチします。また、レンガ調の外壁であれば、濃いめの茶色を採用することで外国風の雰囲気になります。
4位:グレー
画像出典:ケイミュー株式会社
外壁の汚れが目立たないグレーの外壁も、近年はよく用いられます。
白・ベージュなどの淡色はどうしても汚れが目に付きやすいですが、グレーは淡色でありながら汚れが目立ちにくいです。
また、近代的でスタイリッシュな印象を持たせたい場合にも用いられます。
5位:黒
画像出典:ケイミュー株式会社
クールで都会的なお家にしたいという方に、黒の外壁は人気があります。
モルタルなどの塗り壁の場合、黒は若干重い印象になりますが、サイディングボードの外壁などにはよくマッチします。
なお、黒は意外と汚れが目立つので、黒い外壁を採用する場合は汚れにくくするための工夫をしましょう。
6位:黄色
画像出典:ケイミュー株式会社
欧風のおしゃれな外壁に憧れる方には、黄色の外壁がおすすめです。
鮮やかな色の中では周囲から浮きにくく、無理のない範囲で個性を主張することができます。また、ベージュや白と比較するとやや汚れが目立ちにくいです。
7位:グリーン
画像出典:ケイミュー株式会社
グリーンの外壁は鮮やかな色ながら落ち着いた高級感を持ち、植物や木などの自然と調和します。
ナチュラルさと高級感の両方を追い求める方におすすめです。8位:ネイビー
画像出典:ケイミュー株式会社
シックかつ個性のある色みのネイビーは、モダンな雰囲気を演出するのにぴったりです。
窓枠の白などと組みわせるとハイコントラストの外壁になり、より近代的なイメージを強めます。
9位:クリアブルー
画像出典:ケイミュー株式会社
クリアブルーの外壁は、爽やかで優しい雰囲気が魅力です。
木目などとの相性もよく、リラックスできる空間を演出するのにピッタリの色と言えるでしょう。
色が薄いため、若干汚れが目立つのがネックです。10位:赤
画像出典:ケイミュー株式会社
個性の強い赤の外壁は、他の人と違った雰囲気のお家に住みたい方におすすめです。
エネルギッシュで刺激的な赤色の家に住めば、おのずと活力が湧いてくるかもしれません。
なお、赤などの主張の強めの色は周囲から浮いてしまう可能性もあるので、その点は塗装の前に確認しておきましょう。
まとめ
以上、外壁塗装の色の組み合わせに悩んでいる方に向けて、色の決め方・考え方、組み合わせの例や人気パターン、カラーシミュレーションや色見本から仕上がりをなるべく正確につかむ方法[/text]などをお伝えしてきました。
最後に、本記事の要点を振り返ってみましょう。
外壁塗装の色の組み合わせは何色がおすすめ?
クセがなく温かみのある「白とベージュ」、モノトーン同士で合わせやすく程々の個性もある「黒と白」などがおすすめです。詳しく知りたい方は外壁塗装におすすめの色の組み合わせ10選をご覧ください。
外壁の色の合わせ方はどのように考えればいい?
色数は3色以内にする、好きなものや言葉からイメージする、景観条例で使えない色を先に把握する、などのポイントを押さえましょう。詳しくは外壁塗装色の組み合わせの基本ルールをご覧ください。
外壁の配色の方法にはどんなパターンがある?
同系の2色、差をつけたツートン、水平に塗り分け、垂直に塗り分け、ワンポイントの大きく5種類があります。詳しくは外壁色の塗り分け方は5パターンをご覧下さい。
外壁が色あせしにくい色は?汚れにくい色はある?
色あせしにくいのは「青・白・黒」、汚れが目立ちにくい色は「グレー・ベージュ」などの中間色です。詳しくは外壁塗装の人気色は?をご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。