本記事では、一戸建てのリフォームや新築に向けて洋風デザインを検討中の方に向けて、
- 洋風な一戸建てのデザイン事例
- 洋風デザインに使われる色・素材のパターン
- 洋風なデザインの外壁に仕上げるコツ
等について、数多くの写真とともに分かりやすく解説しています。
お家の外壁のデザインを決めるにあたって、候補やイメージを固めるお役に立てば幸いです。
▼外壁のおしゃれな配色・色選び全般について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
- 色は「ベージュ」「ブラウン」「淡いグリーン」「サーモンピンク」を使う
- 使用色は2~3色に絞り、暖色を使用すると洋風に仕上がる
- 外壁材はデザインが豊富の「窯業系サイディング」が洋風なイメージになりやすい
洋風なデザインとは?
「洋風」という語を辞書で引くと「西洋的な形式であること」「西洋風」といった意味が出てきます。
洋風デザインな建物と一口に言っても、アメリカンスタイル、北欧風スタイル、南欧スタイルと細分化することができます。
著名な洋風な建物
横浜市開港記念会館(神奈川県)
横浜市開港記念会館は、国の重要文化財に指定されている建築物。横浜港開港50周年記念事業として建築されましたが、関東大震災で全焼し、初期の建築が復元されました。
建築当初の建築様式は、辰野式フリークラシックと呼ばれる様式です。時計台は「ジャックの塔」とも呼ばれ、高さは36メートルにものぼります。
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(イタリア)
イタリアにあるキリスト教・カトリックの教会。石積み建築のドームとしては世界最大となっています。
外装は白大理石を基調としており、ピンクや緑の大理石で装飾されています。イタリアにおけるゴシック建築および初期ルネサンス建築を代表するシンボルです。
一般住宅にとり入れる際のコツ
「シンプル」「フラット」などを一戸建てのデザイン向けに少し具体的にすると、例えば以下のようなことといえるでしょう。
- アメリカンならブルーやグリーン、レッドといった個性ある色味を使用
- 北欧風ならアースカラーや自然にある素材を取り入れる
- 南欧風なら白を基調にオレンジやイエローといったリゾートカラーを使用
これらのポイントを踏まえて、洋風でおしゃれな一戸建てで使われている色や素材とデザインのバリエーションをより深く見ていきましょう。
洋風な外壁に使われる色
洋風な印象の家にしたい場合、メインカラーは「ベージュ」「ホワイト」「サーモンピンクやブラウンピンク」「淡いブルーやグリーン」といった明るめの色にするという鉄則があります。
メインカラー別に、洋風なデザインの事例を見ていきましょう。
ホワイト
ホワイトを外壁とした、パリ郊外にあるイル=ド=フランス地域圏をイメージとした住宅。明るいホワイトをベースにストーン調を組み合わせ、ヨーロピアン住宅であるアイアンモチーフの装飾が施されています。
ホワイト×グリーン
ホワイトをベースにグリーンの幕板を組みあわせた住宅。グリーンを差し色にすることによって、アメリカンテイストなラフな印象に仕上がりました。
レッド
エッジの効いた小幅なストライプ調のロゼレッドを基調とした住宅。個性的なロゼレッドカラーが明るさを際立たせ、アメリカンな住宅に仕上がっています。
「色別の施工事例集」を見たい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁塗装の色の選び方&全10色分の仕上がり写真30選」
洋風な外壁に使われる素材
おしゃれな外観に近づけるには、外壁材の選び方も気をつける必要があります。
洋風デザインのにしたい場合、外壁は「窯業系サイディング」「塗り壁」から選ぶとよいでしょう。
窯業系サイディング
外壁材のなかでも窯業系サイディングは豊富なデザインが存在しているため、細分化されやすい洋風デザインに適しています。
レンガ柄はアンティークで重厚感を表現できるため、ヨーロピアン住宅にしたい際におすすめです。西洋の建築物はレンガが利用されていることが多いものの、本物のレンガ住宅はコストがかかってしまうので、窯業系サイディングで洋風を再現しましょう。
個性が際立っているストライプ調はアメリカンデザインと相性が良いです。自然をモチーフとした北欧デザインを希望している場合は、木目調の窯業系サイディングが適しています。
ただし、窯業系サイディングの質感は表面のプリント(印刷)で再現されていることが多いため、本物の素材感には劣ることがあります。
「窯業系サイディング」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「窯業系サイディングとは?メリットとデメリット、費用やデザインを比較!」
漆喰
西洋は漆喰が日本以上に外装、内装を問わず街中で利用されています。西洋の建築物は何世紀にもわたって利用されることが前提であるため、耐久性の高い漆喰が古くから利用されています。また、西洋と日本では風土が異なるため、使用されている成分が違います。「西洋漆喰」はスペイン産の石灰を主成分とした天然無機質の自然素材で、耐久性は100年以上と言われています。
洋風な外壁のデザインパターン
洋風なイメージの住宅は、さらに4種類に細分化できます。
ラップサイディングが特徴的で個性的な配色の「アメリカンデザイン」、リゾート感のある明るい配色が特徴的な「南欧デザイン」、自然と調和した柔らかい印象の「北欧デザイン」、クラシックで品格のある「ブリティッシュデザイン」から、好みのパターンを見つけましょう。
アメリカンデザイン
画像出典:ケイミュー アメリカンスタイルの大きな特徴として、一枚一枚鎧張りにして仕上げる外壁のラップサイディングが挙げられます。また、日本ではあまり見られないブルーやレッド、グリーンなどの個性的なカラーを取り入れています。
また、アメリカンスタイルをさらに細分化すると、素朴感のある「アーリーアメリカン」や、アンティークで高級感のある「カントリースタイル」、ヴィンテージ感あふれる「カルフォルニアスタイル」など多岐にわたり、オリジナリティーのあるデザインが選択できます。
南欧デザイン
南欧デザインは白を基調にオレンジの屋根が特徴的です。軒がなく、すっきりとしたスマートなデザインになっています。
また、アイアン製の装飾も南欧デザインの特徴です。華奢で細かな装飾が本場の南欧らしさを引き立てます。
北欧デザイン
北欧デザインは華やかな配色のアメリカンスタイルと大きく変わり、ナチュラルで非常にシンプルな曲線で構成されています。
自然に囲まれた北欧ならではの自然美を生かすやさしい配色で、多種類の色や模様を使用しない傾向があります。
ブリティッシュデザイン
イギリスでは築100年以上経過した建造物が多く、年代によってデザインが異なります。「ジョージアンスタイル」は、シンメトリカルで重厚感のあるデザインが特徴です。
その後誕生した「ヴィクトリアンスタイル」は遊び心がある華やかな色合いとなっています。
外壁を洋風なデザインにするためのポイント
施工事例の収集を通して見えてきた、洋風なデザインの共通点や、洋風デザインをとり入れた家としておしゃれに魅せるための鉄則をご紹介します。
色数は3色以内
洋風デザインの家にしたい場合、外壁で使う色は3色までにするのがオススメです。
どんなに多くてもそれ以上は超えないようにし、3色目は使用面積の少ないポイントカラーとして使いましょう。
色数を多くすると統一感が薄れ、特にヨーロッパ特有の品格あるイメージから離れてしまいます。
使用色数ごとに、洋風デザインの成功例を見ていきましょう。
例①1色を使用した外壁
オレンジのナチュラルレンガ調1色を外壁とした住宅。オレンジの温かみと、レンガ調の経年変化を味わい深さによって洋風の要素が強調されています。
例②2色を使用した外壁
レイストーン調のイエローとを外壁として使用している住宅。グリーンの屋根を組み合わせて、自然と調和しているかのような北欧デザインに仕上がっています。
北欧デザインに寄せるのであれば、外壁の色数はできる限り1~2色のシンプルな構成にしましょう。
画像出典:ニチハ
歳月を感じさせるアンティークレンガ柄と、ダークブラウンの木目調サイディングを組み合わせた住宅。繊細な風合いで北欧風をイメージさせています。
暖色を積極的に取り入れる
洋風な雰囲気の要素を強めるには、温かみあふれる暖色が最適なのです。メインカラーはベージュやホワイトといった控えめな色味であっても、差し色として暖色を取り入れるだけで洋風な雰囲気に様変わりします。さらに理想の住宅イメージに近づけるには、洋風の中でも細分化されたコンセプトから外壁材と色味を選んでいきましょう。
外壁の色や素材を決める前の注意点
モダンなデザインを志向している・していないに関わらず、家の色やデザインを決定する前に確認しておきたいポイントを最後に解説します。
カラーシミュレーションで色を確かめる
塗料メーカーや外壁材メーカーのウェブサイトには、デザインのシミュレーションページが用意されています。
外壁の色や塗装デザインを最終決定する前に、シミュレーターで色や塗り分けのパターンをいろいろ試しておきましょう。
おすすめのカラーシミュレーターは、エスケー化研のウェブサイトにある「住まいの塗り替えシミュレーション」です。
その理由は、操作が分かりやすいこと、戸建ての形状や色の種類が豊富なことと、候補となる色が決まったあとに塗料の色番号が分かることです。
「カラーシミュレーション」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「調査してわかった!外壁カラーシミュレーションのおすすめ4選+α」
色見本はA4サイズのものを使う
塗料を選ぶ際に、施工店からは無料で冊子タイプのカラーサンプルがもらえると思います。
しかし、色の最終決定は冊子タイプのものではなく、A4大の「塗り板」と呼ばれるサンプルを取り寄せて、実際に屋外で見たり、自宅の壁に立て掛けて色の見え方をチェックしましょう。
塗り板は無料ではなく500~1,000円程度の料金がかかるのが通常で、取り寄せにも1週間前後かかるのが通常ですが、仕上がりに後悔しないためにも使うほうがオススメです。
ドアやサッシの色が変えられない場合も想定する
ドアや窓枠の塗装は、外壁塗装の工事には通常含まれていません。
サッシ等は外壁塗装時の養生の下に隠れてしまう部分であり、塗料も外壁と共通ではないため、同時に作業ができないからです。
玄関ドアやサッシの色が変えられることを前提に、プランを立てないほうがよいでしょう。
なお、サッシの塗装にかかる費用は1箇所につき3~6万円が目安で、作業期間も外壁と分ける必要があります。
そのような背景があるためか、ほとんどの方はサッシの色はそのままで住み続けます。
「アルミサッシの塗装」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「塗装を長持ちさせる!アルミサッシの塗装は7つの工程を丁寧に」
塗装技術が高い業者に依頼する
外壁の色やデザインを決めただけではまだ半分。
実際におしゃれに仕上がるかどうかは、業者の腕にもかかっています。
腕が良くて信頼できる塗装業者に心当たりがない場合は、地域で3~4社ほどから相見積もりをとって、実際の業者と接してみるのが地道ながら有効です。
訪問した担当者の説明の分かりやすさ、質問や要望に対する対応力、担当者の人柄、工事費用など、対面でないと分からない要素を比べて、今後10年以上の家のデザインを託せる業者を見極めましょう。
なお、当記事の料金おためし計算ツール
を通して相見積もりをとることもできます。
フォームからお申し込みいただくメリットとして、あなたの地元ですでに実績のあるの優良業者を最初からご紹介できることと、選ばなかった業者への気まずい断りの連絡を当社が代わりに行います。
この記事が参考になったら、ぜひご利用いただけると幸いです。
まとめ
リフォームをイメージ通りに進めるには、そのイメージを支える要素を特定してとり入れることが重要です。
洋風デザインの場合は、暖色系を取り入れた外壁カラーリングや、レンガ調やウッド調のサイディング材がその要素でした。
家の形状まではなかなか変えられないものですが、色や外壁材を気にするだけでもかなりモダンな住宅に近づくはずです。
リフォームや新築が望むデザインで成功することを、編集部一同お祈りいたします。