クラック補修の3つの方法と費用。自分で補修できるクラックとDIY手順も解説

  • 【更新日】2021-04-30

外壁のクラックは、ただちに家に悪影響を与えないものと、早急に補修しないと家の寿命を縮めるものの2通りがあります。

本記事では、ご自宅の外壁のクラック補修をお考えの方を対象に、

  • 自分で補修できるクラックか?
  • どの程度のクラックなら業者へ補修を依頼すべきか?
  • クラック補修のDIY方法と必要な道具は?
  • クラック補修を業者依頼する場合、費用を安くするには?

といった内容を解説いたします。

私の家だといくら?

クラックの幅別の最適な補修方法

クラックスケール使用の様子

画像出典:YouTube「ひび割れ部自動式低圧樹脂注入工法」

外壁にできるクラックの段階は、幅の広さによって3つに判別され、最適な補修方法も変わります。

クラックの幅を測るには、「クラックスケール」という道具が500円~で売っているので、手に入れると便利です。

幅0.3mm未満のクラックの補修方法

幅が0.3mm未満で、塗膜層のみに起こっているクラックは「ヘアークラック」と呼ばれます。
0.3mmとは、おおよそ髪の毛1本分の太さと同じなので、ひびの幅が髪の毛よりも細ければヘアークラックと判断できます。

家への影響有無

ヘアークラックは、美観上は補修することが望ましいですが、ただちに家の老朽化につながる心配はありません。

補修方法

幅0.3mm未満のクラックの補修方法は、ひび割れにエキポシ樹脂を注入する「シール工法」が最適です。

幅0.3mm~1.0mmのクラックの補修方法

幅0.3mm以上(おおよそ髪の毛の太さ以上)のクラックはなるべく早く補修することが望ましいです。

家への影響有無

幅0.3mm~1.0mmのクラックを補修せず放置すると、外壁の内部に雨水が侵入し、家の躯体や室内への漏水が発生するおそれがあります。

補修方法

幅0.3mm以上のクラック補修は、ひび割れに沿って座金を取り付けたあとに樹脂を注入する「樹脂注入工法」が最適です。

幅1.0mm以上のクラックの補修方法

幅1.0mm以上の太いクラックの多くは、塗膜層だけでなく外壁材にも達している「構造クラック」に発展しています。
構造クラックは、家の致命的な劣化につながる前に、直ちに補修を行うことを強くおすすめします。

家への影響有無

幅1.0mm以上のクラックを補修せず放置すると、外壁からの漏水、鉄筋のサビ、爆裂現象のほか、シロアリの侵入、家の構造体の腐食などにつながるおそれがあります。

補修方法

幅1.0mm以上のクラックは、ひび割れに沿って溝を掘ったあとに樹脂を充填する「カットシーリング充填工法」が最適です。

クラックの補修方法①シール工法

外壁のクラックとシーリング材

シール工法は、幅0.2mm~0.3mmのクラックの補修に最も向いている方法です。
クラックに樹脂を刷り込む表面的な補修方法なので、DIYで補修して費用を安く済ませることも可能です。

シール工法のDIY手順

1.クラック部分の清掃

クラックを中心に、幅5cm程度をワイヤーブラシ等で磨き、埃や汚れを取り除きます。

2.シーリング材の刷り込み

シーリング材の注入作業の様子

画像出典:YouTube「参考動画 クラック補修(シール工法) 【有限会社 ナカヤマ彩工】」(以下同様)

「可とう性エポキシ樹脂」または「カチオン系ポリマーセメントフィラー」を、クラック部に刷り込みます。
コーキングガンがあると、ヘラや刷毛で刷り込むよりもクラックの奥深くに注入でき、効果が高まります。

3.シーリング材の押し込み

シーリング材の押し込み作業の様子

シーリング材がよりクラックの内部まで届くよう、ヘラやウエスを使ってクラックをなぞり、シーリング材を押し込みます。
シーリング後の状態を平滑にする効果もあります。

シーリング注入工法の完了状態

作業後の外壁面は、このような感じです。

4.表面の仕上げ

補修部分が白く目立つのが気になる場合、外壁と同じ色で塗装してもOKです。

シール工法にかかる費用

DIYする場合

以下の材料・道具を揃えれて自分で補修すれば、費用は約4,000円で済みます。

材料・道具 価格(Amazon調べ)
外壁用 シーリング材 643円~
コーキングガン 1,376円~
ワイヤーブラシ 382円~
コーキング用ヘラ 666円~
刷毛 476円~
クラックスケール 576円~

上記リンク先のシーリング材には、「白」「グレー」「ベージュ」の3色があります。
外壁の色を考慮し、一番補修の跡が目立ちにくい色を購入するとよいでしょう。

業者に依頼する場合

シール工法での補修を業者に依頼した場合、施工長1mあたり700円が相場です。
その他、出張費や経費で、合計費用は2~5万円前後となる場合が多いでしょう。

クラックの補修方法②樹脂注入工法

樹脂注入工法でクラック補修中の様子

樹脂注入工法は、幅0.3mm以上のクラックに向いている方法です。
一般家庭にはなかなか無いであろう専用道具を使うので、DIYは不可能ではありませんが、作業はプロに任せたほうが安心です。

樹脂注入工法のDIY手順

樹脂注入工法でクラックを補修する手順は、以下のとおりです。
工期は、シーリング材と樹脂の乾燥時間を確保するため、最低3日間必要になります。

1.クラック部分の清掃

クラック部分の清掃作業の様子

画像出典:YouTube「ひび割れ部自動式低圧樹脂注入工法」(以下同様)

クラックを中心に、幅5cm程度をワイヤーブラシやエアブラシ等で清掃します。

2.注入口の位置決め

クラックのマーキング作業の様子

メジャーでクラックの長さを測り、約25cmごとに1箇所を目安にチョークなどで印を付けます。
印をつけた場所が、補修用の樹脂の注入口となります。

3.座金取り付け

座金の底にシーリング材を塗布

座金をクラックに取り付ける作業の様子

注入用の座金の底にシーリング材を塗り、印を付けた箇所に取り付けます。
取り付けの際は、座金の底の注入口がクラックの内部に届くようにしっかり差し込みます。

4.シーリング材の塗布

クラックと座金に沿ってシーリング材を塗布

コーキングガンを使い、クラックと座金の周辺にシーリング材を塗ります。
シーリング材の塗り方は幅30cm、厚さ2mmが目安です。

樹脂注入工法の1日目終了の状態

塗布後、翌日まで乾燥させます。

5.樹脂の計量、混合

エポキシ樹脂の混合作業の様子

商品の説明書に規定されている比率どおりに、エポキシ樹脂の主剤と硬化剤を混合し、コテなどを使って均一になるまで混ぜ合わせます。

6.樹脂をシリンダーに装填

エポキシ樹脂をシリンダーに装填

混ぜ合わせたエポキシ樹脂をシリンダーで吸い上げ、加圧ゴムを取り付けます。

7.樹脂の注入

クラック上の座金にシリンダーを装着・加圧

座金にひとつずつシリンダーを取り付け、ロックを解除してエポキシ樹脂を注入します。
シリンダーから樹脂がなくなった場合、一度座金から外して、樹脂を継ぎ足し、再度注入します。

クラックにエポキシ樹脂の注入が完了した状態

上図のように、加圧状態でもシリンダー内に樹脂が残ったままになったら注入完了です。
そのままシリンダーを外さずに、翌日まで静置します。

8.シリンダーの撤去、仕上げ

シーリング材を剥がす様子

シリンダー、シーリング材、座金を取り外します。

クラック周辺をヘラで滑らかに仕上げ

その後、ヘラで剥がしきれなかったシーリング材を擦り落とし、表面を平滑に仕上げます。

クラックの樹脂注入補修の完了状態

完了後は上図のような状態です。

樹脂注入工法にかかる費用

DIYする場合

樹脂注入工法に必要な材料・道具は以下のとおりです。
すべてそろえた場合、費用は約2万9,000円かかります。

クラックの長さにもよりますが、シーリング材は1500mlぶんほど、エポキシ樹脂は500~1500mlほど用意しておいたほうが無難です。

また、クラック注入補修用をDIYする人向けに、エポキシ樹脂とシリンダー・座金10組などがセットになった商品(13,900円)もあります。

業者に依頼する場合

樹脂注入工法での補修を業者に依頼した場合、施工面積1㎡あたり2,900円前後が相場です。
その他、出張費や経費で、合計費用は4~8万円前後となる場合が多いでしょう。

クラックの補修方法③カットシーリング充填工法

カットシーリング充填工法でクラック補修をする様子

カットシーリング充填工法は、幅1.0mm以上のクラックに向いている方法です。
一般家庭にはない工具や、施工技術が必要なため、DIYはかえって割高になります。
回転工具の使用なども危険を伴いますので、作業は業者に依頼してください。

カットシーリング充填工法の工程

1.クラックに沿って溝を掘る

カットサンダーでクラックをなぞるように、U字型またはV字型の溝を掘ります。

2.清掃・プライマー塗布

掘った溝を圧搾空気で清掃し、ゴミを飛ばします。
その後、シーリング材に対応したプライマーを、刷毛をつかって溝の中に塗ります。

3.シーリング材充填

溝の中にシーリング材を充填し、表面をヘラで平らにならします。
その後、シーリング材の乾燥を待ちます。

4.ポリマーセメント塗布

シーリングの上に、ポリマーセメントペーストを刷毛やヘラで塗り、表面をヘラで滑らかにしたあと乾燥を待ちます。

5.表面の仕上げ

補修部分が目立ってしまうのが気になる場合、同じ仕上げパターンと色で塗装し直します。

カットシーリング充填工法にかかる費用

カットシーリング工法での補修を業者に依頼した場合、施工面積1㎡あたり4,900円前後が相場です。
その他、出張費や経費で、合計費用は8~15万円となる場合が多いでしょう。

クラック補修業者の選び方

クラック補修ができる業者は?

クラック補修方法 対応できる業者
シーリング工法 防水工事業者
塗装業者
樹脂注入工法 防水工事業者
カットシーリング充填工法 防水工事業者

シーリング工法は防水工事業者か塗装業者、樹脂注入工法とカットシーリング工法は防水工事業者が、依頼先として最適です。

クラックが塗膜の層でおさまっているのであれば塗装業者に依頼して問題ありません。
外壁塗装と一緒にクラック補修が行われることも多いでしょう。

一方、樹脂注入や外壁のカットなどの専門的な作業は、塗装以外の作業に慣れた防水工事業者に依頼する必要があります。

また、基礎や地盤、コンクリートの品質などに問題がありそうなら、先に建物調査の専門家に調査・点検を依頼した方が良いでしょう。

クラック補修工事の費用を安くするには?

割高な業者を避けるには、複数の業者から見積もりを取得して比較する「相見積もり」が有効です。
相見積もりを取ることで、価格だけでなく、原因調査の結果や工事プラン、担当の応対の丁寧さなどを比べることができます。

反対に、1社のみの見積もりでは、その工事案が自宅に最も適切なものなのか、判断ができません。

近所に施工業者が複数無い場合や、業者を探したがうまく見つからなかった方のために、無料の相見積もり取り寄せ・比較サービスがあります。
審査基準を満たした自社施工管理の施工店から、一括で複数の見積りを取ることができるため、時間の節約にもなり、大変便利です。

私の家だといくら?

まとめ:DIYで補修可能なクラックは幅1mm以内まで

最後に、本記事の要点を振り返ってみましょう。

クラック補修の方法にはどんなものがある?

幅0.3mm未満のクラックに向く「シール工法」、幅0.3~1.0mmのクラックに向く「樹脂注入工法」、幅1.0mm以上のクラックに向く「カットシーリング充填工法」があります。詳しく知りたい方はクラックの幅別の最適な補修方法をご覧ください。

DIYで安く補修できるクラックはどの程度まで?

幅1mm未満のクラック、工法だと「シール工法」か「樹脂注入工法」までです。「シール工法」のDIYの費用は4,000円程度、「樹脂注入工法」の費用は2万9,000円程度です。詳しくはクラックの補修方法①シール工法をご覧ください。

急いで補修しなければいけないクラックはどの程度の規模から?

幅0.3mm以上クラックを補修せず放置すると、外壁の内部に雨水が侵入し、家の躯体や室内への漏水が発生するおそれがあります。詳しくは幅0.3mm~1.0mmのクラックの補修方法をご覧下さい。

大きなクラックをすぐに補修したいけど、費用はいくら?

幅1.0mm以上の大きなクラックに向く「カットシーリング工法」を業者依頼した場合、施工面積1㎡あたり4,900円前後、経費を含めて合計費用は8~15万円となる場合が多いでしょう。詳しくはクラックの補修方法③カットシーリング充填工法をご覧ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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