クラックの補修方法は?クラックの幅別に3つの最適解を解説。DIY手順も!

  • 【更新日】2024-02-05
クラックの補修方法は?クラックの幅別に3つの最適解を解説。DIY手順も!

外壁のクラックは、ただちに家に悪影響を与えないものと、早急に補修しないと家の寿命を縮めるものの2通りが存在しています。クラックは種類によって対処法や原因が異なるため、まずは建物のクラックの種類を見分ける必要があります。

本記事では、ご自宅の外壁のクラック補修をお考えの方を対象に、

  • クラックの補修方法は?
  • クラック補修のDIY方法と必要な道具は?

といった内容を解説いたします。

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クラックとは?

クラックとは、建物の外壁や内壁や基礎部分に生じる亀裂のことを指します。経年劣化や地震などの外的要因によって発生します。
クラックを放置してしまうと、雨漏りや雨水の侵入による建物全体の腐食が進んでしまうため、酷いヒビ割れの場合は早急な補修が必要です。

クラックの種類や補修の必要性については以下の記事をご参照ください。

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クラックの幅別の最適な補修方法

クラックスケール使用の様子

画像出典:YouTube「ひび割れ部自動式低圧樹脂注入工法」

外壁にできるクラックの段階は、幅の広さによって3つに判別され、最適な補修方法も変わります。

クラックの幅 補修方法 業者工事の費用 DIY補修の費用
0.3mm未満 シール工法 約2~5万円 約4,000円
0.3~1.0mm未満 樹脂注入工法 約4~8万円 約2万9,000円
1.0mm以上 カットシーリング充填工法 8~15万円 非推奨

クラックの幅を測るには、「クラックスケール」という道具が500円~で売っているので、手に入れると便利です。

幅0.3mm以下のクラック補修の必要性

幅0.3mm以下のクラックは、ほとんどの場合補修をしなくても問題ありません。 見た目が気になる場合か、広がるのが心配な場合だけ、補修するのがよいでしょう。

ただちに家の老朽化につながる心配はありません。
ほとんどのヘアークラックは、塗膜層のみに起こっており、外壁材そのものには達していないのが理由です。

補修方法

幅0.3mm未満のクラックの補修方法は、ひび割れにエキポシ樹脂を注入する「シール工法」が最適です。

幅0.3mm~1.0mmのクラック補修の必要性

補修の必要性

幅0.3mm以上(おおよそ髪の毛の太さ以上)のクラックはなるべく早く補修することが望ましいです。

クラックによる家への影響

幅0.3mm~1.0mmのクラックを補修せず放置すると、外壁の内部に雨水が侵入し、家の躯体や室内への漏水が発生するおそれがあります。

補修方法

幅0.3mm~1.0mmのクラック補修は、ひび割れに沿って座金を取り付けたあとに樹脂を注入する「樹脂注入工法」が最適です。

幅1.0mm以上のクラック補修の必要性

幅1.0mm以上のクラックは、家の致命的な劣化につながる前に、直ちに補修を行うことを強くおすすめします。

幅1.0mm以上のクラックを補修せず放置すると、外壁からの漏水、鉄筋のサビ、爆裂現象のほか、シロアリの侵入、家の構造体の腐食などにつながるおそれがあります。

補修方法

幅1.0mm以上のクラックは、ひび割れに沿って溝を掘ったあとに樹脂を充填する「カットシーリング充填工法」が最適です。

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クラックの補修方法①シール工法

外壁のクラックとシーリング材

シール工法は、幅0.2mm~0.3mmのクラックの補修に最も向いている方法です。
クラックに樹脂を刷り込む表面的な補修方法なので、DIYで補修して費用を安く済ませることも可能です。

シール工法の手順

1.クラック部分の清掃

クラックを中心に、幅5cm程度をワイヤーブラシ等で磨き、埃や汚れを取り除きます。

2.シーリング材の刷り込み

シーリング材の注入作業の様子

画像出典:YouTube「参考動画 クラック補修(シール工法) 【有限会社 ナカヤマ彩工】」(以下同様)

「可とう性エポキシ樹脂」または「カチオン系ポリマーセメントフィラー」を、クラック部に刷り込みます。
コーキングガンがあると、ヘラや刷毛で刷り込むよりもクラックの奥深くに注入でき、効果が高まります。

3.シーリング材の押し込み

シーリング材の押し込み作業の様子

シーリング材がよりクラックの内部まで届くよう、ヘラやウエスを使ってクラックをなぞり、シーリング材を押し込みます。
シーリング後の状態を平滑にする効果もあります。

シーリング注入工法の完了状態

作業後の外壁面は、このような感じです。

4.表面の仕上げ

補修部分が白く目立つのが気になる場合、外壁と同じ色で塗装してもOKです。

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クラックの補修方法②樹脂注入工法

樹脂注入工法でクラック補修中の様子

樹脂注入工法は、幅0.3mm以上のクラックに向いている方法です。
一般家庭にはなかなか無いであろう専用道具を使うので、DIYは不可能ではありませんが、作業はプロに任せたほうが安心です。

樹脂注入工法の補修手順

樹脂注入工法でクラックを補修する手順は、以下のとおりです。
工期は、シーリング材と樹脂の乾燥時間を確保するため、最低3日間必要になります。

ただし難易度が高いため、DIYによる補修は積極的におすすめはしません

1.座金の取り付け

クラックの長さを測り、約25cmおきに1箇所を目安に、底にシーリング材を塗ったシリンダー座金を取り付けます。

2.シーリング材の塗布

コーキングガンを使い、幅30cm・厚さ2mmを目安にクラックと座金の周辺にシーリング材を塗ります。
塗布後、翌日まで乾燥させます。

3.樹脂をシリンダーに装填

規定の比率どおりに、エポキシ樹脂の主剤と硬化剤を混合し、シリンダーで吸い上げ、座金にひとつずつ取り付けます。
その後、加圧ゴムのロックを解除してエポキシ樹脂を注入します。

そのままシリンダーを外さずに、翌日まで静置します。

4.シリンダーの撤去、仕上げ

シリンダー、シーリング材、座金を除去します。
その後、ヘラで剥がしきれなかったシーリング材を擦り落とし、表面を平滑に仕上げます。

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クラックの補修方法③カットシーリング充填工法

カットシーリング充填工法でクラック補修をする様子

カットシーリング充填工法は、幅1.0mm以上のクラックに向いている方法です。
一般家庭にはない工具や、施工技術が必要なため、DIYはかえって割高になります。
回転工具の使用なども危険を伴いますので、作業は業者に依頼してください。

カットシーリング充填工法の補修工程

1.クラックに沿って溝を掘る

カットサンダーでクラックをなぞるように、U字型またはV字型の溝を掘ります。

2.清掃・プライマー塗布

掘った溝を圧搾空気で清掃し、ゴミを飛ばします。
その後、シーリング材に対応したプライマーを、刷毛をつかって溝の中に塗ります。

3.シーリング材充填

溝の中にシーリング材を充填し、表面をヘラで平らにならします。
その後、シーリング材の乾燥を待ちます。

4.ポリマーセメント塗布

シーリングの上に、ポリマーセメントペーストを刷毛やヘラで塗り、表面をヘラで滑らかにしたあと乾燥を待ちます。

5.表面の仕上げ

補修部分が目立ってしまうのが気になる場合、同じ仕上げパターンと色で塗装し直します。

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クラック補修の費用相場

クラック補修にかかる費用相場は、部分的に補修する費用は、1箇所につき1〜15万円前後です。しかし、劣化の状況によっては費用が大きく異なります。クラック補修をDIYで行った場合と、業者に任せた場合の費用相場をご紹介します。

シール工法にかかる費用相場とは

DIYする場合

以下の材料・道具を揃えれて自分で補修すれば、費用は約4,000円で済みます。

材料・道具 価格(Amazon調べ)
外壁用 シーリング材 643円~
コーキングガン 1,376円~
ワイヤーブラシ 382円~
コーキング用ヘラ 666円~
刷毛 476円~
クラックスケール 576円~

上記リンク先のシーリング材には、「白」「グレー」「ベージュ」の3色があります。
外壁の色を考慮し、一番補修の跡が目立ちにくい色を購入するとよいでしょう。

業者に依頼する場合

シール工法での補修を業者に依頼した場合、施工長1mあたり700円が相場です。
その他、出張費や経費で、合計費用は2~5万円前後となる場合が多いでしょう。

樹脂注入工法にかかる費用

業者に依頼する場合

樹脂注入工法での補修を業者に依頼した場合、施工面積1㎡あたり2,900円前後が相場です。
その他、出張費や経費で、合計費用は4~8万円前後となる場合が多いでしょう。

DIYする場合

樹脂注入工法に必要な材料・道具は以下のとおりです。
すべてそろえた場合、費用は約2万9,000円かかります。

クラックの長さにもよりますが、シーリング材は1,500mlぶんほど、エポキシ樹脂は500~1500mlほど用意しておいたほうが無難です。

また、クラック注入補修用をDIYする人向けに、エポキシ樹脂とシリンダー・座金10組などがセットになった商品(13,900円)もあります。

カットシーリング充填工法にかかる費用

カットシーリング工法での補修を業者に依頼した場合、施工面積1㎡あたり4,900円前後が相場です。
その他、出張費や経費で、合計費用は8~15万円となる場合が多いでしょう。

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クラック補修費用を安くする方法

業者への工事依頼は、一見DIYよりも高く感じます。

しかし、長期的なコストパフォーマンスを考えると、DIYよりもオトクになることが多いです。

さらに、専門業者に依頼をする際、助成金や火災保険金が使えば、相場よりも20万円以上安く工事できる可能性があります。

外壁工事は、知識さえ身につければ相場よりもずっと安くできるんです。

外壁工事を安くするための助成金・火災保険については、以下の記事で詳しく解説しています。

クラック補修ができる業者は2種類

対応できる業者 クラック補修方法
防水工事業者 シーリング工法
樹脂注入工法
防水工事業者
塗装業者 シーリング工法

クラック補修を依頼できる業者には、大きく分けて「防水工事業者」と「塗装業者」の2種類がいます。

クラック補修作業の依頼先としては、基本的には「防水工事業者」が最適です。

ただし、クラックが塗膜の層でおさまっているのであれば塗装業者に依頼して問題ありません。

▼「外壁塗装の耐用年数」について詳しく知りたい方はコチラ
>> 外壁塗装の耐用年数って?工事前に必ず知っておきたい塗装の基礎知識!

クラック補修工事の費用を安くするには「相見積もり」が有効

クラック補修の工事費用をなるべく安くするには、複数の業者から見積もりを取得して比較する「相見積もり」が有効です。
相見積もりを取ることで、価格だけでなく、原因調査の結果や工事プラン、担当の応対の丁寧さなどを比べることができます。

反対に、1社のみの見積もりでは、その工事案が自宅に最も適切なものなのか、判断ができません。

近所に施工業者が複数無い場合や、業者を探したがうまく見つからなかった方のために、無料の相見積もり取り寄せ・比較サービスがあります。
審査基準を満たした施工店から、一括で複数の見積りを取ることができるため、時間の節約にもなり、大変便利です。

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まとめ:DIYで補修可能なクラックは幅0.3mmまでが目安

最後に、本記事の要点を振り返ってみましょう。

クラック補修の方法にはどんなものがある?

幅0.3mm未満のクラックに向く「シール工法」、幅0.3~1.0mmのクラックに向く「樹脂注入工法」、幅1.0mm以上のクラックに向く「カットシーリング充填工法」があります。詳しく知りたい方はクラックの幅別の最適な補修方法をご覧ください。

DIYで安く補修できるクラックはどの程度まで?

幅0.3mm未満のクラックが目安です。「シール工法」という方法でDIYを行うと、費用は4,000円程度です。0.3mm~1.0mmにクラックに行う「樹脂注入工法」もDIYは不可能ではありませんが、難易度は高めです。詳しくはクラックの補修方法①シール工法をご覧ください。

急いで補修しなければいけないクラックはどの程度の規模から?

幅0.3mm以上クラックを補修せず放置すると、外壁の内部に雨水が侵入し、家の躯体や室内への漏水が発生するおそれがあります。詳しくは幅0.3mm~1.0mmのクラックの補修方法をご覧下さい。

大きなクラックをすぐに補修したいけど、費用はいくら?

幅1.0mm以上の大きなクラックに向く「カットシーリング工法」を業者依頼した場合、施工面積1㎡あたり4,900円前後、経費を含めて合計費用は8~15万円となる場合が多いでしょう。詳しくはクラックの補修方法③カットシーリング充填工法をご覧ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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