40万で外壁塗装できるパターンは2つ!安さで釣る悪質業者にも注意

  • 【更新日】2022-10-28
40万円で外壁塗装は疑うべき!

「外壁塗装が必要だけど、なるべくお金をかけたくない…!」
「40万円ぐらいで、なんとか外壁塗装できないの?」

そんなお悩みをお持ちの方へ、本記事では40万円でも可能な外壁塗装工事を真剣に検討しました。

Point
  • 40万円での外壁塗装は「外壁面積100㎡」「寿命5~6年の塗料」なら可能
  • 標準的な塗料を使うなら「一部塗装」なら可能
  • 平均的な外壁塗装の費用相場は90~100万円

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40万円での外壁塗装プランは2通り!

40万円という金額は、外壁塗装工事の予算としてはかなり少額で、現実性も正直低めです。
しかし、編集部では試算の結果、40万円でもなんとか施工が可能な2つのパターンを特定しました。

プラン① 小さめの家+最安クラスの塗料+値引き交渉

1つめは、平均よりやや小さめの家にお住まいの方が、塗装は5~6年もてばいいという意思でもっとも安いグレードの塗料を選んだパターンです。

外壁塗装の総額は40万円台の後半、「47万6,121円」に抑えられました。

シミュレーション設定
  • 外壁面積100㎡の一戸建て
  • 塗料はアクリル樹脂塗料(耐用年数5~6年)を使用
  • 閑散期に依頼して10~15%の値引きを業者と交渉
見積もりシミュレーション例
費目 単価 数量 費用
足場架設 784 202(㎡) 158,368円
シート養生 378 202(㎡) 76,356円
高圧洗浄 175 100(㎡) 17,500円
外壁塗装(アクリル塗料) 1,610 100(㎡) 161,000円
シーリング 749 26(m) 19,474円
軒天塗装 994 26(㎡) 26,242円
破風板塗装 539 41(㎡) 21,991円
現場管理費 ここまでの5% 24,047円
消費税 10% 50,498円
値引き 14%引き -79,354
合計 476,121

上記は14%引きで成立した場合ですが、12%引きでまとまった場合は48万8,818円、10%引きで交渉できた場合でギリギリ40万円台の49万9,928円となります。

この設定の工事が最適となる場合には、5年ほどで今の家を使わなくなる予定で、塗装もそれまで保てばよいケースなどが当てはまります。

プラン② 部分的な塗装

2つめは、塗装範囲が外壁全面でない場合です。
リフォームでよく使われるグレードのシリコン塗料(10~15年耐用)を使ったとしても、塗装範囲が25㎡ほどであれば、費用を40万円台後半の「46万9,290円」に抑えることができます。

シミュレーション設定
  • 塗装面積は25㎡。外壁全体ではなく一部分のみ
  • 塗料はシリコン樹脂塗料(耐用年数10~15年)を使用
  • 足場は建物の全周に架設のため、費用も外壁全体の場合と同程度
見積もりシミュレーション例
費目 単価 数量 費用
足場架設 784 289(㎡) 226,576円
シート養生 378 289(㎡) 109,242円
高圧洗浄 175 25(㎡) 4,375円
外壁塗装(シリコン塗料) 1,610 25(㎡) 61,250円
シーリング 749 7(m) 4,869円
現場管理費 ここまでの5% 20,316円
消費税 10% 42,663円
合計 469,290

このプランが向いているのは、

  • 陽のよくあたる面だけが色あせているので塗り替えたい
  • 傷ついた箇所だけをキレイにしたい
  • 一部だけ色を変えてイメチェンしたい

 

などの希望があるケースが想定されます。

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40万以内で外壁塗装をするには?

40万円に収まる場合は稀かもしれませんが、少しでも安い費用で外壁塗装を行いたい、工事を急ぎたいが予算が無い、といった人向けに外壁塗装をできるだけ安価で行う方法をご紹介します。

助成金や補助金を利用する

外壁塗装を安く行うには、助成金・補助金を利用するといった方法があります。助成金の制度が存在している自治体であれば、10万から最大20万円を受けることができます。

助成金制度が存在しているのは全国の3分の1の市町村であり、申し込みは先着順になっています。助成金はすぐに募集が満枠になるといった場合が多いので、募集開始の2~3か月前には塗装業者と相談しておくことがお勧めです。

助成金があれば40万円台も夢ではない

外壁塗装100㎡以下の小さめの家なら、ウレタン塗料等を使えば費用を60万円台中盤におさめることはじゅうぶん可能です。支給される助成金を15万円前後と仮定すると、実質40万円台後半での外壁塗装もゲンツ的になってきます。

火災保険を利用する

外壁塗装で火災保険を利用するには、「破損が災害によるものであること」「被災から3年以内に申請を行うこと」「損害の補修にかかる費用が火災保険の免責金額を超えること」の3つの条件をクリアしている必要性があります。

全額補償されれば40万円どころかタダ

火災保険が適用できるのは「被害の原状回復」と認定された場合のみになります。いわゆる塗り替え・イメチェンという工事にはならないでしょうが、それでも全額補償の場合は40万円すらもかからず、自己負担ゼロで外壁塗装ができるのはありがたい話です。

リフォームローンを利用する

劣化症状が気になる状況で手元に予算が無いといった際には、リフォームローンを利用するといった方法があります。

ローンに対して抵抗がある人も多いと想定されますが、外壁塗装に関しては、家の状態によってすぐにリフォームが必要なケースがあります。逆に、外壁の劣化を放置しておくことによって工事費用がどんどん膨らむ可能性があるため、金利の負担はそれほど大きいものではありません。

外壁塗装は早めに対処することが大切なので、リフォームローンを賢く利用することも1つの手段です。

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一般的な外壁塗装の費用はいくら?

30坪で70万円~90万円が標準

国内の戸建て住宅での外壁塗装の費用相場は、70万円~140万円です。
平均的な30坪の住宅であれば、予算が70万円~90万円程度あれば、平均以上のグレードの塗料で施工することが可能です。

30坪住宅の外壁塗装相場についてもっと知りたい方は下記の記事をご覧ください。

塗料のグレードと費用変化

外壁塗装の費用をできるだけ安く抑えようと考えるのであれば、塗料のグレードを下げていくことで予算を節約していくことが可能です。

ただし、「できる限り安くしたい」といった場合でも、シリコン樹脂以上の選択がおすすめです。アクリル塗料やウレタン塗料は低価格が魅力的ですが、耐久年数が短くこまめなメンテナンスが求められます。外壁塗装は1度で終わらないため、ランニングコストで考えると安くはありません。

目先の費用だけではなく、トータルコストで考えることが生涯の出費を抑えることに繋がります。外壁塗装の塗料ごとの単価の相場をご紹介します。

塗料の種類 耐久年数 1㎡当たりの単価
アクリル 5~6年 1,400円~1,600円
ウレタン 8~10年 1,800~2,500円
シリコン 7~15年 2,300~3,500円
フッ素 15~20年 3,500~5,000円
無機 20~35年 5,000円~5,500円

外壁塗装費用の一般的な内訳

外壁塗装でかかる費用は塗装作業代だけではありません。
高所作業用の足場や、塗装前の洗浄・調整、管理費・消費税などもかかります。

以下は、平均的な30坪の住宅で、シリコン塗料を使った場合の外壁塗装費用の見積もりで、総工費は84万7,470円となりました。
本シミュレーションの内訳や単価をご紹介します。

費目 単価 数量 費用
足場架設 784 293(㎡) 197,568円
シート養生 378 293(㎡) 95,256円
高圧洗浄 175 125(㎡) 21,875円
外壁塗装(シリコン塗料) 2,300 125 287,500円
下地調整 570 125 71,250円
軒天塗装 994 33(㎡) 32,802円
破風板塗装 539 51(㎡) 27,489円
現場管理費 ここまでの5% 36,687円
消費税 10% 77,043円
合計 847,470

適正な内訳や単価を知ることによって見積が妥当か否か判断することが可能です。
例えば、足場が5万で外壁塗装代が70万であるといった場合など、内訳が相場と著しくかけ離れている場合「あやしい」「プロではないかも」と気づくことができます。

塗装費用が高くなるケース

以下に当てはまる工事の場合は、ここまでご説明してきた相場に比べて、外壁塗装が高くなる傾向があります。

外壁塗装費用が高くなりやすい場合

ハウスメーカーに依頼した場合
外壁の劣化が激しい場合
外壁塗装が広いデザインの場合

このうち「ハウスメーカーに依頼した場合」がなぜ高くなるというと、中間マージン大きいからです。
地元の塗装店に直接声をかけた場合に比べると、一説には1.2~1.5倍ほどの違いがあるのがふつうと言われています。

ハウスメーカーに依頼しても作業に派遣されてくるのは結局地元業者ですので、費用をおさえるうえではハウスメーカーを通さないほうが賢いと言えるでしょう。

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「40万で外壁塗装」は基本的には怪しい

今あなたは、安さをアピールして契約をとり、手抜き工事や材料のごまかしで利益をあげる、悪徳業者である可能性はありませんか?
思い当たるある方もない方も、続きを読めば安心できるようになります。

40万円でも儲けを出せるカラクリ

実は外壁塗装は、ずさんな工事をすることでコストをほぼ限度なく下げることができてしまう怖い工事でもあります。

悪質な業者は、施工費用40万でも儲けを出すために、必要な工程を省略したり、塗料を薄めたり、見積もりよりも安い材料をこっそりに使い、数ヶ月後にいざ異常があらわれるとのらりくらりと言い逃れをし、工事代金をせしめると言われます。
そのような工事をされると、元に直すのに結果的に普通に塗装するよりも高い金額がかかってしまうでしょう。

比較的低価格で品質の高い外壁塗装を提供する業者もいますが、あまりにも相場と外れた激安価格には注意しましょう。

悪徳リフォーム業者の特徴・手口

国民生活センターに寄せられたトラブル相談によると、契約後に品質面や価格面で後悔する可能性が高い業者には、以下のような傾向があります。

悪徳業者に多い特徴・トーク例

  • 「近隣で工事をしている」「無料で点検できる」と突然訪問してきた
  • 「限定値引き」などを理由に、契約をせかす
  • 「このままでは危険」などといい、契約をせかす
  • 断っても食い下がる、しつこく再訪したがる

これらに当てはまる業者は、いわゆる『点検商法』で契約を取って回っている疑いが濃厚です。

戸別訪問をする業者がすべて悪質というわけではありません。
しかし、もし悪意のある業者にひっかかってしまうと、話しているうちに判断力をうばわれ、知らずしらずのうちに品質に見合わない塗装工事を契約させらてしまうかもしれません。

たとえ40万円台の工事費用でも、塗料を極端に薄める、工程を大幅にとばす、ずさんな工事をすれば利益を出せてしまうのが、外壁塗装の怖いところです。
安さにつられて契約し、

「悪徳リフォーム業者の手口」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

外壁塗装の優良業者を見つけるには?

悪徳業者を避け、優良業者に出会うには以下のような探し方をするとよいでしょう。

優良業者が見つかりやすい探し方
  • 地元で長く営業している塗装業者を選ぶ
  • 国交省の創設した「住宅リフォーム事業者団体」の中から業者を選ぶ
  • 相見積もりをとり、価格や応対など比べてから契約する

「住宅リフォーム事業者団体」とは

「住宅リフォーム事業者団体登録」とは、国土交通省の登録基準をクリアしたリフォーム業者の団体のことです。
同登録制度は、近年の悪質リフォーム業者によるトラブル増加を鑑み、平成26年に創設されました。

悪質な業者にひっかかるのを強く避けたい場合、登録事業者団体の中から業者を探すと失敗が少ないはずです。

塗装をお考えの方には、領域の近い「日本塗装工業会」や、業者検索ページがわかりやすい「日本住宅リフォーム産業協会」のサイトなどがオススメです。

業者が怪しい場合も、そうでなくても「相見積もり」が有効

上記のなかでも、「相見積もりの取得」はどんな場合にも有効です。
3~4社以上から相見積もりをとり、価格・提案内容・担当者の対応を比べることで、あなたの希望する工事にピッタリの業者に出会える確率が高まります。

もし、相見積もりをとれるほど多くの業者に心当たりがなかったり、他の事で不安がある場合は外壁塗装に関する無料相談窓口 をぜひご利用ください。

お住まいの地域にいる優良業者の紹介や、あなたの場合の適正価格のご案内などを、経験豊富な相談員が回答・対応させていただきます。

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まとめ

予算40万円で可能な外壁塗装はどんな工事か、40万円台の費用を提示してきた格安業者は信用できるか等についてご説明してきました。
最後に、本記事の要点を振り返ってみましょう。

40万円の予算でも外壁塗装はできる?

試算の結果、「小さめの家で最安クラスの塗料を使用」か「部分的な外壁塗装」の2パターンなら、40万円でも可能と判明しました。詳しく知りたい方は40万円での外壁塗装プランは2通り!をご覧ください。

外壁塗装にかかる費用は通常何万円ぐらい?

平均的な30坪の住宅であれば、予算が70万円~90万円程度が目安です。詳しくは一般的な外壁塗装の費用はいくら?をご覧下さい。

「40万円で外壁塗装」は信用していいの?

小さな家でもない限り、基本的には信用しないほうが無難です。手抜き工事をされたり、塗料を薄めたり、こっそり安い材料を使われる可能性が否定できません。詳しくは「40万で外壁塗装」は基本的には怪しいをご覧ください。

外壁塗装の優良業者を見つけるには?

地元で長く営業している塗装業者を選ぶ、国が設立した「住宅リフォーム事業者団体」の登録業者から選ぶ、相見積もりをとり価格や応対など比べる、などの方法が有効です。詳しくは外壁塗装の優良業者を見つけるには?をご覧ください。

以上、40万円でできる外壁塗装はどんなものになるか気になった方、外壁塗装で40万円台の見積もりが出てきて驚いてしまった方にお役立て頂ければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

▼書籍
  • 菊池克弘『住宅リフォーム重要事項32選』都市環境建設 2015
  • 建築工事研究会『積算資料ポケット版 リフォーム編 2022年度版』一般社団法人経済調査会 2021
  • みんなの建材倶楽部『使える!!内外装活用シート 2016-2017』エクスナレッジ 2016
  • 田村誠邦・甲田珠子『プロのための住宅・不動産の新常識』エクスナレッジ 2019
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