本記事では、一戸建てのリフォームや新築に向けてデザインを検討中の方に向けて、
- おしゃれなツートン外壁に仕上げるコツ
- ツートンカラーの戸建てデザイン事例
等について、写真とともに分かりやすく解説しています。
先に一番大事なポイントを説明すると、ツートン外壁はメリハリを出すことが失敗しないコツです。
色の面積、濃さ、明るさなどすべてにおいて、メリハリづけに失敗すると途端にカッコ悪くなってしまいます。
少し難しそうですが、ご安心ください。今から失敗しないコツを具体的に解説してまいります。
▼外壁のおしゃれな配色・色選び全般について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
- ツートン外壁には建物を広く・高く・細く見せる効果がある
- ツートンに使う2色は「同色系から2つ」か「好きな色と“白”」が基本
- 2色の明度差や面積差を大きくするのがコツ
おしゃれなツートンカラー外壁12選
ここからは、ツートンカラーで塗装した戸建ての外壁の事例を写真で見ていきましょう。
配色で使用した2色に注目して例を挙げ、ポイントを解説します。
白×黒
キューブ型のモダンな住宅の左側を黒、右側を白のツートンカラーで仕上げた家。
遠目からもハッキリ分かる、近隣のなかでも印象的な一軒になるでしょう。
クリーム×グレー
真っ白と真っ黒を使わず、それぞれクリーム色と濃いグレーで構成したツートン外壁。
モードな印象がありながら、悪目立ちすしぎず落ち着いた感じもあわせ持つ家になっています。
ブラック×グレー
黒をベースカラーに、玄関とベランダの張り出し部分だけを薄いグレーで塗装した住宅。
外壁には積石柄のサイディングを使用してナチュラル感をプラスし、黒を多用しながら威圧感なく仕上がっています。
白×クリーム
正面に近い面を白、奥の面をクリーム色と色味も明るさも近い2色で構成した一戸建て。
やさしく落ち着いた印象がありながらオシャレさもあり、ツートンカラーの外壁としても成功しています。
白×青
ホワイトとネイビーブルーの組み合わせが爽やかなツートンカラーの家。
屋根にもホワイトを使用し、白と青だけで構成された外観がまるで青空のような一軒です。
グレー×青
スリット柄のネイビーブルーの外壁材と、遠目にはグレーのややグラーデーションのかかった外壁材を張り合わせた一戸建て。
片流れ屋根とキューブ状の形状が目立つモダンな建物に、シックで親しみやすい表情を与えています。
ブラウン×グレー
2階部分のくすんだウッドブラウンがベース、1階のマーブル調のグレーがサブカラー。
この例のように1階と2階の形状が違う建物の場合、上下に塗り分けるととてもオシャレに仕上がるでしょう。
ブラウン×ブルー
ブルーの金属系サイディングと、あかるいブラウンの木目調サイディングを組み合わせた一戸建て。
はっきりとした色同士の組み合わせならが、どちらもアースカラーに属するので奇抜になりすぎずまとまっています。
少し上級者向けのツートンデザインと言えるでしょう。
白×黒+ポイントカラーの赤
白と黒をベースに、窓やベランダの幅に合わせて鮮やかな赤をポイント使いした外壁です。
ツートンカラーの中にワンポイントだけ変化を加えることで、一味変わったモダンな印象を与えることが出来ます。
こげ茶×クリームを棟違いで反復
二棟に分かれる家や並んだ二世帯住宅など、2棟以上つづく形状が同じ建物で色を揃えたデザインです。
まとまりと同時に遊び心も感じさせることが出来ます。
黒×木目調
ツートンカラーの片方にはっきりした模様をとり入れたデザイン。
選んだ色は定番でも個性とオシャレさを追求したい場合、単色同士のツートンにはない表情を取り入れたい場合にぜひ。
グレー×グリーン+木目調
写真はダークグレーをベースに、内側に向く外壁だけくすんだグリーンを使用したデザイン。
玄関周りのウッドブラウンの部分もあるのでツートンではなくマルチカラーと言うべきでしょうが、同じメーカー・同じ柄の色違いの外壁材を組み合わせたところが参考になります。
ツートン外壁の塗り分け・6つのパターン
事例を分析した結果、ツートンの配色方法は以下の6通りに分類できました。
- 「1階と2階」で水平に塗り分け
- 「右と左」で垂直に塗り分け
- 「手前と奥」の段差で塗り分け
- 「窓の幅」に合わせて垂直に塗り分け
- 「建物の角」を垂直に塗り分け
- 「一部分」だけを塗り分け
パターンは上のものほどよくあるイメージに、下に行くほど個性やモード感のあるイメージになります。
▼「色別の施工事例」についてもっと詳しく知りたい方はコチラ
ツートン外壁のメリット
- 家や外壁の存在感・高級感が増す
- デザインに個性が出せる
- 立体感が出て、建物が大きく見える
そもそも、ツートンカラーにはどのような効果があり、どんな人が選ぶべきなのでしょうか?
家に落ち着きや統一感をもたせたいのなら、ワントーン(単色)のほうが向いています。
それでも多くの人がツートン配色を選ぶ場合は、2色で塗装すると錯視効果によりメリハリがつき、家がカッコよく見えたり、実物より広く・高く・細く見えるからです。
下の2つの画像を比べると、右のワントーンの家はナチュラルでやさしい感じ、左のツートンで濃淡をつけた家は立体感があって高級な印象の建物に見えるでしょう。
改めて、ワントーンよりもツートンに魅力を感じるか、考えてみてもいいかもしれません。
ツートン外壁のデメリット
- おしゃれな印象に仕上げるのが難しい
ツートン外壁の唯一にして最大のデメリットは、外壁に個性を出そうとするとおかしな印象・まとまりのない印象になりやすいことです。
上図のように色の好みだけを盛り込んで決めてしまうと、簡単にカッコわるいカラーリングに転んでしまいます。
この理由は、ツートン外壁には「2色の相性」「色の使用率」など、ワントーンでは考える必要のなかった要素が関わってきて、デザインを成立させる難易度が跳ね上がるからです。
ツートン外壁の配色に失敗しないための方法は、本記事内の「ツートン外壁をおしゃれに仕上げるコツ3選」の解説をご覧ください。
塗装費用はワントーンと変わらない
ツートン外壁と単色の外壁では、色を2種類つかうぶんツートンのほうが塗装費用が高くなると思いがちです。しかし実際は、ツートンでもよっぽど特殊な色やデザインを希望しない限り、施工にかかる費用は単色塗りと同じです。
おしゃれなツートン外壁の配色パターン
外壁をツートンカラーで仕上げるとき、2色とも自由に選んでしまうのが後悔のもとです。
ツートンの配色には、違和感なくスッキリ見えるルールをおさえましょう。
ツートンカラーの組み合わせの決め方には、2つの黄金パターンです。
基本①同系統の「濃色」と「淡色」の2色
ツートン外壁でもっとも基本的なパターンは、同じ色合いの「濃い色」と「淡い色」の2色を使うものです。
例えば、
- 茶系統の「こげ茶」と「ライトベージュ」
- 赤系統の「紅色」と「薄紅梅(うすこうばい)」
といったように、色相は揃え、濃さや明るさはぐっと変えた2色をツートン外壁に使うと、ほぼ失敗しません。
例えば、『ブラウン』を使いたければもう1色は「ベージュ」や「キャメル」、『ネイビー』を使いたければ合わせるのは「水色」「コバルト」などが選択肢となります
色相とは?
色相とは、赤・青・黄色といった“色み”の違いを表す言葉です。例えば、青と水色は同じ色相、青と赤は違う色相と言えます。
好きな色や使いたい色がある人は、その色の同色相から2色をツートンカラーに採用するとよいでしょう。
同色系ツートンの例:こげ茶とライトベージュ
ブラウン系統の濃茶と淡色は、ツートンカラーの王道とも言える組み合わせ。
あなたのご近所でも、この2色のツートン外壁は数多く見つけられることと思います。
上図の住宅のように、濃いめの茶色と薄めのベージュがどんな周囲の家とも景観とも違和感なくマッチします。
基本②「好きな色」と「白」の2色
もうひとつのツートンカラーの基本パターンは、「好きな色」と「白」の2色です。
数ある色の中でも、明るい白(ホワイト)は、どんな色とツートンにしても違和感なくマッチする、使いやすい色です。
色の濃さ、明るさ、色みを問わず、ほぼすべての色と組み合わせて成立します。
希望の色みがある場合、同色系のツートンでピンとこなかったら、白との組み合わせをぜひ試してみましょう。
白と組み合わせたツートンの例:ベージュと白
1階部分を明るいベージュ、2階部分の正面を白で塗装した例。
この2色を組み合わせた住宅も、非常に定番で人気があります。
白との違いをはっきりつけるため、1つめの例よりもベージュがやや濃い目になっています。
また、白の部分はなめらかな質感、ベージュの部分はやや立体的な模様があり、単調な印象にならないよう工夫されいます。
ツートン外壁をおしゃれに仕上げるコツ3選
基本の成功パターンがわかったところで、今度はデザインのうまくいったツートン外壁に共通する具体的な秘訣を見てみましょう。
事例とその中にあるルールを知ることで、センスのよい配色を自分で作り出すことができます。
①2色の面積差にメリハリをつける
2色の面積差がほとんどないツートン外壁は、メリハリのない印象を与えてしまいがちです。
加えて、建物をツートンで塗装するメリットである立体感や大きさを演出する効果も小さくなります。
対して、画像の左のように色の比率に差をつけたほうが、暗い色がリアルな影のように見えるので、家が実際よりも広く・高く感じられるようになります。
ツートンカラーで外壁を塗装するときは、色のバランスを均等にせずに「7:3」程度の面積比になるようにしましょう。
②2色の明度差をはっきりつける
下の図のように明度にあまり差がない場合は、ツートンカラーによる錯視効果が生まれず、統一感が無いだけの残念な仕上がりになってしまいます。
対策としては、片方を「ベース」、もう片方を「アクセント」と設定し、使用面積にはっきり差をつけましょう。
バランスは、下図のようにベースカラーは明度の高い白に近い色、アクセントカラーは明度の低い暗い色にすると失敗しません。
明度にしっかり差があることにより、家の印象にメリハリが生まれます。
③ビビッドカラーの面積は小さめに
鮮やかな色・原色に近い目立つ色を使いたい方向けのコツです。
例えば、ピンクが好きで外壁に取り入れたいという場合、右の家のように広い面積に使うのはNGです。
左の家のようにピンクの範囲をぐっと絞ると、悪目立ちしすぎず、華やかでポップな印象になります。
リフォームをお考えの方の中には華やかな色が好きで、アクセントカラーに原色に近い色を使いたい方もいるでしょう。
その場合は、基本の比率よりさらに差をつけた「ベース:アクセント」が「8:2~9:1」の比率に抑えたほうがバランス良く仕上がります。
外壁の色を決める前の注意点
ツートンカラーを使う・使わないに関わらず、家の色やデザインを決定する前に確認しておきたいポイントを最後に解説します。
カラーシミュレーションで色を確かめる
塗料メーカーや外壁材メーカーのウェブサイトには、デザインのシミュレーションページが用意されています。
外壁の色や塗装デザインを最終決定する前に、シミュレーターで色や塗り分けのパターンをいろいろ試しておきましょう。
おすすめのカラーシミュレーターは、エスケー化研のウェブサイトにある「住まいの塗り替えシミュレーション」です。
その理由は、操作が分かりやすいこと、戸建ての形状や色の種類が豊富なことと、候補となる色が決まったあとに塗料の色番号が分かることです。
「カラーシミュレーション」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「調査してわかった!外壁カラーシミュレーションのおすすめ4選+α」
色見本はA4サイズのものを使う
塗料を選ぶ際に、施工店からは無料で冊子タイプのカラーサンプルがもらえると思います。
しかし、色の最終決定は冊子タイプのものではなく、A4大の「塗り板」と呼ばれるサンプルを取り寄せて、実際に屋外で見たり、自宅の壁に立て掛けて色の見え方をチェックしましょう。
塗り板は無料ではなく500~1,000円程度の料金がかかるのが通常で、取り寄せにも1週間前後かかるのが通常ですが、仕上がりに後悔しないためにも使うほうがオススメです。
ドアやサッシの色が変えられない場合も想定する
ドアや窓枠の塗装は、外壁塗装の工事には通常含まれていません。
サッシ等は外壁塗装時の養生の下に隠れてしまう部分であり、塗料も外壁と共通ではないため、同時に作業ができないからです。
玄関ドアやサッシの色が変えられることを前提に、プランを立てないほうがよいでしょう。
なお、サッシの塗装にかかる費用は1箇所につき3~6万円が目安で、作業期間も外壁と分ける必要があります。
そのような背景があるためか、ほとんどの方はサッシの色はそのままで住み続けます。
「アルミサッシの塗装」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「塗装を長持ちさせる!アルミサッシの塗装は7つの工程を丁寧に」
塗装技術が高い業者に依頼する
外壁の色やデザインを決めただけではまだ半分。
実際におしゃれに仕上がるかどうかは、業者の腕にもかかっています。
腕が良くて信頼できる塗装業者に心当たりがない場合は、地域で3~4社ほどから相見積もりをとって、実際の業者と接してみるのが地道ながら有効です。
訪問した担当者の説明の分かりやすさ、質問や要望に対する対応力、担当者の人柄、工事費用など、対面でないと分からない要素を比べて、今後10年以上の家のデザインを託せる業者を見極めましょう。
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