ケレンの4つの種類とは?価格相場と依頼の際の注意点についても紹介

  • 【更新日】2022-04-08
塗装前のケレン作業

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ケレンの種類4つと価格相場

ケレン作業は、ISO規格で規定されています。また4種類のケレングレードで定義分けされており、作業方法や表面状態でケレンの種類が決まり、価格は種別ごとに異なります。

ここでは、ケレンの種類4つと価格相場について解説していきます。

1:1種ケレンについて

1種ケレンとは、さびや旧塗膜といった古い塗料の膜を徹底的に除去する作業方法です。金属の腐食が激しい場合は、この方法を用います。

作業内容は、さびなどで汚れている箇所へ細かい砂や金属片を利用した研磨剤を高圧力で打ち付けて磨いていきます。これを「ブラスト法」といいます。これにより、さびている部分や古い塗料を全て取り除き、下地をむき出し状態にします。

大掛かりな作業のため、道路や橋など大きな構造物に対して行うことがほとんどで、一般的な家屋に1種ケレンの作業が行われることはあまりありません。

1種ケレンの価格相場

大掛かりな作業の1種ケレンの価格相場は、1平米あたり3000円~4000円超と高額になります。一般的には、1種ケレンが必要なほど金属の腐食が進んでいる場合は、残したいもの以外であれば部品交換します。

なお、一般家屋ではあまり行われない作業のため、見積書で見ることはほとんどないといわれています。

2:2種ケレンについて

2種ケレンとは、腐食が進み、塗料の膜が劣化している状況が深刻な場合に用いられます。

作業内容としては、さびや汚れをディスクサンダーなどの動力工具や手工具を使って除去し、鋼材面を露出させます。一般家屋の場合、非常にさびの状況が悪かったときに用いられる方法です。

2種ケレンの価格相場

一般家屋にて一番サビの状態がひどいときに行われる2種ケレンの価格相場は、1平米あたり1300円~2200円程度となります。決して安くはありませんが、ひどい状態のさびに対し、研磨剤を使用せずに工具で汚れを落としていく手間や時間がかかる分、値段も高めとなっています。

「ケレンに用いる工具」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ケレン工具にはどのようなものがあるのか?電動工具と手工具を紹介」

3:3種ケレンについて

3種ケレンとは、さびやひび割れが起こっている古い塗膜を2種ケレンと同じ動力工具や手工具で落としていく作業方法のことをいいます。

ただし、3種ケレンでは、1種や2種のように全ての古い塗膜を落としとるのではなく、古い塗膜の中でも、しっかり密着しているもの「活膜」は残し、部分的にさびている部分「死膜」を除去していく方法です。

また3種はさびが発生している面積で、割れや剥がれ、膨れ等の塗膜以上が見られる範囲で、A、B、Cの3段階に分けられます。

このさびが発生している面積のことを「さび面積」といいます。また、さびがなく割れや剥がれ、膨れ等の塗膜異常が見られる面積のことを「塗膜異常面積」といいます。

ちなみに3段階の内容は以下の通りです。

・3種A:さび面積15~30%、塗膜異常面積30%
・3種B:さび面積5~15%、塗膜異常面積15~30%
・3種C:さび面積5%、塗膜異常面積5~15%

ケレン面積により3つに分けられますが、ケレン作業の内容は同じになります。

出典:第5章 素地調整|愛知中部水道企業団

3種ケレンの価格相場

3種ケレンの価格相場は、1平米あたり500円~1200円程度となります。さびが部分的に見えている状態の時に利用される3種ケレンは、一般的な外壁塗装の際に用いられることが多いといわれています。

4:4種ケレンについて

4種ケレンとは、全体的に腐敗がなく、さびやひび割れなどの異常がある面積が5%以下で、表面を掃除するだけの作業方法のことをいいます。作業内容としては、2種や3種と同じく動力工具や手工具を使用しますが、表面に凹凸をつけるだけの作業となります。

なお外壁塗装を依頼するときに表面の掃除だけで済むことは稀なことであり、4種ケレンが選択されることはほとんどありません。

出典:第5章 素地調整 |愛知中部水道企業団

4種ケレンの価格相場

4種ケレンの価格相場は、1平米あたり200円~400円程度となります。ただし、外壁塗装を依頼する場合で4種が選ばれることはあまりないため、見積書で見かけることはほとんどありません。

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そもそもケレンとは何?

ケレンとは外壁塗装をするときの前処理作業の1つです。高圧洗浄機によって落としきれなかった鉄部分や木部の劣化した塗料やさびなどの汚れを落とし、綺麗にすることをいいます。

「素地ごしらえ」や「下地処理」など、さまざまな言葉で、塗装業者によって表現方法が異なる可能性があります。

また、塗料を密着させるために細かい傷を塗面につけることもケレンといい、「目荒らし」とも呼ばれています。一見、塗面の状態を荒らしているようにも思えますが、塗料の効果を引き出し、塗装の仕上がりを綺麗にするための作業となります。

つまりケレンとは塗装を行う前準備として、さびや汚れを取り除き、塗料の効果を得やすい状態に塗面を処理する作業ということになります。

「ケレン」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ケレンとは?塗装に欠かせない理由や費用相場について解説」

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ケレンはなぜ必要?ケレン作業の効果4つ

ケレン作業を行わないと、さまざまな問題が起きる可能性があり、その問題を回避するためにも塗装前にはケレン作業を十分に行う必要があるといわれています。

では、ケレンをする目的は何でしょうか?ここでは、ケレンの効果について解説していきます。

1:塗装を綺麗に仕上げる

まず1つ目が、塗装を綺麗に仕上げるためです。

ケレン作業で十分にさびなどの汚れを落としきれていない状態のまま新たな塗料を上塗りしてしまうと、塗料はまんべんなく外壁に密着しません。外壁と塗料の間にある汚れが邪魔をしてしまうため、塗面にはムラができる可能性があります。

仕上がった塗装面がムラのない美しい状態にするためには、ケレンで汚れをしっかり落としておく必要があるといえます。

2:塗装面を整える

2つ目は、塗装面を整えることです。外壁と塗料の間にさびなどの汚れがある場合、表面にムラのある仕上がりになる可能性があり、塗料の効果を弱めてしまう恐れがあるといわれています。

塗料には、構造物をさびや汚れなどから保護する効果があります。しかし外壁と塗料の間に汚れがある場合、本来の塗料が持つ効力が届きにくい可能性があります。塗料本来の効果を発揮させるためには、汚れをしっかり除去し、塗装面を整えることが大切といわれています。

3:塗料を密着しやすくする

3つ目は、塗料の付着をよくするためです。しっかりと塗料を密着させるために、ケレン作業であえて塗面に細かい傷をつけます。

これによって、塗面には凹凸ができ、そのできた凹凸の中に塗料を入り込むことで塗料がしっかり密着し、塗膜を長期間綺麗にキープさせることができるといわれています。

この表面の細かい凹凸に塗料を入り込ませて密着させることを「アンカー効果」といいます。さびなどの汚れを落とすだけでなく、あえて凹凸を表面につけるのもケレン作業の目的となります。

4:塗料が長持ちする

4つ目は、塗料を長持ちさせるためです。塗料には、建物を紫外線や雨水から守る効果があります。その効果を活かすためには、ケレン作業を十分に行い、外壁と塗料をしっかりと密着させることが大切となります。

密着していない場合、その部分からひび割れや傷が発生してしまい、雨水の侵入につながります。また塗面が剥がれ落ちる場合もあり、その剥がれ落ちた部分からさびの進行が始まり、放っておくと建物自体の劣化や損傷につながる可能性もあります。

塗料を長続きさせるためには、ケレン作業で余分な汚れを除去、そして塗料を密着させるための細かい傷をつけることがポイントとなります。

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ケレン作業を業者に依頼する際の注意点4つ

4つの種類のケレンがあり、外壁の状態によってケレンの種類や価格が変わります。そんなケレン作業を業者に依頼するとき、何を注意すると良いのでしょうか?

ここではケレン作業を塗装業者へ依頼する際に、注意するポイントを4つ紹介します。

1:見積もりをしっかり確認する

塗装業者より見積もりを出してもらったときは、作業内容をしっかり確認するようにしましょう。「塗料」や「足場」などの項目に目がいきがちですが、ケレン作業が含まれているかを確認することが大切です。

ただし、ケレン作業は「表面仕上げ」「さび除去」「木目荒らし」「下地処理」など業者により表記が違う可能性があります。もし見積書の中で、どれがケレン作業なのかわからなかったときは、どの項目にケレン作業が当たるのかを塗装業者に詳しく聞きましょう。

2:ケレンの種類によって価格が異なることを理解する

ケレン作業には、さまざまな種類があり、それぞれの価格は安いものであれば1平米あたり200円〜400円程度で、高い種類になると1平米あたり4000円以上と高額になります。

外壁のさびや汚れの状態に合わせて、ケレンがどの種類になるか、そして種類によって費用がいくらになるかが異なることを理解しておきましょう。

3:塗装が仕上がった状態ではケレン作業の品質はわからない

ケレンは塗装前の作業のため、上から塗料を塗ってしまえば、ケレン作業が実施状態は全くわからなくなってしまいます。ここで怖いのが、適正な作業が行われていたかどうかです。

一般的な住宅では、工事監督者がいないまま塗り替え工事を行うことがほとんどです。そのためケレン作業の品質は作業担当者に任されています。ケレン作業は、手間をかけるほど外壁も綺麗に仕上がります。

ケレン作業がいつ行われるかなどのスケジュールはしっかり把握しておきましょう。

4:ケレンの種類は1つで行うのが一般的である

塗膜の劣化状況は、部位ごとに進行状況が異なります。ほこりなどがたまりやすい場所は、さびやすく塗膜の劣化スピードも速くなります。しかし、ケレンの作業は部分ごとの劣化状況によって変えることはありません。

一般的には、ケレンの種類は1つで行い、塗膜の劣化が進んでいる場所については同一グレードのケレン作業を念入りに行います。

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ケレン作業でよく使われる用語4つ

ケレン作業では、さまざまな塗装に関する専門用語が使われます。ここでは、ケレン作業でよく使われる「剥離」という語と、「塗膜」「活膜」「死膜」の3つの「膜」の計4つの用語について詳しく解説ししていきます。

1:剥離

剥離とは、塗料の膜が塗面から剥がれてくることです。塗料の耐用年数が超えたことによる経年劣化や、ケレン作業が不十分で汚れや古い塗膜が残ることで起きてしまいます。

建物の外観の美しさは失われる上、塗料の持っている外壁の保護効果も弱まり、建物自体にも影響を与える可能性があります。

2:活膜

活膜とは、古い塗料の中でも比較的状態が良く、取り除く必要がない古い塗料の膜のことをいいます。3種ケレンでは、古い塗膜を全て落とすのではなく、一部状態の良い古い塗膜を残します。この残す塗膜のことを活膜といいます。

3:死膜

死膜とは、ひび割れや膨れなどの異常事態があり、さびを防ぐなどの効果が失われた塗料の膜のことを死膜といいます。この死膜を残してしまうと、さまざまな問題が発生する可能性があるため、ケレン作業で取り除く部分となります。

4:塗膜

塗膜とは、液状の塗料を塗った後、それが乾燥し固まった際にできる塗料の膜のことをいいます。塗膜は、建物を雨水や太紫外線から守る効果があり、劣化のスピードも抑える働きがあります。

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ケレンの種類について知ろう

塗装を行う事前作業のケレン4種類について紹介しました。塗面の状況により工事規模や価格が異なりますが、外壁塗装をする際に必要となる作業がケレンです。

4つのケレンの特徴や価格をよく理解した上で、塗装業者へ依頼する際は見積書をしっかり確認すること、そして適切なケレン作業を行う業者を見極めて依頼するようにしましょう。

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