外壁塗装の保証期間は?保証内容やトラブル事例、注意点も解説

  • 【更新日】2024-01-17
外壁塗装後の異常、保証で直してくれる?

外壁塗装は数十万円する買い物ですので、契約前には保証がどうなっているか気になる方もいるかと思います。

結論から申しますと、外壁塗装にはメーカー保証は基本的にないため、塗装業者の自社保証になります。

自社保証も業者によって内容がバラバラであるため、期間や保証対象をよく確認してから契約しましょう。

Point 外壁塗装保証の種類は、「自社保証」「メーカー保証」「第三者保証」の3種
対象となる保証条件を事前に確認しておく
優良業者に依頼することがもっとも重要

私の家だといくら?

※1時間以内に74人が ヌリカエで料金診断しました。
小林成光(コバヤシマサミツ)さんのプロフィール写真 監修者:外壁劣化診断士 小林 成光

600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。 ▼略歴・プロフィール
「監修者|小林 成光(株式会社Speee)」

外壁塗装保証の種類

外壁塗装を対象とした保証は、「自社保証」「メーカー保証」「第三者保証」の3種類があります。

保証の種類 保証を行う者 適用されるケース
自社保証 外壁塗装を行った業者 施工にミスがあった場合 等
メーカー保証 外壁塗装に使った塗料のメーカー 塗料に製造不良があった場合
第三者保証 塗装業者が加盟するリフォーム団体や組合 塗装業者が倒産した場合 等

個人住宅の外壁塗装の場合、基本的には施工店による自社保証になります。

塗料メーカーが製品に保証を付けていたり、塗装業者が倒産した際など、第三者保証で保証されるケースもあります。

①自社保証

塗装工事を行った業者による保証です。保証の内容や期間も業者によって異なり、中には受注をとるために一見魅力的な保証を提示している業者もあります。

10年などの長い保証期間を謳っているが、保証内容がほとんど意味がなかったり、業績が悪く途中で倒産してしまったりするケースもあるので注意しましょう。

自社保証の中でもっとも重要なことが、どの部分を保証してくれるか、どんな状態であれば保証してくれるのか、という具体的な保証内容を確認することです。

将来生じる可能性のあるトラブルに対して、提供される保証が有用なのかを検討するために、具体的な保証内容を確認しておきましょう。

②メーカー保証

塗料は「半製品」と呼ばれ、製品として未完成の状態です。

外壁塗装は職人さんの塗装技術により製品の完成度が左右されるため、塗料メーカーが外壁塗装を保証するのは難しいという背景があります。

しかし、ごく稀にメーカー保証がついた塗料も存在しています

他塗料と比較してやや高額ではありますが、少しでも安心感を得たい方にはおすすめです。

ただし、あくまでも製品の保証であり施工不良に対する保証は適用されないので注意しましょう。

③第三者保証

塗装業者が加盟するリフォーム団体や組合に入っていれば、塗装会社が倒産しても外壁塗装の保証を受けられることがあります。

こちらの保証を受けるにあたって、特別な手続きは必要ありません

塗装業者が団体や組合に入っていれば自動的に保証される仕組みです。

主な団体・組合には「日本塗装工業会」があります。

「日本塗装工業会」は70年の歴史をもち、約2,300社の塗装業者が加盟している日本最大の塗装団体です。国土交通大臣の認定も受けています。

こちらの団体では「ペインテナンス」という保証制度を実施しています。

  • 10万円以上の塗装をした場合が対象
  • 工事内容によって最長5年の塗膜性能保証書を発行
  • 保証期間内に起こったふくれやハガレは補修工事を約束
  • 万が一塗装業者が倒産した際にも、「日本塗装工業会」が保証を引き継いでくれる

尚、「ペインテナンス」は対象期間内の塗装が条件になっていますので、お気をつけください。例年、4/16~11/16であることが多いです。(よいいろ、いいいろの語呂合わせ)

問い合わせ先:日本塗装工業会

私の家だといくら?

※1時間以内に74人が ヌリカエで料金診断しました。

外壁塗装の保証内容

保証対象は基本的に「剥がれ」のみ

外壁塗装の自社保証では、施工不良時の保証対象は「剥がれ(塗膜の剥離)」のみと記載があることが多いです。塗装後2~3年での「剥がれ」は、施工不良で生じやすい劣化となります。

一方で「ヒビ割れ」など、経年劣化や環境要因によって生じる症状については保証対象外になります。実は塗装後の不具合が全て対象にはなっていないことを、頭の片隅に入れておきましょう。

さらに保証箇所は外壁部分のみで、木部や鉄部まで対象内のケースは少ないです。

◆地域の工務店は「剥がれ」以外もサポートしてくれる場合も◆

保証書に記載がなかったとしても、地域の工務店など「何か不具合があれば駆け付けます」というスタンスの業者もいます。地域の工務店は文字通り地域密着で営業しているため、「高いお金を払って、不具合があったのに何もしてくれなかった」など地域内で噂が広がることを恐れているためです。原因調査のうえ、施工不良が原因とわかれば真摯に対応してくれるでしょう。

保証期間は業者や塗料により1~10年とバラバラ

外壁塗装の保証期間は大抵1~10年程度です。一般的な自社保証だと、3年・5年・10年が多くなっています。

また塗料の耐用年数と保証期間は比例します。例えばシリコンでは3~5年、もっと耐用年数の長い無機やフッ素では7~10年もひとつの目安になります。

一方で20年や30年などの長期間保証は避けた方が無難かもしれません。一見すると期間が長いので魅力的に思えますが、実際の保証はされず形だけになっているケースもあります。そもそも20~30年もすると塗料の耐用年数を超えるので再塗装が必要です。

私の家だといくら?

※1時間以内に74人が ヌリカエで料金診断しました。

外壁塗装保証のよくあるトラブル事例

以下では、外壁塗装でよくあるトラブル事例と対処法を紹介します。保証やアフターフォローにおいて、業者とトラブルが生じるケースが多くあります。

保証書をもらっていなかった

もっとも基本的でかつ大切なことですが、保証書をもらっていないというケースが往々にしてあります。外壁塗装やリフォーム業界は、契約や取り決めた約束を口頭だけで済ませてしまうことがあります。

特に注意すべきなのは、知り合いや前回施工してもらった業者さんへ工事を依頼する場合。「知り合いだから、、」「前回もやってもらったから、、」と気をゆるして契約を結んでしまうことがあります。

外壁塗装でも、保証書は必ず書面で発行してもらうようにしましょう。

保証を受け取ることで、「言った・言ってない」といった不毛な論争を避けることが可能となります。また、施工主との間に共通認識を持つことにより、保証に関する解釈をすり合わせすることもできます。

例え親しい間柄にある業者から工事を依頼する場合でも、必ず保証書を書面で受け取るようにしましょう。

不具合が生じている箇所は保証対象外だった

これもよくあるケースです。通常、外壁塗装を依頼する際は塗料の性能といった工事内容に目が向いてしまいがちになります。

外壁塗装の保証はどうしても注意が疎かになってしまいます。例えば、ひび割れが発生してしまった場合です。

ひび割れが保証対象外である理由についてはすでに解説いたしましたが、書面をよく読んでいなかった場合は、「保証を受けられると思っていたのに断られた」という事態に陥ってしまいます。

その中でも特に注意しておきたいのが、木部と鉄部の保証。外壁塗装において、木部と鉄部は特に傷や劣化が生じやすい箇所です。保証内容に木部と鉄部が含まれているかどうか確認しておきましょう。
逆に、「外壁が腐食した」「外壁が剥がれ落ちた」というようなトラブルが発生することは極めてまれです。

こうした事態を回避するためには、保証対象の範囲や条件をよく確認することが重要です。そして書面の内容に疑問点があった際は、すぐに業者へ質問をしましょう。

業者との間に生じるギャップを埋めて、保証に対する認識を合わせておくことで、このようなトラブルを避けることができます。

業者が倒産していて保証が使えなかった

条件をすべて満たしているにも関わらず、保証を受けることができないというのが、施工業者が倒産してしまったケースです。電化製品であれば最悪の場合は買いなおすことができますが、外壁塗装の場合は住宅を買いなおすことはできません。

こうした状況で役に立つのが、瑕疵保険です。瑕疵保険については、次の章で詳しく解説しておりますので、参考にしてください。

私の家だといくら?

※1時間以内に74人が ヌリカエで料金診断しました。

契約前にこれだけ確認!チェックリスト

◆契約前チェックリスト◆



外壁塗装の契約書類には3~4種類ありますが、保証については保証書を確認してください。

書面で保証書を発行していない塗装会社については、後のトラブルを防ぐために発行をお願いしましょう。

契約前の保証書発行が難しい場合は、他の契約書類に保証に関する内容の記載があるか確認します。もし記載がない場合は、追記してもらってください。

保証内容の確認方法

保証書の書式は塗装会社によりまちまちですが、基本的には以下のように記載があります。

赤枠の部分を確認して、「保証年数」「保証内容」「保証の対象外の内容」が一般的な内容とかけ離れてないか確認しましょう。以下のチェックリストをご活用ください。

画像引用元:外壁塗装工事の保証書とは??|長野市、上田市 外壁塗装・屋根塗装専門店トラスト

確認事項のチェックリスト

  • 保証年数

  • 保証内容

  • 保証対象外の内容

保証年数は自社保証だと、3年・5年・10年の場合が多いです。また使用した塗料の耐用年数によっても異なりますので、下記の表を参考に確認してください。

塗料 保証年数(目安)
ウレタン塗料 ~3年
シリコン塗料 3~5年
フッ素塗料 7~10年
無機塗料 7~10年

保証内容は基本的には「剥がれ(もしくは剥離)」と記載あれば良いです。「著しい変色・退色」も入っている場合もあります。

保証対象外の内容としては、塗装会社が原因にならない事柄であれば問題ありません。例として、「地震などの自然災害」「保証対象部位以外の損傷」「建物の構造上の欠陥」などがあります。

私の家だといくら?

※1時間以内に74人が ヌリカエで料金診断しました。

スムーズに外壁塗装保証を受けるための注意点

業者の説明する保証内容がいくら充実していても、万一の異常があった場合に言い逃れをされてしまったり、業者が潰れてしまったりしていれば、保証を受けることができません。

そういった自体を最大限防ぐために、外壁塗装の契約前や工事完了前にできることがあります。

ここからは、それぞれの注意点について詳しく解説します。

業者の営業年数を調べる

最低でも、10年数以上は営業している業者を選ぶことをオススメします。
10年以上は使い続ける外壁。その工事を任せるのに、実績がその年数以下の企業と契約するのは、リスクが高いと言わざるを得ません。

業者の開業してからの年数は、業者のウェブサイトの記載を見たり、営業許可番号を国土交通省のサイトに打ち込むことで分かります。

アフターフォローの有無や頻度を確認する

多くの業者では、塗装をした家に対して無料定期点検などのアフターフォローを行っています。
こういったアフターメンテナンスがある、かつ回数の多い業者に外壁塗装をしてもらうのが安心です。

施工後の定期点検の頻度は、平均はおおよそ3回で、5回行ってくれる業者であればかなり親切です。
タイミングは、1年目・3年目・5年目・7年目・10年目あたりが一般的です。

定期点検について確認する際は、時期だけではなく「無料かどうか」「定期点検の知らせはどのように来るか」についても尋ねましょう。

瑕疵保険に加入しておく

瑕疵保険とは、万一工事に欠陥が見つかった場合に、保険会社から施工店へ保険金が支払われる保険です。
加入する場合は、施工店に追加で費用を支払い、施工店を通して保険に加入するのが一般的です。

追加で保険料がかかってしまいますが、大きなメリットが2つあります。
ひとつは、瑕疵保険の加入資格をもっているかどうか自体が、悪徳業者でないことを見分ける基準になること。
もうひとつは、外壁塗装の施工後に受けられる第三者検査が自動的についてくることです。

リフォーム瑕疵保険を提供している保険会社には、「住宅保証機構」や「日本住宅保証検査機構(JIO)」などがあります。

塗装中・塗料直後は写真を撮っておく

施工中や完了直後にマメに写真を撮っておくことで、仕上がりが悪かったことの証拠や、施工ミスがあったことの証明となり、業者の言い逃れを防ぐことに繋がります。
工程ごとに業者が写真を提出してくれることもありますが、可能であれば施主自身でも撮影をしておくと万全です。

ただし、撮影を歓迎する業者はまずいないので、トラブルや心象悪化にならないように気をつけてください。
業者が帰ったあとに撮影をするだけでなく、作業中を撮影する場合でも直接カメラを向けず、防犯用の定点カメラ等を活用するとよいでしょう。

業者が保証制度を設けている理由

外壁塗装業者が自社保証を設けている理由は、外壁塗装は難しい施工であるからです。建物の外壁は、地域の気候、日当たり、湿度など様々な外的な影響を受けます。

外壁塗装においては、このような周辺環境を念頭におきつつ、何千とあるパターンから建物の材質に最適な施工方法を見極めを求められます。

業者は最適な施工が届けられる努力を行いますが、万一劣化が起こったとしても確実に修繕を行るように保証サービスをつけているのです。

私の家だといくら?

※1時間以内に74人が ヌリカエで料金診断しました。

優良業者への依頼が外壁塗装保証の第一ステップ

外壁塗装工事の保証請求は、もちろん契約者自身で行うことができます。しかし、塗装に関する知識もある程度要求されるため、一人では難しいと感じる人もいるでしょう。

また、悪質な業者なら最初から保証が提供されていないため、業者の選び方も慎重にしなくてはいけません。長い期間にわたって住む住居の外装ですから、塗装の知識がない人であっても気持ちよく保証が受けられる業者を選びたいですよね。

保証のことで悩まないためにも、素人に分かりにくい保障内容を丁寧かつ親切に説明してくれる優良業者を選ぶことが大切です。保証が必要なときに快く補修工事を提供してくれることも、大切なことだと言えるでしょう。

どのような外装工事を実施しているか、家から近い業者なのかという点も大切ですが、誠実な業者を選ぶことがもっとも大切なのです。

優良業者に出会えるなら、外装工事も安心して任せられますね。満足できる外壁塗装を完成させるためにも、まずは優良業者を選ぶことから始めてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考記事

外壁塗装ダイヤモンドコート・日本ペイント

私の家だといくら?

※1時間以内に74人が ヌリカエで料金診断しました。
外壁塗装 あなたの地域の相場は?
TOPへカエル