そもそもジョリパットってどんな外壁?
ジョリパットとは、意匠性(デザイン性)のある外壁用の塗材のことを指します。よく塗料と間違えている人もいますが、ジョリパットは、砂などを塗料に混ぜて作られた塗材です。
日本ではアイカ工業で1975年から販売されるようになってから約40年以上経ちますが、100以上のデザインに180以上のカラーがあり、外壁だけでなく内装にも使えます。
また、新築住宅だけでなくリフォームでも使用可能です。
「ジョリパット」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ジョリパットのメリット・デメリットや使い分けは?仕上げのデザインパターンも一覧で解説」
ジョリパットの塗り替え時期の目安は?
家のリフォームに目安の時期があるように、外壁にジョリパットを使っている場合も塗り替え時期の目安があります。塗り替え時期の目安ですが、ジョリパットの耐用年数は15~20年ほどと言われています。
新築住宅でジョリパットが広がり始めたのが15年ほど前と言われていますので、その頃に新築住宅を購入した人は、外壁の様子に注意したり塗装業者に相談したりすることをおすすめします。
ジョリパッドへリフォームする価格相場3パターン
続いて、ジョリパットへリフォームする場合の価格の相場を見て行きましょう。
ジョリパットの価格は、アイカ工業のHPに単価が記載されています。価格表で見ると、安いもので3,800円/㎡~、高いものでは10,000円/㎡を超えるものまであります。
なお、この金額はスタンダードタイプのジョリパットアルファJP-100シリーズの税抜価格です。状況によっては修繕費がかかることもありますので、参考として金額を把握しておきましょう。
ここからは、「重ね塗りをする場合」「新しくジョリパットに塗り変える場合」、そして「屋根のリフォームも同時に行う場合」の3パターンに分けて、ジョリパットの価格相場を紹介して行きます。
出典:ジョリパット パターンラインナップから探す|アイカ工業株式会社
参照:http://www.aica.co.jp/products/fill-w/jolypate/pattern.html
1:重ね塗りをする場合
ジョリパットのリフォームでは、重ね塗りができます。しかし、塗り直す壁が元々ジョリパットであったりアクリル系塗膜であったりなど、施工可能な下地が限られています。
ジョリパットの値段については、30坪で60万円からが目安になります。もちろん、あくまで目安なので最低ラインと考えておくとよいでしょう。
ただし、元の壁がジョリパット以外の下地の場合、適応できるかどうかの確認が必要です。全ての下地にジョリパットが適応しているわけではないことを把握しておきましょう。
2:新しくジョリパットに塗り替える場合
新しくジョリパットに塗り替える場合は、30坪で80万円からが目安と考えてください。これは、重ね塗りよりも手間がかかることと、既存のジョリパットを剥がす作業が入ることなどが理由です。
しかしながら、費用がかかる分、今までと違う外壁にできます。新たなデザイン性のある外壁を希望するのであれば、多少費用が上がることを念頭に置いて検討するとよいでしょう。
下地の施工価格相場
ジョリパットへの塗り替えでは、モルタルなど、適応下地が限られています。また、対応できる下地だったとしても、劣化がある場合は下地の補修が必要になります。
一般的な下地処理の価格を見ると1,000~2,000円/㎡が相場になります。また、補修によっては、5,000円/㎡になることもあります。
下地処理については、使う材料により価格も変わり、補修の状態にもよるので明確な相場を出すのは難しいところです。一番確実なのは、業者に相談することでしょう。
出典:ジョリパットの塗装にかかる費用相場|プロヌリ
参照:https://pronuri.com/articles/2378
3:屋根のリフォームも同時に行う場合
リフォームを検討する時期というのは、他にも劣化が気になる箇所がいくつか出てくる時期でもあります。その複数個所を別々に対応していると費用が掛かり過ぎます。
そのため、外装の塗り直しと合わせて屋根のリフォームも検討する人は多く見られます。業者によって価格相場は違いますが、同時ならば足場を組む回数が減り、1回分の足場の費用が20万円ほど抑えられるでしょう。
また、業者によっては割引価格を設定しているところもありますので、リフォームを検討する時はチェックしてみましょう。
ジョリパットのメンテナンス方法
外壁の中でも、ジョリパットの耐用年数は比較的長いと言えますが、それでもメンテナンスは必要です。
メンテナンス方法としては、新たに別のタイプのジョリパットに塗る直す方法とジョリパット専用での塗り直しの方法があります。
上記の2種類の方法について、以下で詳しく見て行きましょう。
新しいジョリパットの塗り直し
ジョリパットのメンテナンスとして、既存のジョリパットを剥がして新しいジョリパットに塗り直す方法があります。先述のように、費用はある程度かかってしまいますが、今までと違う新しいデザインを選べます。
それだけでなく、例えば色褪せしにくいJQ-500シリーズや汚れやひび割れ防止に優れているJQ-620シリーズなど、性能別にジョリパットを選択することも可能です。
また、新しく塗り直す際に下地に問題があった場合も、丁寧に対処できます。
出典:商品ラインナップ|アイカ工業株式会社
参照:http://www.aica.co.jp/products/fill-w/jolypate/
専用塗料でのメンテナンス
ジョリパットには、経年劣化で色褪せても、その上から施工できるジョリパットフレッシュ(JQ-800シリーズ)と言う改修専用タイプの商品があります。
この専用の塗り替え塗材を用いれば、再びジョリパットの質感が蘇ります。この塗材には、遮熱効果のあるタイプや色褪せしにくい高耐候性タイプもあります。
専用の塗り替え塗料を扱う企業は他にもいくつかありますが、ごく一般的な外壁用塗料はジョリパットと性質が違うため、特別な理由がない限りジョリパットには専用の塗料を使う必要があります。
ジョリパットをメンテナンスする時は、専用商品を使うようにしましょう。
「ジョリパットフレッシュ」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ジョリパットフレッシュの利点とは?塗り替えの際の注意点も解説」
ジョリパットに塗り替える利点3つとは?
ジョリパットは、ここ最近特に人気が出てきた外壁塗材です。
「色褪せしにくい」「デザインにこだわることができる」、そして「耐久性に優れている」という利点が人気の理由です。
ここでは、ジョリパットの利点について詳しく見て行きましょう。外壁の塗り直しを検討する際の参考にしてください。
1:色褪せにくい
ジョリパットのアピールポイントのひとつに、紫外線による劣化に強く色褪せしにくい点があります。もちろん日当たりなどの住環境により違いはありますが、大きな特長となっています。
製品の種類によって多少の違いはあるものの、耐候性が高い種類では、30年後でも色褪せがほとんどないことが試験で確認されています。
ただし、住環境によっては30年後まで待たずに塗り替える必要が出てくる場合もありますので、普段からよく観察しておくと良いでしょう。
2:デザインにこだわることができる
ジョリパットの大きな特長として、100以上のデザインと180以上のカラーという種類の豊富さがあります。
種類が豊富な分、自分の希望するデザインにこだわることができます。組み合わせ方によっては、オリジナルティの高いデザインにすることも可能です。
出典:ジョリパットの特長|アイカ工業株式会社
参照:http://www.aica.co.jp/products/fill-w/jolypate/
3:耐久性に優れている
ジョリパットは、「クラック」と呼ばれる亀裂やひび割れができにくく、耐久性に優れているのも大きな特長のひとつです。
例えば、シリコン塗装では耐用年数の目安が10~15年ほどですが、先述のジョリパットの耐用年数の目安と比較しても、ジョリパットの耐用年数が長いことがわかります。
また、製造者のアイカ工業によると、柔剛性、防火性にも優れているとされています。
ジョリパットの3つの欠点
ジョリパットは完全無欠の塗材ではなく、他の商品と同じように欠点もあります。
短所も併せて把握することで、事前に対策を講じたり準備できたりするため、欠点について知ることは大切です。
ここでは、「価格が高額である」「下地が割れやすい」、そして「汚れが付きやすいデザインもある」というジョリパットの3つの欠点を詳しく見て行きましょう。
1:価格が高額である
ジョリパットの価格については、先述した通り比較的高額なものになります。
その理由として、特長でもあるジョリパットのデザイン性の高さが関係しています。デザインの内容により価格が変わることに加え、手間がかかるものや職人の技術が必要なものは、その分価格に反映されることになります。
特にオーダーメイドの場合は高額になりますので、他の塗装と比較して3~5割程度は高いと考えておいた方がよいでしょう。
2:下地が割れやすい
ジョリパット自体の耐久性がよいことは先述の通りですが、下地については同じ耐久性ではないことが欠点になります。
ジョリパットの下地は、モルタルやセメントボードが主です。モルタルはセメントと水、砂でできたものです。これらが経年劣化や乾燥など、様々な理由によって割れることがあります。
下地が割れてしまうと、ジョリパットもそれに引っ張られてしまう可能性があることも把握しておきましょう。
3:汚れがつきやすいデザインもある
ジョリパットの特長にデザインのよさがありますが、逆に欠点になることもあります。
ジョリパットはデザインの種類によっては凹凸の具合が大きく、隙間などに汚れが溜まってしまいやすいからです。場合によっては、カビなどの原因にもなります。
平坦なデザインならば汚れの溜まり具合も少なくて目立たないでしょうが、汚れが溜まってしまっては、おしゃれなデザインも形無しです。
デザインの種類や環境などで頻度は違いますが、汚れを溜めないためにこまめな掃除が必要になります。または、凹凸の少ないデザインにする方が汚れにくいでしょう。
ジョリパットを業者に依頼する際の注意点7つ
実際に外装をリフォームする際には、先述の利点・欠点に加えて知っておいたほうが良いことがあります。
それは、ジョリパットを熟知している業者がいる反面、逆にジョリパットの施工経験が少ないなど、業者にもいろいろあるということです。
ここからは、業者にジョリパットでの塗装を依頼する際の注意点を7つ紹介します。
1:新しく塗装する場合や壁の状態が悪い場合は下地処理も必要になる
ジョリパットを新しく塗装する場合、下地の状態が悪いとその分の処理が必要になります。欠点でも説明したように、下地は割れやすく、状態によってはクラックが発生している場合があります。
この下地処理の修繕対応が必要になると、その分価格にも反映されることになります。状況によって費用が上がる可能性があることは理解しておきましょう。
2:デザイン性が高ければ高いほど価格も高くなる
先述した通り、ジョリパットは意匠性の高い塗材で種類が豊富な塗材です。
ジョリパットの中でも、特にデザイン性が高いものは、業者にも高い技術が必要です。また、その技術を習得するには経験が必要で、専門性も高くなります。
業者の高い技術が必要となる場合は、その分価格に反映されることも頭に入れておきましょう。
3:見積もりは複数の業者から取る
これはどんな業界にも言えることですが、複数の業者から見積もりを取る方が安心です。
いくつかの業者から見積もりを取ると、詐欺にあうことを回避できます。詐欺の場合は、多くの場合、明らかに他社と違う金額を提示されます。
また、施工内容が確認できれば、素人でも手抜き工事が見つけやすくなるでしょう。見積もりを見て、わからないことを丁寧に説明してくれる業者はスキルが高いと考えられ、トラブルに回避につながるでしょう。
4:実績があり信頼できる業者を選ぶ
ジョリパットの高いデザイン性は、業者の専門的な技術があってこそ見栄え良い仕上がりになります。もちろん最初から完璧な人はいませんが、会社の中にベテランがいるのといないのとでは大きく違うでしょう。
価格面も重要ですが、実績があり説明をきちんとしてくれるような、信用できる業者に依頼するようにしましょう。
5:色をたくさん使う場合は価格が上がる
ジョリパットには豊富なデザインとカラーがあるため選択の幅が広く、いろいろな色を選べます。しかし、色をたくさん使えば、その分費用が加算されるため価格は上がります。
また、実際に色を組み合わせた状態で見ると、イメージと違っていたということもあるでしょう。
ただ単にデザインがよいから、色がたくさんあった方がよいからという理由だけで決めるのではなく、きちんと見積もりを取って価格を検討してください。
6:作業で足場を設置する場合は価格が上がる
一般的に、家屋にはかなりの高さがあります。その高さを考えれば、ジョリパットの塗装にはまず足場が必要です。足場を設置すると、その分も費用がかかることを把握しておきましょう。
ただし、見積もりの際に足場の設置がどのような扱いになっているかは業者によって違いがありますので、この点も意識しておいた方がよいでしょう。
後で価格が増えても慌てることがないよう、見積もりの段階で足場についても確認しておきましょう。
7:施工後のメンテナンスも任せられる業者を選ぶ
耐久性があるとされるジョリパットですが、ずっと放置しておいてよいわけではありません。汚れひとつとっても、酷い時は専門の業者が必要になる場合もあります。また、施工した業者が優秀だったとしても、その後、不具合が全く出ないとは限りません。
外装のリフォームが終わった後もメンテナンスまで行える業者の方が、状況が掴みやすく話が早いため、迅速な対応を望めるでしょう。
外壁塗装を依頼する業者は、できればメンテナンスも任せられる業者を選ぶことをおすすめします。
ジョリパットの価格について知ろう
外壁については専門的な内容が多いため、リフォームの際にはどうしても見た目だけで判断したり、業者任せにしてしまいがちです。
ジョリパットは、外壁用塗材の中でも他の商品と違う点が多く、また職人の技術が必要です。そのため、価格も他の塗料よりも高くなっています。
価格の内訳をしっかりと把握できるようにしておかないと、今度はよくない業者に引っ掛かってしまう可能性もあります。
素人には難しい面もありますが、優良な業者は聞けば教えてくれますし、調べることも可能です。本記事を参考にジョリパットの価格を知り、リフォームの参考にしてください。