ケレン工具にはどのようなものがあるのか?電動工具と手工具を紹介

  • 【更新日】2021-08-03
クラック周辺をヘラで滑らかに仕上げ

「ケレン作業」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ケレンとは?塗装に欠かせない理由や費用相場について解説」
>>「ケレンの4つの種類とは?価格相場と依頼の際の注意点についても紹介」

ケレン工具にはどのようなものがあるのか?

ケレン工具には、動力工具と手工具(しゅこうぐ・てこうぐ)があります。

動力工具は、電気や空圧、油圧などを動力源とした工具です。ケレン工具には電気モーターを搭載したブラシやシェーバーなど、電動工具が多く見られます。労力軽減や作業性向上に役立ちます。

手工具は、動力工具のように動力を生み出す装置を持たず、人力で作業するための工具をいいます。ケレン工具の内、手工具はハンマーややすりなどがあります。

私の家だといくら?

※1時間以内に74人が ヌリカエで料金診断しました。

ケレン工具を用いる作業の種類

ケレン工具は、金属・木材の塗装前に付着物の除去や錆落しをする「ケレン」という素地調整に使用します。

ケレンは作業内容や錆の程度によって1種から4種に分類されます。「1種ケレン」は高圧ホースを用いたブラスト法によって、錆や旧膜を全て除去して鋼材面を露出させます。

手作業で行う「2種ケレン」、活膜を残して劣化膜を除去する「3種ケレン」、粉化物や汚れを除去する「4種ケレン」にはケレン工具を使用します。

私の家だといくら?

※1時間以内に74人が ヌリカエで料金診断しました。

電動工具を使ったケレン作業におすすめのケレン工具10個

電動工具は、2種〜4種ケレンに使用します。

錆面積30%以上の2種ケレンでは、電動工具と手工具を使って錆・旧塗膜の除去、鋼材面の露出を行います。1種と違って完全には除去しない状態です。

3種ケレンでは、旧塗膜の内、劣化塗膜は除去して活膜は残しておきます。劣化具合が小さい4種ケレンは、軽く作業する程度になります。

ここでは、電動工具を使ったケレン作業におすすめのケレン工具を10個ご紹介します。

1:ディスクグラインダー

ディスクグラインダーは、ディスク状の先端パーツを付け替えることで金属やコンクリートの切断・研削が可能な電動工具です。

先端パーツには、金属を切断する「切断砥石」、コンクリートや石材を切断する「ダイヤモンドカッター」、面取りや研削用の「ダイヤモンドカップ」、塗装剥がしや錆取りに使う「研磨ディスク」などがあります。

アスベストの除去には集塵装置付きディスクグラインダーが使われています。

2:サンダー

サンダーは、金属や木材の研磨、錆落とし、塗装剥がしに使われる電動工具です。

広い範囲を研磨できるため、平面を均一に研磨するのに適しています。様々な種類があり、代表的なものとして「オービタルサンダー」と「ランダムサンダー」があります。

オービタルサンダーは研削力低めですが、安定した平面研磨と仕上げ研磨が可能であり、主に木材に使われています。ランダムサンダーは平面・曲面の研磨や錆落としなどに有効です。

3:ブリストルブラスター

ブリストルブラスターは、縦回転するブラシで表面を研磨するハンディタイプの電動工具です。

ケレン1種でのブラスト法と同程度の施工が可能です。研削材が不要なため、ブラスト法と比較して粉塵の飛散が少ない、産業廃棄物や騒音も少ないというメリットがあります。

大掛かりな工事となるブラスト法で掛かっていた工事・メンテナンス・産業廃棄物処理のコストを大幅に削減することができます。

4:パワーブラシ

パワーブラシは研磨や仕上げ磨きを行うブラシであり、ディスクグラインダーや電気ドリルに取り付けて使います。

汚れだけを落とし、表面をあまり傷付けずに滑らかに仕上げます。円形や棒状など様々な形状があり、用途によって使い分けます。

ブラシの毛材は、スチール・ステンレス・真鍮などの金属、植物繊維、羊毛・豚毛・馬毛の動物繊維、ナイロンなど種類が豊富です。研磨砥粒(グリッド)を混ぜて研磨性を高めたものもあります。

5:ワイヤーホイールブラシ

ワイヤーホイールブラシはパワーブラシの1つであり、円形のブラシです。

主に研磨の用途で使われるほか、バリ取りやスケール除去なども可能です。ブラシの接地面が小さいため、狭い場所や凹凸面の作業に適しています。

ディスクグラインダー用の軸なしタイプ、電気ドリルに取り付ける軸付タイプがあります。毛材に加え、外径や穴径、厚みやフランジ径にいたるまで様々な種類やサイズがあります。

6:カップワイヤーブラシ

カップワイヤーブラシはパワーブラシの1つで、カップ型の台座が付いたブラシです。

電動工具に取り付けて、研磨や錆落とし、剥離、バリ取りの用途で使われます。ブラシを真下に押し付けるような形で使用するため、広範囲の平面での作業に向いています。

カップブラシと似ているベベルブラシというものがあります。ベベルブラシは毛材が斜めに広がっています。角度をつけて作業面に押し当てるため、狭い場所や角、曲面に有効です。

7:エアハンマー

エアハンマーは、圧縮空気の力でコンクリートやアスファルトを切ったり削ったりする「ハツリ」工事、錆落とし、バリ取りなどを行う空圧工具です。

スタンダード型とピストル型の2種類の形状があり、「エアチッパー」とも呼ばれます。エアコンプレッサーに接続して使用します。エアハンマー内部のピストンがチゼルという消耗品の鋼鉄製工具を打撃することで、作業面に衝撃を与えて作業を行います。

8:リベットシェーバー

リベットシェーバーは、金属の接合に使う「リベット」というクギのような結合部品のケレン作業に使用します。

ディスクグラインダーに取り付け、刃でリベット頭部を覆って塗膜を落とします。

リベット部分は塗膜が厚い上に根本やキワは落としにくく手間や時間が掛かりますが、リベットシェーバーを使うことで効率と作業性を大幅にアップさせることが可能です。

9:ケレンマイスター

ケレンマイスターは、六角ボルトやナット接合部のケレン作業に適したケレン工具であり、サンダーに接続して使用します。

「ヘリカルブレード」という螺旋状の刃が回転し、ボルトやナットの狭い側面も柔軟に対応できます。鋼材面が露出するまで素地調整することが可能です。

また、軽量で騒音や反動も少なく、作業性に優れています。

10:ウォータージェット

ウォータージェットは、加圧した水を高速噴射させることで対象物の切断加工や剥離、除去を行う工具です。

ポンプで高圧水を生成し、髪の毛ほどの細さで噴射します。切断加工の場合の水圧は、水道水の約2,000倍に相当します。

ケレン作業でも、振動が少ないためひび割れる心配がありません、特別な薬剤を使用せずに水の力だけで厚い塗膜も除去可能であり、騒音や粉塵も発生しないため、環境に配慮しながらケレン作業ができます。

私の家だといくら?

※1時間以内に74人が ヌリカエで料金診断しました。

手作業におすすめのケレン工具5つ

ケレン作業で使う手工具にも様々な種類があります。

動力工具は作業性が良く労力を削減できる特長があるのに対し、手工具は細かい作業が可能、自分のペースで作業できるというメリットがあります。

手工具は、動力工具と同様に2種~4種ケレンで使われます。動力工具で取り切れなかった錆や汚れを手工具で落とします。

ここでは、手作業におすすめのケレン工具を5つご紹介します。

1:ケレン棒

ケレン棒は、先端に刃が付いた金属製のヘラです。

コンクリートや鉄骨などの付着物の除去、剥離、錆落としに使います。作業面に対して角度をつけて押し当て、付着物を削ぎ取ります。

錆に強いステンレス製、切削力の強い超硬合金、グリップ付きのもの、作業面に合わせて使える伸縮タイプなど様々な製品があります。

また、エンド部分をハンマー打ちできるハンマータイプなら、頑固な錆の除去に便利です。

2:ワイヤーブラシ

ワイヤーブラシは、毛の部分が金属やナイロンでできたブラシです。

塗装剥がしや錆落としに使います。金属の毛材にはステンレスや真鍮があります。ステンレスは平面部に、柔らかい真鍮は主に磨き用として使われます。毛の形状はストレートとちぢれタイプの2種類です。

ワイヤーブラシ本体の形状は様々で、タワシのような要領で力を入れてこする角型や小判型、凹凸面を磨きやすい柄付タイプに加え、デッキブラシタイプまであります。

3:スクレーパー

スクレーパーは、塗膜剥がしや錆落としに使う金属製のヘラです。

メーカーによっては、前述したケレン棒と同一のものを指すことがあります。スクレーパーは刃を本体に取付けて使用するため、劣化や破損した場合でも刃を交換するだけで良いのでコストを抑えられます。

幅広タイプや3枚刃タイプなど、形状も豊富で用途に合わせて選べるというメリットがあります。

4:やすり

やすりは、錆落としや目荒らし(目粗し)に使います。

目荒らしは作業面に細かい傷を付けてザラザラした状態にすることで、「足付け」とも呼ばれます。金属や樹脂のようなツルツルした部分に塗装する場合、塗料が流れやすく、剥離してしまう恐れがあります。やすりで目荒らしすることで、塗料を密着させることができます。

ケレン作業では、研磨力と耐久性に優れた「マジックロン」というナイロン製やすりが多用されています。

5:サンドペーパー

サンドペーパーは研磨剤が接着された紙・布製のやすりで、「紙やすり」や「研磨紙」とも呼ばれています。

サンドペーパーの目の粗さは「番手」と呼ばれ、#と数字で表されます。目が粗いほど数字が小さくなり、#40~100は「粗目」、♯1000以上は「極細目」です。

ほかにも、水研ぎや油研ぎが可能な「耐水ペーパー」、目詰まりなく使える網目合成繊維の「ポリネットシート」もあります。

私の家だといくら?

※1時間以内に74人が ヌリカエで料金診断しました。

ケレン工具について知ろう

塗装前のケレン作業は非常に重要な工程です。ケレン作業を行うことで、塗料のノリや耐久性が向上し、仕上がりも美しくなります。

ケレン作業では、作業面の状態に合わせて様々な工具を使用します。

よく使われるケレン工具について理解を深めましょう。

外壁塗装 あなたの地域の相場は?
TOPへカエル