アスベストの含まれる建物の解体|近隣への説明や注意点を解説

  • 【更新日】2020-09-07
アスベストの含まれる建物の解体|近隣への説明や注意点を解説

これからリフォームや建て替えで、古い住宅を取り壊す予定のある方で、「アスベストに関する健康被害」のニュースを覚えている方も多いのではないでしょうか。安価で断熱性などに優れたアスベストは、過去に広く建築材として利用されていたため、一定の年数より前に建てられた古い建物では、建材にアスベストが含まれている可能性が高いのです。アスベストを含む建物の解体は専門業者に依頼が必要です。

まずはアスベストについての基礎知識、取り壊す建物にアスベストが使われているかを知る方法と、近隣への説明など必要なステップを解説いたします。

私の家だといくら?


そもそもアスベスト(石綿)とは

アスベストは耐熱性、絶縁性、保温性に優れ、以前は、住宅では断熱材・吹付け材や屋根などに広く使われていました。安価で扱いやすいため、住宅以外にも電気製品、自動車、家庭用品等、様々な用途に非常に広く普及していましたが、空気中に飛び散ったアスベストを吸い込むことで、じん肺(特にアスベストを原因とするものは、石綿(アスベスト)肺と言われる)、悪性中皮腫や肺がん等の病気を引き起こすおそれがあることが徐々にわかってきました。

近年は完全に使用・製造が禁止されるようになりましたが、アスベストによる健康被害は、最初の吸引からおよそ15年~40年前後の潜伏期間を経て発症する可能性があることがわかりました。

アスベスト解体時の近隣住民への配慮・注意点

住宅にアスベストが含まれていても、飛散し、それを肺に吸い込まなければ健康の被害はないため、建材に使用されていたとしてもそれが板状に固めたボードや、天井裏・壁の内部にある吹付け石綿があったとしても露出していなければ飛散のリスクは低いと言えます。そのため、その建物に住んでいる人にはあまり問題がありませんが、建物が老朽化して崩壊したとき、また建物を解体し、取り壊す時にアスベストが飛散する恐れがあります。アスベストの処理は専門の業者による適切な処理が必須です。正しく処分しなかったために飛散してしまった場合、所有者やそこに住む人々だけではなく、近隣の住民や多くの人々の健康を害する可能性があるのです。

古い建物を取り壊す際は、必ず近隣に住む方への配慮を忘れないようにしましょう。

業者選びを慎重に

後の項目でも解説しますが、アスベストの解体や廃棄処理は、健康被害を起こさないために厳しい基準があります。「信頼できる業者に依頼します」と説明できることが何よりも大切です。

工事を始める前に建築物の分析調査を行い、結果の保管をする事が必要とされています。また、工事開始前には、工事計画届出、特定粉じん排出等作業届出書、建築物解体等作業届などが必要ですが、これらは施主(解体を依頼する人)ではなく、作業を行う施工業者が届け出るものです。こういった調査や届け出を正しく・トラブルなく進めてもらうために、信頼できる業者に依頼する必要があるのです。

近隣への挨拶は業者がするが、ごく近い場所の住民には別途挨拶を

実際に業者を選定し、工事の日程が決まると、近隣への周知のため、事前に工事概要を記した看板を設置します。この設置も施工業者が行います。工事内容や日程・立入禁止などを明記します。

しかし、ごく近所で、事前に普段のお付き合いがある家などには、口頭ででも「こういった工事がありますので、よろしくお願いいたします」と声をかけておくことで、周囲の方の理解も得られやすくなります。施工業者よりも先に挨拶に回ると、印象がよくなり、施工業者も訪問営業などと間違われることがなくなります。また、先に施主が行き「トラブルがあったら業者さんにご連絡をお願いします」と言い添える事で、対応を業者にお任せすることができ、当事者同士が感情的にトラブルになってこじれることを避けやすくなります。

ご挨拶に持参する手土産は一般的に1000円程度だと言われていますが、地域のしきたりなどもあり、施工業者が一括して用意してくれることもあるため、業者に相談してみましょう。

事前の告知、説明をしっかりと

特に住宅地で、近隣に個人の住宅が多い場合、アスベストの健康被害以外にも、騒音なども留意しないといけません。そういった問題は、事前の告知・説明があることで大きく軽減できます。アスベストが含まれるような古い建物を放置せず、適切に解体するということは、長い目で見ればその土地に住む人にとっては好ましいことです。気持ちよく工事が済ませられるように、こちらから積極的に情報を開示していく姿勢が大切です。

挨拶の範囲は、向かいの3軒、裏の3軒、両隣を目安にしてください。特に裏のお宅は忘れられがちですが、工事の影響は裏の家が受けやすいため、必ず告知を心がけてください。

アスベスト解体は専門業者しかできない

アスベストによる健康被害者は、アスベスト製造工場の粉塵の中で長期間労働した人やその家族、またアスベストを取り扱う工場の近くに在住していた人の問題だと思われてきました。また、アスベストの製造が禁止された現在の日本ではこの問題は無くなったと言われています。しかし、古い建物(特に病院や学校など)の解体によって、アスベストの粉塵を長期間吸う人(解体業者)に今後健康被害が現れてくるのではないか?と懸念されています。その結果は、最終的に20年から40年後にしかわかりません。

アスベスト建材の解体時には使い捨てできる保護衣・作業衣や防護マスクなど、作業員が吸い込まないような専門の装備が必要です。また、工事の際は隔離養生(工事現場をPETシートという丈夫で破れにくいシートで覆い、周囲に粉塵が飛び散らないようにする)や湿潤化(粉塵飛散抑制剤という薬剤を散布し、工事中のアスベストの飛散を防ぐ。抑制剤には、人体への被害がなく、付着しても簡単に拭き取ることができる無機系薬剤が使用される)必要です。そういったことはもちろん専門の、資格を持った業者しか行うことができません。

また、最終的な廃棄も、不法投棄や野焼きなどが行われないように、正しい手続きと処理を行う必要があります。取り除かれたアスベスト建材は真空圧縮し、容積を縮小させ、処分しやすくする必要があります。アスベストによる飛散防止や健康被害の予防のために、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で、飛散性の石綿の廃棄物を一般の産業廃棄物よりも厳重な管理が必要となる「特別管理産業廃棄物」に指定されています。

アスベスト撤去工事のレベル

アスベストにはリスクによって便宜上3種類に分けられています。

  • レベル1/発塵性が非常に高い:石綿含有吹き付け材
  • レベル2/発塵性が高い:保温材や耐火被覆材、断熱材
  • レベル3/発塵性が比較的低い:タイルなどの外壁材、建築物の天井・壁・床などに内装材として使われる石綿含有成形板、ビニール床タイルなど

各レベルにより、粉塵の飛散対策や、作業内容が異なるため、工事価格にも影響します。レベル1・2とレベル3でかなり金額が変わります。レベル3は手作業での撤去が主になります。

アスベストの見分け方

建物にアスベストが含まれているかどうかは、いくつかの方法で推測・または調べることができます。業者に依頼する前の目安としてご参考ください。アスベスト含有の確率が高いとわかったら、専門の調査機関に適切な分析調査を依頼しましょう。

アスベストが使われている可能性がある箇所

一般的な建物でアスベストが使われている可能性があるのは以下のような箇所になります。

  • 屋根:セメントと混ぜてアスベストを使用
  • 外壁:サイディング外壁や波板などに使用
  • 内装材:ケイ酸カルシウム板やパーライト板等の内装材に使用
  • 断熱材:配管・ダクトなどに巻かれた断熱材は、保温性に優れているアスベストが使われていることが多い
  • 吹付け材:耐火材として、耐火建築物の柱や梁、エレベーターの周辺、立体駐車場や体育館などの施設の天井や壁に使われているもの。吹き付けて固まったものは綿のようなモコモコとした形状になり、飛散のリスクが高い。これを取り壊す場合、発塵性が非常に高い「レベル1」となる。レベル1は建材自体の除去作業となり、薬液による飛散防止の封じ込め工法・板状の材料を使用して密閉する囲い込み工法となる

吹付け材が一番健康被害リスクが高く、撤去にも大きなコストが必要になります。アスベスト材のレベルについては前述した通り、レベル1~レベル3の三段階になっています。

竣工年から推測

アスベストを使った建材製品は1955年ごろから使われ始め、ビルの高層化や鉄骨構造化の軽量耐火被覆材として、1960年代の高度成長期に多く使用されました。

  • 1975年:アスベストの含有量が5%を超えるものの吹き付け作業の禁止
  • 1995年:含有量が1%を超えるものの吹き付け作業の禁止
  • 2004年:含有量が全体の重量の1%を満たさないクリソタイル(白石綿)以外の製造、輸入、提供、譲渡、使用の禁止
  • 2006年:アスベストの含有量が重量の0.1%を超えるものの製造、輸入、提供、譲渡、使用が禁止

よって、2006年よりも前に建築された建物であれば、アスベストを含む建材を使っている可能性があります。「吹き付け作業」は吹き付けアスベスト(石綿とセメントで水を加えて混合し、吹き付け施工したもの)をさします。これは板状の建材などに含まれているものよりも飛散のリスクが高く、レベルの高い処理が必要になります。

図面等で建材の商品名を確認する

建築士さんなどに問い合わせて図面をもらうことができれば、そこに使用された建材の記載があります。アスベストが含まれた建材の商品名は、国土交通省・経済産業省などのホームページに掲載があります。同じ商品名でも、製造された時期によってアスベストの含有量が異なる場合もありますので、商品名だけでなく製造年も調べてみましょう。その結果アスベストが含まれている可能性が高いのであれば、改めて専門の業者に、詳細な調査を依頼しましょう。

近隣のためにもアスベスト解体業者の選択は慎重に

アスベストが恐れられる理由の一つは、命にかかわる健康被害であるだけでなく、その健康被害が非常に後になってからしか明らかにならないという事です。アスベストの粉塵を日常的に吸っていた人に肺がんなどのリスクが高いことは1964年頃にはすでに報道されていましたが、実際に規制されるまでには長い期間がかかりました。アスベストが規制されるまでの長い期間、アスベストを含む製品生産や建設作業に携わっていた人だけでなく、工場の近隣の住民にも健康被害が起こっていたことが近年になってわかりました。2006年に石綿による健康被害の救済に関する法律(石綿救済法)が施行され、アスベストによる健康被害を受けた患者や死亡者に対して補償がされています。アスベストを吸った心配のある人には、レントゲン写真を無料で撮る検診サービスを実施している自治体(大阪市、尼崎市など)もあります。

これから建築される建物にはアスベストは使われませんが、過去の建物には多くアスベストが使われており、これからも建物解体でアスベストが出る可能性は高いです。アスベストの処理は専門の業者による適切な処理が必須です。正しく処分しなかったために飛散してしまった場合、所有者やそこに住む人々だけではなく、近隣の住民や多くの人々の健康を害する可能性があるのです。また、解体工事をしないで放置した場合、地震などの災害で建物が崩落し、アスベストが飛散してしまう恐れがあります。阪神・淡路大震災や、東日本大震災では、崩落した建物からのアスベスト被害があったことが報告されています。

アスベスト問題は、すぐに健康被害が現れないからこそ、感情的にこじれると解決が難しくなってしまいます。その土地にずっと住み続ける人同士で、建築にまつわるトラブルが長期化するのは避けたいものです。トラブルを未然に防ぐためには、工事の前の十分な周知と、信頼できる業者への依頼の両方が大切です。その土地でずっと健康に生活し続けられるように、また、周囲の人の健康を守るためにも、適切な工事が行えるように努力することで、リフォーム後の生活も快適になります。

ヌリカエで安心できる業者探しを

近年は、アスベストの健康被害を理由に不安をあおり、早急な契約を迫る悪徳業者がいるようですが、法律に則って、適正に処理をする業者を選択することが大事です。リフォーム・解体の業者探しは、ヌリカエを使ってみましょう。インターネット上から複数業者に一括見積が取れて便利です。また、登録業者は審査済みの有資格の施工業者です。

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