マンションの建て替えで立ち退きを要求されたらどうする?退去までにやるべきことを解説

マンションの建て替えで立ち退きを要求されたらどうする?退去までにやるべきことを解説

今住んでいるマンションを、立ち退いて欲しいと言われたときに、気になることがいくつも出てきます。立ち退かなければいけない理由は?引越しの費用はどうなるの?本当にこのまま住み続けることはできないの?など、さまざまな疑問が浮かんできます。そんなときに、あらかじめ知識をつけておけば、そうういった心配はしなくて済むでしょう。

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マンションの建築費については以下の記事をご覧ください。

【2024年3月】マンション建築費はいくら?構造別の坪単価や計算シミュレーションを紹介

立ち退きを迫られる正当な理由

マンション住まいの人が、立ち退きを迫られる状況というと、「マンションの解体が決まったため」または「解体したいのでその同意を求める過程で」というケースが一般的です。入居者側からしてみれば、強制退去に伴う引越しと、場合によってはその費用まで負担することになってしまいます。

また管理者側も、そのことはわかったうえで立ち退きを宣告するというわけなのですが、それでは、立ち退きを迫らなければならない理由はなんなのでしょうか?入居者は、なぜ立ち退かなければいけないのかを、理解できなければ納得がいかないでしょう。そのためには、管理者による適切な説明と、入居者にもある程度の知識が必要になります。この項では、その最低限の知識を、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

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理由が建物自体にある場合

立ち退きを迫られた際に、主に考えられる理由の一つは、建物自体に原因がある場合です。例えば、建物自体が劣化しすぎている場合や、震災などで建物に損傷があり、入居者が安全に生活することができなくなっている状態にある場合などが、このパターンに当てはまります。

建物自体の劣化とは、床や壁にあるひび割れ、天井が劣化していて雨漏りする、エレベーターなど管理に必要な機器類が古すぎる等のことを指します。もちろん、これらの多くは建て替えではなく、修繕工事で十分修復できるのですが、実は建物には必ず「寿命」があるのです。

この「寿命」は約40年といわれており、この40年を過ぎると、修繕工事での修復は非常に困難になるのです。修繕工事でまかなえる、劣化の程度は限られているため、それが不可能となったときに、マンションの建て替え及び入居者への退去が迫られるのです。

震災による損傷が原因となる場合

建物を建てる際には、「耐震基準」というものに準拠して、設計されていることはご存じでしょうか?これはその名のとおり、建物において、ある一定の震度に対する耐震性を求めるもので、日本に存在するすべての建物は、この「耐震基準」に沿って設計されています。

この「ある一定の震度」は、現在は震度7程度とされていますが、実は1981年に改正されて、今の形になっています。改正前の耐震基準は、震度5程度。つまり、1981年よりも前に建てられたマンションは、現在の耐震基準を満たしていない可能性があるということになります。

もちろん、現在の耐震基準を満たしているからといって、100%地震による被害を受けないという保証はありません。しかし、今住んでいるマンションが、旧耐震基準が施行されている時代に建てられているとすれば、注意が必要です。

また、最近はニュースで度々目にすることも多い「水害」に関しては、耐震基準にかかわらず、被害を受けてしまう建物がほとんどです。窓ガラスが割れた、鉄柵が壊れた、等小さな被害であれば、細かく修繕工事を行うことで住み続けることができます。ただし、壁に穴が開いてしまうなどの大きな被害が、たくさんの部屋で起きてしまったとすれば、マンションの建て替えは必要不可欠になるでしょう。

借り手が知っておきたい立ち退きの条件

立ち退きの条件は、賃貸マンションか分譲マンションかで変わってきます。不正な立ち退きを回避するために、必要な条件を確認しておきましょう。

賃貸マンションの場合

まず、賃貸マンションにおいて立ち退きをしてもらう理由には、「借り手に問題がある場合」と「管理者の都合によるもの」の2つに分けられます

「借り手に問題がある場合」とは、主に家賃を滞納されている等、管理者側が一方的に被害を受けている場合のことを指します。宣告後も退去する様子が見られない場合、裁判所を通して強制的に退去させることができます。この場合には、家賃の滞納が数カ月以上続いていたり、借り手側での又貸しが認められたりなど、契約違反となる、ある事由が必要になります。

立ち退きをする理由が、「管理者の都合によるもの」である場合、強制退去をさせることはできません。したがって、管理者が詳しく説明して納得してもらうことが必要になります。また、原因が管理者にあるときは、ほとんどの場合で「立ち退き料」が支払われます。「立ち退き料」とは、管理者から借り手に支払われる費用のことです。

しかし、この「立ち退き料」は支払い義務がなく、金額も双方間での話し合いによって決められます。そのため、立ち退きを受け入れる場合には、この「立ち退き料」の支払いはあるのか、支払われるのはいつで、どのくらいもらえるのかを、確認しておくことが大切です。

賃貸マンションにおいて、立ち退き宣告をする場合は、遅くても更新日の1年前に行う必要があります。形式は書面・口頭が多いようです。

分譲マンションの場合

分譲マンションの場合は、少し厄介です。分譲マンションとは、つまり持ち家と同じ扱いになるため、マンション全体の持ち主は存在しません。したがって、万が一、建物の劣化による建て替えを検討するとすれば、それは住民同士で作った管理組合による決定になります。しかしこの決定は、賛成する人が全体の8割以上になる必要があります。

賛成した場合は、建て替え後の部屋の確保をすることができます。建て替え工事は、住民同士でお金を出し合って行うことになりますが、建て替え後の部屋数を増やして、その部屋に新たな入居者を迎えることで、その負担分は多少解消することができます。

反対した場合でも、賛成数のほうが圧倒的だった場合には、建て替え工事が行われます。そのときには、あなたが今住んでいる部屋を、管理組合に買い取ってもらい、退去(引越し)をすることになります。管理者の都合で立ち退くときも、自らの責任によって立ち退かなければならない場合も、基本的に引越し先の準備や引越しの手配は、自分で行うことになります。

立ち退きするときにしておきたいこと

立ち退きをするときには、やらなければならないことがたくさんあります。その中でも、とくに重要なことをピックアップして解説していきます。

立ち退き料の確認

まずは、立ち退き料の支払いはあるのか、あるとしたらいつ頃支給されるのかについて、管理者に確認しましょう。管理者には、立ち退き料の支払い義務はありません。一般に、支給される場合のほうが多いようですが、もしものときの場合のために、きちんと確認しておきましょう。

そして、その次に確認しなければならないことは「立ち退き料としていくら支給されるのか」です。立ち退き料とは、いわば管理者の「善意」で支給されるものだと言っても過言ではないため、金額も管理者と借り手の話し合いで決められます。この立ち退き料は、主に引越しの際の費用にあてられます。

金額は、基本的に管理者のほうから借り手に向けて提示され、借り手はその条件を加味したうえで、イエスかノーかの返事をします。しかし、もしこの時点で提示された金額では、立ち退き要請を受けることはできないというのであれば、管理者に向けて増額を希望することもできます。ただし、立ち退きに際しての必要経費以上の増額は、不当な請求とみなされ、受け入れてもらうことはできないため、注意しましょう。

引越し先を探す

立ち退き料の詳細を確認したら、続けて引越し先を探していきます。管理者と借り手の関係が良好な場合、または管理者にある程度の余裕がある場合は、管理者側から次の住居について、提案されることがあります。条件がよければ、そこに移り住むことも考えてみるとよいでしょう。

引越しのための費用は、すべてまかなえるほどの立ち退き料がもらえるとして、それに合わせて業者や次の家を決めていきます。基本的には、引越しにかかる費用や次に住む家の諸費用は、まかなえる程度の金額は支給されるはずなので、心配せずに決めて良いでしょう。

争いごとは避ける

立ち退きの際は、管理者と借り手側は全く逆の意見を持つことになります。早く引っ越してもらいたい、引っ越したくないという意見、立ち退き料を少しでも多くもらいたい、少しでも少なく済ませたいという主張をするわけです。そのときに、できるだけ争わないように、穏便に話し合いで済ませることが、安心して契約を終わらせるためのキーになるのです。

もしも、話し合いで済ませることができずに、裁判に発展してしまった場合、そこにかかってくる費用は、全額自分で負担することになるため、結局は損をしてしまいます。それは相手側も同じなので、お互いに穏便に済ませられるようにすることが大切です。

また、立ち退きに関する手続きは、基本的に本人同士での話し合いになります。管理者が、あまりにも理不尽な理由で立ち退きを迫ってきたり、借り手が不当な金額を請求してくるなど、強い立場にあるほうがその立場を利用して、悪徳な要求を止めない限りは、裁判には持ち込まないようにしましょう。

立ち退き料について学ぼう

立ち退き料の内訳は、主に下記を含めたもので、大体家賃の6カ月分程度になります。

  • 引越しにかかる費用
  • 保証金
  • 敷金の返還
  • 借家権の保証

引越しの際に必要となる費用を、立ち退き料から支払うとすれば、住む家のランクアップを望むことは難しいかもしれませんが、引越しには十分な金額になるでしょう。

また、分譲マンションの場合には、立ち退き料は支払われません。新しく建てられるマンションに住まず、別の場所に引っ越すことを考えているのであれば、管理組合によって現在の家を買い取ってもらうことができます。基本的には、新築後の部屋の金額から、マンションの建て直しにかかる費用を引いた金額が、支払われることになります。

立ち退き料が支払われないときはどうする?

管理者より立ち退き料が支払われない場合は、どうすればよいのでしょう。管理者の都合で立ち退きを迫る場合、一般的に立ち退き料が支払われます。しかし、実のところ管理者には、立ち退き料の支払い義務はないため、ごくまれに支払われないこともあるようです。

立ち退き料が支払われない場合の選択肢は、以下の3つ。

  • 立ち退きを拒否する
  • 立ち退き料を請求する
  • 条件を受け入れる(立ち退き料をもらわないまま立ち退く)

立ち退きを拒否する場合

立ち退き料が支払われない場合に限らず、単純に引っ越したくないからという理由でも、拒否することができますが、それは理由が不当である場合のみです。ただし、建物の老朽化、住民の安全が確保できないほどの損傷がある場合や、借り手自身に非があって、立ち退きを迫られている場合には、この限りではありません。

賃貸マンションの場合、契約を更新した時点で、その契約書にある期間内は住み続けることができるので、借り手には立ち退きを拒否する権利があるのです。しかし、この方法をとって裁判に持ち込まれた場合、借り手側のリスクは非常に高くなります。

立ち退き料を請求する場合

立ち退き料を請求する場合は、管理者に直接交渉を行いましょう。管理者の都合での立ち退きを求めているときには、借り手側のほうが有利になります。不当な請求だと言われない程度の見積もりを行い、管理者に交渉を持ちかけましょう。この際に見積もるのは、引越しにかかる費用と敷金等を含めて、家賃6カ月分程を請求すると良いでしょう。

この場合、優位にあるのは借り手側なので、裁判に持ち込めばほぼ確実に勝つことができます。ただし、その裁判にかかる費用は自分で負担することになるため、最終的には損をしてしまう可能性が高くなります。したがって、請求を行う際にはそういった配慮もしながら、できるだけ管理者との関係性を崩さないように、気を使いましょう。

条件を受け入れて立ち退く場合

条件を受け入れて立ち退く場合は、立ち退き料は支払われていないので、引越しの費用は全額自己負担になります。予定外の出費になるため、一番損をすることになります。この方法をとる人は、ごく少数になるでしょう。管理者との関係を悪化させない代わりに、自己負担額が相当なものになるので覚悟が必要です。

マンションの立ち退きを迫られた場合の対処を勉強しよう

立ち退き要請をする際、基本的には管理者と借り手が直接話し合い、今後の契約について決定していきます。
しかしその過程には、さまざまな法や制度が関わってきます。どんなことが正当で、どんなことが不当に当たるのか、不安でなかなか進められないというときには、専門家に頼ってみてはいかがでしょうか?

ヌリカエというサイトを使えば、簡単に信頼性の高い専門業者を探すことができます。

実は、この立ち退き要請に介入することができる存在は、非常に限られています。お金が関わることですし、きちんと専門性を身につけた業者でないと、安心して任せられませんよね。

このイエウールなら、簡単にあなたに合った専門業者を探すことができます。管理者としても、借り手としても、安心して進めていけるような環境作りを心がけましょう。

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