20坪の家の解体費用相場は60万～160万円！内訳と高くなる要因を解説

「20坪の家を解体する場合、費用相場はいくらかかるのでしょうか？」

解体後の売却や建て替えかリフォームで迷っている方は、解体費用がいくらになるかでどうするか決めることも多いと思います。

ただし、20坪の家の場合、隣と隣接している、道幅が狭いなどで工事がしづらいぶん、費用が高くなることが多いです。

本記事では、20坪の家の解体費用の相場と高くなりやすい理由、安くおさえるコツを解説しています。

20坪の家の解体費用相場は60万～160万円

20坪の家の解体費用は、木造なら60万円～100万円、鉄骨造なら80万円～120万円、鉄筋コンクリート造なら120万円～160万円です。

▼20坪の家の解体費用は60万～160万円

解体費用は建物の構造や材料によって異なります。木造建物は比較的容易に解体できる場合がありますが、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物は専門知識と設備が必要であり、その分解体費用も高くなる傾向があります。また、現地の法規制や環境配慮も解体費用に影響を与えることがあります。

また、ご自宅が何坪かわからない方は、以下の各記事で坪数別の解体費用相場について解説しています。ご参照ください。

20坪の家の解体費用の内訳

解体費用の内訳は、建物の解体工事の流れをおさえておくと理解しやすいです。

建物の解体は以下の流れ（上から順）ですすみ、内訳は流れごとでかかる費用にわけられています。

▼解体の流れと費用の内訳

諸経費

解体工事の諸経費は、解体費用以外の諸費用の総称です。これにはアスベスト調査、許認可手続き費用などが含まれます。アスベストの発見や、特別な処理が必要は産業廃棄物が発生などによって費用が高くなります。安くおさえるポイントは、解体前のアスベスト調査を正確に行い、廃棄物の仕分けや最適な処理方法を選定することです。また、許認可手続きの早期対応や、業者の見積もり比較なども有効です。

足場養成費

足場養成費用とは、解体作業を行うために必要な一時的な設備や構造物を建設するための費用を指します。解体対象物を安全かつ効率的に撤去するために、仮設の足場、支柱、防護フェンス、仮設作業プラットフォームなどを設置するためにかかります。

20坪の家は比較的小規模なため、足場養成費用も少額ですが、解体工事では必ずかかる費用なので見積書を確認する際は記載漏れがないか注意しましょう。

本体工事費用

本体工事費用とは建物自体の解体にかかる費用で、建物の構造や規模、工事の時期や立地などの様々な条件によって変動します。

人件費が占める割合が最も大きく、全体の約4割を占めます。人件費は解体業者の作業員やスタッフ、下請け会社に支払われています。

廃材処分費用

廃材処分費用とは、建物解体後の材料の処理費用をさします。

▼20坪の家の廃材処分費用の相場

廃材処分費用も建物構造によって異なり、構造別の相場は上記のようになります。

廃材処分費用の差は、資材の切断や重量物の運搬、コンクリート破砕など構造ごとの手間と専門技術によって決まります。木造の処分は比較的容易ですが、鉄骨はリサイクル可能でコスト削減、鉄筋コンクリートは特殊技術と重量に伴い処分に高い費用がかかります。

また、廃材処分費用は、地域や時期、施設の選定などによって異なる可能性があります。具体的な情報を得るためには、地元の解体業者や廃材処分施設に見積もりを依頼することが重要です。

整地費用

整地費用とは、解体後の土地を平らにならすための費用です。解体後の土地をスムーズに活用するために必要となります。傾斜がある土地の場合は、特殊な技術が必要になるため、1万～2万/㎡かかる場合もあります。

20坪の家の解体費用が高くなる要因

20坪の家の場合、立地の面から解体費用が相場以上になるケースが珍しくありません。

近隣と隣接していたり道幅が狭い土地の場合、工事中の被害を防ぐために慎重に解体する必要があるため、解体費用は高くなりがちです。

本章では、20坪家の解体費用が高くなる要因について解説しています。

撤去する付帯物の量が多い

家を解体する場合、建物の解体工事以外に、庭木の伐採やブロック塀の解体など、建物の解体以外の工事である付帯工事費用が発生します。

付帯工事費用は場合によって大きく変動するため、事前にしっかり見積もりを取り、本当に解体する必要があるのかどうか検討しましょう。

▼付帯工事費用の相場

道幅または駐車スペースが狭く重機が入りづらい

20坪の家は狭い場所に建っていることが多いです

建物の道路幅が狭い場合、解体作業に必要な重機を運ぶことができません。道幅に問題はなくとも、重機を駐車するスペースがない場合、重機を使用できないので手作業が増える等して工事期間がのび、人件費が増加します。

例えば、手壊しだと工期が二倍になる場合、人件費も倍かかります。また、手作業に適した道具や解体用具を調達する場合は、調達のための費用も追加でかかります。

隣地との距離が近く通常の足場が使えない

重機が入れない以外に、狭い土地では作業員の移動や資材の配置に制約がかかるケースが多いです。狭い土地では作業員の配置に十分な注意が必要です。安全に作業を進めるためには作業スペースや通路を確保しながら作業を行う必要があり、これにより作業員の配置や監督が増加しやすくなります。

よって、手作業でも解体作業を実施することが難しくなるため、作業効率が低下し、作業時間や人員の増加が必要となり、解体費用が高くなります。

建物が隣接しており近隣への安全対策が必要

近隣との距離が狭い場合、解体作業中、隣接する建物や地境に対する影響を最小限にするため、解体作業の範囲や方法に制限が生じる場合があります。周辺への損傷や振動の発生を防ぐために保護措置の相場は1万円〜3万円となっています。

また、解体作業による騒音や振動の影響を近隣住民に及ぼさないようにするため、振動制御材の設置や作業時間の制限が必要となります。騒音や振動を軽減させるために、5,000円〜20,000円／日ほど工事費用が高くなるケースがあります。

人の往来が激しいエリアでは、設備費用や人件費が加算されます。人の往来が激しい場合、安全看板を設置したり、通行人が工事現場に入ったりしないように歩道の封鎖や監視員を配置します。

こうした安全確保のための施策や諸手続きには人も設備も追加で必要となり、解体費用もそのぶん高額になります。

都心に近く人件費が高い

20坪の家の場合、比較的都心の狭い土地に建てられているケースが多いです。建築や解体などの建設関連の作業が多いため、都心部では賃金水準が地方よりも高くなることがあります。

そのため、20坪の家の場合は、都心部での作業員の賃金が高くなることで解体費用が増加する可能性があります。

20坪の家の解体費用の見積事例

本章では概ね坪数が20前後の建物における、実際の見積事例を紹介します。案件個別の条件に金額は左右されていますが、参考のひとつとしてご確認ください。

事例①21坪木造二階建て約86万円

事例②22.5坪木造二階建て約118万円

事例③23坪木造二階建て約94.5万円

20坪の家の解体費用は自分で安くできる

20坪の比較的小規模の家の場合、自分で不要費用や付帯物を処分することで解体費用を安くおさえやすいです。なお、自治体が支給する補助金制度を利用することで解体費用による支出をさらにおさえることが可能です。
そこで本章では、自分でできる、20坪の家の解体費用を安くするコツを解説します。

建物内の不用品は自分で処分する

一般的に、自分で不用品を処分する場合の方が解体工事での産業廃棄物処分よりも安価です。

解体工事で産業廃棄物として処分する場合、数万円から数十万円以上の処分費用がかかります。一方、自分で処分する場合は、不用品回収業者に頼むなら数千円から数万円、リサイクルセンターやゴミ処理場まで自分で運ぶなら数百円から数千円と、費用をおさえることができます。

※不用品回収業者に頼む場合の処分費用は、処分アイテムの種類や量、作業難易度によって変動します。また自分でゴミ処理場に運ぶ場合も、ゴミ処理場のルールや料金体系によって相場が異なります。

庭木や庭石を自分で撤去する

一般的に、自分で庭木や庭石を処分する場合の方が、解体工事での産業廃棄物処分よりも費用が安くなることが多いです。

解体工事で産業廃棄物として処分する場合、数千円から数万円以上の処分費用がかかります。一方、自分で処分する場合は、不用品回収業者に頼むなら数百円から数千円と、費用をおさえることができます。

外構を自分で解体する

20坪の家の場合、ブロック塀などの外構も比較的小規模なケースが多いので、自分で撤去したほうが安くすむ可能性があります。

解体工事で外構を付帯物として処分すると数万円から数十万円以上の費用がかかりますが、自分で処分すると数千円から数万円となります。

自分で処分する場合は、外構材の種類や量に応じて適切なゴミ処理場やリサイクル施設に持ち込む必要があります。解体工事で処分する場合は、解体業者に外構の解体と産業廃棄物の処理を依頼することになります。一般的に、外構を自分で処分する場合の方が解体工事での付帯物処分よりも費用が安くなることが多いです。

補助金を利用する

建物滅失登記を自分で行う

建物滅失登記は、建物の解体・撤去などによって建物が滅失した際に、不動産登記にその変更を記録する手続きです。登記簿上で建物の存在を削除し、土地所有者の権利を正確に反映させるために必ず実施します。
建物滅失登記は司法書士や弁護士などの専門家に代行を依頼することが一般的ですが、自分で行うことも可能です。

自分で行う場合は手続きにかかる費用を5万円ほど節約できる可能性があります。

▼自分で行う場合と専門家に依頼する場合の比較

建物の解体後の登記手続きについて解説

建て替えやリフォームで家屋などの建物を解体した場合の、その後の必要な手続きを確認します。解体工事が終わったからと安心して手続きを行なわなかった場合、多くのデメリットが発生するでしょう。これから解体工事を控えている人は知っておくと良いです。

20坪の家を解体する際の注意点

本章では20坪の家を解体する際の注意点を解説します。

複数の業者に相見積りを依頼する

解体費用を安くするためには、最低でも2～3社に見積もりを依頼し金額を比べましょう。解体費用は解体業者によって異なるため、複数社を比較しながら相場を把握し、一番納得ができる業者に施工を依頼することが大切です。

隣家補修に注意する

20坪の家を解体する際には、隣家補修に注意が必要です。

隣家と密接して建っている家の場合、解体工事による振動や騒音などが隣家にひび割れや損傷が生じさせる可能性があります。また、解体中に隣家の土地に足場や解体材が侵入することも考えられます。

隣家補修の目的は、解体工事による隣家への損害を最小限に抑えることです。

これには、事前の調査と隣家との合意、必要に応じた保護対策や補償などが含まれます。解体工事計画を立てる際には、隣家とのコミュニケーションを大切にし、問題が生じた場合には迅速に対処することが重要です。

隣家補修に適切な配慮をしないと、法的紛争や損害賠償請求のリスクが生じる可能性があります。そのため、専門家のアドバイスを得ながら、解体工事を行う際には隣家との関係を十分に考慮し、安全かつ円滑な進行を確保することが大切です。

近隣への挨拶回りは必ず行う

隣家と密接して建っている家の場合、近隣への挨拶回りは特に重要となります。近隣との距離が近いほど、近隣住民に対する振動や騒音の被害は大きなものになるためです。

挨拶回りを通じて住民に配慮を示し、工事の騒音や混乱に対する理解を得ることができます。また、挨拶回りは信頼の構築とトラブルの未然防止にもつながります。しかし、挨拶回りを行う際には注意が必要です。情報提供は正確で詳細に行い、住民の懸念や質問にも丁寧に応じましょう。敬意をもって接し、相手の立場を理解する姿勢を示すことが重要です。

さらに、緊急時の連絡先を提供して信頼関係を強化し、円滑な情報共有を図ることが大切です。挨拶回りを通じてのコミュニケーションは、工事のスムーズな進行と近隣住民との良好な関係構築に寄与します。

20坪の家を解体費用を知りたいならヌリカエ

これまで20坪の家の解体にかかる費用について解説してきました。

解体費用を安くするためには、最低でも2～3社に見積もりを依頼し金額を比べましょう。

ヌリカエでは、一度に複数の業者に費用も見積りを依頼できます。

以下のフォームから、解体業者への見積もりが依頼できますので、ぜひご活用ください。