アスベストレベル3の住宅|解体するのにかかる費用の目安とは

  • 【更新日】2020-09-08
アスベストレベル3の住宅|解体するのにかかる費用の目安とは

1975年以前の建物には、大量に使用されていたアスベストですが、肺がん等のリスクが高まるなどの健康被害がわかったため、段階的な規制が繰り返されました。
平成16年(2004年)10月に、1%を超える石綿を含有する成形板の製造・使用等が法的に禁止され、平成18年(2006年)9月から0.1%に規制が強化されていますさらに2006年9月以降は、実質使用禁止という状態です。
レベル3は、レベル1や2と比較すると発じん性は低ですが、解体する時には注意が必要です。アスベストレベル3の建物の解体にかかる費用や、注意する点について見ていきましょう。

アスベストレベル3の状態と危険性

アスベストの危険性は、アスベストを吸ってしまうと肺がん等のリスクが高まる、健康被害があるということで以前から、問題になっています。レベル1やレベル2と比較すると、レベル3はかなり危険度は低くなっています
しかし解体作業においては、必要な手順を施す必要があります。アスベストのレベル3とは、どのようなものなのか、危険性はどの程度なのかを紹介します。

レベルによりアスベストの危険度(発じん性)の違い

アスベストのレベル3の危険度は、どのくらいのものなのでしょうか。レベル1やレベル2と比較してみました。

レベルによる危険度の違いと特徴

? レベル1 レベル2 レベル3
危険度(発じん性) 発じん性が著しく高い 発じん性が高い 発じん性が比較的低い
建材の種類 ・石綿含有吹き付け材 ・石綿含有保温材
・耐火被覆材
・断熱材
・成形板等の石綿含有建材
建材としての特徴 建築物に、アスベストとセメントを混合した状態で吹き付けられたもので、固まると綿のような状態になる。アスベストの濃度が非常に高く、撤去する際に大量に粉末が周囲に飛散する。 シート状に巻き付けられているため、レベル1と比較すると飛散性は低い。しかし、危険であることには代わりがなく、高い注意が必要。 割れにくい建材なので注意をして取り外し作業を行えば、飛散のリスクは低いといえます。
主に使用されている箇所 耐火建築物の梁や柱、エレベーター周り、ビルの機械室やボイラー室の天井・壁、立体駐車場や体育館などの天井・壁など。 ボイラー本体・配管・空調ダクトの保温材、建築物の柱・梁・壁の耐火被覆材、屋根用折板裏断熱材、煙突用断熱材として使用。 建築物の屋根材や外壁材、建築物の天井・壁・床などに内装材として使われる石綿含有成形板、ビニール床タイルなど。
撤去時に必要な作業 解体工事:建材の除去作業

改修工事:封じ込め工法(薬液によって塗膜を形成し飛散を防止する)または、囲い込み工法(板状の材料で密閉し飛散を防ぐ)

レベル1と同様に建材の除去封じ込め・囲い込みを行う。 手作業を中心とする除去を行う。
撤去時の注意点 <作業前>
・事前調査を行う。
・労働基準監督署へ「工事計画届」と「建物解体等作業届」の提出。
・都道府県庁へ「特定粉じん排出等作業届」と「建設リサイクル法の事前届」の提出
<作業にあたって>
・お知らせの看板を掲示し周囲へ告知する。
・湿潤化や作業場の清掃を徹底する。
・前室の設置、負圧除じん機の設置など。

飛散防止をすることが義務付けられている。更に、作業員への特別教育や保護具の装着も義務付け。

レベル1と同様に工事前の届出と、周囲への注意喚起、飛散防止、作業員の保護が義務付け。レベル1との違いは、「労働基準監督署宛の工事計画届出がない」、「保護具がやや簡易的なものへと変わる」等がある。 <作業前>
・事前調査は必要ですが、労基署や都道府県宛の届出は不要

<作業にあたって>
・周囲への注意喚起や建材の湿潤化は必要。
・隔離養生や前室の設置などは必要なし。
作業員の保護具もより簡易的なものとなる。

表で比較すると、レベルにより危険度が異なることがわかります。レベル3は他のレベルと異なりますが、危険性がないわけではありません。

アスベストレベル3の建材について

アスベストレベル3の建材は、成形板等の石綿含有建材と呼ばれるものです。これらには、いくつかの種類があります。解体する建物にこれが含まれている時は、手作業を中心とする除去作業が必要です。

アスベストレベル3の建材の種類とアスベストの種類

建築材料種類?? 含有アスベストの種類? ?主な使用箇所
建物の種類 使用部位
スレート波板 小波、大波など種類がある クリソタイル 工場・倉庫 屋根・外装
スレートボード フレキシル板、軟質板など種類がある クリソタイル 工場・倉庫・ビル・住宅 内壁・外壁・天井
けい酸カルシウム板第一種 クリソタイル、アモサイト 工場・倉庫・ビル・住宅 天井・内壁・耐火間仕切
パーライト板 クリソタイル 工場・倉庫・ビル・住宅 天井・内壁・耐火間仕切
スラグせっこう板 クリソタイル 住宅 内壁・天井・軒天・外壁
パルプセメント板 クリソタイル 住宅 内壁・天井・軒天
せっこうボード クリソタイル 工場・倉庫・ビル・住宅 内壁・天井
石綿含有耐火被覆板 クリソタイル、アモサイト、クロシドライト ビル 鉄骨
窯業系サイディング クリソタイル 住宅・ビル 外壁
押出成形セメント板 クリソタイル 工場・倉庫・ビル・住宅 内壁・外壁
ビニル床タイル クリソタイル 工場・倉庫・ビル
住宅屋根用化粧スレート(平板・波板) クリソタイル 住宅 屋根
ロックウール吸音天井板 クリソタイル ビル・学校・病院・商業施設等 天井

この表のとおり、アスベストのレベル3は、建築物のいろいろな箇所に使用されています。2006年以前の建物には、量の大小はあるものの使用されている可能性があります。

アスベストの種類

アスベストにはいくつかの種類があります。蛇紋石族のクリソタイル(白石綿)と角閃石族のクロシドライト(青石綿)、アモサイト(茶石綿)、アンソフィライト石綿、トレモライト石綿、アクチノライト石綿です。

クリソタイル(白石綿)

クリソタイルは、ほとんどすべての石綿製品の原料として長く使われてきました。世界で使用されてきた9割以上に占められています。

クロシドライト(青石綿)、アモサイト(茶石綿)

クロシドライトやアモサイトは、吹付け石綿として使用されてきました。クロシドライトは石綿セメント高圧管アモサイトは各種断熱保温材に使われてきました。

アンソフィライト石綿、トレモライト石綿、アクチノライト石綿

アンソフィライト石綿、トレモライト石綿、アクチノライト石綿は、他の石綿やタルク(滑石)、蛭石などの不純物として含まれています。

アスベストは段階的に規制されてきた

アスベストが初めて規制されたのは、1975年の「特定化学物質等障害予防規則の改正」が施行からです。この規制により、アスベストの含有率が5%を超えるような施工が禁止されました。つまり、この規制前の建物には、アスベストが5%以上含有されたものが使われています。

アスベストの含有量が5%未満に規制

1975年の「特定化学物質等障害予防規則の改正」が施行されたあとも、1995年までは、5%未満のものは使われています。1986年に健康被害を考えて「ILO石綿条約」が採択され、「管理使用や吹き付け作業の禁止指導」が行われました

アスベストの含有量が5%未満に規制

1995年になると、「労働安全衛生法施行令」が改正され、アスベストの含有量が重量の1%を超える場合は吹き付けが禁止されました。

アスベストの含有量が0.1%未満に規制

2006年以前の建物は、「労働安全衛生法施行令」の改正を受け、アスベストの含有量が重量の0.1%を超えるものは、製造、輸入、使用が禁止となりました。この後に建築されたものは、アスベストは使われていないと考えてよいでしょう。

アスベストレベル3の建物を解体する時の費用相場

アスベストを吸い込むと、肺がんや悪性中皮症という病気を引き起こすリスクが上がるので、2006年からは使用が禁止になりました。それ以前の建物には、アスベストレベル3の建材は使われていることを意識して、解体する必要があります。
建築物に多く使用されているアスベスト含有成形板は、解体前の通常の状態ではほとんど飛散しないので、比較的安全という事でレベル3とされています。しかし、解体する時には、専門業者による除去工事が必要です。

アスベストレベル3の除去費用の相場

アスベストの除去費用の目安ですが、国土交通省が提示しているのが下記の表です。レベル1とレベル3では処理方法に差があるため、この表でもm2あたりの価格差が大きいようです。

2008年4月25日「国土交通省発表」によるアスベスト除去工事費用の目安

以下は、(社)建築業協会調べによるもので、仮設、除去、廃棄物処理費等全ての費用を含んでいます。
アスベスト処理面積 金額
処理面積300m2以下の場合 20,000円〜85,000円
処理面積300m2〜1,000m2の場合 15,000円〜45,000円
処理面積1,000m2以上の場合 10,000円〜30,000円

アスベストレベル3の除去費用は、1m2当たり約3,000円(処分費用込み)が相場とされています。レベル1や2に比べて、通常の状態では飛散しにくく解体に手間がかからないため、費用は抑えられています。アスベスト除去にかかる費用は、アスベストが含まれる部分の面積によって決定します。
アスベストが使われているのが、屋根の一部分であればその総面積になりますし、一部の壁面のみであれば、アスベストが使用されている壁面部分の総面積になります。
もちろん、アスベストを処理する箇所の場所や、環境によっても費用は異なります。部屋の形状、天井の高さ、固定機器の有無など、施工条件により、工事着工前準備作業・仮設などの違いで、解体費用は大きく変わってきます。

アスベストレベル3廃材の処分費用の相場

レベル3のアスベストの廃材の最終処理は、産業廃棄物として処理場で処理します。処理場までの運搬も、アスベストが飛散しないように対処する必要があります。
処分場での保管にも技術指針があり、他の廃棄物と分別する、アスベスト含有物とわかる表示をする、散水等飛散防止措置をする、極力破砕を行わないなどの注意が必要です。
このようにアスベストレベル3は、一般の廃棄物と同様に、産業廃棄物として処理されても扱いは異なります。このため、処分に掛かる費用も一般のものと違いがあります。処分費用は、業者によっても違うので一概に言えませんが、一例を紹介します。

1t当たりの処理費用

一般のがれき類 6,480円
アスベスト(L3)含有がれき類 14,040円
ガラスくず、コンクリートくず、陶磁器くず 9,720円
ガラスくず、コンクリートくず、陶磁器くず
(廃石膏ボード、アスベストを含有する廃石膏ボード)
15,660円

このように、アスベストレベル3が含まれた廃棄物は、処理費用が一般のものより掛かります。

建物の解体費用の相場

建物の解体費用は労務、廃棄物処理、廃棄物運搬、足場・養生シートで構成され、4:4:1:1くらいの構成費です。通常、解体費用は「1坪いくら」で表示されます。あまりに安い場合は労務費だけの場合も多く、後で廃棄物処理代等を別途請求されることもあるので、注意が必要です。

建物の解体費用の目安(国土交通省)

解体する住宅の床面積 適正な処理費用の目安
80m2 25坪 105〜140万円
100m2 30坪 125〜165万円
115m2 35坪 145〜195万円
130m2 40坪 155〜210万円

アスベストレベル3が含まれる建物の解体費用とは

アスベストレベル3が含まれる建物の解体費用は、一般の建物の解体費用に加え、アスベストレベル3の除去費用と、アスベスト3の廃材の処分費用を加えたものになります。解体費用は業者によって、価格に幅がある場合も少なくないので、複数の業者に査定してもらうといいでしょう。

アスベストレベル3の解体に必要な別途費用

アスベストレベル3の解体作業を行う前に、事前の検査や分析を受ける必要があります。事前の分析や調査の費用は、解体費用とは別に掛かります。

事前調査・成分分析の費用の目安

アスベストレベル3が使われている建築物を解体するために、必要な事前調査や成分分析には、どのくらい費用がかかるのか気になるところでしょう。
専門の分析機関や、検査項目によって金額は前後しますが、だいたいの目安としてこのくらいの金額ということを、押さえておきましょう。
事前調査 図面調査 約25,000円
現地調査 約35,000円
成分分析 定性分析(分散染色分析法) 約45,000円
定性分析(X回線分析法) 約45,000円
定量分析 約25,000円

事前調査・成分分析の方法

解体する建築物が、アスベストレベル3が含まれるものだと疑われる場合は、事前調査が必要になります。事前調査は、その建築物に使われている建築資材に、アスベストなどの有害物質が使われているのかという成分分析を行います。

図面調査・現地調査

事前調査では、「図面調査」と「現地調査」の2つを行います。それぞれの調査を説明します。
図面調査 建物の設計図書を調べる方法。建築物の工事施工、あるいは法的出願・契約などに必要な一般図(配置図・平面図等)詳細図(矩計図)、展開図、設備設計図、外構図、仕上げ表、仕様書、その他書類などの設計図書から、使用されている建材名を調べ、アスベストの含有があるかどうかを調査する。
ただし、設計図書は全てが揃っていない場合も少なくないため、確実とは言い切れない。図面上でしか分からないため、形状によって除去する面積も違ってくるので、曖昧な部分も多くなりがち。
現地調査 図面調査の曖昧さを確実にするために行う。アスベスト含有建材が使用されている可能性が、比較的高いとされている天井、壁、柱等を中心に目視によって全体を検査する。鉄骨の建物の場合、原則として、吹き付けまたは耐火被覆版が使われているので、サンプルを採取して分析業者に分析を依頼する。

以上の2つの調査で、アスベストが含まれているかどうかを確実に判断します。事前調査のあとは成分分析を行い、アスベストの有無・種類・含有率を判断します。成分分析は「定性分析」と「定量分析」の2つの分析方法を実施します。

定性分析

定性分析は、採取した試料にアスベスト成分が含まれているかどうかを調べます。
  • 分散染色分析法:位相差顕微鏡を使用して含有を調べます。
  • X回線分析法:X線回析装置を使用して採取した試料にX線を照射して含有率を調べます。

定量分析

アスベストが含まれていると認められた試料から、アスベストの含有率を分析します。アスベスト含有率が0.1%を超える場合、その建材は規制対象です。
アスベスト含有率が0.1%というのは、2006年9月に定められたものです。これ以前の規制では、1%の含有率までが規制対象でした。
一度、定量分析で結果を出していて、それが2006年9月より前の分析調査だった場合。「1%を満たさなかったために規制対象にならなかった場合」でも、規制が0.1%に引き下げられているので、再調査を行う必要があります。

アスベスト含有住宅の解体費用を考える時のポイント

アスベストレベル3が含まれた建物の解体は、アスベストが含まれない建物と比較すると、費用が高くなります。しかも、その相場は業者によって、大きく差が出ることも少なくないようです。
アスベストが含まれている建物を解体する時は、複数の業者に査定してもらうことが、解体費用を抑えるポイントになります。見積もり書の内容を比較することで、金額だけでなく、より優良な業者を見極めることができます。
アスベストのレベル3は、役所への届け出が必要ないこともあり、業者の中には作業が乱雑だったり、値段を高めにしていることもないとは言えないことが現状のようです。アスベストはたとえレベル3でも、扱い方によっては、飛散して近隣住民の健康被害を招くこともあるものです。そのため、アスベストの処理をしっかりしてくれる業者を選ぶことが大切です。
解体業者を選ぶ時は、一括査定サイトが便利です。おすすめはヌリカエというサイトで、こちらのサイトなら安くて安全な作業を行ってくれる優良業者を、見つけることができるでしょう。

アスベストを適正に処理できる業者を見極めよう

アスベストの中でも、レベル3のものは危険度は低いと言われています。しかし、それは適正な処理をするという条件下でのこと。アスベストが飛散すれば、周りの人の健康被害にもなるため、適正に処理のできる解体業者を選ぶようにしましょう。

アスベストに詳しい業者探しは一括査定サイトのヌリカエで

アスベストを含有する建材を使用した建物の解体は、専門業者に依頼する必要があります。しかし、専門業者選びも大変です。
どんな業者がいいのか、価格は妥当なのかなど、気になることがたくさん出てくるでしょう。そんな時には、一括査定サイト「ヌリカエ」が便利です。ヌリカエなら、アスベストに詳しい業者探しの強い味方になるはずです。
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