「外壁塗装を行ったけど、どうしても仕上がりが不満」
施工不備があったり仕上がりがイメージと違ったりと理由は様々ですが、このように塗装工事を行った後に不満を持たれる方々は少なくありません。
そこで今回は外壁塗装においてよくある仕上がりに不満を持ってしまうケースやその対処法、仕上がりに不満を持ったときにやり直しは効くのかについて詳しく解説していきます。
外壁塗装で仕上がりに不満を持つケース
外壁塗装において仕上がりに不満を持つケースとしてよくあるものを、本章では6つ紹介します。
併せてもし自分がケースに該当した場合の対処法についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 色がイメージと違った
- 騒音や匂いがひどい
- 追加工事・追加費用が必要になった
- スケジュール内に工事が終わらない
- 塗り残しや塗りムラがあった
- 施工後すぐに剥がれや色褪せが出る
【ケース①】色がイメージと違った
「見本で確認した色と違う色に感じる」「オーダーしていた色だけど、周辺の景観からすると浮いているからやり直したい」このように塗装後に外壁の色へ不満を持たれる方は、非常に多くいらっしゃいます。
人によっては「オーソドックスな色で問題ない」と適当に選んでしまう方も多いのですが、いざ家の外壁の色が変わった時に違和感を持つことも少なくありません。
実際に指定した通りの色でも日光の当たり方や、周辺の建物との印象などで異なるイメージを持つことがあるため、非常に多い仕上がりへの不満と言えるでしょう。
【対処法】自己負担だが塗り直してもらうことは可能
再び納得のいく色を選んで塗り直してもらうことはできますが、残念ながらほとんどの場合が自己負担となります。
というのも契約の段階で一度両者が納得しているため、「イメージと違った」という理由では無料でのやり直しは厳しいのです。
例外として「契約と全く違う色・塗料を塗られた」という場合は無料で塗り直しが効くことがありますが、こういったケースは非常にまれでしょう。
そのほか塗ってしまった塗料によっては上からの重ね塗りができない塗料もあるため、まずは塗り替えができるかどうか業者に確認してみることが大切です。
【ケース②】騒音や匂いがひどい
工事が始まってみれば、想像以上に作業の音や塗料のにおいが酷くてストレスを抱えてしまうという方も少なくありません。
外壁塗装の工期はおよそ2週間ほどかかると言われており、2週間ずっと騒音や独特な臭いが気になる生活には不満を抱えるのも無理はないでしょう。
【対処法】業者と相談して配慮して欲しいポイントを伝える
残念ながら作業音や塗料の臭いを完全になくすことはできません。
しかし業者に相談することにより、配慮してもらえればいくらか改善できることはあります。
例えば「塗料の臭いに耐え切れない」という場合は、日ごとの塗装場所を教えてもらうことによって開けるべき窓を考えることができます。
また作業の工程によっては「もう少し静かに…」とお願いすれば静音できる可能性もあるでしょう。
いずれにせよ業者に怒りをぶつけるのではなく、真摯に相談することによってお互いの妥協点を探していくことが大切です。
【ケース③】追加工事・追加費用が必要になった
「工事が始まってから数日後に突然追加工事が必要だと言われた。しかも追加の費用も掛かるらしくて唖然…」
思わずクレームを入れてしまいたくなりますが、外壁塗装に着工してから追加工事がどうしても必要になるケースはまれに存在します。
しかし予定外の事態に不満を感じてしまうのも無理はないでしょう。
【対処法】追加工事が必要な理由を明確に説明してもらう。追加の契約書はしっかりと交わす
まずはどういった背景でどんな内容の工事が必要になるのか、詳しく説明を求めましょう。
悪徳な業者の場合、この先も何かと追加工事という名目で不要な料金を請求しようとすることもあります。
理由に納得できた場合は、そのまま口約束で進めてもらうのではなく再度しっかりと契約書を交わすことが必要です。
単価だけを告げられて想像以上に大きい金額を請求されたりと、新しいトラブルを生むことにもつながるため注意しておきましょう。
【ケース④】予定していた スケジュール内に工事が終わらない
「工期は10日間と言われていたにも関わらず、結局12日間かかった」などと完工までのスケジュールがずれ込むことも、大きな不満の要因となります。
塗装中の自宅で生活方々にとっては日ごとの工事自体がそれなりのストレスとなるため、余計に悩みの種を増やされた気がしてしまうのも無理はないでしょう。
【対処法】工期が遅れる理由について明確な説明を求める。同時に工事完了日を改めて設定してもらう
こちらも思わずクレームを入れてしまいそうなケースですが、一方で天候や周辺環境などによってスケジュール通りに終わらないことは仕方ないとも言えます。
ほとんどの場合で業者にも悪気があるわけではないため、まずは業者に遅れそうなのか・どうして遅れるのかを確認することが大切です。
家主の事情でどうしても工期どおりに間に合わせたいのであれば、業者は理由を説明したうえで出来る限りの配慮をしてくれるでしょう。
それでも施工完了が怪しければ、いつまでになら終えられるかを尋ねておくことが良いでしょう。
どうしても天候的なイレギュラーは存在しますが、思わぬトラブルを避けるためにもスケジュールの把握は大切です。
【ケース⑤】 塗り残しや塗りムラがあった
塗装工事が完了後、塗り残しや塗りムラが見受けられると大きな不満を抱えることになるでしょう。
主に業者の施工不備が原因となりますが、このように引き渡し後に粗悪な箇所が発見されトラブルにつながることも珍しくはありません。
【対処法】施工不備のため無料で補修してもらえることがほとんど
塗り残しや塗りムラは業者の明らかな施工不備のため、追加費用なしで補修してもらえることがほとんどです。
不備を見つけた段階で、すぐに業者に連絡して補修を求めましょう。
しかし家主側が引き渡し後の確認で「問題ない」と言って工事が終了していたり、工事後数か月などのあまりにも時間が経っているばあいは対応してもらえない場合があるため、注意が必要です。
また塗り直しであっても該当箇所と工期については改めてしっかりと書面で確認するようにしましょう。
口約束で施工をしたばっかりに、「再塗装が必要だったのは3か所だったのに、伝達ミスで2ヶ所しか塗装してもらえなかった」といったトラブルに発展することもあります。
【ケース⑥】施工後すぐに剥がれや色褪せが出る
「引き渡し後、1ヶ月~3か月しか経っていないのに塗装の剥がれが多々見受けられる…」という場合にはほとんどの方が不満を持つことになるでしょう。ほとんどの外壁用の塗料であってもおよそ数年は耐用年数があるため、数か月で剥がれるようでは業者の施工不備の疑いがあります。
あまりに早々に劣化症状が見られる場合は、すぐに業者に連絡して今後の対応を決めることが大切です。
【対処法】保証書を確認したうえで補修を依頼する
業者へ最初に連絡するタイミングで、まずは保証書を確認しましょう。
数か月と言わず数年でも保証書にある保証期間内であれば、御者は無償で補修を行ってくれることになります。
もしも保障期間について言われたことも契約書にもないという場合でも、まずは業者に連絡してみましょう。
数か月といったあまりにも短期間での不具合の場合は、保証書を交わしていなくてもしっかりと補修を行ってくれる業者も珍しくはありません。
外壁に不具合が生じた場合は、泣き寝入りせずにまずは相談してみることが大切です。
外壁塗装で仕上がりが不満ならやり直しはできる?
無料でやり直しできるのは、業者に落ち度があった場合です。逆に、業者に落ち度がない場合は、無料でやり直しすることができません。
無料でやり直しできるケース、できないケースについて、それぞれ具体例を交えて解説します。
無料でやり直しできるケース
先ほど解説した通り、業者に落ち度があった場合は、無料でやり直しできます。
具体的には、下記のようなケースであれば無料でやり直しが可能です。
- 塗りムラが発生している
- プツプツした穴が空いている
- すぐに塗装が剝がれてきた
- 塗り残しが発生している
- 違う色で塗装をしている
特に注意したいのが、塗りムラが発生している場合です。
無料でやり直ししてもらえるムラは、例えば、「光の影響がなくても、明らかに濃淡が見えるムラ」「一部ではなく広範囲に発生しているムラ」「カビが発生していたり、傷がついているように見えるムラ」です。
このような状態では、外壁を守る塗膜の効果が発揮されず、耐用年数より早く寿命が来てしまいます。
できるだけ早いうちに業者へ連絡して、外壁塗装をやり直してもらいましょう。
一方で、美観が損なわれているといった軽度な塗りムラの場合は、無料でやり直しできない可能性があります。
無料でやり直しできないケース
逆に、業者に落ち度がない場合は、無料でやり直しをしてもらうことができません。
具体的には、下記のようなケースがあります。
- 色見本で見たイメージと違った
- 仕上がりが気に入らない
- 工事後すぐに自然災害にあった
残念ながら、仕上がりへの不満を理由に、外壁塗装を無料でやり直してもらうことはできません。
よくあるのが、「色見本でチェックした色と、塗装後に塗った色のイメージが違った」といったケースです。
色の見え方は太陽光の影響を受けるため、選んだものとは違った色で塗装をされている、と錯覚されることがあります。
また外壁塗装の仕上がりは、「近くでみたとき」「遠くでみたとき」とで、異なるで印象を持つこともあります。
通常、塗料の色・デザインは依頼主が決めるものです。
こうした外観への不満やイメージの違いに対して業者には落ち度がなく、無料でやり直してもらうことができないのです。
運悪く、工事直後に自然災害にあってしまったケースも、同様の理由で、無料でやり直してもらうことができません。
自然災害を受けた場合、火災保険を利用すれば無料で外壁塗装を行える可能性があります。
▼「外壁塗装の火災保険」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>外壁塗装に火災保険を適用するための条件は3つ!申請の流れ・注意点まで徹底解説
外壁塗装で仕上がりが不満な時の相談窓口
前章の通り、外壁塗装は業者に落ち度がある場合のみ無料でやり直しが可能です。
しかしながら、外壁塗装のやり直しをめぐって、「どうしても無料でやり直しをしてもらいたいが交渉の余地はある?」といった煮え切らない疑問や悩みを持つ方もいらっしゃることかと思います。
ここからは、そんな方に役立つ相談先として、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」、独立行政法人国民生活センターの「消費者ホットライン」について紹介します。
住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)
住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」は、国土交通大臣指定のリフォーム相談窓口です。
専門知識をもった一級建築士からリフォームに関するアドバイスや助言をもらうことができます。またWEBサイトでの相談事例も充実をしていますので、お困りごとに近しい相談事例が見つかるかもしれません。
外壁塗装の出来栄えに関する不満への相談事例といった外壁塗装のやり直しに関するQ&Aもありましたので、ぜひWEBページでの検索も行ってみてください。
すぐに相談をしたい方は、下記の連絡先までお問い合わせしましょう。
連絡先
電話番号:0570-016-100
受付時間:10:00〜17:00(土、日、祝休日、年末年始を除く)
WEBサイト:公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター
国民生活センター(消費者ホットライン)
独立行政法人国民生活センターの「消費者ホットライン」は、悪質商法などの被害、不適切な表示によるトラブル、製品やサービスによる事故など、消費生活全般に関する苦情や悩みに対する相談窓口です。
188へ電話をすると、最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口につながり、専門員へトラブルの相談を行うことができます。
消費者ホットラインは、年末年始を除き、毎日電話での相談が可能です。
ただし、住まいるダイヤルのようにリフォームに特化した相談窓口ではないので、平日に時間がとりづらい場合の代替手段と捉えるとよいでしょう。
連絡先
電話番号:188(全国統一番号)
受付時間*:9:00~17:00(平日)・10:00~16:00(土日祝)
WEBサイト:独立行政法人国民生活センター
*受付時間は自治体により異なるため、あくまで1例です。地域ごとの受付時間を知りたい方は下記をご覧ください。
>>都道府県別消費生活センター一覧
まとめ
本章では外壁塗装において仕上がりに不満を持つケースとその対処法について紹介しました。
業者の善悪に関わらず外壁塗装はトラブルが起こりやすい工事となります。
不毛なトラブルを避けるためには、前もって御者とのコミュニケーションを緻密に取ったり、契約内容をしっかりと確認したうえで進めていくことが大切です。
本記事が今後の安心して施工を行うために、お役立ていただけると幸いです。