ヌリカエ屋根の張り替えの費用相場はいくら? 新しい屋根材はどう選べばいい?

屋根の張り替えの費用相場はいくら? 新しい屋根材はどう選べばいい?

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「張り替え」とは、屋根材をすべて新しくする工事のことを言います。
張り替えは、屋根のリフォーム・修理工事のなかでも一番大がかりなものとなり、費用も大きいものです。

本記事では、屋根の修理やリフォームをご検討中のに向けて、

「張り替え工事にかかる費用は工期は?」
「うちの場合、張り替えが本当に最適な修理?」
「自分の見積もり額が適正か知りたい」

という疑問にお答えできる解説をしていきます。

Point
  • 張り替え工事が必要なのは「屋根瓦全体に傷み・劣化がある場合」
  • スレート瓦に張り替える場合、費用は約140~180万円
  • 金属瓦(ガルバリウム鋼板)に張り替える場合、費用は約160~200万円

  • 自宅の場合はいくら?

    自宅の場合はいくら?


    1. 屋根の張り替え工事とは?

    修理方法 作業内容 費用目安 日数
    張り替え(葺き替え) 【全体修理】
    瓦を全て交換。瓦と下地を両方交換する場合も
    約140~200万円 7~15日
    葺き直し 【下地の修理】
    下地板を交換し、元の瓦を敷き直す
    約100~180万円 7~10日
    カバー工法 【低予算な全体修理】
    古い屋根を新しい下地と屋根で覆う
    約80~120万円 5~10日
    塗り替え 【メンテナンス】
    瓦を再塗装
    約40~80万円 10~15日
    部分修理 【部分的な異常の解決】
    土台や瓦を部分的に補修・交換
    約5~50万円 1~4日

    1.1 屋根の張り替えとは?

    屋根の張り替えとは、住宅の屋根材(スレート・ガルバリウム鋼板・陶器瓦など)とその下地を全て新しいものに交換する工事のことです。
    張り替えが最適となるのは、屋根の経年劣化や破損が全体に及んでいる場合、屋根材だけでなく下地も傷んでいる場合になります。
    また、工事名は張り替えではなく「葺き替え」(ふきかえ)と呼ばれることもあります。

    1.2. 屋根の張り替えにかかる費用相場は?

    屋根の張り替えの費用相場は、一般的な30坪住宅の場合で140~200万円です。
    主な費用の内訳は、足場代が15~20万円、古い屋根の撤去費が12~20万円、屋根の下地の補修費用が20~30万円、新しい屋根材の材料費と設置費が45~90万円です。

    張り替えは、屋根の工事方法のなかでも最も費用が高額な作業になります。

    工事に必要な日数も長く、約7~15日必要です。
    工程には、足場設置、既存屋根材の撤去、新しい下地と屋根材の敷設などが含まれます。
    とくに、新しい屋根材を搬入するスペースが必要なため、規模のもっとも大きい工事と言えます。

    1.3. 張り替え工事が行われるのはどんな場合?

    屋根の修理・リフォーム方法として張り替えが選択されるのは、下記の3つの場合です。

    1. 屋根瓦が全体的に傷んでいる
    2. 屋根瓦と下地が全体的に傷んでいる
    3. 傷んでいるのは下地のみだが、屋根瓦がスレート瓦か金属瓦である

    張り替えは「1.」のとおり屋根瓦全体を新しくする工事です。
    「2.」のように、屋根瓦とその下地(「野地板」という)を一緒に交換する場合も多くあります。

    「3.」の場合はなぜ張り替えになるかというと、スレート瓦や金属瓦(屋根材)は、剥がしたあとの再利用ができないためです。
    スレート瓦や金属瓦は、それぞれ薄いセメント板・薄い金属板であるため、剥がす際にどうしても変形してしまい、同じ瓦を再利用することができないため、すべて張り替えとなります。

    「和瓦」「スレート瓦」「金属瓦」の判別については、下の写真をご参照ください。

    【代表的な3つの屋根材(瓦)】
    和瓦(陶器瓦) スレート瓦 金属瓦

    1.4. 張り替え工事の工程は?

    張り替え工事の様子。表面の屋根材を、新しいものに全交換する作業となる



    張り替え工事では「足場の設置」「今張られている屋根材の撤去」「新しい下地と屋根材の敷設」「足場解体・後片付け」などが行われます。
    工事には7日~15日間を要します。

    張り替え工事の主な工程と様子

    ①古い屋根材を撤去する ②野地板を修繕・交換する
    ③遮音材や断熱材を張り付ける ④新しい屋根材を貼り、完成

    2. 張り替え工事が最適なケースとは?

    2.1. あなたに最適な屋根のリフォーム・修理工事 判別チャート


    張り替えは、工事費用も高く規模も大きくなるため、他の方法で済むならばそちらで済ませたいものです。
    工事単価が高いため、業者にとってもは「稼げる」工事であり、
    質のよくない業者だと「張り替えをするほどの工事でもないのに、張り替えをすすめる」というケースも残念ながらあるようです。

    そこで損傷の状況別に、「本当に張り替えが最適なパターン」と「そうでないパターン」を上の図にまとめました。

    2.2 屋根の張り替え工事が最適となるケース

    「瓦全体が劣化」か「下地のみの劣化だが、屋根瓦が金属かスレート」なら張り替え

    張り替えが最適なのは、「損傷が屋根全体にわたる場合」か、「下地だけの劣化だが、屋根材が金属かスレートの場合」の2つです。
    損傷が部分的な場合は「部分修理」、和瓦・洋瓦屋根で下地だけが劣化している場合は「葺き直し」で充分です。

    張り替えとカバー工法の違いは?

    張り替えとカバー工法の選択基準は、主に予算にあります。
    本来は張り替えが最適でも、予算によってはより安価に済む「カバー工法」が採られることもあります。

    カバー工法は既存の屋根の上に新しい屋根を重ねて建てる工事なので、住宅の重量負担が上がったり、以後のメンテナンスが割高になったりするなどのデメリットが多い工事と言えます。

    ▼「屋根のカバー工法」について詳しく知りたい方はコチラ
    >> 屋根の「カバー工法」の修理費用は? ウチの見積もりは適正? 地震に弱くなるってホント?  

    業者の説明を聞いて、妥当性と信頼性を判断しよう

    いずれの判断も、業者がしっかりと原因説明をしてくれることが前提です。
    とくに異常部分を写真で説明してくれるかどうかは、いい業者・悪い業者の判別にもそのまま当てはまります。
    原因や見積もり額の説明が不十分と感じたら、すぐに他の業者からも見積もりをとることをオススメします。

    優良業者の見分け方について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。

    「部分補修」であれば火災保険が使える場合も

    工事が、台風などの風災被害の原状回復のためであれば、入っている火災保険が使えます。風災が理由で部分補修をするのであれば、加入している保険の補償内容や、請求方法を確認することをオススメします。
    反対に、張り替えの場合は、基本的には補償範囲外となります。火災保険がおりる対象は、「風災被害があった部分」の「現状回復」なので、屋根を全体的に新しくする張り替え工事には適用されにくいのです。


    自宅の場合はいくら?

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    3. 屋根の張り替え工事の費用相場

    3.1 屋根張り替え工事の費目と単価相場

    工事内容 費用相場(単価)
    足場費用 700円~1,000円/㎡
    養生費用 200~300円/㎡
    既存屋根の撤去費用 1,200円~2,000円/㎡
    下地(野地板)の補修費用 2,000円~3,000円/㎡
    防水シートの敷設費用 600円~1,000円/㎡
    新しい屋根材の材工費 陶器瓦:9,000円~1万5,000円/㎡
    スレート:4,500円~6,500円/㎡
    ガルバリウム鋼板:6,000円~9,000円/㎡
    棟の設置費 2,000円~3,000円/m
    軒先、ケラバの設置費 1,500円~2,000円/m
    アスベストの撤去設置費( 60万円~200万円/戸

    屋根の張り替え工事の費用相場は、既存の屋根材の撤去費用が平米あたり1,200~2,000円、屋根の下地の補修費用が2,000~3,000円、新しい屋根材の購入費と設置費が4,500円~1万5,000円です。
    これらに加えて、足場代や棟の設置費用がかかります。

    これらを合計すると、屋根の張り替え費用は一般的な屋根面積80平米程度の住宅の場合で約140~200万円となります。


    既存の屋根がアスベストを含んでいる場合は、法令により特別な撤去方法が必要なため、別途60万円~200万円の費用がかかります()。
    この出費を回避するため、アスベストを含む屋根では張り替えではなくカバー工法が採られることも多くあります。

    屋根の張り替え工事にかかる費用を決めるのは、「屋根の面積」と「屋根材の選択」の2つです。
    この他にも、屋根の形状や既存屋根の種類などによっても単価や合計費用は変化します。

    3.2 屋根張り替え工事の費用例(30坪住宅)

    【スレートからスレートへ張り替える場合】
    費目 単価 数量 金額 備考
    足場代 750 200(㎡) 150,000 ・単価700~800円が相場
    養生代 200 200(㎡) 40,000
    既存屋根材の撤去・処分 1,600 100(㎡) 160,000 ・単価1,200~2,000円が相場
    下地(野地板)の撤去・新設 2,000 100(㎡) 200,000 ・省略できる場合あり
    防水シートの敷設 650 100(㎡) 65,000 ・省略不可
    新しい屋根材の敷設 5,250 100(㎡) 525,000 単価相場
    ・スレート:4,500~6,000円
    ・ガルバリウム鋼板:約6,000円
    ・粘土瓦:約12,000円
    新しい棟の設置 2,500 12(m) 30,000 ・単価2,000~3,000円が相場。板金の場合
    新しい軒先、ケラバの設置 1750 30(m) 52,500 ・単価1,500~2,000円が相場。板金の場合
    業者 諸経費 - - 122,250 ・工事費の10%と設定
    合計 - - 1,344,750
    税込 - 10% 1,479,225

    *足場面積200㎡、屋根面積100㎡、棟12m、軒先・ケラバ30mと仮定

    ここでは、現在最も普及している化粧スレート屋根から、同じスレート屋根へ張り替える際の、工事手順と費用についてご説明します。

    1.足場の敷設、周囲の養生

    まずは高所作業用の足場を設置した後、足場とその周辺に飛散防止用の養生シートをかけます。

    足場代は平米単価で700円~800円/㎡、養生代は200円/㎡前後が目安です。

    足場代を節約しようとして足場の一部を省略すると、安全性や作業性が低下して良い仕事ができません。
    張り替えを、外壁塗装と同時におこなうと、足場代が一度で済むので効率的です。

    ▼「足場代」について詳しく知りたい方はコチラ
    >> 足場料金の単価・費用相場はいくら?見積もりで損しないコツとは?  

    2.既存屋根材の撤去・処分

    続いて、もとからある屋根材を剥がします。

    アスベストが含まれていない場合、作業費は1,200円~2,000円/㎡が目安です。
    費用には処分費用も含まれています。

    アスベストが含まれている場合は、さらに高額になります。
    平米あたり3,000円~4,000円/㎡の撤去費用と、別途処分費用として2,000~3,000円/㎡、さらに処分場への運搬費として約30,000円~50,000円がかかります。

    3.下地(野地板)の撤去・新設

    屋根材を撤去した既存の野地板の上に、下地の合板を重ねて貼ります。野地板自体を新設する場合もあります。
    費用は材料と施工費を合わせて、2,000円/㎡前後です。

    野地板の補強は省略できる場合もありますが、野地板の経年劣化は屋根瓦より早いので、屋根材を新しくする際に同時に工事しておいた方が安心でしょう。

    4.防水シート

    下地(野地板)の上に防水シート(ルーフィング)を設置します。
    費用は材料と施工費を合わせて、650円/㎡程度です。
    張り替え作業では、下地合板(野地板の補強)を省略する場合でも、防水シートは必ず施工します。

    5.新しい屋根材

    防水シートの上に新しい屋根材を葺きます。
    一般的にはスレートで葺き直すか、より軽量でかつ耐久性の高いガルバリウム鋼板で張り替えを行います。
    費用はスレートの場合4,500円~6,000円/㎡、ガルバリウム鋼板の場合約6,000円/㎡です。

    張り替えでは、元が瓦屋根であった場合以外、瓦材はほぼ使われません。
    屋根の重量が7~10倍になるため、住宅が重さに耐えられなくなったり、耐震性が下がってしまうからです。

    6.棟板金、軒先・ケラバ板金等

    張り替え工事の最後に、棟や軒先、ケラバなどの納まり上、板金の加工が必要になります。
    費用は板金の長さで決まり、棟板金が2,000円~3,000円/m、軒先・ケラバ板金が1,500円~2,000円/mです。

    「スレート屋根からスレート屋根」以外の組み合わせの張り替え費用は?

    張り替え前 張り替え後 税込相場目安
    スレート 金属屋根(ガルバリウム鋼板) 約1,560,000円
    石粒吹きガルバリウム鋼板(ジンカリウム鋼板) 約1,890,000円
    金属屋根 金属屋根(ガルバリウム鋼板) 約1,620,000円
    スレート 約1,500,000円
    石粒吹きガルバリウム鋼板(ジンカリウム鋼板) 約1,560,000円
    和瓦 スレート 約1,790,000円
    金属屋根(ガルバリウム鋼板) 約1,850,000円
    石粒吹きガルバリウム鋼板(ジンカリウム鋼板) 約2,000,000円
    和瓦 約2,200,000円
    ガルバリウム鋼板 和瓦 ほぼ行われない(強度不足のため)
    スレート 和瓦

    本章で解説した以外の組み合わせでは、張り替え工事の価格は上記が目安になります。価格差は、新しい屋根材の材工費によって生まれます。影響は少ないですが、既存屋根の撤去費用も屋根材により変わる場合があります。

    4. 張り替えの時、新しい屋根材は何を選べばいい?

    今の屋根 新しい屋根 メリット デメリット
    スレート スレート ・もっとも安価に済む
    ・見栄えが変わらない
    ・耐用年数が短め
    金属屋根 ・軽量化、耐震性が向上 ・スレートより費用が高い
    和瓦 ・耐荷重量上、行われない
    金属屋根 スレート ・安価に済む ・重量が増すが、多くは問題なし
    金属屋根 ・耐用年数が長い
    ・見栄えが変わらない
    ・スレートの場合より費用が高い
    和瓦 ・耐荷重量上、行われない
    和瓦 スレート ・もっとも安価に済む ・見栄えが大幅に変わる
    金属屋根 ・大幅な軽量化。耐震性が向上 ・見栄えが大幅に変わる
    和瓦 ・見栄えが維持できる
    ・耐用年数がもっとも長い
    ・費用がもっとも高額

    張り替えの際は、屋根材を今までのものから変えることも可能です。

    4.1 スレート屋根の特徴

    スレート屋根(コロニアルなど)は、もっとも材工費が安価なことが特徴です。
    そのかわり、地震への強さに関わる軽量さでは金属屋根に一歩譲り、耐用年数も10年ほど短くなります。

    4.2 金属屋根(ガルバリウム鋼板)の特徴

    金属屋根(ガルバリウム鋼板、ジンカリウム鋼板など)は、長い耐用年数が特徴です。
    また、軽量なため耐震性の向上にもっとも寄与します。
    かわりに、スレート屋根よりも材工費費用は平米あたり500~1,500円ほど高めです。

    また、ガルバリウム鋼板を使用した場合、雨音が以前よりも大きくなる場合があります。
    金属屋根の雨音を抑えたい場合は、石粒が表面についたジンカリウム鋼板(スレートよりも、平米あたり3,000~4,500円ほど高め)を使うと良いでしょう。

    ▼「ガルバリウム鋼板」について詳しく知りたい方はコチラ
    >> ガルバリウムに塗装は必要?塗装方法と費用を解説!  

    4.3. 和瓦の特徴

    和瓦(陶器瓦)は、もとから陶器瓦の屋根ではないなら、張り替えに用いることはオススメできません。
    理由は、陶器瓦の重量が他2種に比べて7~9倍あるため、住宅が重さに耐えられなくなったり、重心が上がって耐震性が大きく下るためです。

    和瓦は、屋根材としてはもっとも高価ですが、耐用年数は50年以上と一番長い屋根材です。
    また、陶器瓦の住宅は、全体の意匠も和風である場合がおおいので、スレートや金属屋根に変えた場合の違和感にも注意すべきでしょう。

    ▼「瓦屋根」について詳しく知りたい方はコチラ
    >> 瓦屋根の修理方法は4種類! あなたに最適なのは部分修理? 全体修理?  

    5. 屋根の張り替え工事の費用を安くするには「相見積もり」が有効

    「張り替えの施工判断と費用」について、内訳なども交えてご説明してきました。

    張り替えに限らず、屋根修理の費用は 同じ坪数の家でも、屋根の形状や傾斜によって面積が大きく変わるため、家の大きさが工事費用の目安にならず、予想が難しくなっています。

    そこで、できるだけ複数の業者から相見積もりを取り、費用や工事内容に一番納得のいく業者を選ぶことで、コスト的にも効果的にも最適な工事を行うことができます。

    業者の得意分野によっては、張り替え以外の工事を提案してくることもあるので、費用や内容に納得のうえで張り替え工事より安い工事で済むこともあるかもしれません。

    本記事が、屋根の張り替えをご検討中の方々のお役に立てば幸いです。


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    この記事の監修者:株式会社POD 代表取締役  長谷川佳広

    監修者:株式会社POD 代表 長谷川佳広

    塗装歴29年。年間施工件数は200件にのぼる。千葉を中心に戸建・マンション・アパート・工場・店舗等の外装一切を請け負い、経営と現場の両面に携わる。

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