弾性塗料って?工事前に必ず知っておきたい塗装の基礎知識!
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弾性塗料による工事はどうなんだろう?ご自宅の外壁の経年劣化が気になったり、地震などで外壁にヒビが入ってしまったりすると、どうすれば良いのかわからなくて悩んでしまいますよね。
インターネットなどで検索していると外壁補修や塗装など「DIYで簡単にできる!」といったような情報も見受けられます。
しかし、足場を組んだり、外壁の状態を判断して最適な施行ができるかどうかと問われれば、難しいと判断せざるを得ない場合もあるでしょう。
今回は弾性塗料がどんなものなのか、実際にどのような工事なのか。弾性塗料以外に外壁補修の候補として何があるのか、工事前に必ず知っておきたい塗装の基礎知識についてご説明します。
↓↓塗料全般について詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてお読みください↓↓
目次
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弾性塗料について知ろう
弾性塗料とは何か
弾性塗料とは弾性機能を持った塗料であり、伸びる性質があるので、元々の外壁が硬質でひび割れしやすい場合に非常に効果的な塗料です。
家の外壁は地震などの大きな振動だけでなく、車やトラックの振動の他、紫外線や雨風によって必ず経年劣化を起こします。
建物が建てられた当時の塗料や外壁の素材によっては単純にひび割れ補修をするだけではまたひび割れを起こす可能性もあります。
弾性塗料によって塗装することで、ひび割れしにくくなり、見た目や見栄えも良くなり、何よりも家が長持ちする可能性が高まるんですね。
弾性塗料による工事は業者、職人によって行うべき作業であり、しっかりとした知識や経験がないとより効果的な補修をすることはできません。
弾性塗料を買ってきて、外壁の見た目や見栄えだけ、ひび割れだけを補修するだけではやりかたによっては「全く効果がない」こともあります。
ホームセンターやインターネットで買えるの?
弾性塗料はホームセンターやインターネットでも購入可能ですが、一口に弾性塗料と言っても、どれを買えば良いのかわからないですよね。同時に弾性塗料だけ購入しても工事することはできず、知識や道具だけでなく、工事するための時間も必要になります。
また、弾性塗料について全くわからない状態で、付け焼き刃のDIYによる外壁補修を行ったとすれば、逆に外壁を痛めてしまうこともあります。安全を意識した作業を行える知識がないと、あなたやあなたの家族に害になる可能性があることも忘れてはいけません。
外壁の補修は新築から10年前後、場合によっては5年前後でメンテナンスや検査をして適切な処置をすることで家を長持ちさせる工事です。
安く済ませたいと思って誤った作業をしてしまうことで、家の寿命が短くなったり、思いも寄らないトラブルや悩みの種が増えてしまうこともあるので注意が必要です。
実際に弾性塗料によるDIYは可能なのか
もちろん、外壁の素材や状態に応じて、適切な弾性塗料を選び、しっかりと道具を揃えて行えるのであればDIYは可能であるとも言えます。
塗装職人さんや、業者として知識や経験がある方であれば、特に問題なく行える工事だと言えます。
しかし、「インターネットで外壁補修のDIYしてるのを見た!」という程度の認識で、あなたやご家族が安易な気持ちで外壁補修を行ってしまうのはおすすめできません。
外壁の状態が悪化するだけでなく、結局は業者に頼むことになり、数ヶ月か数年後、さらに割高な費用が発生することも考えられるからです。
一戸建てを所有していれば外壁補修やリフォームなどは、家に少しでも長く済むためにも必ず必要となるライフイベントであると言えます。
安く済ませることを考えすぎてしまい、長い目で見てコストをあげてしまわないようにすることも大切です。
代表的な弾性塗料
代表的な弾性塗料として日本ペイントの「DANタイル水性上塗」があり、後述する複層弾性塗料に用いられます。
一斗缶15kgで1万円~2万円前後、1缶で約88平方メートルを塗れる計算となっておりますが、これはあくまでも業者、職人が塗装を行った場合です。
弾性塗料による工法は1度塗って終わりというものではなく、下地、下塗り、中塗り、上塗りとあり、それぞれ回数が必要となります。
もし、DIYで外壁補修を行うとしたら、弾性塗料を購入して、保管しておく場所を作り、足りなければその都度買い足す必要があるなど、とても大変です。
物理的、時間的な面から考えても、準備の段階からDIYは厳しいということがわかります。
弾性塗料の使用例を知っておこう
まずは簡単な比較表をご覧ください。
塗料の種類 | 耐久性 | 費用 | 仕上げまでの工程 |
複層弾性塗料 | ◎ | 高い | 約7回 |
単層弾性塗料 | △ | 普通 | 約4回 |
微弾性塗料 | ✖ | 安い | 約3回 |
複層弾性塗料があくまでも目安であり、費用面は単層弾性塗料・微弾性塗料と比べれば高いという表現となっています。
もし、見積りを取った時、単層弾性塗料や微弾性塗料なのに、複層弾性塗料と同じ金額であれば、詐欺かボッたくり、悪質な業者である可能性があります。
複層弾性塗料
複層弾性塗料は下塗りと中塗り、上塗りで塗料を変えることで弾性塗料の伸びる性質や機能をしっかりと付与しながら、見栄え良く仕上がるのが特徴です。
複層弾性塗料の工法が弾性塗料と呼ばれるものであり、外壁補修をする上で本来であれば最低限選びたい工法であると言えます。
複層弾性塗料は外壁の素材と使用する弾性塗料の相性や組み合わせなども知識として知っている必要があり、まず一般の方がDIYで行うには無理な工法です。
また、一戸建ての外壁全面の補修や塗装をする場合はひび割れ・クラックなどの箇所だけを直すのではなく、全面を工事する必要がある場合もあるでしょう。
足場を組む、窓枠やドアの養生など、外壁補修や塗装をする前段階だけでも、素人ではわからないような作業手順がたくさんあります。
弾性塗料を購入して、塗ればOK!と言ったような流れではないことを理解しておきましょう。
単層弾性塗料
単層弾性塗料は中塗りと上塗りの塗料が同じであり、厚く塗ることで外壁の補修を行う方法です。
複層弾性塗料仕上げは難しそうだけれど、単層弾性塗料仕上げなら簡単そうだと感じるかもしれませんね。
素人目線や感覚ですと、ひび割れの箇所に穴埋めをして、上から弾性塗料を塗るだけだと考えてしまいがちです。
しかし、もし車が凹んだり、傷が付いた時にDIYで修理しようとするでしょうか?保険云々は別としても必ずディーラーや修理工場に頼みますよね。
外壁塗装や補修も同様であり、傷やひび割れ、破損などの修理や補修は業者に依頼するもの、安易にDIYするものではないと考えておくことが大切です。
微弾性塗料
微弾性塗料は下塗りとなるシーラーを用いず、フィラーによって下地を強化して微弾性塗料を塗る方法です。
弾性塗料の明確な基準として20度で伸び率120%というものがありますが、微弾性塗料には明確な基準はありません。
困ったことに微弾性塗料と称して、悪質な業者が比較的安価だと見せかけて塗料を薄めて施行する場合もあり注意が必要とされるキーワードとも言えるんですね。
後述しますが、業者に依頼する時は「なぜ高いのか?」「なぜ安いのか?」を判断できるように複数に見積りを取り、金額だけでなく納得できる対応をしてくれるのかもチェックしましょう。
弾性塗料が向いている外壁、向いてない外壁
弾性塗料と相性の良い外壁
弾性塗と相性の良い外壁は乾燥や収縮によってひび割れしやすいモルタルの外壁であり、古い住宅によく用いられている工法の外壁です。
セメントや石灰などを混ぜ合わせた外壁であり、硬質で固いのが特徴ではありますがデメリットでもあり、弾力性が少なく、伸び縮みしにくい素材であり、壊れやすい外壁とも言えます。
外壁は経年劣化などによって破損することで、破損している部分からさらに内部が侵食され、建物の寿命を縮める結果となります。
また、暴風雨・豪雨などで雨漏りが起こったり、地震による災害でも崩れやすくなったりしますので、放置せず早めに対処することが求められます。
弾性塗料と相性の悪い外壁
弾性塗料と相性の悪い外壁はサイケディングの外壁であり、サイケティングの外壁には使用するべきではありません。サイケティングの外壁は断熱素材を含み、気温の変動によって表面が非常に熱くなります。
弾性塗料は熱によって膨らんでしまい見栄えが悪くなるだけでなく、弾性塗料のメリットである弾力性を発揮することができません。
素人目で見てしまうと外壁は同じように見えてしまうこともありますが、素材によってはデメリットどころか逆効果になってしまうので注意が必要です。
弾性塗料以外にどんな塗料があるの?2>
硬質塗料
硬質塗料は弾性塗料と違い伸び縮みする性質よりも固くる性質が強い塗料です。固ければ振動や衝撃に強いのでは?と思われるかもしれませんが、固ければ固いほどひび割れしやすくなります。
硬質塗料にも種類があるので、全くひび割れに効果がないとまでは断言できませんが、弾性塗料と比べれば耐久年数に差があり、場合によっては短期間で何度も塗料しなければならずコストが高くなる可能性があります。
無機塗料
無機塗料とは硬質塗料よりも耐久年数が高いのがメリットですが、固い性質を持つために弾性塗料と比べればひび割れする可能性があります。
外壁の補修については、単なるひび割れなどの見栄えを補修できれば良いと考えてしまいがちですが、実際には雨風や外壁そのものの経年劣化を防ぐために行うものでもあります。
光触媒塗料
光触媒塗料は太陽光によって外壁に付着した汚れを分解し浮かせて雨風などで洗い流せる機能を持っている塗料です。
比較的新しい塗料であり、耐久年数も従来の塗料よりも長持ちしますが、費用面で高くなりやすいことや日当たりの良さ、雨風の当たらないところには効果が薄かったりとデメリット部分も見受けられます。
どれを選べばいいのかわからない
普通の方であれば弾性塗料に限らず、どの塗料を選ぶのかわからなくて当然です。業者の職人の方でない限り、弾性塗料を選ぶべきなのか、その他の塗料を選ぶべきなのか選定することはできません。
例えば弾性塗料が利用できない外壁の素材もありますし、耐久年数が高いとされる光触媒塗料が良いと思っても、立地条件によってはデメリットしか得られない場合もあるからです。
また、「わからない」ということが悪質な業者に足元を見られたり、騙されてしまう原因にもなり得ます。どうすれば安心・安全に外壁補修や塗装ができるのか、次項でしっかりと確認しておきましょう。
工事前に必ず知っておきたい塗装の基礎知識
必ず複数の業者から見積りを取る
外壁の補修や塗装を依頼する時は必ず複数の業者から見積りを取りましょう。見積りを取るために訪問してもらったり、家を建てた時の情報を渡さなければならないこともあります。
情報が曖昧なままの見積りですと高めに提示されることもありますし、現状を確認してから具体的な金額が算出されることもあるでしょう。
前もって可能な限り必要な情報を渡しておくことで、より詳しい見積りや相談が可能となる場合も多いです。
まずは外壁塗装や補修をする際は必ず複数の業者から見積りを取るということを覚えておきましょう。
業者の言い値にとらわれない
どの業界にも悪徳業者は存在するものあり、騙されないようにしたいと考えていても、対応が丁寧だったり、説得力があると信用してしまい騙されることもあります。
また、詐欺や悪徳業者を心配するあまり、健全で腕の良い業者や職人を逃してしまうこともあるので注意しましょう。
ただし、複数業者の見積りを取り、明らかに相場よりも高すぎる場合は話が別ですし、安過ぎる時も危険な場合もあります。
安すぎる時は依頼していた工程や工法を取らず、それこそDIYレベルの施行をされてしまうこともあるからです。
高い場合意は単純にボッたくりの可能性もありますから、ゴリ押しされたり、強引な手法だなと感じたらすぐさま断るようにしましょう。
地元や知り合いの業者に絞らない
非常にありがちなのが、地元だから、知り合いだから安心という感覚です。業者からすれば騙そうとしなくても言い値で受注できる可能性があるので、堂々と高い値段が提示される可能性もあります。
地元の業者や知り合いの業者に頼みたいと考えた時でも、なるべく他の業者からも見積りを貰って、適正な価格なのか、必要に足る工事をしてくれるのかを考えるための判断材料にしましょう。
実際に外壁補修の相場はいくらです!と言いきれない理由として、家のサイズ、外壁の素材や状態、築年数や立地条件、合わせて季節や時期的な要素などがあります。
あなたの大切な家を守るために、しっかりと見積りを取り、十分に納得ができる業者と契約し、依頼することをおすすめします。
まとめ
弾性塗料がどんなものか知りたいと思い検索した時点で、心のどこかで「DIYで安く済ませたい」と考えていたのではないでしょうか。
しかし、弾性塗料についての説明を見るうちに「DIYでは無理だ!」と感じてもらえたのではないかと思います。
あなたの家の外壁がどんな状態なのか、どんな素材を使っていて、どんな処置が必要なのかはプロにしかわかりません。
また、業者に依頼する時も一過性の支出・費用としての金額で安い・高いを考えるのではなく、複数年単位で考える必要があるということも忘れないようにしましょう。
家のメンテナンスにはお金が掛かるものです。ケチればケチるほど、安物買いの銭失いとなりがちですから、ある程度安心の価格だと感じられる業者にお願いすることが一番大切だと思います。
もっと詳しく知りたい方は、こちらもどうぞ!
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