屋根の「カバー工法」の費用相場は? メリット・デメリットを徹底解説

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屋根の「カバー工法」とは「重ね葺き」とも呼ばれ、既存の屋根材の上に、金属屋根やアスファルトシングルなどの軽量の屋根材を重ねる工法です。

既存の屋根材を撤去する費用や廃材処分費がかからないので、工事費用の節約や工期を短縮できるメリットがあります。
しかし、屋根カバー工法は全ての屋根に採用できるわけではありません。

そして、価格も業者によりまちまちで相場がわかりにくいのが現状です。
屋根のリフォームをする上で、適正な価格で工事を依頼するためには、カバー工法について事前によく理解しておくことが大切ですよね。

そんな方に、カバー工法のメリット、デメリットや費用についてご紹介したいと思います。

屋根修理の基礎知識について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。

Point
  • カバー工法の費用相場は、一般的な30坪の住宅で「100~120万円」
  • 新しい屋根材は、「ガルバリウム鋼板」か「アスファルトシングル」が多く使われる
  • 将来、屋根の葺き替えを行う場合に費用が高くなるため注意


  • 「屋根カバー工法費用」がインターネットで検索される理由

    インターネット上では、カバー工法に対して否定的な見解を述べる専門家や屋根工事業者もいます。
    また「屋根カバー工法 費用」と検索してみると、価格を決める要素や単価の相場などがたくさん出ています。

    しかしこれらは決して嘘ではありません。
    どんな工法でもメリットとデメリットがあるので、少し見方を変えればいろいろな見解があって当然です。

    また、カバー工法の価格を決める要素も様々です。
    経年劣化具合の違いや、見解の違いによる工事内容の違い、それぞれの業者の得意分野などによっても見積提示価格は異なります。

    しかし実際に業者から見積もりをとると、業者によって単価や施工数量などが様々で、全てが同じになることはほとんどありません。
    「いったいどれが正しいのだろうか?」と思ってしまう事でしょう。

    次の章ではカバー工法の価格を決める要素と、相場がばらつく理由についてご説明したいと思います。

    「屋根カバー工法費用」の相場がばらつく理由!価格に差が出る5つの要素とは?

    それではカバー工法の価格を決める要素にはどんなものがあるのでしょうか。
    ひとつずつ見ていきたいと思います。


    1. 元からある屋根の補修要否

    屋根のカバー工法は、比較的既存の屋根の状態が良い時に適した改修方法です。
    既存の屋根の状態が悪ければ、部分的に手直しが必要になるケースもあります。
    手直しが必要な範囲が広くなれば、その部分の補修費用がかかりますが、業者の得意分野や経験によっても見積額が異なります。


    2. 新しい下地合板の貼り付け費用

    カバー工法では、既存の屋根の上に新しい屋根材を被せて施工しますが、その際に新たに下地合板(野地板といいます)を貼ります。
    状態や業者の判断によっては下地合板を施工しないこともあるので、この分の費用が異なります。

    下地合板を貼る必要がある場合は、既存の屋根の劣化が進んでいるケースなどです。
    既存の化粧スレートや下地が劣化して腐っていると、新しい屋根材を固定するビスや釘が効かないため、強風で剥がれてしまいます。
    合板を貼るか貼らないかは目視では判断がつかないため、釘の引き抜き試験などを行った上で判断します。
    下地の傷み具合に問題がないと確実に判断できない場合は、下地合板を施工しておいた方が安心です。


    3. 新しい屋根材の費用

    屋根のカバー工法では、軽量で耐久性の高いガルバリウム鋼板がよく使われますが、ガルバリウム鋼板にも様々な種類があり、価格差があります。

    また、業者によってはアスファルトシングルで上葺きを行う業者もいます。
    それぞれの業者が得意とする屋根材を採用するので、使用する屋根材によって費用や性能が異なります。


    4. 足場の架設費用

    屋根工事には足場が必要になりますが、多くの屋根工事業者は足場専門業者に外注しています。
    また、屋根の勾配や周辺環境、建物の立地に応じて足場の架設費用が異なります。
    屋根が急勾配の場合には、屋根面にも足場を組む必要があるので、費用は割高になります。


    5. 業者側の諸経費

    屋根工事業者の見積書には、社員の給与や交通費、駐車場代、電話代など直接の工事費以外にかかる経費が含まれています。
    工事費用の5~10%程度が一般的ですが、会社規模が大きくなるほどこの比率が高くなる傾向があります。
    車が侵入できない現場などでは、資材の搬入搬出経費が別途でかかります。

    また大手リフォーム会社やハウスメーカーは、自社で直接工事を行わずに屋根専門業者に作業を依頼するため、専門業者の見積に中間マージンが上乗せされています。


    「屋根カバー工法費用」の計算方法を徹底解説

    ここでは比較的状態の良い化粧スレート屋根を、カバー工法で改修する場合の計算方法、工事単価についてご紹介しましょう。

    費目 単価(/㎡) 備考
    足場代 700~800円 算出は屋根面積ではなく「足場の掛け面積」が基準
    下地処理台 2,000円 既存の屋根の上に下地の合板を貼り付ける
    防水シート 650円 下地の上に防水シート(ルーフィング)を設置。既存の屋根の状態によっては、下地合板の施工は行わないこともあるが、防水シートは必ず設置する。
    新しい屋根材 6,000円 防水シートの上に新しい屋根材を敷設。数値はガルバリウム鋼板の場合。
    棟板金 2,000~3,000円 軒や軒先、ケラバなどの納まり上、板金の加工が必要になります。
    軒先・ケラバ板金 1,500円

    1.足場

    まずは足場が必要です。
    足場の料金を計算する時は「足場の掛け面積×足場の㎡単価」になります。
    足場の㎡単価は700円~800円/㎡です。

    他に飛散防止用の養生シート掛けを行いますが、㎡単価は200円/㎡前後です。

    2.下地

    既存の屋根の上に下地の合板を貼ります。
    合板は材料と施工費で2,000円/㎡です。
    これに施工する屋根の面積を掛けます。
    尚、下地合板を省略する場合には、この費用はかかりません。

    3.防水シート

    下地(野地板)の上に防水シート(ルーフィング)を設置します。
    下地合板は業者によっては施工しないケースがありますが、防水シートは必ず施工します。
    材料と施工費で650円/㎡程度です。

    4.新しい屋根材

    防水シートの上に新しい屋根材を葺きます。
    一般的に使用される断熱機能付ガルバリウム鋼板の場合、約6,000円/㎡です。
    また、アスファルトシングルの場合は約5,500円/㎡になります。
    それぞれ使用する屋根材単価に、施工する屋根面積を掛けて計算します。

    5.棟板金、軒先・ケラバ板金

    棟や軒先、ケラバなどの納まり上、板金の加工が必要になります。
    棟板金2,000円~3,000円/m、軒先・ケラバ板金加工1,500円/m程度です。

    「屋根カバー工法費用」の具体的な計算例と実際の施工実例相場

    それでは前の章の「カバー工法費用の計算方法」を参考に、実際に屋根のカバー工法費用を計算してみましょう。

    • 延べ床面積30坪(約100㎡)
    • 建築面積18坪(約60㎡)
    • 屋根面積27坪(約90㎡)の化粧スレート葺き
    • 木造2階建住宅
    • 屋根材にガルバリウム鋼板の屋根を使用

    に、リフォームするケースで考えてみます。
    尚、屋根足場はかからなかったものとします。


    1.足場費用の計算

    足場の掛け面積は、30坪以内の2階建住宅の場合、延べ床面積の2~2.5倍程度になることがほとんどです。
    そこで今回のケースでは、足場の掛け面積=100㎡×2=200㎡と仮定します。

    費目 面積 単価(/㎡) 金額
    足場架設費用 200㎡ 800円 160,000円
    養生シート掛け 200㎡ 200円 40,000円
    合計 200,000円

    よって、計200,000円が足場架設関係の費用となります。


    2.屋根カバー工法費用の計算

    カバー工法費用は、屋根面積に各工事の㎡単価を掛けて求めます。

    費目 面積 単価(/㎡) 金額
    下地施工費 90㎡ 2,000円 180,000円
    防水シート 90㎡ 650円 58,500円
    ガルバリウム鋼板 90㎡ 6,000円 540,500円
    棟板金 12m 3,000円 36,000円
    軒先・ケラバ板金 36m 1,500円 54,000円
    合計 868,500円

    今回のケースでは足場代を含めると1,068,500円になりました。

    ここから、下地合板を施工した場合180,000円さらに費用が発生します。
    屋根カバー工法の見積額が大きく異なる原因になるため、見積もりに下地合板の施工が含まれているかどうかを必ず確認してください。

    また実際の屋根工事業者の見積書には、これらの工事費に5~10%程度の諸経費が加算されます。

    いろいろな施工実例を見ても、30坪前後の住宅で100~120万円前後が多い様なので、このあたりがひとつの目安になると思います。


    「カバー工法」のデメリット

    冒頭でご紹介した様に、カバー工法に対して否定的な見解を持つ屋根業者がいるのも事実です。
    同じ屋根業者の中でも、カバー工法に不慣れな業者や、カバー工法に適した金属屋根やアスファルトシングル屋根を取り扱っていない業者もいるので当然です。

    また屋根が2重になることで、将来葺き替えの必要性が生じた場合に、結局撤去費用が2倍になってしまうことを指摘する業者もいます。
    築20年未満の住宅で、これからさらに20年以上住もうと思うなら、再度屋根のリフォームをする可能性も考慮する必要があるでしょう。

    実際に状況によっては、カバー工法での施工が適さない場合があるのも事実です。
    何でもかんでもカバー工法を奨める業者は信用できません。
    重要なのは、その見極め方です。

    無理にカバー工法を採用した結果、葺き替えるよりもコストアップになってしまうことにもなりかねません。

    まとめ:屋根専門業者に相談を!

    ここまで「屋根カバー工法費用」についてご説明してきましたが、いかがだったでしょうか。

    しかし本記事の計算例はあくまでも一般的なケースで、実際には地域性や業者による価格差の影響が最も大きく、例えば中間マージンがかかる大手リフォーム会社やハウスメーカーに依頼すると、同じ内容の工事でも1.5倍くらいになることもあります。

    工事を焦ってあわてて施工業者を決めてしまう前に、複数の業者から見積もりをとることが大切です。
    様々な業者の意見を聞き、最も信頼できる業者に工事を依頼して欲しいと思います。

    皆様が屋根のリフォームを行う際に、最適な工法を適切な費用で行う事ができる様に、この記事を役立てていただければ幸いです。



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