ヌリカエ屋根のカバー工法とは? 費用は安いが、多くのデメリットに注意

屋根のカバー工法とは? 費用は安いが、多くのデメリットに注意

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【更新日】



ヌリカエルちゃん

突然業者が来て「カバー工法しませんか?」って言ってきたんだけど…。

要注意! カバー工法が最適ではない場合でも勧めてくる訪問業者が報告されているよ!!

ヌリカエル先生

屋根のカバー工法とは、一体どのような工事で、費用はいくらぐらいかかるのでしょうか?
また、もうひとつの屋根のリフォーム方法の「葺き替え」とは、どのような違いがあり、どう使い分ければいいのでしょうか?

本記事では、当社のお客様センターに実際に寄せられた質問をもとに、カバー工法をご検討中の方々によくある疑問や不安にお答えしていきます。

Point
  • 屋根のカバー工法は、葺き替えが予算上難しい場合の「代替手段」と捉えるべき
  • 屋根のカバー工法を行う場合、費用相場は「80~120万円」
  • 屋根のカバー工法に使う屋根材は「ガルバリウム鋼板」ほぼ一択

  • 私の家だといくら?

    私の家だといくら?


    1. 屋根のカバー工法とは?

    ヌリカエルちゃん

    そもそもカバー工法ってどんな工事なの?

    今の古い屋根はそのままに、新しい屋根を重ねて建てる工事だよ。

    ヌリカエル先生

    屋根の「カバー工法」(重ね葺き)とは?

    屋根のカバー工法とは、既存の屋根をそのままにして、上から新しい屋根をかぶせる工事です。
    別名で「重ね葺き(かさねぶき)」と呼ばれることもあります。

    カバー工法は、既存の屋根をはがす手間と費用を省けるのが特徴です。
    とくに既存の屋根が「アスベスト(石綿)」を含んでいる場合には、撤去費用が通常よりも高額になるため、カバー工法がよく選ばれます。

    カバー工法でリフォーム可能なのは、既存の屋根が「スレート」や「薄い金属」(ブリキ・トタン・ガルバリウム鋼板など)の場合が基本です。

    カバー工法とは反対に、既存の屋根をはがして新しく張り替える工事を「葺き替え(ふきかえ)」と呼びます。

    ▼「屋根の葺き替え」について詳しく知りたい方はコチラ
    >> 屋根葺き替えの費用相場はいくら? 工程ごとの単価も公開  

    屋根のカバー工法の基本データ

    工事の項目 カバー工法の場合
    工事内容 今の屋根の上に、新しい屋根を建てる
    費用相場 80~120万円
    工期 5~10日間
    メリット 修理費用が安い
    アスベストの廃棄費用が不要 など
    デメリット 屋根の異常は直らない
    瓦屋根には不向き など
    カバー工法が向く場合 費用を可能な限り抑えたい場合
    アスベスト入りの屋根の場合 など
    ▼「屋根工事の種類と概要」について詳しく知りたい方はコチラ
    >> 屋根工事は8種類!工事内容、費用相場、日数、業者選び…全て解説します  

    屋根のカバー工法の工程

    1. 必要に応じて、作業用足場を組む
    2. 屋根を洗浄
    3. 今の屋根の上に、新しい下地木材と防水シートを張る
    4. 新しい屋根材を葺く(敷く)

    2. 屋根のカバー工法のメリット・デメリット

    ヌリカエルちゃん

    カバー工法って何がいいの?

    屋根の全交換に比べて費用が安いところと、工期が短いところだよ。デメリットにも注意してね。

    ヌリカエル先生

    屋根のカバー工法は、葺き替えに比べて予算と工期が少なくすむ反面、デメリットも多くある工法です。
    主に、元の屋根に異常あっても直らないことと、カバー工法後の屋根に何かあって修理をすることになった場合、費用が高額になる可能性があることです。

    予算的に可能であれば、カバー工法ではなく葺き替えで工事することを強くオススメします。

    カバー工法のメリット

    メリット1:工事費用が安い

    カバー工法は、元々の屋根の上に新しい屋根を建てる工事なので、屋根材を撤去する人件費や処分費用がかかりません。
    そのため、もうひとつの屋根リフォーム手段である「葺き替え」に比べて、60~80万円ほど費用をおさえることができます。

    メリット2:工期が短い

    屋根材の撤去が不要なことは、費用だけでなく時間も節約にもなります。
    葺き替えの場合、工期は7~15日間が目安な一方で、カバー工法の場合は5~10日で済むので、約2日~5日間の時間短縮になります。

    メリット3:騒音やホコリが出にくい

    もっとも騒音やホコリが出る手順である、屋根材の撤去作業がないのもメリットです。 工期も短いため、その分ご近所に迷惑をかける可能性も少なくなります。

    メリット4:断熱性・遮音性が上がる

    カバー工法完了後は、屋根が二層構造になるため、屋外の「暑さ・寒さ」や「雨音」などが室内に伝わりにくくなります。

    メリット5:アスベスト入りの屋根でも、高額な処理費用が不要

    アスベストを含む屋根をリフォームする場合、通常は20~50万円以上余計に費用がかかります。
    これは、アスベストの飛散を防ぐ特殊な撤去作業が必要なためです。
    しかし、撤去作業のないカバー工法でリフォームをすれば、この費用をなくすことができます。

    自宅の屋根がアスベスト入りか見分ける方法

    • スレート屋根「以外」ならば、アスベストは含まない
    • スレート屋根でも、2005年「以降」に建てられた家ならば、アスベストは含まない
    • 屋根材の商品名や製造番号を石綿含有建材データベースで検索する

    アスベスト繊維には人体への有害性が指摘されており、2004年以降は製造が法令で禁止されました。2004年以前に建てられた家の場合は、ハウスメーカーに問い合わせるか、建築時の書類などで品名を確認し上記のデータベースサイトで確認ができます。

    ▼「屋根材の種類と外見」について詳しく知りたい方はコチラ
    >> 【保存版】屋根の種類は結局どれがいい?種類別の特徴・費用・メンテナンス  

    カバー工法のデメリット

    ヌリカエルちゃん

    メリットを読む限り、カバー工法ってなかなか良さそうに思えるけど…?

    デメリットも多いから注意! 今ある屋根が直るわけではないから、雨漏りしたことのある屋根などには不向きなんだ。

    ヌリカエル先生

    デメリット1:屋根内部の傷みが直るわけではない

    カバー工法は新しい屋根をかぶせるだけの工事なので、屋根のキズや経年劣化が直るわけではありません。
    例えば、もし屋根の下地が腐り始めていた場合、カバー工法後も劣化が進行し続けてしまいます。
    雨漏りなどのトラブルがあった屋根などでは、積極的には選びにくい工事方法です。

    デメリット2:後年に異常が起きた場合、修理費が高くなる

    カバー工法後の屋根に雨漏りなどが起こった場合は、通常よりも一層多く屋根が重なっているわけですから、修理や再リフォームには多くの手間がかかります。

    デメリット3:瓦屋根には不向き

    カバー工法で作る新しい屋根は、既存屋根の上から釘を打って固定します。
    日本瓦やセメント瓦の屋根は、厚みのあったり波打っていたりするため、釘がうまく通らず、カバー工法不可の判断になる場合がほとんどです。

    デメリット4:家の耐震性が下がる

    カバー工法後は、新しい屋根のぶんの重さが増えます。そのため、建物にかかる負荷が増し、耐震性も下がります。
    ただし、多くの家では問題にならない程度の変化であることがほとんどです。
    念のため、施工前にはリフォーム業者と耐震性の問題は起こらないか相談することをオススメします。

    デメリット5:工事に火災保険が下りにくい

    火災保険の保険金は、風災や雪災による屋根の破損を「元の状態へ戻す工事」に対して下りるのが通常です。
    そのため、新しい屋根をかぶせるカバー工法では、「元に戻す工事」ではないと判断され、ほとんどの場合では保険金が下りないでしょう。

    カバー工法が向いている人は?

    わたし達は、「カバー工法を積極的にするべきケースはない」と考えていますが、しいて挙げれば下記のような状況です。

    • 葺き替えを行いたいが、予算がどうしても足りない人
    • アスベスト入りの屋根の撤去費用を抑えたい人
    • 10~15年後には転居・解体する家を工事する人

    3. 屋根のカバー工法の費用相場と見積もり例

    ヌリカエルちゃん

    屋根のカバー工法って費用はいくらぐらいかかるの?

    安くても80万円。内訳は「屋根材代」が6割、「足場代」が1.5割、「新しい下地代」が1割。残りは棟や軒の費用だよ。

    ヌリカエル先生

    屋根のカバー工法にかかる費用は?

    屋根のカバー工法の費用相場は、80~140万円です(30坪住宅で屋根面積100㎡の場合)。

    工事費用を左右するのは、主に以下の3つの要素です。

    • 屋根の面積:広いほど費用は高くなる
    • 足場の要否:足場の有無で約20万円変わる
    • カバー工法に使う屋根材:耐久性の高いもの、防音や断熱など高機能なものを使うほど価格が高くなります。

    カバー工法の見積もり例と費用の内訳

    下記、実際にあった屋根カバー工事の前に出された見積もり書の内容を表にしたものです。
    合計金額だけでなく、費用の内訳や単価もご参考ください。

    費目 単価 数量 金額 備考
    足場代 750 200(㎡) 150,000 単価700~800円が相場
    養生代 200 200(㎡) 40,000
    新しい防水シートの敷設 650 100(㎡) 65,000
    新しい屋根材の敷設 6,000 100(㎡) 600,000 ガルバリウム鋼板を仕様。6,000~9,000円が相場
    新しい棟板金の設置 2,500 12(m) 30,000 単価2,000~3,000円が相場
    新しい軒先、ケラバの設置 1750 30(m) 52,500 単価1,500~2,000円が相場
    管理費(諸経費) - - 90,000 工事費の10%前後が相場
    合計 - - 1,027,500
    税込 - 10% 1,130,250

    *足場面積200㎡、屋根面積100㎡、棟12m、軒先・ケラバ30mと仮定

    ここでは、既存屋根をガルバリウム鋼板で覆う際の、工事手順と費用についてご説明します。

    カバー工法の各費用項目と単価の相場

    ヌリカエルちゃん

    見積もりがきた時に、値段が高いか安いか判断できるといいな。

    カバー工法にかかる費目ごとの単価の相場を見ていこう!

    ヌリカエル先生

    1.足場の敷設、周囲の養生

    まずは高所作業用の足場を設置した後、足場とその周辺に飛散防止用の養生シートをかけます。

    足場代は平米単価で700円~800円/㎡、養生代は200円/㎡前後が目安です。

    2.新しい防水シート

    既存屋根の上に、新しく防水シート(ルーフィング)を設置します。
    費用は材料と施工費を合わせて、650円/㎡程度です。

    3.新しい屋根材の材工費

    防水シートの上に、ガルバリウム鋼板で新しく屋根を葺きます。
    費用は、平米あたり約6,000~9,000円が目安です。

    カバー工法では、ガルバリウム鋼板をはじめとした金属屋根以外の建材はほぼ使われません。
    理由は、軽くて加工がしやすく、もとの屋根の形状を選ばないことと、軽量なため家屋にかかる負担増加を抑えられるからです。

    ▼「ガルバリウム鋼板の屋根」について詳しく知りたい方はコチラ
    >> ガルバリウム屋根って正直どう?長所や欠点、費用、メンテナンス、注意点  

    4.棟板金、軒先・ケラバ板金等

    新しい屋根に、棟や軒先、ケラバなどの納まり上、板金の加工を施します。
    費用は板金の長さで決まり、棟板金が2,000円~3,000円/m、軒先・ケラバ板金が1,500円~2,000円/mです。

    5.管理費

    「工事管理費」なども名目で、業者の施工に関わる人員以外のコスト(事務処理費用、営業費用、広告宣伝費用など)が加わります。
    金額は「1.」~「4.」を合わせた金額の10%が相場です。


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    4. 屋根のカバー工法を勧めてくる業者に要注意

    ヌリカエルちゃん

    カバー工法って今人気なんでしょ? みんなやってれば安心じゃない?

    工事件数は増えているみたい。ただしデメリットの説明をしないまま、カバー工法に誘導する業者に注意!

    ヌリカエル先生

    カバー工法の概要と選択基準などについて、費用の内訳やデメリットなども交えてご説明してきました。
    最後に、一番注意をしていただきたい話をお伝えしたいと思います。

    カバー工法はデメリットも多い工事ですが、他の選択肢を提示せずに最初からカバー工法をすすめてくる業者が、残念ながらあるということです。

    その理由は、業者には自分たちの採れる工事法のなかでしか提案をしないところがあるからです。
    屋根の修理は、業者による得意・不得意の差が激しく、部分的な修理にはそもそも対応していない業者などもあるため、カバー工法に誘導されるケースが起こりやすいと言われています。

    とくに、

    • カバー工法をすすめてきたのが「板金業者」の場合(金属屋根材を売りたいのが本音)
    • 部分的な修理で済むと思っていたのに、全体のカバー工法を提案された場合

    に当てはまれば、他に2~3社目ほど現地調査・見積もりをとることを強くオススメします。

    本記事が、カバー工法での修理をご検討中の方々のお役に立てば幸いです。


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    この記事の監修者:株式会社POD 代表取締役  長谷川佳広

    監修者:株式会社POD 代表 長谷川佳広

    塗装歴29年。年間施工件数は200件にのぼる。千葉を中心に戸建・マンション・アパート・工場・店舗等の外装一切を請け負い、経営と現場の両面に携わる。

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