こんにちは、ヌリカエコラム編集部です。
この記事をご覧の方は「塗装係数」って何?と疑問に思い調べている方が多いのではないでしょうか。
屋根塗装の見積書には、記載されている塗装面積が実際の屋根の面積よりも多くなっているものがあります。
そんな見積書を見たら、「こんなはずはない、見積書の数量が間違っている!」と思ってしまいがちです。
実はこれ一定の係数をもとに屋根の塗装面積を計算しているため、決して間違いではありません。
この係数のことを「塗装係数」といいます。
塗装業者の見積書が適正かどうかをチェックする上で、「塗装係数」を理解しておくと非常に役に立つので知っておいて損はないでしょう。
本記事では、塗装係数について解説をしていきます!
- 塗装係数とは塗装面積を求めやすくするために掛ける一定の数式のこと!
- 塗装係数を知ることで、業者のミスを見抜ける!
- 外壁のおおよその塗装塗装を求めるときは、延べ床面積×1.1~1.3で出せる!
「塗装係数」定義とは?どこで使われているの?
塗装係数の定義は、「塗装する施工面積の算出根拠となる係数」のことを指します。
これだけでは、ちょっとわかりにくいですよね。
たとえば、屋根が波型スレートで葺かれているケースで考えてみましょう。
<引用:株式会社ナカガワクリエイト 公式HP>
波型スレートには山と谷があります。
タテ2m、ヨコ5mの波型スレート屋根の面積は10㎡ですが、これを左右に引っ張って平面にすると、横の長さが伸びるのがおわかりだと思います。
波型スレートを塗装する時、実際に塗装する面積は、伸びた部分を加えた面積になりますよね。
元の長さに対する横に延びた分の長さを加えた長さの比率が、塗装係数になります。
塗装工事の見積書の数量は、素材を平らに延ばした状態で算出するのです。
そして塗装係数は、素材の形状によって異なります。
塗装係数は、素材の種類によってあらかじめ計算されていて、塗装業者はこれを見ながら数量を計算しています。
外壁塗装の相場を知って適正価格で塗装しよう
外壁塗装をする前に、まずは「自分の家の塗装の相場はいくらなのか」を確認しておきましょう。
外壁塗装は詐欺が多く、手抜きに気づきにくい工事です。
「100万円でできる工事に150万円も払ってしまった・・・」ということが珍しくありません。
事前に知識をつけておかないと、知らずしらずのうちにお金を騙し取られてしまうのです。
以下の記事では外壁塗装の費用相場と費用の決まり方を解説しています。
外壁塗装にかかる費用について知り、悪徳業者に騙されないようにしましょう。
塗装係数を使った塗装面積の計算方法は?
それでは実際に、塗装業者が見積書を作成する際に使用している塗装係数にはどんなものがあるのでしょうか。
代表的なものには、次のようなものがあります。
大波スレート(波型1号):塗装面積=屋根面積×塗装係数1.15
小波スレート(波型2号):塗装面積=屋根面積×塗装係数1.2
波型トタン:塗装面積=屋根面積×塗装係数1.4
瓦棒葺きトタン屋根:塗装面積=屋根面積×塗装係数1.2
洋風コンクリート瓦:塗装面積=屋根面積×塗装係数1.2
屋根面積100㎡の折板屋根の塗装面積は、上の式から100×1.7=170㎡、小波スレートの場合は、100×1.2=120㎡になります。
同じ100㎡の屋根でも、屋根材によって50㎡も塗装面積が違ってしまうのです。
塗装係数は、屋根や外壁の塗装以外にも様々な塗装工事で使われるので、覚えておくと便利です。
たとえば鉄製階段、パイプ手摺などの塗装面積を計算する際にも、塗装係数が使われています。
塗装係数の応用:延べ床面積から外壁面積を計算する方法
屋根の塗装面積を求めるだけでなく、塗装係数に似たものとして一定の係数をもとに建物の延べ床面積から外壁の面積を計算する方法があります。
塗装工事業者が塗装面積を出す時は、図面から計算したり、実際にメジャーなどを使って実測したりします。
しかし、一般の方が塗装業者から提出された見積書の面積が妥当かどうかをチェックする程度であれば、係数を使って簡単な方法で面積計算することができます。
外壁塗装を例にあげて考えてみましょう。
外壁塗装の面積を延べ床面積から計算する方法は、比較的良く知られています。
延べ床面積に係数を掛けて外壁面積を求める方法です。
この係数は、前の章でご説明した塗装係数ほど厳密なものではありませんが、過去の様々な施工実例から割り出されたものなので、目安として参考にするには十分です。
延べ床面積が30坪(約100㎡)であれば、外壁面積=100×1.1~1.3で、110㎡から130㎡の間になるという計算です。
なお、延べ床面積が大きくなるほど、係数を小さくした方が実測値に近くなる傾向があります。
外壁の面積は、(建物の全周の長さ×建物の高さ)から窓、玄関ドアなどの開口部面積を引いたものです。
同じ16㎡の床面積で高さが同じ建物でも、4m×4mの建物の全周の長さは16mなのに対して、8m×2mの建物の全周の長さは20mもあるので、2つの建物の外壁の面積は同じにはなりません。
また凹凸が多い平面の建物は、建物の全周の長さが長くなるので、同じ床面積でも外壁の面積は大きくなります。
逆に一階と二階の面積が同じ総2階で正方形に近い建物ほど、外壁の面積は小さくなります。
さらに窓や玄関ドアの数や形も建物によって異なるので、係数には幅ができますが多くが1.1~1.3の範囲内には収まる様になっています。
慣れてくれば、建物の平面形状や開口部の量で、ある程度係数がわかる様になります。
このような係数を上手に利用できれば、もらった見積書が適正かどうかをチェックするのに非常に便利です。
なぜ塗装係数が重要なのか?
あなたが塗装業者から受け取った見積書に記載された折板屋根の数量が、屋根面積になっていたらどうでしょうか。
実際の塗装面積よりも4割も少ないことになるので、得した気分になるかもしれません。
しかし喜んでばかりもいられません。
塗装業者が屋根面積をもとに塗料を注文すれば、作業の途中で塗料が足りなくなってしまいます。
最悪の場合、不足分の塗料代を埋め合わせようとしてどこかで手抜きされてしまうかもしれません。
塗装係数は、塗料の数量を正確に注文する上でも重要な役割を持っているのです。
また、塗装業者がその都度素材を細かく実測して塗装面積を計算していたら、計算に手間がかかるばかりか、間違いも起こりやすくなります。
業者によって数量のバラツキが多くなってしまうでしょう。
塗装係数は、あらかじめ材料ごとに伸び率を計算して公表されているものなので、非常に信ぴょう性が高く、これを使って計算すれば間違いが起こりません。
同じ物件なのに業者によって見積書の数量が大きく違うというのは、数量の拾い方にミスがあるケースと、数量拾いが大雑把なケースがほとんどです。複数の業者から相見積もりをとって比較をするのがもっとも望ましい方法ですが、ご自身でも見積もり作成のルールを知っておくと、より適正な価格で工事を発注できる様になります。
そういう意味で塗装係数について知っておくことは、業者の言いなりにならずにすんで、何かと役に立つはずです。
外壁塗装の見積もり書で確認しておきたいポイントについて詳しくはこちら↓
まとめ
今回は、塗装工事前に知っていると何かと都合がいい塗装係数についてご紹介いたしましたが、いかがでしたか。
塗装工事では塗装係数が非常に良く使われています。
これを知っていると、業者が作成した見積書のチェックが比較的簡単にできるので非常に便利です。