【遮熱塗料】外壁塗装で検討する価値はあるか?~効果・実績・費用~

【投稿日】

【更新日】



ガイナ、サーモアイ、クールタイト、アドグリーンコート。

夏に向けたリフォームで、年々、こうした「遮熱塗料」の名前を耳にする機会が増えてきました。

ただ、メーカーのホームページを見ても、Webメディアを眺めてみても、「実際に遮熱塗料を使って屋根・外壁塗装をすべきなのか」が全く分かりません。

そこで、本記事では、塗料メーカーや老舗塗装業者へのヒアリング情報をもとに、「屋根や外壁塗装では遮熱塗料を検討すべき」だということと、その理由を、遮熱塗料の機能、効果、実績、弱点といった観点から、解説いたします。


本記事のPoint 塗装工事を検討する際は、3つの理由から、遮熱塗料を検討することをお勧めします。
①遮熱塗料を屋根や外壁に塗ると、太陽光を反射し、表面温度や室温が上がるのを抑えることができます。
②その結果、電気代を節約できたり、建物が傷むのを遅らせたりできます。
③汎用塗料(=一般的な塗料)と比べて2%ほど費用がかさむものの、遮熱効果のメリットで、十分に回収することができます


1. 遮熱塗料はどんな性能をもっているか?


1.1. 遮熱塗料とは?ー汎用塗料との違いー


遮熱塗料とは、汎用塗料(=特殊機能をもたない一般的な塗料)と比べて、太陽光を反射する力が強い塗料のことです。

正式名称を「高日射反射率塗料(*1)と言い、2011年に、(一社)日本塗料工業会によってJIS K5675という工業規格が定められています。

通常、日射反射率の低い汎用塗料では、塗膜(=塗料の表面)が太陽光を十分にはね返すことができず、光エネルギーの大部分が塗膜を通り越して屋根材にまで届いてしまいます。

これに対して、遮熱塗料は、樹脂にセラミックを配合したり、特殊な顔料を混ぜ合わせることで、太陽光のうち「近赤外線領域(※2)」と呼ばれる光線の大部分を反射する力をもっているため、屋根材に届く光エネルギーを大幅に減らすことができます。

このように、遮熱塗料は、日射反射率が一般的な塗料に比べてとても高い、つまり、お日様をはね返す力が強い塗料なのです。
(”日射” を ”反射” する ”” が汎用的な塗料と比べて ””い 特殊な ”塗料”、略して、「高日射反射率塗料」です)



※1:「高日射反射率塗料とは、太陽光に含まれる近赤外領域の光を高いレベルで反射することにより、塗膜ならびに被塗物の温度上昇を抑えることができる機能性塗料の一つです。一般的には遮熱塗料と呼ばれることもあります。」
(出典:(一社)日本塗料工業会ホームページ[2019 年 7 月 06 日閲覧]

※2:太陽光の日射スペクトルは、その波長により紫外線領域、可視光線領域、赤外線領域の3つの領域に分類できる。紫外線領域は、科学でき名作用を及ぼす波長領域であり、物質を劣化させたり日焼けなどの原因となり、太陽光エネルギーの3%を占める。可視光線は、色として認識できる波長領域で、太陽光エネルギーのうち約47%を占めている。太陽光に含まれる赤外線は、赤外線の中でも近赤外線と呼ばれる波長領域で、太陽光エネルギーのうち50%を占める。この近赤外線領域の光エネルギーが吸収されると、分子運動が活発になり、熱エネルギーへと変換される。(出典:同上)




1.2. 遮熱機能がもたらす3つの効果








遮熱効果①:建物を暑さから守る



▼遮熱効果のメカニズム

遮熱塗料のもたらす効果の一つは、「建物を暑さから守る」ことです。

遮熱塗料を屋根や外壁に塗ることで、塗布面の表面温度上昇が抑制された結果、室内の温度上昇が抑えられます。




夏場、建物は「①お日様が強い→②屋根や外壁が熱くなる→③熱が伝わる→ムワッ」という流れで暑くなります。

遮熱塗料は、このうち、①→②を何とかしようとして開発されました。

日差しそのものを反射してしまうことで、熱の発生自体を防ごうというのが遮熱塗料の狙いなのです。



▼遮熱効果の効用

塗料メーカー各社や環境省が行っている、遮熱塗料による施工面の表面温度、室温の上昇抑制効果に関する実験データによると、

● 遮熱塗料を塗布した場合、非塗布の場合と比較して、屋根の表面温度は平均8℃~10℃下がる
● 室温は平均2~3℃下がる

という結果が得られています。

ただし、確かに温度の上昇は抑制されるものの、遮熱効果による体感温度の変化は、「誰でも違いがはっきりとわかる」レベルの落差ではありません。

そのため、実際に検討する際には、「確かに言われてみると涼しくなっているかも知れない」という程度の変化だと考えるのが良いでしょう。

なお、参考までに、代表的な遮熱塗料の温度上昇抑制効果実験のデータを、下に載せておきます。

塗料名 メーカー 実験者 条件 結果
サーモアイSi 日本ペイント 環境省 工場内 屋根表面温度:-7.8℃
体感削減室温温度:-2℃
ミラクール ミラクール 環境省 工場内 屋根表面温度:-8.6℃
体感削減室温温度:-1.8℃
クールタイト エスケー化研 メーカー 工場内 屋根表面温度:-12℃
体感削減室温温度:-3℃
アドグリーンコート 日本中央研究所 メーカー 工場内 屋根表面温度:-27.5℃
ガルバリウム鋼板への
アドグリーンコートの塗装
体感削減室温温度:-4℃


遮熱効果②:節電&エコ



▼遮熱効果のメカニズム

遮熱塗料のもたらす効果の二つ目は、「節電&エコ」に繋がることです。

暑い夏場に冷房はつきものですが、遮熱塗料は、一つ目の遮熱効果である室温の上昇抑制効果によって、冷房を節約する効果を発揮します。

  • 太陽光をはね返す

  • 室温の上昇2~3℃抑制

  • 冷房の設定温度2~3℃抑制

  • 10%~20%程度の節電

  • 電力生産に伴うCO2排出量の削減
  • 実は、夏の日中(14時頃)に一般家庭で消費する電力のうち、テレビや冷蔵庫よりも多く、大きな割合(58%)を占めるのがエアコンだと言われています(※3)

    そして、この電力消費に伴い、電気代がかかるだけでなく、石炭等の火力発電によって消費相当量のCO2が排出されています。

    つまり、遮熱塗料が室温の上昇を抑えることで、冷房を使いすぎなくなり、間接的にCO2も減る、というのが2つ目の遮熱効果なのです。


    ※3:エアコンと温度の関係(ダイキン公式ホームページ)より名




    ▼遮熱効果の効用

    上述のように、遮熱塗料には、10%~20%程度の節電効果があると考えられます。

    その根拠として、次の2つのエビデンスが挙げられます。

    ● 冷房の設定温度を1℃上げると約10%の節電(エアコンメーカーのダイキン)
    ● 暖房の設定温度を2℃下げると約7%の節電(経済産業省)

    これは、電気代に換算すると、おおよそ1,000~2,000円/月、3,000~6,000円/年くらいの効果だと見積もることができるでしょう(※4)
    (基本的な電気代がご家庭によって実に様々なので、あくまで延べ床面積30坪程度の一般住宅を想定しています)

    ただし、温度上昇抑制効果と同じく、節電&エコ効果についても、「期待できそうだが、期待しすぎは良くない」程度に考えておくのが良さそうです。


    ※4:通常の遮熱塗料には断熱効果がないため、遮熱効果による電気代の節約は夏季を中心としたものになる。従って、年間での電気代節約効果はそこまで大きくならない。




    遮熱効果③:建材の熱損傷を防ぐ



    ▼遮熱効果のメカニズム

    遮熱塗料のもたらす効果の3つ目は、「建材の熱損傷を防ぐ」ことです。

    屋根や外壁などの建材は、熱の作用を受けることで劣化が進み、耐用年数が短くなることがあると言われています。
    (科学的な正式名称ではありませんが、ここでは便宜上、「熱損傷」と呼ぶことにします)

    遮熱塗料は、表面温度の上昇を抑制するという1つ目の遮熱効果によって、熱の作用を軽減することで、この熱損傷による建材へのダメージを減らすことができるのです。

  • 太陽光をはね返す

  • 建材の表面温度の上昇8~10℃抑制

  • 熱による劣化作用の軽減

  • 耐用年数の伸長
  • ここで、注意していただきたいのですが、屋根材や外壁材は、湿度や風雨や高度など、他の様々な条件と合わさって、長期的に、徐々に劣化していくものです。

    そのため、熱損傷の防止効果はあるものの、「遮熱塗料を塗ったら確実に劣化がマシになる」とは言い切れません。

    あくまで、大切な建物を守っていくための手段の一つとして、検討するようにしましょう。



    ▼遮熱効果の効用


    残念ながら、弊社で調べた限りでは、第三の遮熱効果である「熱損傷の防止」に関する説得的なデータは見当たりませんでした

    ただし、熱損傷自体は経験的に広く認められている現象ですし、メカニズム上、一定の遮熱効果は発揮されているものと考えられます。

    実際に、創業100年の外装リフォームの専門家に話を伺ったところ、現場経験からして、遮熱効果のうち最も実質的な効果が認められるのは熱損傷の防止だというご意見もいただきました。

    こうしたことを踏まえると、熱損傷の防止効果は、「具体的にこのくらい良くなる」とは断言しにくいものの、現実的なメリットとしては重要であり、ある程度は期待しても良さそうです。



    1.3. 遮熱効果って、結局、どこまで期待していいの?

    結論から申し上げますと、遮熱塗料を実際に使った人の声からは、概ね「実感≧期待」ということができ、実験で得られたデータには信用性があると言えます。

    まず、一般社団法人 環境情報科学センターが2016年に行ったアンケート調査により、次のことがわかりました。




    まず、パッと結果を見る限りでは、「期待通りか否かはどちらとも言えなさそう」と思えます。

    しかし、よくよく内容をちゃんと見てみると、実は、「期待以上と考えても問題がなさそう」ということがわかります。

    というのも、遮熱塗料を期待通りであると答えた人の多くが、導入後の効果計測をした上で回答していたのに対して、期待ほどではないと答えた人の多くは、効果計測を行っていなかったからです。

    さらに、同アンケートでは、今後の遮熱塗料の導入意向についても聞いていますが、「既に遮熱塗料を導入している自治体は、9割以上が今後も導入したいとの意向で」あり、「その理由として効果が期待できるとした回答が多かった」とのことです。



    2. 遮熱塗料の実績はどのくらい?


    2.1. 出荷量を増やしてきた遮熱塗料


    遮熱塗料は、1993年に初めてリフォーム工事に使用されて以来、徐々にその販売実績を伸ばしてきました

    『平成28年度製造基盤技術実態等調査(都市部における暑熱対策・技術と化学産業の貢献可能性に関する調査)報告書 』では、建築用塗料に対する遮熱塗料の出荷量比率、つまり、「汎用塗料に対して、遮熱塗料がどの程度使われているか?」に関する調査結果が報告されています。

    同報告によると、主要メーカー24社について、2005年の時点では0.6%だった遮熱塗料の出荷量比率が、2015年には3.5%と大きく成長しています


    『平成28年度製造基盤技術実態等調査(都市部における暑熱対策・技術と化学産業の貢献可能性に関する調査)報告書 』をもとにヌリカエ編集部作成

    また、上表を見ればわかる通り、この期間は、遮熱塗料だけでなく、建築塗料全体の出荷量も大きく伸びています。

    そのため、比率にするとおよそ6倍の成長率ですが、遮熱塗料単体の出荷量ベースではさらに大きく、9倍弱の増加を見せているのです。

    特に、遮熱塗料と相性の良い金属屋根が主流の工場・倉庫や、ヒートアイランド現象対策に力を注いでいる都市部の公共施設では、遮熱塗料を採用する動きが広がってきています

    例えば、(一社)環境情報科学センターが平成28年度に行ったアンケートによると、東京23区の公共施設部署のうち、約半数が「遮熱塗料の導入経験がある」と回答しています。



    2.2. なぜ、遮熱塗料の出荷量は伸びたのか?

    遮熱塗料が広く使われ始めた背景には、「価格の低下」が関係していると言われています。

    10年以上にわたり遮熱塗料を使用しているリフォームの専門業者は、遮熱塗料の価格について次のように話します。

    ● 遮熱塗料は、メーカー発表の設計単価だけみると価格が上がっているように見えるかもしれない
    ● しかし、現場の感覚ではこの20年余りの間に価格は大幅に低下している
    ● 昔は、大手塗料メーカーA社の遮熱塗料は38,000円/缶くらいだった
    ● 今は、各社価格が下がり、ある塗料メーカーB社の遮熱塗料は19,000円/缶になっている
    ● 例えば、クールタイトも、実際の見積もりでは、シーラーを入れて2,000円/㎡程度に抑えられる
    ● これは、出荷量の増加に伴うロット(※5)の増大と、製品ラインナップの拡大が要因だと考えられる

    つまり、「パッと見の価格は上がっているかのようだが、現場の見積り単価としては低下している」ということです。

    もちろん、「価格の低下→出荷量の増加」なのか「出荷量の増加→価格の低下」なのかは、いわゆる”鶏と卵”の関係であり、厳密にどちらが原因ということはできません。

    ですが、少なくとも、遮熱塗料の末端価格が昔よりも下がってきており、それによって遮熱塗料を採用しやすくなったのは確かなようです。

    ちなみに、「設計単価だけみると価格が上がっているように見える」というのは、設計単価と見積り単価のギャップのことです。

    設計価格とは、3回塗りの塗装を行う際の「塗料の材料代」に「職人の人件費」を加えた1㎡あたりの単価のことをいい、塗料メーカーが公表しているもの、言ってしまえば「メーカー希望小売価格」のことです。

    これは、簡単にいえば「これくらいの予算をみておけば間違いはないですよ」という金額なので、実は、塗装業者に見積り依頼をすると、メーカー設計単価よりも数割程度安い金額が見積り単価になることが多くなります


    ※5:同じ条件のもとに製造する製品の、生産・出荷の最小単位。




    3. 遮熱塗料に弱点はない?


    3.1. 遮熱塗料のデメリット=コストの高さ


    遮熱塗料は、汎用塗料と比べて、遮熱という特殊機能をもっている分、費用金額が高くなる傾向にあります。

    例えば、延べ床面積30坪程度の一般的な戸建てを塗装する場合、通常、3缶ほどの塗料が必要になります。

    したがって、遮熱塗料で塗る場合は、同じ家を汎用塗料で塗る場合に比べて、「(遮熱塗料の見積り単価ー汎用塗料の見積り単価)× 3(缶)」の差額が費用に上乗せされることになるのです。

    実際、遮熱塗料が世に出始めた当初は、汎用塗料との価格差が10万円ほどになってしまい、これが原因で、最初の数年間、遮熱塗料の売れ行きはあまり芳しくありませんでした。

    しかし、遮熱塗料と汎用塗料の価格差は徐々に縮まってきており、現在では、もはや価格差はほとんどないと言っても差し支えない状況です。

    ちなみに、最近では、ひと缶当たりの単価の差は数千円単位になっており、遮熱塗料の汎用塗料との差額は、総額100万円の施工費用に対して、およそ2万円程度です。



    3.2. 遮熱塗料のその他の弱点

    遮熱塗料には、コストの高さ以外にも大きく3つの弱点があります。

    ただし、いずれも、近年の技術進歩などによって、弱点を克服した塗料が開発・発売され始めています。

    そのため、参考にしつつも、下記の弱点をそこまで強く気にする必要はないでしょう。

    塗膜そのものの耐久性が高いわけではない

    塗膜(=塗料を塗った表面)の耐久性では、遮熱塗料と汎用塗料に大きな違いはありません。

    よく勘違いされる点ですが、遮熱塗料はあくまで日射反射率の高い塗料であって、無機塗料などのように塗膜自体の耐久性能が高い塗料ではありません。

    「価格が高い塗料=長持ちする塗料」と一括りにして勘違いされる方や、その勘違いを利用して高値で売りつけようとする悪徳な業者も中にはいるため、よく注意してください。

    劣化すると遮熱性能が落ちる

    塗装工事で、特殊な機能・性能をもった塗料を検討する際は、「その機能がいつまで続くか」「時間の経過とともに性能がどれくらい落ちていくか」といったことを考慮に入れる必要があります。

    当然、遮熱塗料も例外ではなく、経年劣化に伴って、遮熱性能も徐々に落ちていきます。

    一見、当たり前の話に聞こえるかもしれませんが、なぜか塗料に関しては無関係だと考えてしまう人が少なくないため、気を付けてください。

    断熱効果はない

    遮熱効果の説明でも少し触れた通り、基本的には、遮熱塗料に断熱効果はありません

    断熱効果を発揮できないことの最大のデメリットは、断熱材や断熱塗料の強みである「冬場に建物を寒さから守る力」がないことです。

    遮熱塗料はあくまで太陽光を反射し、表面温度の上昇を防ぐことが基本原理なので、外の熱を中に伝えないことはできても、中の熱を外に逃がさないことはできないからです。



    4. 遮熱塗料は結局オススメ?


    4.1. 遮熱塗料は誰にでもお勧めできる?

    ヌリカエ編集部としては、「屋根や外壁塗装にあたっては、反対する強い理由がない限り、遮熱塗料を積極的に検討すべき」と考えています。

    理由は、次の3点です。

    ・遮熱性能は十分に検証されている
    ・最大の弱点である2万円の上乗せコストは、この遮熱性能によって回収できる
    ・その証拠に、期待以上の働きを評価し、継続利用の意向を示す人が多い

    つまるところ、「導入して悪い塗料ではないから、検討するだけしてみても損は全くないですよ」と言うのが、私たちの意見です。



    4.2. 遮熱塗料を特にオススメする人、しない人


    遮熱塗料を特にオススメする人

    まず、遮熱塗料を特にお勧めするのは、次のような特徴をもつ人です。

    ・金属屋根など熱伝導率の高い屋根の人(平屋根の人は特に該当)
    ・3階建てなど太陽が当たりやすい家の人
    ・年間日射量が多い地域に住んでいる人
    ・年間を通した気温の変化が大きい地域に住んでいる人

    既にお気づきかと思いますが、遮熱塗料をお勧めしたいのは、「遮熱効果を最大化できるような住環境にいる人」です。

    例えば、平屋根の建物は、構造上、熱伝導率が他の素材よりも高い金属製の屋根が採用されるケースが多く、「建物を暑さから守る」という遮熱効果が発揮されやすいため、特にお勧めすることができます。

    事実、工場で遮熱塗料の使用が多いのは、工場が平屋根で金属屋根だからです。

    遮熱塗料がオススメできない人

    他方、遮熱塗料をお勧めできないのは、次のような特徴をもつ人です。

    ・年間日射量が非常に少ない地域に住んでいる人
    ・初期費用をとにかく安く済ませたい人

    いずれも、「遮熱効果による恩恵をコスト以上に感じられない人」であり、デメリットの方が勝ってしまうため、お勧めできません。

    例えば、日本海側の地域では、太平洋側と比べて年間日射量が少ないところが多く、こうした地域では、遮熱塗料の相対的な価値は下がってしまうでしょう。



    5. 遮熱塗料はどうやって選ぶ?


    5.1. 自分で選ぶなら?ー代表的な遮熱塗料ー

    ここでは、自分で塗料を選びたい、という方の為に、ヌリカエ編集部の独断と偏見で、代表的な遮熱塗料をご紹介致します。

    まずは、下記の一覧表をご覧ください。


    メーカー名 製品名 設計単価(円/㎡)
    日本ペイント サーモアイシリーズ 4,000円(※サーモアイSiの場合)
    エスケー化研 クールタイトシリーズ 3,500円~4,000円(※クールタイトシリコンの場合)
    関西ペイント アレスクールシリーズ 3,600円(※アレスクール2液Siの場合)
    KCK販売株式会社 アドグリーンコート 3,500円
    アステックペイントジャパン株式会社 リファインシリーズ 非公開
    日進産業 ガイナ 3,800円~4,000円
    株式会社ミラクール ミラクールシリーズ 3,500円~5,000円
    日本特殊塗料株式会社 スーパーパラサーモシリコンシリーズ 3,000円~5,000円

    上表には、大手メーカー、シェアの高さ、業者へのヒアリングから、日本で使用されている主な遮熱塗料を挙げました。

    もちろん、これで全てを網羅しているわけではなく、例えば、大同塗料の屋根クールネオ、大日本塗料のエコクールシリーズ、田島ルーフィングのVTコートC・・・、などなど、一口に遮熱塗料とはいっても、様々な種類があります。

    ただ、正直なところ、具体的な製品を自分で選ぶのはあまりオススメできません。

    理由は、

    ・遮熱塗料だけでも、あまりに種類が多すぎる(同一メーカーにも種類がたくさんある)
    ・設計単価では、価格帯がそこまで大きく変わらない
    ・メーカーごとのホームページを見てみても、大体、同じようなメリットを訴求している

    など、「ぶっちゃけ、よくわからない」と仰る方が多いからです。

    それもそのはず、実際、屋根・外壁塗装のプロである専門塗装業者に聞いてみても、各社塗料メーカーに聞いてみても、当然すべての塗料を使ったことがある人はおらず、何の手掛かりもなく製品名を比較していくのは非常に困難なことがわかります。

    そのため、ご自身で具体的な製品を調べるのはあくまで参考程度に留めておいた方が、効率的な検討ができるでしょう。



    5.2. 他人に頼るなら?ーJIS規格と業者ー


    JIS規格を参考にする



    改めて、遮熱塗料の選定で難しいところの一つは、異なるメーカーの遮熱性能を横並びにして比較しづらいことです。

    そこで、2018年の10月に(一社)日本塗料工業会によって、高日射反射塗料(=遮熱塗料)の製品性能に関するJIS規格が定められました。

    この JIS K 5602 では、遮熱塗料の日射反射率(=お日様をはね返す力)を、明度(=色の濃さ)によってレベル分けし、星1つ~星3つで認定を行っています。

    出典:一般社団法人 日本塗料工業会 『遮熱塗料(屋根用)自主管理要綱』

    何やら、ややこしそうな専門用語が並んでいますが、何も気にしなくて大丈夫です。

    大事なことは、①この星マーク(下図)を付与された登録製品は一定の信頼がおける、ということと、②星の数でレベルを比較できる、ということの2点です。



    出典:一般社団法人 日本塗料工業会 『遮熱塗料(屋根用)自主管理要綱』


    2019年7月現在では、JIS K 5602に登録されているメーカー・登録件数は下記の通りです。

    出典:一般社団法人 日本塗料工業会 公式ホームページ

    ただ、既にお気づきかもしれませんが、このJIS規格は、昨年(2018年)に制定されたばかりで、業界にはまだまだ普及しておらず、登録件数もそこまで多くはありません。

    また、登録にかかる手間やコストの大きさから、JIS規格自体を疑問視する声も少なからずあります

    そのため、こちらもあくまで参考材料としつつ、より強い興味があれば、日本塗料工業会などの第三者機関に相談してみるのが良いでしょう。


    業者の見積り提案を参考にする

    塗料選びのコツとして、次のようにうまく塗装業者の提案を参考にするのも一つの方法です。

    ・①自分が気になる遮熱塗料、②業者の得意な遮熱塗料、③汎用塗料、の3パターンの見積もりを依頼する。
    ・塗装業者の現場経験から見た①~③それぞれのメリット・デメリットを聞く。
    ・同じことを+2~3社で行ってみる(=相見積もり)。

    専門塗装業者はプロですが、あくまでそれぞれの会社ごとに経験や考え方は違いますし、中には優良とは言えない業者に出会ってしまう可能性もあります。

    ですから、大事なことは、業者を怖がることなく、かと言って情報を鵜呑みにすることもなく、しっかりと相見積もりをとったうえで検討をしていくことです。

    弊社ヌリカエでも、地域で評判の良い業者から一括で見積りを取得できる業者紹介サービスを行っております。

    こうしたサービスや、第三者機関の相談等もうまく活用しつつ、客観的な目で判断していくことが、塗料を選ぶうえで、引いては失敗のない屋根・外壁塗装工事を行っていくうえで、一番大事なことでしょう。



    6. 最後に:後悔のない屋根塗装を目指して

    屋根塗装を成功させるために、塗料選びは本当に重要な作業です。

    単なるコストの話だけでなく、5年後、10年後の住環境を左右する力を塗料はもっています。

    そして、本記事で紹介した遮熱塗料を始め、見過ごされがちだけれど重要な塗料は、他にもたくさんあります。

    ぜひ、他の記事も読んでみる、実際に見積もりをとってみるなど、この機会に積極的な情報収集をしてみてはいかがでしょうか?




    関連記事


    関連サービス

    ヌリカエとは

    ヌリカエは塗装業者を探す人と塗装業者をつなげるマッチングサービスです。 塗装業界のスペシャリストである『専門アドバイザー』がお客様の要望をしっかりとヒアリングし、最適な業者をご紹介致します。 検討段階で、塗装の知識が無くどこに頼んでいいか悩んでいる方、おおよそかかる費用について相談したい方、どんな方でも気軽にお問い合わせ可能です。

    外壁・屋根塗装 の相場を知りたい方はこちら

    お見積もりはこちら

    建物種別 必須
    希望工事箇所 必須
    携帯電話番号 必須

    ショートメッセージサービス(SMS)にて見積りと相場情報をお送りしております。SMSを受信できる携帯電話番号にてご登録いただくことをお勧めいたします。

    電話番号を正しく入力してください
    TOPへカエル