コンクリート壁の塗装はいつが良い?適切な塗料と補修方法を解説 | ヌリカエ
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1. はじめに
鉄筋コンクリート造の住宅では、コンクリートの地肌そのものを仕上げとして活かした「コンクリート打ち放し外壁」が採用されている住宅が数多く存在します。
鉄筋コンクリート造住宅を購入し数年経った方の中には、外壁の水染みや汚れ、カビなどが気になっている方が多いのではないでしょうか。いくら頑丈なコンクリート外壁でも、劣化部をそのまま放置しておくと、雨水などが建物内部に侵入しやすくなるため、定期的なメンテナンスは非常に重要です。
この記事では、コンクリート壁のメンテナンスの時期や方法について理解することで、
「いつ・どんな方法でコンクリートを補修すべきか?どんな塗料を選べば良いのか?」を解説します。
- コンクリート外壁塗装が必要になるタイミングを知りたい!
- コンクリート壁の補修方法を知りたい!
- どんな塗料を選べばよいのか知りたい!
お忙しい方もいらっしゃると思いますので、まず、結論から先に言うと・・・
- コンクリート壁の点検・塗装は約10年ごとがベスト!
- コンクリート壁に使う塗料は「機能」と「種類」に注意!
- コンクリート外壁塗装のDIYは禁物!
- 優良業者を探すなら一括見積サイトヌリカエを利用しよう!
もくじ
2. コンクリート壁の劣化症状と塗装時期
2.1. 点検・メンテナンス・塗装は、約10年ごとがベスト

コンクリート壁に見られる劣化症状には次のようなものがあります。
- クラック(ひび割れ)が生じている
- 著しい欠損や鉄筋が露出している部分がある
- 水染みの跡がある
- カビやコケ、藻が生えている場所がある
- 塗膜に膨れや部分的な剥がれがある
- 内部の鉄筋がさびる「爆裂現象」が生じている
これらは、塗料の耐久性や施工上の問題にだけではなく、漏水や凍害、紫外線、地震などの影響を受けても発生します。この現象を放置してしまうと、やがて大がかりな改修工事が必要になるため、定期的な点検と早めのメンテナンスが欠かせません。長くとも10年おきには、点検するようにしましょう。
なお、コンクリートが爆裂を起こしている場合には、「繊維強化塗料」などを塗装に用いることで、コンクリートの剥離・落下を防止することが可能になりました。 部分的に補修する事も可能なので、できるだけ早急に対処するようにしましょう。
3. コンクリート壁につかう塗料の機能と種類
現在、塗装仕上げの「打ち放しのコンクリート壁」の場合、定期的な塗り替えが必要です。 塗り替えに用いる塗料は、種類ごとにその機能性が異なるので、それを理解しておきましょう。
3.1. コンクリート用塗料の3つの「機能」
コンクリート用塗料は、以下の3つの機能が重要です。3.2. コンクリート用塗料の3つの「種類」
コンクリート外壁用の塗料は、主に次の3種類があります。撥水材
外壁を劣化させる最大の要因の一つである雨水の侵入を抑えるために有効な塗料です。
撥水材により、外壁についた水滴を弾き、水染み跡ができにくくなります。
比較的安価ですが、透明なのでコンクリート表面の汚れや補修跡などを隠ぺいできません。
また、塗膜の耐用年数は7~8年程度で長くないことも特徴の一つです。
コンクリート打ち放しの見た目をそのままにしたい方、大きな劣化事象がなく、雨漏り予防対策をしたい方などに最適です。
- シランコートL(菊水化学工業株式会社)
- アクアシール200S(日本ペイントホールディングス株式会社)
クリヤー塗料
クリヤーはコンクリートに近い色合いで若干色がついたもので塗装を行うことが多く、撥水材のみで仕上げる場合よりも高額になりますが保護機能は高くなります。
耐久年数は、使用するクリヤー塗料のグレード(シリコン系、フッ素系)によって変わります。
ひび割れなどの劣化症状が見られ、かつコンクリートの風合いを残したい方に最適です。
- アクアベール1000(菊水化学工業株式会社)
- SKカラークリヤー(エスケー化研株式会社)
弾性塗料
弾性塗料は伸びる塗料なので、ひび割れに塗膜が追従することでひび割れの表面化を防ぐことができます(モルタル外壁で使用する塗料と基本的には同じものです)。
雨水の侵入を防ぎ防水機能に優れていますが、色付きの塗料で塗りつぶすため、コンクリート特有の風合いがなくなってしまうのがデメリットです。
ひび割れなどの劣化が激しく、浸水防止を第一に考える方に最適です。
- EC-5000PCM(株式会社アステックペイントジャパン)
- DANシリコンセラ(日本ペイントホールディングス株式会社)
4. 打ち放しコンクリート風の塗装

ここでは、打ち放しコンクリート風塗装の「特徴」「方法」「注意点」を解説します。
4.1. 特徴
打ち放しコンクリート風塗装は、おしゃれな外観を演出するとともに、耐火性・防音性・頑丈というメリットも兼ね備えています。また、吸水性・乾燥性にも優れています。ただし、時間がたつと外壁の汚れが目立つという欠点もあります。
コンクリートの風合いを残しつつも、ひび割れ対策を完全に行いたい方向きの塗装です。
4.2. 方法
高圧洗浄、撥水材の塗布後に、コンクリート表面の不具合や経年劣化による不良箇所を全面的に補修した後に、保護のためのクリヤーを塗装します。特殊な道具を用いてコンクリート風の模様を全面的に描くため、下地の状態に左右されずコンクリートの風合いを再現することができます。コストはかかりますが、ひび割れ箇所や雨垂れ跡なども完全に隠すことができるため、新築時同様の外観になります。
4.3. 注意点
打ち放しコンクリート風の外壁は、定期点検と早めの補修が不可欠です。コンクリート面に塗装している場合には、塗膜が経年劣化するので、塗料の耐用年数に応じて定期的なメンテナンスや塗り替えが必要になってきます。また、汚れが気になるだけの場合には、汚れの種類に応じてデッキブラシ、重曹、市販の苔落とし用洗剤、塩素系漂白剤などを使用して洗い流すことも可能です。ただし、酸性の洗剤は絶対に使用しないように注意してください。
5. コンクリート壁をDIYで塗装できるのか?

コンクリート外壁のDIYは、自分でやったほうが安く済みそうですね。

はい。確かに安く済みますが、実は多くのデメリットが伴います。
5.1. 【結論!】コンクリート壁のDIYはお勧め致しません!
コンクリートの外壁塗装をDIYすることはメリットよりもデメリットのほうが多いため、基本的には優良業者に任せるのが良い、とご理解ください。コンクリートの特性を理解していないと、仕上がり面、安全面、費用面などで結果的に逆効果になりかねません。
5.2. DIYのリスクとは?
- 経験豊富なプロが行なう訳ではないため、仕上りが汚くなることがある。
- 安全対策として足場を組み立てる必要があり、結果的に費用がかさむ。
- 塗料や塗装方法に関する専門知識が無く、不具合が起こる可能性がある。
5.3. 補足:コンクリート外壁塗装DIYの工程
コンクリート外壁塗装の工程は、基本的に他素材の場合と同じ工程です。足場の設置 |
足場を設置し、安全対策を行います。 |
外壁の洗浄 |
壁についた汚れを水できれいに洗い流します。 高圧洗浄機をお持ちでない場合、デッキブラシなどで代用可能です。 |
養生・飛散防止シートの設置 |
塗装しない部分に養生テープや養生シートを施し、誤塗対策を行います。 また、近隣住民に迷惑をかけないためにも、事前に飛散防止シートで住宅を覆いましょう。 |
下地処理 |
乾燥後、パテなどを使い、クラックを補修し、水平にします。 |
含侵シーラー |
含浸シーラーで下地を固めることで、塗料と壁の密着性が高まります。 |
外壁の塗装 |
含浸シーラーが乾燥したら、塗料を塗っていきましょう。 |
6. まとめ
ここまでの話の要点をまとめると次のようになります。
- 塗料の機能と性能によって、メンテナンス時期が変わる。
- 打ち放し風コンクリート塗装は、定期点検と早めの補修が不可欠。
- コンクリート外壁塗装のDIYは禁物!
- 優良業者を探すなら一括見積サイトヌリカエを利用しよう!
コンクリート外壁のメンテナンスには、単に塗装して化粧直しを行うだけでなく、コンクリートの状態やひび割れ・爆裂等の範囲や箇所に応じた適切な補修を行うことが要求されます。
コンクリートの補修に関する実績が豊富な業者に依頼することが大切です。
7. コンクリート補修に詳しい業者はどこで探せばいい?
外壁塗装の正確な金額を知るためには、「現地調査」を受ける必要があります。
そのとき重要なことが、複数社から見積もりを取得して「比較をする」こと!
- 「適正価格かどうか?」
- 「工事内容は適切か?」
- 「要望を聞いて提案してくれているか?」
などが判断でき、失敗しない外壁塗装工事ができます。
そんな方は、30秒でカンタン、無料で比較見積もりが可能なサービスがありますので、ぜひご利用ください。厳しい審査基準を満たした自社施工管理の塗装専門店から一括で複数の見積りを取ることができるサイトです。
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この記事の監修者:株式会社POD 代表取締役 長谷川佳広
塗装経験年数29年
千葉を中心に地域に根ざした創業100年を誇る老舗の塗装店の経営をしながら自らも現場に携わる。戸建、アパート、集合住宅、工場、店舗等の外装一切を請け負い、年間施工件数は200件にのぼる