外壁塗装の耐用年数は?塗料の寿命や外壁の劣化症状、法定耐用年数も解説 

  • 【更新日】2023-08-16
外壁塗装の耐用年数は?塗料の寿命や外壁の劣化症状、法定耐用年数も解説 

外壁塗装の耐用年数は一般的には10年と言われていますが、使用している塗料などで実際の耐用年数は変わります。
「いつまでに外壁塗装をすべきか」と考えている場合、ご自宅に合った適切なタイミングを知りましょう。
この記事では、耐用年数の観点から以下の点を中心に解説します。

  • 外壁塗装を塗り直すべき劣化症状
  • 塗料の耐用年数
外壁塗装はメンテナンス時期を見誤ると、建物ごと建て直すことが発生するかもしれません。
修繕費用を抑えるためにも、外壁塗料の耐用年数を把握しておきましょう。

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小林成光(コバヤシマサミツ)さんのプロフィール写真 監修者:外装劣化診断士 小林 成光

600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。 ▼略歴・プロフィール
「監修者|小林 成光(株式会社Speee)」

外壁塗装の耐用年数は10年が一般的

メンテナンスが必要ないという外壁はなく、いつかは必ず外壁塗装が必要になります。

外壁塗装のおおよその耐用年数は10年です。

耐用年数が過ぎた外壁では、外観が損なわれるだけではなく、雨漏りの危険性が非常に高まってしまいます。

雨漏りによって建物内部にまで浸水が及ぶと、外壁材自体にダメージがかかり、高額な修繕費用がかかってしまいます。

このため、耐用年数を迎えたころに外壁をメンテナンスすることが大切なのです。

外壁塗装の耐用年数はあくまで目安

外壁が劣化する原因は自然環境による影響が大きく、紫外線が当たりやすい箇所においてはどうしても劣化症状が出現しやすいです。

これら自然環境による影響をどれくらい受けるかによって耐用年数が変動し、さらに立地条件や気候条件は自宅によって様々であるため、精密に耐用年数を測定することは難しいのが実情です。

そうした理由から、塗料メーカーが行う促進対候性試験という実験環境をもとに算出された数値によって耐用年数は算出をされています。

冒頭でお伝えした10年という周期は、促進対候性試験をもとに算出された一般的な塗料の耐用年数です。

  • 外壁塗装の耐用年数、10年という数字はあくまで目安!自宅の周辺環境によって外壁塗装の耐用年数は変動することに注意をしましょう。

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外壁塗装の塗料の耐用年数

ここからは、塗料の耐用年数を紹介します。

耐用年数 塗料名
5年~7年 アクリル塗料
8年~10年 ウレタン塗料
7年~15年 シリコン塗料
12年~15年 ラジカル塗料
15年~20年 フッ素塗料
20年以上~ 無機塗料
※塗料名をタップすることで詳細へジャンプできます 塗料ごとに素材や成分の配合量が異なるため、塗料の種類によって耐用年数も異なります。

塗料の種類別に特徴や耐用年数をまとめましたので、ご自宅にどの塗料が使われているか確認しながら耐用年数を参考にしてみましょう。

アクリル塗料|5年~7年

耐用年数 5~7年
単価(1㎡あたり) 1200~1800円/㎡

アクリル塗料は、発色が良く重ね塗りが可能で、低価格であることが魅力になります。
しかし、汚れやすく耐久性に劣り、ひび割れ(クラック)が生じやすいです。
耐用年数が短いため、現在はほとんど使用されていません。

▼「アクリル塗料」について詳しく知りたい方はコチラ
アクリル塗料の特徴とは?他塗料と比較したメリットデメリット

ウレタン塗料|8年~10年

耐用年数 8~10年
単価(1㎡あたり) 1800~2200円/㎡

ウレタン塗料は密着性に優れ、価格・耐久性・施工性などのバランスが良い塗料です。
しかし、防汚性・紫外線への耐性は他の塗料に比べると劣ります。
アクリル塗料より長いものの、耐用年数は他の製品と比較すると短めです。

▼「ウレタン塗料」について詳しく知りたい方はコチラ
ウレタン塗装は何にするもの?塗料の特徴と塗装できるものを詳しく解説

シリコン塗料|7年~15年

耐用年数 7~15年
単価(1㎡あたり) 2500~3200円/㎡

シリコン塗料は艶のある仕上がりが特徴。耐久性とコストバランスを重視したい方向けの塗料です。
ただ、アクリル塗料やウレタン塗料に比べると費用が高いことがデメリットとなります。

ラジカル塗料|12年~15年

耐用年数 12~15年
単価(1㎡あたり) 2500~3000円/㎡

ラジカル塗料(正式名称はラジカル制御型塗料)は、防汚性・防藻性・防カビ性に優れ、耐候性が高い点がメリットです。
ただ、販売している塗料メーカーが限られているので、選べる種類が少なくなります。

▼「ラジカル塗料」について詳しく知りたい方はコチラ
ラジカル塗料ってなにがすごいの?メリット・デメリットを徹底解説!

フッ素塗料|15年~20年

耐用年数 15~20年
単価(1㎡あたり) 3500~4500円/㎡

フッ素塗料は防汚性・防寒性・耐熱性を有している高機能な塗料です。
しかし、塗膜がやや硬いためひび割れが起きやすい建物には向いていない場合があります。
耐用年数は比較的長めです。

無機塗料|20年以上~

耐用年数 20年以上~
単価(1㎡あたり) 4500~5500円/㎡

無機塗料はセラミックやケイ素などの無機物(炭素を含まないもの)を主成分としているため、紫外線や雨風などに晒されても劣化が起こりにくい性質を持ちます。
無機物の配合比率が高ければ耐久性が高くなりますが、柔軟性は有機塗料に比べて劣るためひび割れしやすいです。
耐用年数は、塗料の中でもトップクラスの長さを誇ります。

▼「無機塗料」について詳しく知りたい方はコチラ
無機塗料って?メリット・デメリットと価格、代表的な塗料名を解説!

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外壁塗装の耐用年数を過ぎたときの劣化症状

では実際に、何を基準に耐用年数が過ぎているかを判断すれば良いのでしょうか。
外装塗装の劣化症状を、重症度が高い順に6つ紹介。もしこの症状が生じていたら、塗料の耐用年数を過ぎている可能性があります。

①ひび割れや剥がれが発生している

構造クラック
外壁にひびが入っていたり、塗膜が剥がれているようなら、塗装が劣化している証拠。
雨漏りや虫の侵入といった点が懸念され、かなり危険な状態となります。
ひび割れや剥がれを見つけたら自力での修復は困難です。塗装の耐用年数は気にせずに早急に業者へ連絡してメンテナンスをしてください。

▼「外壁のひび割れ」について詳しく知りたい方はコチラ
クラックの補修方法は?クラックの幅別に3つの最適解を解説。DIY手順も!
▼「塗装が剥がれ」について詳しく知りたい方はコチラ
塗装が剥がれる原因は?直し方や保証、剥がれにくくする方法について解説

②鉄部にサビが発生している

外壁に使用された鉄部がさびている場合、塗料の雨水を防ぐ効果が失われています。
長期間にわたって錆(サビ)を放置すると、最悪の場合、ご自宅を一から建て直さざるをえない可能性も出てきます。
ひび割れ・剥がれ同様、自力での修復は難しいため業者に連絡しましょう。

③チョーキング現象(白亜化)が発生している

チョーキング現象(白亜化)が発生している
外壁を触って手に白い粉が付いたら、チョーキング現象が起こっています。
チョーキングは外壁の経年劣化や施工不良によって発生します。
塗料の防水機能が損なわれているため、早めに外壁を塗りなおしてください。

▼「チョーキング」について詳しく知りたい方はコチラ
【事例あり】チョーキング現象とは?原因・対策、放置したらどうなるかを詳しく解説

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外壁塗装を減価償却する際の法定耐用年数

外壁塗装は減価償却することができますが、塗装をした目的によってはできない場合があります。

外壁塗装は「修繕費」か「資本的支出」で計上

外壁塗装の税務上の計上方法は2種類あり、外壁塗装をした目的により分かれています。

外壁塗装の勘定科目
  • 「修繕費」として一括で計上:劣化した箇所を直す場合
  • 「資本的支出」として数年で分割して計上:建物の価値の向上目的で塗装する場合
「資本的支出」に当てはまる建物の価値とは、例えば長寿命化のために外壁全体を塗装した場合などが当てはまります。基本的に劣化した箇所を直す場合は減価償却せず、「修繕費」になります。

国税庁の「資本的支出と修繕費等」から、下記に当てはまるのは「修繕費」、それ以外は「資本的支出」と判断することもできます。

ポイント 内容
金額 60万円未満、もしくは前期末における物件取得価額の約10%以下
実施周期 3年以内を周期に行われることが明らかである

また条件によっては一定額は修繕費として計上、残額は資本的支出として減価償却できる「資本的支出と修繕費の区分の特例」もあります。判断に迷った際は、税理士や国税局の電話相談センターにお問い合わせください。

外壁塗装の減価償却の計算例

例えば木造住宅に耐久性が非常に長くなる高性能の塗料を用い、4月に200万円で外壁塗装を行った場合を想定します。この場合は「資本的支出」となり、減価償却が可能です。法廷の耐用年数は「22年」になります。

外壁塗装を行った年度は、200万円×0.046定額法償却率)=9.2万円が減価償却できます。
翌年以降は既に減価償却した分を差し引くので、2年目は(200万円-9.2万円)×0.046=約8.8万円が減価償却することができます。

※あくまで計算例となりますので、詳細は専門家へご相談ください

国税庁による法定耐用年数

外壁塗装を税務上の処理として減価償却する際、法定耐用年数は外壁塗装をする建物と同じになります。

以下が国税庁の定めた法定耐用年数です。建物の構造と用途の組み合わせで年数が変動します。

構造 用途 法定耐用年数(年)
木造・合成樹脂造 事務所用 24
店舗用・住宅用 22
工場用・倉庫用 15
木骨モルタル造 事務所用 22
店舗用・住宅用 20
工場用・倉庫用 14
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 事務所用のもの住宅用 50
店舗用・病院用の 39
工場用・倉庫用 38
れんが造・石造・ブロック造 事務所用 41
店舗用・住宅用・飲食店用 38
工場用・倉庫用 34
金属造 事務所用
 骨格材の肉厚が、(以下同じ。)
  4㎜を超える 38
  3㎜を超え、4㎜以下 30
  3㎜以下 22
店舗用・住宅用のもの
  4㎜を超える 34
  3㎜を超え、4㎜以下 27
  3㎜以下 19
工場用・倉庫用のもの(一般用)
  4㎜を超える 31
  3㎜を超え、4㎜以下 24
  3㎜以下 17

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まとめ

最後に:定期的なメンテナンスで家とお金を守ろう

外壁塗装の耐用年数は、一般的におよそ10年になります。耐用年数は使用した塗料によって異なり、代表的な塗料では、ウレタン塗料は8~10年、シリコン塗料は7~15年、ラジカル塗料は12~15年、フッ素塗料は15~20年です。

メンテナンスをする際には外壁塗料の耐用年数ばかりに注目してしまいがちですが、優良業者を探すことが重要なポイントになることを忘れてはいけません。

外壁塗装はメンテナンス時期を見誤ると、建物ごと建て直すことが発生するかもしれません。
修繕費用を抑えるためにも、外壁塗料の耐用年数を把握しておきましょう。

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