ヌリカエ自宅屋根の台風対策と被災後におこなう4つの対処

自宅屋根の台風対策と被災後におこなう4つの対処

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激しい暴風雨が多くの家屋の屋根に被害を与えた令和元年台風15号。この被害は決して他人事ではありません。
明日は我が身と考えてみた場合、ご自宅の屋根の台風対策は万全でしょうか?また被害を受けた場合の対処方法をご存知でしょうか?
今回は来る台風に対する有効な対策と、万一被害を受けた場合の対処について解説します。

Point

・屋根材ごとに推奨されるメンテナンスをちゃんとおこない、台風に備える
・万一の対策として、ブルーシートや飲料水、食料などを用意しておく
・被害状況は台風通過後に確認をおこない、被害があった場合は火災保険会社に連絡する ・ブルーシートで屋根の応急処置をしたあと、後日、屋根専門業者に本格的な修理を依頼する


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年々被害が大きくなる台風への対策

台風は風速15m/s以上で屋根に被害が出始める

台風の特徴は共に激しい風と雨。雨による被害は一日の雨量が200mmを超えると土砂災害が発生するといわれており、風による被害は風速が15m/s(時速54km)を超えると屋根瓦が飛ばされるなどの風災被害が出始めます。

今年の令和元年台風第15号では上陸した千葉県で風速57.5m/s(時速207km)という観測史上1位を記録し、この暴風が1万棟を超える家屋に被害を与え、多くの家が屋根材を吹き飛ばされました。

時速207km/hの風に乗った屋根瓦はまぎれもなく凶器となり、物や人を傷つけかねません。そうならないためにも、屋根の備えを万全にしておく必要があります。

台風で屋根材が飛ばされないようにする対策

屋根は私たち生活を頭上から守ってくれています。それがわかっていても普段から屋根を注視する人はそうはいないでしょう。
しかし、ひとたび大型で強い勢力の台風が来れば、多くの家屋が屋根に被害を受ける事実を私たちは報道などで知ることとなります。

そしてその時、自宅の屋根はそんな台風に耐えられるのだろうか・・・こう考える人は多いと思います。
考えるよりも、まずは普段注視しない屋根に目を向けて、地球温暖化により大型化の一途をたどる昨今の台風から自宅屋根をどう守れば良いのかを考えてみましょう。

屋根材の性質を知ろう

屋根を守るにはまず屋根を知ることです。屋根材には日本古来の瓦をはじめ、現代技術が生み出した高性能なジンカリウム鋼板など、様々な素材が使われています。
この表ではそれぞれの素材の特色について解説します。

【表:住宅向け屋根材 簡易比較表】
※右にスクロールできます
項目 スレート屋根 ガルバリウム鋼板(金属屋根) ジンカリウム鋼板(金属屋根) 陶器瓦(釉薬瓦) アスファルトシングル
外観
主な特徴 軽量 錆びにくい 防音性に優れている 長寿命 防水性が高い
材工価格 4,000円~8,000円 6,000円~9,000円 7,000円~12,000円 8,000円~12,000円 3,500円~16,000円
耐用年数 25年~30年 25年~30年 40年~50年 50年~60年 20年~30年
メンテナンス頻度 10年~15年 20年 メンテナンスフリー メンテナンスフリー 10年~15年
※材工価格は一般社団法人「積算資料 住宅建築編(2019年度版)」を参考にしています
※耐用年数はメーカーの公表値を参考にしています


屋根材ごとの風災対策

屋根材ごとの特色を知ったところで、次はどのようにして屋根を台風のリスクから守ればよいのかを屋根材ごとに解説します。

スレート屋根

スレート屋根の弱点は耐衝撃性が弱く、割れやすいところ。割れたスレートを暴風が襲った場合、そこから屋根材が剥がれて風にもっていかれる可能性があります。
このリスクを少なくするためにはスレート材が必要とする10年に1度の再塗装でメンテナンスをおこなうことです。

また、目視でズレを見逃さないことも重要です。劣化によるズレが生じた状態で強風にあおられると屋根の上部構造物である棟板金がもってかれる可能性もあり、そうなると被害が屋根全体へと広がる恐れがあります。

これを防ぐためには10年に1度の再塗装とは別に、日頃からズレをチェックし、発見し次第業者に修理を依頼しましょう。
その際、棟板金の強度もチェックしてもらうとよいでしょう。
しかし、あまりにも劣化が進んでいる場合は葺き替えも検討する必要があります。

ガルバリウム鋼板(金属屋根)

サビに強く、金属独特のスタイリッシュな印象があるガルバリウム鋼板は人気の屋根材です。
しかし、決してサビないというわけではありません。設置の際に切断などしていれば切断面からサビる可能性もあり、サビれば当然ながら強度も落ちます。

また、この素材は軽量であることも魅力の一つとされていますが、軽いものは強風の影響をうけやすいため、ジョイントがしっかりと施工されていなければなりません。

それらの確認をおこなうために10年に1度の割合で業者によるメンテナンスをおこないましょう。それが台風被害のリスクの低減に繋がります。
しかし、7年経過しているのだけどどうだろう、10年目は近いし・・・、など、不安な場合は10年を待たずして業者に点検を依頼するのもよいでしょう。

ジンカリウム鋼板(金属屋根)

ジンカリウム鋼板はガルバリウム鋼板に石粒をコーティングすることにより、ガルバリウム鋼板の弱点である遮音性能の低さを改善した素材です。
したがって、台風対策もガルバリウム鋼板のメンテナンスと同様のメンテナンスをおこなってください。

ただ、ジンカリウム鋼板は屋根の環境次第では固着している石粒の表面に藻が発生することあり、これを放置すると劣化の原因にもなるのでこの場合は台風対策に関係なく業者にクリーニングをしてもらいましょう。

陶器瓦(釉薬瓦)

屋根材の中でも重量級の瓦は、ひとたび強風で吹き飛ばされれば凶器となります。これを防ぐためには瓦がしっかりと固定されているか、割れている瓦がないかをチェックすることです。
しかし瓦屋根に素人が上るのは大変危険です。したがって、あくまでも目視によるチェックのみに留めておいて、あとはプロ(瓦屋根業者)に任せましょう。

築後もしくは前回メンテナンスから15年ほど経過している場合は、漆喰詰め直し工事を業者に依頼するのも有効な台風対策です。
また、瓦をコーキング材で固定したり、ビスを打ち込み野地板に固定する「瓦止め工事」も有効です。

アスファルトシングル

アスファルトシングルは足で踏んでも割れにくいという柔軟性が魅力の素材ですが、その柔軟性ゆえに築10年ほどすると亀裂や浮きが入る場合があります。

実際に愛知県の屋根修理業者が台風による屋根被害を調査したところ、丁寧な施工でしっかりと固着されていたアスファルトシングルが、強風であおられた際、この亀裂や浮きが原因で飛散したという例を幾つも確認しています。

このことから、10年に一度を目安に屋根業者による清掃と点検を依頼し、必要に応じて修繕、あるいは葺き替えをおこなうことが台風対策として有効です。不安であれば10年という区切に関係なく、台風シーズン前に点検をしてもらうだけでも安心です。


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    被災後のことを考えた対策を練る

    火災保険に入っていますか?

    火災保険は万一の時に大切な家屋および家財を補償してくれる保険であり、内閣府の調べによると現在国内では持ち家世帯の約8割の方が加入しているとされています。
    この火災保険、「風災補償」が付帯していることにより台風や竜巻による被害も補償してくれることをご存知でしょうか?


    風災補償は契約した火災保険に最初から付帯している場合とオプション扱いになっている場合の2パターンがあります。
    多くの火災保険会社は前者を採用していますが、オプションとなっている場合は別途申し込みが必要となります。
    この機会にお持ちの火災保険の補償内容をご確認ください。また、未加入の場合は是非加入を検討してみてはいかがでしょうか。
    実際に被害に遭ったときの火災保険の活用の仕方については後述します。

    火災保険で風災を補償できるケースとできないケース

    加入している火災保険に風災補償が付帯していても、補償対象とならないケースがあります。

      [補償できるケース]:メーカーが推奨するメンテナンスをちゃんとおこなっていたにもかかわらず屋根材が吹き飛ばされた場合は補償対象となります。

      [補償できないケース]:メンテナンスをおこなっておらず、破損個所があるにもかかわらず修繕をせず放置し、それが原因で屋根材が吹き飛ばされた場合は補償が不適用となることがあります。

    ビニールシートや食料の用意

    風災への備えの基本は「ビニールシート」と「非常用食料」と「飲用水」を用意しておくこと。
    この3つが家と住人を守る盾となります。
    事実、この3つが活躍したのが今回の令和元年台風15号でした。台風は屋根への被害のみでなく、64万棟に及ぶ停電、断水、ガスの供給も遮断し、携帯やwi-fiまでも不通にしました。
    破損した屋根の雨対策にはブルーシートが大いに役立ちましたが、停電に至っては地域によっては16日間も続き、テレビでインタビューに答えていた被災者は、まさに備蓄食料と飲料水の重要さを再認識したと訴えていました。

    来る台風で自宅が同様の事態になったとき、この3つに救われるのは、未来の自分かもしれませんよ。
    今すぐとは言いませんが、台風シーズンが到来する前の初夏あたりにはこれらが用意できていれば安心ですね。

    万一の時に役立つのは「厚手」のブルーシート

    今や100円ショップでも売っているブルーシート、実は#1000や#2000など、数字で重さの表記がされています。数字はグラムを表していて、災害時には主に厚手(厚さ約0.26mm)の#3000が用いられています。
    ブルーシートは被災時になにかと役立つので、各家庭最低でも1枚は用意しておくのが望ましいですが、その際#3000の入手をお薦めします。

    被災後におこなう4つの対処

    ちゃんと屋根のメンテナンスをしてリスクに備えていても相手は自然現象です。何がおきるかはわかりません。
    いざ飛ばされたそのときはもう腹を括って一刻も早く屋根が元通りになることを目指し、次の4つの対処をおこないましょう。

    対処1:嵐が去ったあとで状況を確認

    台風が屋根材を吹き飛ばしたそのとき、天井から聞こえてくる大きな音にハッとなるかもしれません。
    しかし台風通過中は行政から避難準備情報及び避難勧告が出た場合を除き、出来うる限り家の中にいてください。
    不用意に外に確認しに行くとそれこそ飛んできた屋根材で怪我をする恐れがあります。
    自宅の屋根の異常を確認するのは台風通過後、充分に安全が確認されてからおこなってください。

    場合によってはお巡りさんの手を借りる

    家の前の道路に強風で吹きと飛ばされた瓦が散乱していて交通の妨げになっている。そんな場合はどうすればよいのかを、管轄内に多くの住宅街を擁する警視庁玉川警察署に問い合わせてみました。

    回答をいただいた警察官によると、「幹線道路での飛来物収集作業は交通事故の危険を伴うため推奨しません。110番通報してくれれば付近の交番から警官を派遣し、交通を規制しながら拾うのを手伝います」とのことです。

    確かに、交差点などに飛んで行った屋根瓦を拾いに行って事故に遭っては元も子もないので、自宅の屋根材が敷地外に飛ばされた場合は、状況に応じて警察官の手を借りることができることを知っておきましょう。

    対処2:とりあえず雨を凌ぐための応急処置

    台風が屋根材を吹き飛ばした場合、まずは来る雨に備えるために破損個所をブルーシートで覆う応急処置をおこないます。
    この応急処置をおこなわなければ浸入した雨でさらに屋根が傷み、雨漏りが屋内への被害を広げるおそれがあります。このため、可能な限り早めに設置をおこないましょう。

    ブルーシートは自分では設置しないこと

    台風で住宅の屋根が大被害を受けた千葉県鋸南町の様子
    写真出典元:サンケイデジタル


ブルーシートを屋根に設置する作業は大変危険が伴うため、素人の方は控えてください。
令和元年台風15号で被害を受けた千葉県では実際にブルーシート設置作業中の死亡事故が複数件おきています。

実はこの作業、しっかりと固定するのは意外と難しく、中途半端な作業で終わらせるとブルーシートが飛ばされる懸念もあり、飛ばされたシートが電柱に引っかかりでもすると付近一帯に停電をおこす可能性もあります。

では素人は誰にブルーシートの設置を頼めばよいのでしょうか?
今回の台風でも災害救援の陣頭指揮をとった千葉県庁防災課に伺ってみました。
担当者によると、「ブルーシートの設置作業は専門家(屋根修理業者や建設業者)に任せ、手配できない場合は設置経験を持つ自治体の人や地元消防団、ボランティアの方にお願いするようにしてください」との回答をいただきました。

しかし、いざという時に専門家がつかまらなければ話にならないので、そんな時に備え予めお住いの地域内でブルーシートの設置が可能な人を確認しておき、万一の時のことを相談しておくのも良いでしょう。

対処3:屋根修理業者に修理を依頼する

台風で屋根が被災した場合に一番理想的なのは、いの一番に屋根修理業者が来てくれることです。
しかし街の広範囲に被害が及んでいる場合はそうもいかず、屋根修理業者による施工は順番待ちになることが考えられます。

応急処置でブルーシートがかけられていても所詮は一時しのぎなので、早いうちに本格的な修繕を「屋根修理専門業者」におこなってもらいましょう。
事前にどの屋根修理専門業者に頼むかの見当をつけておくのもよいでしょう。そうすることにより被災後の忙しい最中に業者を探す手間が省けます。

屋根修理専門業者がお薦めの理由

決して地元の建設会社やリフォーム会社が悪いというわけではありませんが、「餅は餅屋」といいます。屋根は屋根のプロに任せた方が確実であり、屋根も長持ちします。

もう一つ理由があります。それは価格です。
スレートやアスファルトシングルは一般の建設会社やリフォーム会社でも施工可能ですが、依頼する工事が瓦屋根や金属屋根の場合は工事の専門性が高いことから、結局は彼らも屋根修理業者に仕事をまわします。
この場合、屋根修理業者に支払う工賃とは別に、リフォーム会社に対する仲介手数料が発生するため、修理代がかなり割高になる場合が多いのです。

これらの理由により、価格の面においてもダイレクトに屋根修理専門業者へ依頼をおこなう方がお得なのです。

屋根修理は瓦屋根業者と板金業者にわかれる

屋根修理専門業者に修理を依頼する際、屋根修理業者は「瓦職人(=瓦屋根修理業者)」と「板金工(=金属屋根修理業者)」とに分かれているので注意が必要です。
瓦職人は日本の伝統的な陶器瓦を扱う職人のことを指し、対して板金工は鋼板を切り貼りして屋根をつくる金属屋根を取り扱う職人のことを指します。
国内の屋根専門業者は全体の75%が瓦専門業者で、残りが板金専門業者といわれています。

地元に屋根修理業者がいない場合、意外と知られていませんが、多くの屋根修理業者は車で1時間圏内は普通に出張してくれる場合が多く、業者によってはそれ以上の時間をかけて来てくれることもありあます。
万一の時のことを考え、依頼する屋根修理業者に目星をつけておくのも一つの備えです。その際「瓦職人」か「板金工」かの確認もお忘れなく。
ちなみに、スレート屋根やアスファルトシングルの屋根は建設会社やリフォーム会社でも扱えるので、心配ご無用です。


対処4:保険会社に連絡

火災保険は火事だけではなく台風・竜巻・雹・雪による被害にも適用されます。これを「風災補償」といいます。
ただし、前述の通り、火災保険会社により標準プランで付帯しているものと、オプション扱いになるケースがあるので、現在自分が入っている火災保険に風災補償が付いているのか、改めて契約内容を確認しておきましょう。

風災補償に入っている場合は被災後ただちに加入している火災保険会社の事故・災害連絡窓口に連絡をして「被災受付」をおこないましょう。
この受付をおこなわなければ、申請に必要な書類が届かないので、被災後はできるだけ早いうちにこれを済ませてください。

保険金を受け取るまでのフロー


下記は申し込みから保険金受取までの一般的な手順です。


1:火災保険会社の事故・災害連絡窓口に電話し状況を説明する。(だいたい24h営業)

2:火災保険会社の方で今回の被災の担当者決まり、その担当者からあらためて電話が来る

3:その担当者に被災状況を詳しく説明する

4:被災受付が完了する

5:後日保険金請求書類一式が届く

6:請求に必要な書類は4枚。そのうちの2枚は自分で記入。あとは屋根修理業者に渡す

7:屋根修理業者は1枚の書類に記入し、被害か所の写真を撮って申請者に返却

8:書類一式を火災保険会社に送付

9:早い場合は約2週間で工事代金が振り込まれる

まとめ

台風がおこす被害は毎年報道されていますが、今年の令和元年台風15号の被害は近年まれに見る大被害をもたらしました。
今年わが家の屋根は耐え抜いても、来年来る台風ではどうかはわかりません。屋根のメンテナンスはお庭の手入れのように今すぐにできるというものではないので、年々規模が増す台風のリスクに備える意味でも計画的に屋根のメンテナンスをおこなうことは大事だと思います。

そして万一台風により屋根に被害がおきた場合、ここに執筆した情報がいざというときの備えとしてお役に立てれば幸いです。


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この記事の監修者:株式会社POD 代表取締役  長谷川佳広

監修者:株式会社POD 代表 長谷川佳広

塗装歴29年。年間施工件数は200件にのぼる。千葉を中心に戸建・マンション・アパート・工場・店舗等の外装一切を請け負い、経営と現場の両面に携わる。

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