はじめての屋根修理完全ガイド!費用、工事方法、依頼先等をまるっと解説

  • 【更新日】2023-06-15
はじめての屋根修理完全ガイド!費用、工事方法、依頼先等をまるっと解説

本記事では、屋根の修理をお考えの方へ向け、
あらかじめ知っておきたい基礎知識をまとめた内容をお届けいたします。

「そろそろメンテナンスの時期だ」と言われた方から、
実際に屋根の損傷や雨漏りなどが起こっていてお急ぎの方まで、

  • 費用はどのくらいが適正か?
  • どのような工事になるか? 工期はどのくらいか?
  • そもそも、いまメンテナンスが必要なのか?

 

といった疑問を解消できるよう、
ヌリカエの記事全体からエッセンスを抜き出した構成になっています。

本記事で屋根修理の流れをつかみ、より詳しく知りたい内容は紹介されている記事を参照する、といった使い方をしていただければ幸いです。
Point
  • 金属屋根なら「板金業者」、非金属なら「瓦葺業者」に修理を依頼
  • 修理費用は、損傷や素材により4,500~12,000円/㎡の幅アリ
  • 雨漏り修理の工期は最短で1~3日、長いと2週間ほど
  • 悪徳業者は「訪問営業」「値引きで即決を迫る」のが特徴

屋根の修理、私の家だといくら?

※1時間以内に74人が ヌリカエで料金診断しました。

屋根修理の費用相場【屋根材別】

屋根材 修理費用
粘土瓦 8,000~12,000円/㎡
スレート 4,500~8,000円/㎡
ガルバリウム鋼板 6,000~9,000円/㎡
アスファルトシングル 6,000~8,000円/㎡
セメント瓦 6,000~8,000円/㎡
トタン 3,000~6,000円/㎡

修理費用の目安は4,500~12,000円/㎡

屋根材を代表する「粘土瓦」以外にも、「スレート」「アスファルトシングル」「ガルバリウム鋼板」など様々な材質があります。

屋根の修理を検討している時だけでなく、他の素材への「葺き替え」工事を考えている場合にも、各屋根瓦のメリット・デメリットやメンテナンス費用をおさえておきましょう。

屋根瓦の種類について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。

工事費用は屋根の形状で千差万別
住宅の屋根は、家ごとに形状や勾配が千差万別なため、家の広さと屋根の面積が対応していない場合も多くあります。そのため、家の坪数から目安となる屋根面積を出すことは非常に難しいです。
新築時の書類などが残っていない場合、ご自宅の屋根面積は業者に計測してもらって知るのが良いでしょう。計測方法は、業者によっても異なる場合があるので、修理費用をよりお得にするためにも、相見積りをとるのが重要です。

屋根面積の計算方法について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。

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屋根修理の費用相場【工事別】

工法 費用 作業内容

葺き替え
80~200万円 ・土台を再工事
・瓦をすべて交換

葺き直し
60~180万円 ・土台を再工事
・同じ瓦を敷き直す

カバー工法
80~120万円 ・既存の屋根はそのまま
・新しい屋根をかぶせる

塗装
40~80万円 ・土台と瓦はそのまま
・瓦を再塗装

部分修繕
5~30万円 ・土台や瓦を補修、交換
・範囲は限定的

屋根の修理は、上記5つの方法のいずれかで行われます。
それぞれの工事内容や費用について解説します。

もっとも大掛かりで費用も高めな「葺き替え」

「葺き替え(ふきかえ)」とは、既存の屋根材を全てはがし、新しい屋根材を取り付ける工法です。

破損やトラブルを根本から解決できるうえ、新しい屋根材を自由に選ぶことができるのが大きなメリットです。
一方で、工事費用は最も高額となり、工期も長くなるのが一般的です。

「屋根の葺き替え(張り替え)」について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。

元の屋根材を再利用する「葺き直し」

「葺き直し(ふきなおし)」とは、前項の「葺き替え」工事を、元の屋根材はそのままに行うものです。

瓦に損傷がない場合は、費用を抑えながら下地の修理のみを行うことが可能です。

葺き替えより安いが古い屋根が残る「カバー工法」

「カバー工法」とは、もともとある屋根をそのままに、上から新しく屋根材を取り付ける工事です。

工期も短く、費用も葺き替えほどはかからないのがメリットですが、屋根が重くなるので、荷重や重心のバランスが変わります。
最悪の場合、新たな重みで住宅にトラブルが起こる可能性もあります。 アスベストを使用している屋根の修理の場合、安全上の観点からカバー工法がよく用いられます。

「カバー工法」について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。

修理というよりメンテナンスに近い「塗装」

「塗り替え」は、屋根の再塗装を行い、軽めの損傷や美観の回復を行う工事です。
トラブルが起きてからの工事というよりも、定期的なメンテナンスのために行われることが多いでしょう。

「屋根の塗装」について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。

塗装の効果と必要性について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「塗装はなぜ必要?効果・種類・費用や業者の選び方をやさしく解説」

足場の要否で値段が大きく変わる「部分補修」

屋根全体には及ばない修復・交換を行う工事です。
雨漏りなどのトラブルを受けて、屋根の傷みが全体に至っていない場合には、この部分補修が行われます。

作業に足場が不要であれば安く済むことも多いですが、足場が必要な場合は費用が10~20万円加わります。

「瓦屋の修理」について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。

屋根修理を安く済ませる2つの知恵

  • 約10年に一度を目安に、屋根の塗り替えを行う
  • 屋根と外壁の塗り替え時期を合わせて工事を一度に済ませ、足場代を節約する

 

屋根の損傷や劣化が建物の内部に達している場合、「カバー工法」や「葺き替え工事」をする必要が発生し、高額な修理となることがあります。これらの工事は、塗装の2倍~4倍ほどの費用がかかるため、長期的に見た場合はトラブルが起きる前に塗り替えをしたほうが、費用を抑えることができます。

また、外壁の再塗装も同時に行えれば、足場代が二重に掛からずお得です。一般的に、屋根は外壁に比べて劣化が早いので、ふたつの最適な修理時期はずれることが多くあります。そこで、屋根に外壁よりも耐用年数の長い塗料をつかうことで、タイミングを合わせることが可能になります。

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屋根塗料の種類と塗装費用

塗料の種類 耐用年数 材工価格 特徴
アクリル樹脂 5~6年 1,400~1,600円/㎡ リフォームにはほぼ使われない
ウレタン樹脂 6~8年 1,700~2,200円/㎡ 防水性に優れる
シリコン樹脂 8~12年 2,300~3,000円/㎡ 費用と耐用年数のバランスが良い
ラジカル塗料 10~15年 2,500~3,000円/㎡ シリコンと同等価格で寿命が少し長い
フッ素樹脂 15~20年 3,800~4,800円/㎡ 樹脂としてはもっとも高級
光触媒塗料 15~20年 4,200~5,000円/㎡ セルフクリーニング機能あり
無機塗料 20~25年 4,500~5,000円/㎡ 紫外線の影響をほぼ受けない

※「耐用年数」は屋根に塗装した場合の年数

最低でもシリコン、できればフッ素を

住宅用に用いられる塗料の樹脂には、「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」の4つのグレードがあり、それぞれ価格と耐用年数が異なります。

また「機能性塗料」と呼ばれる、一般的な塗料にはない性能をもった塗料も存在します。
これらは、使用されている樹脂こそ前述の4種類のいずれかですが(無機塗料を除く)、耐用年数と価格帯がガラリと変わることから、樹脂のグレードと同列に比較されることが多くなっています。

使用する塗料は、「シリコン」~「フッ素」のグレードのものをオススメします。
屋根は、外壁に比べて劣化が激しいため、可能であればフッ素塗料で塗り替えると、長い目で見て得になります。

屋根用塗料」について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。

屋根用塗料の耐用年数」について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。

失敗しない 屋根のカラーの選び方

屋根の形状や外壁の色、ときには近隣の家の色によって、合う色・合わない色は大きく変わるものです。

住宅の屋根には、どちらかと言うと暗めの色が使われることが多くなっています。
周囲から浮きすぎない、ダークグレー、黒、濃茶、深緑などが定番となっています。

一方で、遮熱性を意識した明るめの色が使われることも増えてきています。 カラーシミュレーションなどで、事前にイメージを確認しつつ色を決めていきましょう。

屋根のカラーの選び方」について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。

屋根には遮熱塗料の使用をオススメ
ヌリカエでは、屋根用には「遮熱塗料」の使用をオススメしています。
「遮熱塗料」とは、太陽熱を跳ね返す力の強い塗料のことで、屋根材の熱劣化をおさえる働きや、夏場の冷房代を削減する効果が期待できます。
汎用塗料に比べて、価格も約2%ほどしか変わりません。塗料の耐用年数(10年前後)以内にはじゅうぶん回収可能です。

遮熱塗料」について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。

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屋根の雨漏りの修理費用相場

項目 全体補修 部分補修
工事内容 ・葺き替え
・葺き直し
・カバー工法
・塗り替え
・瓦交換
・一部の葺き直し など
工期 1~2週間 1~3日
費用 塗装:
40~80万円
カバー工法:
80~120万円
葺き替え・葺き直し:
60万円~200万円

5~30万円
付帯部分の交換発生で+5万円、
足場が必要になると+10~20万円

同じ雨漏りでも原因で金額は大きく変わる

同じ雨漏りでも、屋根の部分的な補修で済む場合もあれば、全体的な工事に及ぶ場合もあります。

瓦のズレや一部破損などが原因の場合は、工事期間は1~3日間、費用は約5~30万円
全体の劣化や、傷みが深層に達している場合は全体補修となり、工期は1~2週間、費用はおよそ40~200万円程度になります。

また、別途雨漏りの原因の調査(散水費用など)がかかる場合もあります。

雨漏りの修理について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。

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屋根修理に火災保険が使える?

保険の修理 補償範囲の例 保証対象の例 保険料 備考
火災保険 家屋・家財 火災、落雷、破裂・爆発、
風災、雪災、雹災
自己負担額の
設定によっては
保険金がおりない
ケースも
住宅総合保険 家屋・家財 「火災保険」の補償対象


水害、盗難、破損、
いたずら書き など

同上
オールリスクタイプ 家屋・家財

外灯・ベランダ
など
「住宅総合保険」の補償範囲

機械設備の事故、
ガラス破損など広範囲
少額の損害も
実費で補償など、
自由度が高い

「火災保険」のみでカバーするのは難しい

火災保険には大きく3つのタイプがあり、補償の内容が充実すると収める保険料も高くなっていきます。

この時注意したいポイントは「自己負担額」
自己負担額とは、契約の際に月々の保険料を決めると同時に、実際に損害を受けた際「いくらの被害額から保険金を受け取れるのか」が変わってくるものです。
「自己負担額を0円」にすれば少額な被害からでも保険金が下りますが、代わりに保険料は高くなります。

屋根修理と保険」について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。

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屋根修理の良い業者・悪い業者の見分け方

良い業者 悪い業者
パターン ・調査結果を画像で提示
・見積もり額の内訳が詳細・原因や工法を詳しく説明する
・アフターフォローがある
・訪問営業

・「無料点検」を提案
・不安、緊急性をあおる
・値引きを理由に成約を急がせる

工事結果
の違い
・再修理が必要ない
・必要以上のことをしない
・根本原因を解決する・正常な部分に悪影響がでない
・すぐに再修理が必要になる

・異常のない範囲も修理する
・間に合わせの修理のみ
・正常だった部分に異常が起こる

いい業者に出会える探し方

屋根の修理は早急に行うのが理想的ですが、修理業者は信頼できるものを選ばなければなりません。
万一悪徳業者に依頼をしてしまうと、ずさんな工事で最終的に大きなコストがかかったり、想像以上の金額を請求されたりする恐れがあるためです。

悪徳業者と優良業者で、工事結果の違いと勧誘手口の違いを知っておけば安心です。

危険な業者の見抜き方について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。

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まとめ:まずは自宅の屋根材を確認しよう

見積額が相場に収まっているか、採られる工法は適切かといった判断をするための第一歩として、ご自宅の屋根材が何かをまずは確認しましょう。

屋根材の外見と対応業者の違い
屋根材 修理依頼先

ガルバリウム鋼板
板金業者

トタン

スレート
瓦葺業者

粘土瓦・セメント瓦

アスファルトシングル

また、屋根は専門性の高い工事となるため、業者によって見積り額に差が出る場合が多くあります。
なるべく相見積りをとり、自宅の修理作業が得意で安く済む業者に出会える確率を高めるのがオススメです。

本記事で紹介した基礎知識と、各詳細記事にある内容がお役に立つことをお祈りいたします。

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▼専門家(ヒアリング)
株式会社POD 代表 長谷川佳広 氏
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