【スレート屋根】なぜ、寿命がある場合は「再塗装」なのか? | 費用・劣化症状・メンテナンス方法を全解説

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ガルバリウム・ジンガリウム・アスファルトシングル・・・ひと昔前に比べれば、屋根に使用される新しい素材が増えてきています。
その中でも、現在多く採用されているのがスレート屋根。別名「化粧スレート」「カラーベスト」「コロニアル」とも呼ばれています。

弊社ヌリカエにも「メンテナンスのタイミングはいつか?」「費用はいくら?」といったスレート屋根に関する問い合わせを、日々いただいております。

スレート屋根のメンテナンスについて、インターネット上では「10年で再塗装すべき」「塗装ではなく、新しい屋根材への交換が必須」と様々な意見が述べられています。そのため、調べれば調べるほど「結局どうすればいいの?」と余計に混乱してしまいます。

結論から申し上げれば、「寿命が十分ある場合は再塗装、寿命がのこり僅かな場合は葺き替え(=新しい屋根材へ変更)」すべきとヌリカエ編集部では考えております。

そもそも、再塗装と葺き替えでなぜ意見が割れているのでしょうか?
推測の域を出ませんが、スレート屋根の寿命(=他の屋根材の変更が必要になる状態)の判断基準が、業者により異なることが原因ではないかと思われます。

実際、スレート屋根の寿命は家の立地環境によってまちまちであり、メーカーもはっきりとした寿命年数は公表しておりません

そこで本記事では、スレート屋根の基礎知識をおさえつつ、創業100年の老舗塗装店の代表にヒアリングした内容をもとに、「いつ・どうやってスレート屋根をメンテナンスすべきか理解する」ことをテーマに、スレート屋根とは何か・劣化のサイン・メンテナンス方法を解説します。

※スレート屋根は「コロニアル」「カラーベスト」などの商品名で呼ばれる場合ありますが、全て同じ「スレート屋根」を指します。混同を防ぐため、本記事では「スレート屋根」で統一して表記します


1. スレート屋根とは?

スレート屋根とは、一言でいうと「スレート」という粘土板岩を使用した板状の屋根材を何枚も張り合わせた屋根のことです。



日本の住宅で最も採用されている屋根材であるため、「施工対応可能な業者が多い」こと、厚さ5mm程度の薄い素材のため「軽量で地震に強い」ことが大きな特徴です。

【図:スレート屋根の減震効果】



一方、セメントを使ったスレート屋根は軽量なぶん、強度が弱いため、20年もするとクラック(ひび割れ)が生じたり塗装表面が傷んだりして、10年程度をめどにメンテナンスが必要になります。

近年では、メーカーも無機塗料をスレート屋根に採用*するなどして、耐久性の向上が進んできていますが、他の屋根材と比べるとお手入れが必要になる屋根材です。

*スレート屋根のシェアトップであるケイミュー社は、主力商品カラーベストのトップコートに無機塗料「グラッサコート」を施し、従来より耐久性を向上させている
*参考資料:ケイミュー COLORBEST 商品説明

※注意※

2004年より以前に販売されたスレート屋根材には若干のアスベストが混入されているものがあります。一般的には、製造年月日が古いほどアスベストの混合比率が高くなっていると言われており、2004年以前に設置したスレート屋根の葺き替え工事をする場合、注意が必要となります。
なお、現在販売されているスレート屋根材にはアスベストは使用されておりません

1.1. そもそも・・なぜメンテナンスが必要なのか?

外壁と異なり、劣化状況が目につきにくいため、「そもそも屋根ってメンテナンス必要?」と思う方もいるのではないでしょうか。

ヌリカエへのお問い合わせでも、外壁のメンテナンスについて調べるうちに「初めて屋根のメンテナンスの必要性に気づいた」という方が少なくありません。

そこで、スレート屋根のメンテナンスが必要な理由を以下で説明します。

①屋根の性能・美観維持のために必要


屋根は日ごろから紫外線や風雨にさらされる過酷な状況下にあります。屋根の機能を長時間維持し、美観を保つためにはメンテナンスを十分に行い、耐久性の向上を図ることが必要です。

もし、適切なメンテナンスをせず放置すると、雨漏りが発生し屋根のみならず建物自体の寿命を縮める結果になります。そのため、快適な暮らしをおくるために、適切なメンテナンスが必要になります。

屋根材の不具合を防止→屋根材の性能・機能を十分に発揮→屋根材の寿命を延ばす、このように考えてもらうといいでしょう。

②スレート屋根の素材自体には防水性がないため、メンテナンスしないと雨漏りの危険が特に高い


スレート屋根の素材自体には防水性がないため、表面に防水性をつけるために、生産時には工場で初期塗装を施します。塗膜が劣化すると防水性能がなくなるため、定期的に防水機能を付加する塗装が必要となります。

③スレート屋根の構造上、塗装の防水機能が切れると、雨漏りをする

スレート屋根の構造は、野地板と呼ばれる板の上に、防水シートを載せスレート瓦を重ねる構造になっています。


スレート瓦の表面の塗膜が防水性を発揮している場合、雨水を弾くため問題ありません。しかし、防水性が切れてしまうと、以下の図の現象により雨漏りが発生する危険性があります。


雨漏りが発生すると、屋根材の変更が必要になり、リフォーム費用も高額になります。最悪の状態を防ぐためにも、定期的なメンテナンスが必要です。

2. スレート屋根のメンテナンス時期:劣化のサインを見逃すな

スレート屋根は屋根表面の塗膜の防水機能が失われると、野地板にしみていき、雨漏りの原因になります。塗装の防水効果が薄れてきた場合には、劣化のサインがあらわれます。

以下、メンテナンスの合図となる主な劣化症状を図とともに解説します。
ご自宅の屋根の状態と比較し、万一同様の劣化症状がみられる場合は、なるべく早く屋根塗装業者に診断を依頼することをおススメいたします。



2.1. 色褪せ

塗装の防水効果が薄れてきたサインです。

2.2. カビや藻

・塗装の防水効果が薄れてきたサイン。
・特に、日当たりが悪く湿気を含みやすい北側の屋根などに発生しやすい。
・カビや藻の発生具合が軽度であれば、高圧洗浄で綺麗に洗い流し、塗装します。

2.3. ひび割れ・欠損

・塗装の防水性効果が薄れ、急激な吸水と乾燥を繰り返すことでひび割れが発生します。
・放置しておくと、ひび割れの隙間や欠損部分から浸水し、雨漏りの原因になります。

2.4. 反り・浮き

・放置しておくと、反り上がり部分から浸水する可能性があります。
・反りは塗装工事ではなく、補修工事や葺き替え工事によってメンテナンスを行いましょう。

2.5. 棟板金の浮き

・棟板金とは、スレート屋根の頂上にある山形の金属板のことです
・防水性の薄れや外気温の急激な変化により、スレートが伸縮を繰り返し、棟板金をおさえている釘が抜けやすくなっている場合があります
・放置しておくと、浸水の恐れがあるので、特に早めの補修工事が必要となります

2.6. 雨漏り

・室内に浸水によるシミができている場合、スレートだけなく深部まで浸水し、劣化が既に深刻化している可能性が高い。
早急に屋根の葺き替え(ふきかえ)を行い、屋根材をすべて交換することが望ましいです。

3. スレート屋根の3つの補修方法

スレート屋根は劣化状況に応じて、補修方法は3つあります。
工事のイメージ膨らませるために内容はもちろん、それぞれの費用の目安・注意点を理解することで、今後の工事プラン計画の役にたちます。

3.1. ①再塗装

今のスレート屋根を塗装する補修方法になります。



項目 内容
工事内容 既存のスレート屋根の上から、新しい塗料を塗る工事
適する劣化症状 塗膜が剥げて、見た目が悪くなっている場合
工事時期 約15年に一度
参考価格 総額約25~40万円
注意点 【劣化が激しい化粧スレートには塗装できない】
塗装をしても強度が上がるわけではないので、あまりにも化粧スレート自体が劣化している場合は、棟板金の交換や、カバー工法、葺き替え工事なども一緒に行いましょう。(後述)
【縁切り作業が重要】
これをしないと、2~3年後に雨漏りを起こす可能性がある。(化粧スレートを塗り替える際つなぎ目の隙間が塗料で塞がってしまわないように 、カッターナイフや皮すきなどで小口部の塗膜を切り隙間を入れること)
現在では、確実に縁切りができるタスペーサーという縁切り部材を使用することが一般的。(タスペーサーの設置費用は3~5万円程度追加される。)

3.2. ②カバー工法



項目 内容
工事内容 交換修理、あるいは、塗装によるひび割れ補修工事
適する劣化症状 落雷や飛び石などで、屋根材が割れてしまった場合
工事時期 見つけ次第早急に
参考価格 1枚約5万円
注意点 【見つけ次第、早めに対応することが望ましい】
たった1枚の割れ目でも、放置しておくと雨漏りにつながるため、早急の対応が重要。1舞の差し替えのみの場合、施工費用も安価な場合が多い。

3.3. ③葺き替え工事



項目 内容
工事内容 既存のスレート屋根を全て撤去し、新しい屋根材を被せる工事
適する劣化症状 スレート屋根の劣化がかなり進行している場合
工事時期 約30年に一度
参考価格 約15000円/㎡(総額約160万円)
注意点 【屋根材を変えると耐震性も変わる】
特に、スレート屋根から瓦屋根に変更する場合、屋根自体の重量が重くなるため、耐震性が落ちる可能性が高い。

4. 結局、どの補修方法でメンテナンスすればいいの?

劣化のサイン・補修方法を解説しましたが、多くの方が「塗装がいいのか?屋根の交換がいいのか?」という疑問をもたれます。

費用が大きく異なり、施主の将来のメンテナンスプランにもよるため、「この場合、絶対にこうすべき」という答えはございません。
しかし、それでは本記事を読む意味がないため、創業100年の専門家にヒアリングして得た情報をもとにした、筆者の見解を以下説明します。

4.1. ①大きな損傷がなくスレート屋根の寿命が十分に残っているのなら再塗装

スレート屋根の寿命はメーカー資料や専門家のヒアリング結果から、20年~30年程度が一般的と考えてよさそうです。

再塗装はカバー工法・葺き替えと比較して「低コスト」かつ「短期間」で工事できます。

そのため、寿命がきておらず再塗装でスレート屋根の性能を維持出来る場合は、再塗装を推奨します。

ただし、「家の外観をがらっと変えたい」、「別の機能をもった屋根材に変えたい」といった特別な事情がある場合は、年数関係なく、新しい屋根材へ変えるとよいでしょう。

なお、「何年までなら再塗装で大丈夫なの?」とお考えの方もいるでしょう。

上記の疑問に対して専門家にヒアリングした結果、現場の感覚では築10年~15年程度であれば一般的には再塗装するケースが多いため、目安として10年前後は再塗装で問題ないと考えてよいでしょう。

ただし、10年~15年は目安です。スレート屋根の寿命は立地環境によってまちまちであり、メーカーもはっきりとした再塗装で対応可能な年数は公表していません。

4.2. ②寿命がのこり僅かな場合は新しい屋根材へ変更

もし、築20年~30年経過している場合、新しい屋根材への変更をおススメします。

なぜなら、スレート屋根の寿命が近づいている可能性が高く、再塗装で補修しても10年後には新しい屋根材への交換が必要となる可能性が高いからです。

こちらも専門家に「何年以上の場合、劣化が進行し屋根材の変更が必要になるケース多いか?」とヒアリングしました。結果、20年くらい経過すると、劣化が進行していることが多く、カバー工法あるいは全面とっかえの葺き替え工事となるケースが多いとのことでした。

もし20年以上経過している場合は、新しい屋根材への交換の可能性が高いと考えてよいでしょう。

5. 最後に:定期的なメンテナンスは建物診断から

本記事では、スレート屋根の特徴から、劣化のサイン・メンテナンスの方法について紹介しました。

スレートは屋根は優れた建材で、しっかりとメンテナンスをおこなえば、20年以上長く使う事ができるケースもあります。
劣化のサインを知り、定期的なメンテナンスを適切に実施することで、長く・健康な家に住むことができます。

とはいえ、屋根の診断は素人では困難なため、ご自宅の劣化状況を適切に把握したい方は、専門業者への問い合わせをおススメします。
(多くの業者は、無料で屋根診断してくれます)

今回の記事を読んで、自分の家は築何年だったか?どんな傷みがあるのかな?など考えて、定期点検のきっかけにして頂ければ幸いです。

▼インターネット
屋根葺き替えお助け隊 スレート屋根の塗装で屋根の耐用年数が延びるか?
屋根葺き替えお助け隊 スレート屋根の耐用年数、葺き替え時期

▼書籍
Housing Tribune 2018.22「変革期に入る屋根材市場」
日経アーキテクチュア2012.1.25「経年劣化の少ないスレート屋根の代名詞」
最もくわしい屋根・小部屋の図鑑  株式会社エクスナレッジ 積算資料ポケット版 住宅建築編 2019年度版 一般社団法人経済調査会

▼専門家(ヒアリング)
株式会社POD 代表 長谷川佳広 氏


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