ウッドデッキは家族の憩いの場であり、また空を眺めながら一人きりの時間を楽しむ秘密基地のような場所でもあります。
このようなウッドデッキですが、風雨にさらされることから時間の経過と共に傷んでいきます。
そこで今回の記事では、初心者でも美しくウッドデッキの塗装ができるように、以下のことを解説していきます。
- ・ウッドデッキを塗装が必要になるタイミング
- ・ウッドデッキ塗装に使う塗料
- ・ウッドデッキ塗装に必要なもの
- ・ウッドデッキ塗装の手順
- ・ウッドデッキ塗装のコツ
この記事を読むことで、あなたもウッドデッキの塗装ができるようになります。
ウッドデッキを塗装すべきタイミング・劣化症状
まずはじめに、ウッドデッキを塗装すべきタイミングについて解説していきます。
ウッドデッキは風雨にさらされるものなので、設置される環境により劣化のスピードが大きく異なります。
それこそ普段から日光にあたり、台風や大雪の影響を受ける場所にあるウッドデッキは劣化しやすくなります。
そのため、ウッドデッキを塗装すべきか否かはあなたの目で状態を確かめて判断しましょう。
具体的には、以下の3つのような劣化症状がないか確認してみてください。
- ・色あせ
- ・コケ・カビの繁殖
- ・塗膜の剥がれ
それぞれ、画像つきで詳しく解説していきます。
色あせ
ウッドデッキは常に紫外線や雨にさらされているため、色褪せの症状は比較的早い段階で起こります。
新築当初よりも色が薄くなっていたり、色の濃いところと薄いところができていたりする場合は、塗膜の保護力が薄れてきているので、再塗装を検討しましょう。
コケ・カビの繁殖
木材が水分を吸い込み、コケやカビが発生すると、そこから木材が腐敗していきます。
表面のみに若干の汚れがあるという場合は水洗いで問題ありません。
しかし、コケ・カビが木材の内側に侵食している場合や、汚れが広範囲に渡る場合には、木材の防水性を復活させるために再塗装をしましょう。
塗膜の剥がれ
ウッドデッキのペンキの膜がペリペリと剥がれている場合は、塗料による木材の保護機能が失われているので、塗り直しが必要です。
剥げかけのペンキの層を除去し、新しい塗料を重ねましょう。
大きなひび割れや浮きがある場合は専門業者に相談
ウッドデッキのひび割れや浮きがひどい場合は、木材が内部から腐食している恐れがあります。
木材の劣化が激しい場合は素人が塗装しただけでは耐久性を改善することができず、かえって木を痛めることも考えられます。
このような場合は、専門業者に調査を依頼してください。診断結果によっては、木材の入れ替えを検討する必要があります。
修理および塗装を業者に依頼した場合にかかる費用は、ウッドデッキの劣化状態により様々です。
劣化症状が色あせと木材の一部の補修のみであれば、およそ3万円から10万円の範囲で修理および塗装を行ってくれる塗装業者が多いです。
そのため、安全性や手間、仕上がりを考慮して業者に任せるというのも一つの手です。
ウッドデッキ塗装に使う塗料の種類
ウッドデッキの劣化症状と塗装の必要性を確認できたところで、次はウッドデッキを塗装する際に用いる塗料についての知識をつけていきましょう。
ウッドデッキの塗装に使う木部保護塗料は、「浸透型」と「造膜型」という2種類に大別することができます。
塗料の種類 | 特徴 |
---|---|
浸透型 | 木材の内部に塗料が吸収されるタイプ。木目が残るという特徴がある。木材を保護する成分が内部に浸透するため、内側から腐食を防ぐことができる。 |
造膜型 | 木材の表面に塗料の膜を作り、木材の劣化を防ぐタイプ。いわゆるペンキとよばれるもの。木目は塗りつぶされるものが多い。 |
浸透型
浸透型とは、木材の内部に塗料が吸収される塗料のことを指します。
塗膜が作られないので、木目が表面に綺麗に出るのが特徴です。
また、内部から木材を保護する機能があるので、内側からの腐食が心配な方におすすめです。
造膜型
造膜型とは、木材の表面に塗膜を形成し、塗膜で木材を覆うタイプの塗料を指します。
塗膜による保護があるため、浸透型よりも耐久性が高めの傾向があります。ただし、木目は塗りつぶしてしまうものが多いので、木材特有のナチュラルさを出したい方には不向きです。
塗料には油性・水性の違いもある
また上記2つの塗料には、それぞれ水性と油性があります。双方の違いは以下の通りです。
塗料の種類 | 特徴 |
---|---|
水性塗料 | 水と混ぜ合わせて使用する塗料。有機溶剤を用いないため、臭いが薄い。耐久性は油性塗料に若干劣る。 |
油性塗料 | シンナーなどの有機溶剤と混ぜ合わせて使用する塗料 |
専門業者にウッドデッキの塗装を依頼した際によく選ばれるのは、耐久性の高い油性塗料です。
しかし、ご家族に乳幼児やペットがいる場合には、シンナーの臭いで体調を崩す可能性があるので、油性塗料はおすすめできません。
最近では水性塗料の耐久性も上がってきているので、油性塗料でなくても一定以上の耐久性があります。
水性塗料と油性塗料のどちらを選ぶかは、ご自身の要望に合わせて、自由に決めて問題ありません。
おすすめのウッドデッキ用塗料
浸透型・造膜型といった分類が分かっても、実際にどの塗料をつかえばいいのか判断するのは難しいですよね。
そこでこの章では、おすすめのウッドデッキ用の塗料とそれぞれの特徴を解説していきます。
キシラデコールシリーズ
画像引用:https://www.xyladecor.jp/products/xyladecor.html
塗料名 | キシラデコールシリーズ |
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メーカー | 大阪ガスケミカル株式会社 |
価格 | 5000円~9000円/4L |
分類 | 油性・水性・造膜型・浸透型 |
キシラデコールシリーズは、ウッドデッキ用の塗料で国内シェアナンバーワンを誇る塗料です。
「キシラデコール」「キシラデコール白木やすらぎ」「水性キシラデコールエクステリア」「水性キシラデコールウッドコート」「コンゾラン」の5種類があります。
キシラデコールはDIYでの塗装も推奨しており、公式HP内でウッドデッキの塗装方法も解説しています。
また、どの塗料を選べばいいかのチャートも公式HPに掲載されているので、はじめてのDIYで塗料に迷う方は、まずはキシラデコールを検討してみるとよいでしょう。
ガードラックシリーズ
画像引用:https://guardlac.jp/products/aqua
塗料名 | ガードラックシリーズ |
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メーカー | 和信化学工業株式会社 |
価格 | 12800円/3.5kg |
分類 | 水性・造膜・浸透 |
ガードラックシリーズは、和信化学工業株式会社が販売する木部保護塗料です。
「ガードラックアクア」「ガードラックラテックス」「ガードラックPro」の三種類が販売されており、DIY用途では主にガードラックアクアとガードラックラテックスが使用されます。
ガードラックアクアが造膜型、ガードラックラテックスが浸透型で、いずれも水性塗料となっています。
16色以上の豊富な色揃えが魅力です。
水性ウッディガード
画像引用:ニッペホームプロダクツ株式会社
塗料名 | 水性ウッディガード |
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メーカー | ニッペホームプロダクツ株式会社 |
価格 | 5990円/3.2L |
分類 | 水性・浸透型 |
水性ウッディガードは、国内トップの塗料メーカー日本ペイントの家庭用ブランドから販売されている木部保護塗料です。
水性ながら、油性塗料にも劣らない耐久性が強みです。
また、透明カラーが用意されているので、現在の風合いを残したまま木材の保護機能を復活させたい方におすすめです。
油性木部保護塗料
画像引用:油性木部保護塗料(カンペハピオ)
塗料名 | 油性木部保護塗料(カンペハピオ)(カンペハピオ) |
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メーカー | 株式会社カンペハピオ |
価格 | 4500円~/3.2L |
分類 | 油性・浸透型 |
油性木部保護塗料は、国内の有力塗料メーカーである関西ペイントの家庭用ブランドから販売されている木部保護塗料です。
0.7Lの少量サイズから展開されているので、一部のみ塗り替えたいという場合などに向いています。
ウッドデッキ塗装に必要な道具
この章では、ウッドデッキの塗装に必要な道具を紹介します。
塗装を始める前に以下のものを用意してください。
すべて揃えると、およそ12000円~20000円ほどになります。【ウッドデッキ塗装に必要なもの】
名称 | 費用 |
---|---|
木部用の塗料 | 8000円~13000円 |
ペール缶またはバケツ | 700円~1000円 |
厚手のゴム手袋 | 300円 |
汚れても良い服 | 0円 |
サンドペーパー | 200円 |
サンダー | 1500円 |
ハケ | 200円~1000円 |
コテバケ | 700円 |
ベンダーハケ | 300円 |
ブルーシート | 400円 |
マスキングテープ、マスカー | 150円 |
ふき取り用の布 | 0円 |
それぞれ画像つきでどのようなものか見てみましょう。
木部用の塗料
前章でご紹介した木部保護塗料です。
一般的な戸建てのウッドデッキであれば、3.5L~7Lほどで足ります。
ペール缶またはバケツ
画像引用:https://www.monotaro.com/g/01007930/
ペール缶とは、金属製のバケツのようなものです。塗料を入れて販売されている場合もあります。
ペール缶は刷毛やローラーを入れておく場所として使いやすいため、可能であれば用意しましょう。
厚手のゴム手袋
画像引用:https://www.monotaro.com/g/00266433/
ゴム手袋は、皮膚に塗料を付けないようにするために使います。
ゴム手袋がなければ、軍手などでも代用ができます。
汚れても良い服
汚れても良い服は、肌を保護するために必要です。
塗装中はどんなに気を付けても衣服に塗料が付着することがあります。そのため、はじめから捨てても良い服を着ておくと良いでしょう。
サンドペーパー
画像引用:https://www.monotaro.com/g/00951933/
サンドペーパーは古い塗料や汚れのこびりつきを落とすために使用します。
汚れがウッドデッキの表面に付着したままだと、美しく塗装することができません。
また、木材を研磨することで、木部への塗料の馴染みが良くする効果もあります。
#100~#120ほどのサンドペーパーがおすすめです。
サンダー
画像引用:https://www.monotaro.com/g/00694147/
サンダーは、サンドペーパーをセットして研磨をしやすくする道具です。
なくても問題ありませんが、作業を効率的に進めたい場合は購入を検討しましょう。
ハケ
画像引用:https://www.monotaro.com/g/01336939/
塗料をウッドデッキに塗っていくためのハケです。
主に養生付近などの細かい場所を塗装するのに使用します。
コテバケ
画像引用:https://www.monotaro.com/g/02603098/
広い平面を塗装するのに使用します。
なくても問題ありませんが、作業を効率的に進めたい場合は購入を検討しましょう。
ベンダーハケ
画像引用:https://www.monotaro.com/g/00209740/
ベンダーは、板と板の細い隙間を塗るための道具です。
通常のハケでは塗りにくい隙間もキレイに仕上がります。
ブルーシート
画像引用:https://www.monotaro.com/g/03147710/
ブルーシートは塗料缶の下に敷き、塗料で周囲が汚れるのを防止します。
マスキングテープ、マスカー
画像引用:https://www.monotaro.com/g/00024686/
マスキングテープとマスカーは塗料を付着させたくない部分を保護するために使います。
特にウッドデッキと自宅の外壁がつながっているような場合は、塗料の飛び散りを防ぐために外壁をマスキングしておく必要があるでしょう。
金具など細かい部分はマスキングテープ、面を覆うような場合はマスカーが適しています。
ふき取り用の布
多く塗りすぎてしまった塗料を拭く用に、不要な布も必要になります。
布はどのようなものでも大丈夫ですが、できれば水分を吸収しやすいものがおすすめです。
ウッドデッキ塗装の手順
塗装のために必要なものがわかったところで、ウッドデッキ塗装の手順をみていきましょう。塗装は以下の手順で進めることとなります。
- 洗浄
- 下地処理
- 外壁や周辺部分の養生
- 塗料の撹拌
- 木目に沿って塗装
- 乾燥と後片付け
ステップ①洗浄
まずはじめに、ウッドデッキを洗浄し、汚れを落としていきましょう。
布で水拭きをするか、高圧洗浄機を利用しても構いません。
ただし、高圧洗浄機を使用する場合は、ノズルを近づけすぎて木材を傷めないように気をつけてください。
洗浄したあと、木材に染み込んだ水分が飛ぶまで、半日~1日ほど乾燥させる時間を作ってください。
ステップ②下地処理
画像引用:https://www.youtube.com/watch?v=wwIjj59aQ98
次に、サンドペーパーを使ってウッドデッキにこびりついた古い塗料や汚れを丁寧に落としていきます。
木材のささくれなどもこの時点で丁寧に落としてしまいましょう。ウッドデッキの表面を削ってしまっても問題はありません。
塗料をよりしみ込ませたい場合は、ウッドデッキ全体の表面を薄く削るとよいでしょう。
ステップ③外壁や周辺部分の養生
画像引用:https://www.youtube.com/watch?v=wwIjj59aQ98
塗料を付着させたくない部分をマスキングします。
ウッドデッキにつながる外壁や柱などはマスカーで覆ってしまうと良いでしょう。またウッドデッキの表面でも塗装したくない場所がある場合は、マスキングテープで丁寧に覆います。
マスキングテープははじめに周辺部分も含めて貼り付け、その上でカッターで切り抜くと美しく仕上げることができます。
マスキングの工程は塗装後のウッドデッキの美しさにもつながるため、丁寧な作業を心がけてください。
ステップ④塗料の撹拌
画像引用:https://www.youtube.com/watch?v=wwIjj59aQ98
塗料を塗っていく前に忘れてはならないのが、しっかりとした撹拌です。
塗料には様々な成分が使われており、それらは時間の経過と共に沈殿していきます。
この状態でウッドデッキに塗りつけると塗りムラができるだけでなく、保護効果も薄くなってしまいます。
塗料缶をあける前に上下に振り、そのうえで棒などでしっかりと撹拌しましょう。
また、塗料を薄めて使う場合は、塗料缶に薄め液や水を直接入れることはせず、小分けにした塗料を薄めていきます。
このとき、塗料缶の下にブルーシートを引いておくと、塗料がこぼれても安心です。
ステップ⑤木目に沿って塗装(三度塗りが基本)
画像引用:https://www.youtube.com/watch?v=wwIjj59aQ98
撹拌して薄めた塗料を用意したら、塗装作業に移っていきます。
塗装は一度で完全に塗ってしまおうとせず、2~3回塗ることを前提に進めます。
そのため一度の塗装であまりに厚く塗料を塗る必要はありません。
厚塗りはムラの原因となるため、むしろ少し薄すぎるくらいで塗ります。
そして一度目の塗装を終えた時点で塗料をしっかりと乾かし、二度目の塗装に入ります。
このときの乾燥時間は、使用する塗料によって異なります。
これを三度目の塗装が完了するまで繰り返すことで、塗りムラのない美しい塗装を実現することができます。
なお、広い面よりも先に板と板の隙間などの細かい部分を先に塗ったほうが、仕上がりが美しくなります。
ステップ⑥乾燥と後片付け
三度塗りを終えたらウッドデッキを完全に乾燥させます。
晴れの日であっても最低24時間程度は触らずにおくのが無難です。可能ならば3日間乾燥させてください。
完全に乾く前にウッドデッキを使用すると、塗装が剥がれやすくなり、また耐久性も落ちてしまうためです。
塗料が余った場合は、余った塗料を新聞紙や不要な布などに染み込ませるか、不用品回収業者に処分してもらいましょう。
ウッドデッキの塗装に失敗しないためのコツ
最後に、ウッドデッキ塗装に失敗しないために知っておいてほしいコツを4つご紹介します。
これらのコツさえ抑えておけば、はじめてのウッドデッキ塗装でも美しく仕上げることができるはずです。
塗料の撹拌を忘れない
いざ塗装と塗料缶を開けたあと、しっかりと撹拌することを忘れないでください。
塗料の中の成分が底に沈殿しているので、撹拌を怠ると、塗り始めと塗り終わりで色ムラができたり、保護機能が十分に発揮できなかったりといったトラブルが考えられます。
底に溜まった粘度の高い液を全体に行き渡らせるように混ぜましょう。
塗装の際は「木目に沿って1枚ずつ」を意識する
実際に塗料を塗っていき時には、必ず木目に沿って一枚ずつ塗っていきましょう。
木目に逆らった塗り方をすると一枚の板の中で色が揃わず、完成後の見栄えが悪くなります。
一度に塗料を塗りすぎない
一度にたくさんの塗料を付けすぎるのは、色ムラを作る原因になります。
ウッドデッキの塗装は2回以上塗装するのを前提としているので、一回一回は薄塗りを心がけましょう。
そのほうが乾燥時間も長引かなくてすみます。
塗りすぎてしまった場合には、不要な布で塗料を拭き取りましょう。
天気予報を確認してから作業にうつる
ウッドデッキの塗装を長く持たせるためには、塗装後に1日~3日乾燥させる必要があります。
そのため、事前に明日以降の天気を確認してから塗装を始めましょう。
万が一途中で雨が降った場合、雨跡が表面に付着して仕上がりが悪くなる恐れがあります。
まとめ
今回はウッドデッキの塗装について解説しました。
ウッドデッキは、木部保護塗料を適切に使用すれば、専門家でなくても塗装することが可能です。
しかし、木材の劣化が激しい場合は塗装をしても無駄になるので、専門業者に依頼するのがおすすめです。
専門家に依頼しても費用は3万~10万程度なので、仕上がりや手間を考慮される方は、専門業者に依頼しましょう。
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