サイディング補修の方法は?外壁はDIYで修理できる?

  • 【更新日】2023-11-27
サイディング補修の方法は?外壁はDIYで修理できる?

「外壁にひび割れができている…DIYで補修することはできるのだろうか」
「業者にサイディングの補修を依頼したいけど、費用はどの程度かかるのだろう…」

もしご自宅のサイディング外壁にひび割れ等の不具合を発見したら、どのような対処方法を取るか考えることが大切です。

Point ・DIYで補修できるのは軽微な不具合だけ!
・迷ったら専門業者に相談しよう!

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サイディング外壁の補修方法と費用

まずはサイディング外壁の補修方法と補修に必要な費用をご紹介します。

部分補修

「部分補修」とは、サイディングの中で表面的な損傷や劣化が発生している箇所だけを対象にした補修作業です。
劣化症状に応じて以下のような部分補修を行います。

補修内容 どんなことをするか
ひび割れの補修 ひびが入ったサイディング材に対して専用の補修材を塗布する
ねじの増し打ち 反ってしまったサイディング材に対してねじを打ち込んで補修する
部分塗装 剥がれや擦り傷があるサイディング材に対して部分的に塗装を行う
部分補修 費用相場:1万円~10万円/1枚(およそ0.5m×3m)
DIY:軽度な補修の場合は可能
※補修内容や補修をするサイディングの枚数によって費用は変動し、追加で足場代が必要な場合もあります。

シーリング補修

サイディング外壁では、サイディング材の接合箇所や、窓枠、ドア、インターフォン、換気口などサイディングと接触する部分にシーリング材(コーキング)が用いられています。このシーリング材が損傷や老朽化している場合、補修が必要になります。

シーリングの補修には二つの主要な方法があります。

シーリングの打ち替え:古いシーリング材を除去し、新たなシーリング材で再施工する方法
シーリングの増し打ち:既存のシーリング材の上に、新しいシーリング材を施工する方法

シーリング補修 シーリングの打ち替えの費用相場:700~1,200円/㎡
シーリングの増し打ちの費用相場:500~1,000円/㎡
DIY:軽度な補修の場合は可能
※補修内容や範囲によって費用は変動します。

外壁塗装

表面的な損傷や劣化が発生しているサイディングが多い場合、範囲が広い場合は外壁塗装を行うこともあります。
外壁塗装により、サイディング全面の劣化症状を補修することができます。

外壁塗装 費用相場:80万円~140万円
DIY:専門性が高いため、業者への依頼を強く推奨
※あくまで一般的な戸建ての場合の費用相場で、劣化状況次第で大きく変動します。

部分張り替え

「部分張り替え」は、劣化の激しいサイディングボードだけを張り替える(取り替える)方法です。
複数のサイディングボードを張り合わせているサイディング外壁ならではの補修方法です。

部分張り替え 費用相場:5万円~6万円/1枚(およそ0.5m×3m)
DIY:専門性が高いため、業者への依頼を強く推奨
※サイディング材や張り替えるサイディングの枚数によって費用は変動し、追加で足場代が必要な場合もあります。

張り替え、カバー工法

「張り替え」は、既存の外壁材を取り除き新しい外壁材に交換する方法です。
既存のサイディング外壁を一度取り除くため、サイディング材の内部にある防水シートや下地などの不具合も補修可能です。

「カバー工法」は既存の外壁に新しい外壁材を重ね張りする方法です。「重ね張り」とも呼ばれます。

張り替え、カバー工法 張り替えの費用相場:190万円~
カバー工法の費用相場:160万円~
DIY:専門性が高いため、いずれも業者への依頼を強く推奨
※あくまで一般的な戸建ての場合の費用相場で、劣化状況次第で大きく変動します

サイディングの劣化症状の種類と行うべき工事

サイディング補修が必要な劣化には、「サイディングボードのひび割れ」「コーキング(シーリング)のひび割れ」「チョーキング」「反り」といった症状があります。

サイディングは他の外壁材して劣化しやすく、劣化症状を放置しておくと家全体の内部構造にまで悪影響を及ぼす可能性があります

サイディング補修が必要な劣化症状の種類と、症状ごとに必要な工事をご紹介します。

①サイディングのひび割れ

サイディングのひび割れは、規模によってDIYが可能な場合と業者依頼が必要なケースがあります。業者に依頼した場合は、シーリング剤注入工事で約20万~40万かかります。

ヘアークラック

このように髪の毛のように細い(幅0.3㎜未満)ひび割れのことをヘアークラックと言います。
外壁表面の塗膜にひび割れが起きている状態なので、「今すぐ補修しなければいけない」という緊急性は低めで、DIYでカバー出来る場合もあります。

補修方法

  • 部分補修が一般的(補修跡がきになる場合は部分塗装もセットで実施)
  • 軽度な不具合であればDIY可能

構造クラック

構造クラックとは、上記の塗膜に起こるヘアークラックとは違い、外壁の内部まで割れが起こってしまっている状態のことです。

内部構造に影響を及ぼす恐れがあり、DIYでメンテナンスを行うのは難しく、必ず業者に依頼して補修してもらうことをおすすめします。

補修方法

  • 部分張り替え、もしくは劣化が広範囲の場合は全面張り替えやカバー工法
  • 施工の難易度が高く、専門業者への依頼を強く推奨

どうやって幅の長さを測るの?

ホームセンターなどで売っている『クラックスケール』という測定器で実際に幅を測ることができます。
ただ目安であれば、日常生活にあるものでも測ることができます。
だいたい官製はがきの厚さが0.25mm、ティッシュ箱の紙の厚さが0.43mmなので、実際にクラックのすき間に入るか試してみましょう。
官製はがきの厚み以下であればヘアークラック、ティッシュ箱の紙入ってしまうようであれば構造クラックの可能性が高いです。

②コーキング(シーリング)のひび割れ

サイディングボード部分のひび割れだけでなく、コーキングというボードとボードをつなぎあわせる素材にひびが入ってしまうこともあります。

コーキング材のひび割れを業者に依頼する場合、シーリング剤打ち替え工事で約20万~50万かかります。

サイディングボード自体は無事なので、軽視されがちなのですが、コーキングのひび割れから雨水が内部に入り込んでしまう点は、ボードにひび割れがある場合と同じです。

コーキングのひび割れも放置するとやはり内部腐食に繋がってしまうのです。そのためコーキングのひび割れだとしても、油断は禁物になります。

補修方法

  • シーリングの打ち替えが一般的(軽微な不具合は増し打ちのケースも)
  • 部分的な不具合であればDIY可能

③チョーキング

チョーキング現象

チョーキングとは、外壁を素手で触ったときに白い粉がつく現象を表します。チョーキング現象は塗り替えのタイミングを示すサインです。

塗り替え工事で約80万〜150万円かかります。チョーキング現象は主に紫外線による劣化で発生し、放置しておくとひび割れに繋がっていく可能性があります

DIYによる塗り替えの場合は、下地処理を徹底して行うことが難しいため短期間で再び繰り返してしまうことがあります。チョーキング現象を見つけたら、業者への依頼がお勧めです。

補修方法

  • 基本的に外壁塗装で補修
  • 専門性が高いため、業者への依頼を強く推奨

④サイディングの反り

サイディング外壁材の表面は、デザインや模様がつけられていることがありますが、基本的にはまっすぐです。サイディングが盛り上がっているように見えた場合、反りが発生している可能性があります。

補修方法

  • 軽度の反りの場合はねじの増し打ちによる部分補修
  • 重度の反りの場合は部分張り替え、もしくは全面張り替えが必要
  • 部分補修の場合はDIY可能だが、基本的に業者への依頼を推奨

劣化症状を放置しておくと起こりうる現象

ひび割れは、外壁にすき間を作ってしまっているので、美観を損ない、耐性が弱くなってしまうことはもちろん、雨水の侵入も避けられません。

建物内部に雨水が染み込む可能性が出てきてしまうのです。
これにより、様々な症状を更に引き起こしてしまうリスクがあります。

腐食

サイディングのすき間から浸水した雨水が原因で、内部の構造部分が腐敗し、建物の強度が落ちる可能性があります。
構造部分は、木造住宅だと木材や鉄で出来ていることが多いので、水分に触れさせることはもちろんあまり好ましくありません。また腐敗が進むことによって、シロアリの発生も危惧されます。

カビの発生

雨水が入り込むことで、多湿状態になり、カビにとって居心地の良い場所になってしまいます。毎日住む家ですから、常にカビの近くに存在していると、アレルギーなどを引き起こしてしまう原因ともなってしまいます。

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サイディング補修を業者に頼むなら

サイディングについて適切な知識と経験がなければ、やはり一番おすすめなのは「補修を業者に任せる」という選択肢です。
もちろん業者といえども質はピンキリなので、選ぶ手間が発生します。しかし、適切な業者を選ぶことができると、補修が適切になされ、また補修後のサイディング外壁が長持ちするのです。

適切な優良業者を選ぶには?

業者に補修を頼む際は、優良業者を選ぶ必要があります。優良業者は以下のポイントから見抜いていきましょう。

・見積もり作成のための調査が丁寧
・現状と補修方法をわかりやすく(ときには写真を使って)説明してくれる
・見積もりの内訳が詳細
・契約を急かさない
・理由のない大幅な割引がない

これらが優良業者の特徴となっています。そして、これらの特徴を持つ業者を複数ピックアップした上で、相見積もりをとることで悪影響はほとんど回避できるでしょう。
相見積もりは手間がかかるものですが、より適切な業者を選ぶことで将来支払う費用が大きく変わってくるため、辛抱強く複数の業者の見積もりをとっていきましょう。

業者に任せたときの費用相場

ここでは以下のとおりサイディングの補修を業者に任せた際の費用相場をみていきます。

サイディングボードにひび割れがあるか、シーリングにひび割れがあるかで、費用相場は大きく異なります。
さらに、2階以上の部分にあるサイディングを補修する場合は別途足場の費用が発生することがあります。

サイディングのひび割れ(30㎡) 1~10万円(足場なし)
10~30万(足場代あり)
コーキングのひび割れ 350~900円/m(増し打ち)
700~1,200円/m(打ち替え)

サイディングの塗装についてもっと詳しく↓

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サイディングのひび割れ、保証はあるの?

新築のときや、塗装をしたときに施工を行った業者から、保証の説明がありましたでしょうか。
ひび割れでもその保証が適用出来るのか、気になるところですよね。

基本的にひび割れは対象外

まずは保証書があれば確認してみた方が良いです。
ですが、一般的に保証はサイディングの商品自体に不具合があるときに適用されるもので、経年劣化や災害による症状は該当しません。

保証期間として10年あっても、条件にひび割れや反りがないこと、といった事例もあるので、だいたいの場合、ひび割れは経年劣化によるものと判断されてしまうでしょう。

参考URL:ニチハ窯業系外壁材の保証について

ひび割れでも保証が適用される可能性はあるのか?

ひび割れに対して、保証が適用されるケースは「施工不良」と判断された場合のみです。
特に、施工から余り日がたっていないうちに発生したひび割れに関しては、施工不良と判断されやすい傾向にあります。その場合、再補修を行う業者も存在します。

しかし、業者のミスとして一番結果が出やすいのは、塗料を適切な方法で塗らなかったことにより起きる、塗膜の剥がれなので、実際にメーカーの保証内容は剥がれに対してが多いです。

そのため、実際には、ひび割れで保証が適用されるケースはほとんどないと考えておいた方が良いでしょう。

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まとめ

今回はサイディングのひび割れ補修について解説しました。結論としては、素人が行う補修はリスクが高いため、基本的に専門業者に依頼するのがおすすめです。

以下は今回の記事のポイントです。

・サイディングにひび割れを見つけたら、幅の大きさを把握する
・ヘアークラックか構造クラックかを確認する
・DIYで補修するならヘアークラックまでの微細なひびまで
・構造クラックなら業者に早めに相談依頼する
・業者に依頼する際は、複数業者から相見積もりをとろう

業者に依頼するとそれなりのコストがかかってしまいますが、外壁の不備が建物全体に影響を及ぼすことを考えると、補修費用をおさえるという選択肢は必ずしも正しくありません。優良業者に依頼し、一度の補修で完璧にサイディングを修繕してしまった方が適切でしょう。

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▼インターネット
日本窯業外装材協会 公式ホームページ

ニチハ株式会社 公式ホームページ

▼書籍
外装リフォームの教科書2019完全保存版(株式会社ザメディアジョン)
外壁・屋根リフォーム専門書GAISO Vol.2(株式会社メディアジョン)
サイディングの維持管理はどうするの 第2版(日本窯業外装材協会 発行)
不具合はなぜ起こるのか 第3版(日本窯業外装材協会 発行)

▼専門家(ヒアリング)
株式会社POD 代表 長谷川佳広 氏

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