パーフェクトトップの耐用年数は長いってホント?他の長耐久塗料とも比較

  • 【更新日】2023-05-31
パーフェクトトップの耐用年数は長いってホント?他の長耐久塗料とも比較

本記事では、外壁用の塗料「パーフェクトトップ」をご検討中の方へ向けた解説を行います。

見積もりなどに記載の塗料名をきっかけに「パーフェクトトップ」を知った方にとって、すぐに知りたいのが

  • 「パーフェクトトップってどんな塗料?」
  • 「パーフェクトトップの耐用年数はどのぐらい?」
  • 「自分の場合、パーフェクトトップは最適? 他のおすすめは?」
  • 「見積もりの金額は相場内?」

 

といった事でしょう。

先に結論を言うと、「パーフェクトトップ」は価格・耐用年数ともに優れた塗料ですが、他社の同等製品のなかに、よりコストパフォーマンスの良い塗料が存在します。

今から、わかりやすく説明していきます。お役に立てば幸いです。

Point
  • 「パーフェクトトップ」は、劣化に強い「ラジカル制御形」塗料のひとつ
  • ラジカル塗料の中では「光沢の種類」が豊富
  • 外壁塗装を、施工単価「2000円後半」で検討中ならオススメ
  • ただし、より低価格で長耐用な他塗料アリ
尚、こちらの記事での価格・耐用年数は執筆時点の情報をもとに紹介しています。

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「パーフェクトトップ」ってどんな塗料?

「パーフェクトトップ」の概要と特徴

「パーフェクトトップ」とは、最大手メーカーの日本ペイント株式会社が製造販売する、国内初の「ラジカル制御形」外壁塗料です。

ラジカル制御形塗料とは、通常の塗料よりも紫外線で劣化しづらい性質をもち、同価格帯の塗料よりも耐用年数を高めた塗料をいいます。

塗料の名称 パーフェクトトップ ニッペ「パーフェクトトップ」
メーカー 日本ペイント
分類 1液水性ラジカル制御形塗料
用途(塗装可能素材) 外壁用(モルタル、コンクリート、窯業系サイディング、ALCパネル、金属パネル、FRPなど)
色数・つや 各色・つや有り/7分つや/5分つや/3分つや/つや消し
設計単価 3,360円/㎡~
実勢単価 約2,400円/㎡~
耐用年数 12~16年

画像出典:楽天市場(Paint Shop エビナ)

「ラジカル制御形」塗料とは? 普通の塗料とどう違うの?

「パーフェクトトップ」の機能である、「ラジカル制御」とはどのような仕組みなのでしょうか。

ラジカル制御とは、紫外線による塗膜の劣化をおさえる機能のことです。

「ラジカル」とは、樹脂にふれることで塗膜の劣化を引き起こす物質で、塗膜内の顔料が紫外線に当たることで増加していきます。
このラジカルを、顔料に防護膜をもたせることで内に閉じ込め、樹脂に触れないように守るメカニズムが「ラジカル制御」と呼ばれています。

 

*メーカーサイト トピックス「当社独自の樹脂技術により高耐候性・高作業性を実現 住宅外壁向け上塗り塗料「ニッペ パーフェクトトップ」を新発売」より引用

 

この特徴により、「パーフェクトトップ」の耐用年数は、汎用アクリル塗料に比べて大幅に長くなるとされています。
各社のラジカル制御形塗料の耐用年数を見ると、「シリコン塗料」よりさらに1~3年長い年数が設定されています。

以上、「パーフェクトトップ」の商品概要と、最大の特徴である「ラジカル制御」についての解説でした。

>>こちらも合わせて読みたい!
ラジカル制御形塗料の特徴や他塗料との違いについて解説しました。
ラジカル塗料ってなにがすごいの?メリット・デメリットを徹底解説!

「パーフェクトトップ」と他の塗料の耐用年数の違いは?

パーフェクトトップはアクリル樹脂塗料でありながら、その耐用年数は12~16年前後と言われています。
これは、パーフェクトトップと同じ価格帯であるシリコン樹脂塗料の耐用年数(平均10~15年)を上回る長さです。
この期待値の大きさこそが、ラジカル制御形塗料の人気の理由なのです。

一般的に、塗料の耐用年数は使用されている「樹脂」によって変わります。
耐用年数が長い樹脂を使った塗料ほど価格も高くなるのですが、パーフェクトトップは同程度の価格の「シリコン樹脂塗料」よりも長持ちするのがメリットです。

「パーフェクトトップ」と汎用塗料の価格・耐用年数の比較
塗料の種類< 耐用年数 実勢価格(/㎡)* 特徴
アクリル樹脂塗料 5~7年 1,400円~ 最安価。住宅にはほぼ使われない
ウレタン樹脂塗料 7~10年 1,700円~ 価格が安いがやや低耐久
シリコン樹脂塗料 10~15年 2,200円~ 最も頻繁に使われる
パーフェクトトップ 12~16年 2,400円~ シリコンと同等価格で長耐用
フッ素樹脂塗料 15~20年 3,800円~ 高耐久だが価格が高い

 

塗料が費用に対して長持ちするかどうかは、価格を耐用年数で割ってみれば分かります。
上の表にある「実勢価格」を「耐用年数」で割った計算結果を、塗料ごとに比べてみましょう。

耐用年数1年あたりの塗料コストパフォーマンスの違い
塗料の種類 (価格)÷(耐用年数)
アクリル樹脂塗料 約233円
ウレタン樹脂塗料 約200円
シリコン樹脂塗料 約176円
パーフェクトトップ 約171円
フッ素樹脂塗料 約217円

パーフェクトトップのコストパフォーマンスが、シリコン塗料よりも勝っていることが分かると思います。

また、塗装工事には塗料代以外に足場代などの費用もかかるので、耐用年数が長い塗料を選ぶことで20~30年間で見ると意外と大きな節約になるのもメリットです。

「パーフェクトトップ」の商品ラインナップは?

「パーフェクトトップ」シリーズの塗料一覧
品名 樹脂 耐用年数(*) 設計価格 特徴
パーフェクトトップ 水性・アクリル 12~16年 3,360円/㎡~ 国内初のラジカル制御形塗料
パーフェクトトップローズ 3,410円/㎡~ バラの香りを付加
パーフェクトセラミックトップG 18年~ 4,860円/㎡~ 「フッ素樹脂塗料を超える耐久性」
ファインパーフェクトトップ 油性・アクリル 12~16年 3,790円/㎡~ 油性ラインナップ

*耐用年数は、メーカー公表の耐候性促進実験と、カタログ上の従来品とのグレード比較より算定

耐用年数が10年を超える高耐久寄りの塗料では珍しい、アクリル樹脂を使用した塗料です。
通常アクリルは、塗料の樹脂として用いた場合、他樹脂のものより塗料の耐用年数が短くなります。
しかし後述の「ラジカル制御」機能により、「アクリル樹脂系塗料でありながら、当社従来シリコン樹脂塗料を越える高い耐候性を実現(*1)」したと発表されています。

 

本記事では、シリーズ商品でも扱われることのもっとも多い「パーフェクトトップ」について解説しています。

*1 メーカーサイト トピック「当社独自の樹脂技術により高耐候性・高作業性を実現 住宅外壁向け上塗り塗料「ニッペ パーフェクトトップ」を新発売(2012.10.5付)」より引用

>>こちらも合わせて読みたい!
住宅用塗料の種類、成分の違いによる価格差、機能差について解説。
【2022年最新】外壁塗装の塗料6種類の特徴・価格は?選び方と人気塗料ランキングも紹介

外壁塗装の相場を知って適正価格で塗装しよう

外壁塗装をする前に、まずは「自分の家の塗装の相場はいくらなのか」を確認しておきましょう。
外壁塗装は詐欺が多く、手抜きに気づきにくい工事[/text]です。
100万円でできる工事に150万円も払ってしまった…」ということが珍しくありません。

事前に知識をつけておかないと、知らずしらずのうちにお金を騙し取られてしまうのです。
以下の記事では外壁塗装の費用相場と費用の決まり方を解説しています。
外壁塗装にかかる費用について知り、悪徳業者に騙されないようにしましょう。

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「パーフェクトトップ」の特徴、メリット・デメリットは?

次は「パーフェクトトップ」を他の製品と比べた場合のさまざまな「メリット・デメリット」について見ていきましょう。
特に、他の「ラジカル制御形」塗料と比べて、どのような違いがあるでしょうか。

「パーフェクトトップ」のメリット

「ラジカル制御」により、耐用年数が長い

前述のラジカル制御のはたらきにより、紫外線による劣化が抑えられているため、同樹脂の汎用塗料と比べて耐用年数が長くなります。 また、「ラジカル制御」がとくに効く劣化現象が次の「チョーキング」です。

「チョーキング」が起こりづらくなる

チョーキングは「白亜化」とも呼ばれ、年月がたった塗膜の表面が粉末化する現象のことを言います。

 

チョーキングが起こった建物表面に手や服などが触れると、粉がかかったように汚れてしまい、見た目・安全性ともに下がります。
「パーフェクトトップ」の塗膜は、ラジカル制御の効果により、汎用塗料よりもチョーキングが起こりづらくなる効果が期待できます。

光沢の種類が豊富

パーフェクトトップは、ラジカル制御形塗料のなかでも、光沢(ツヤ)の種類が豊富です。

通常は4種類ほどの選択肢になりますが、パーフェクトトップは5種類(「ツヤあり」「7分ツヤ」「5分ツヤ」「3分ツヤ」「ツヤ消し」)。
外壁は面積が大きく、色や光沢のわずかな違いでも印象が変わりやすい部分です。
パーフェクトトップならば、住む人のイメージ通りの壁に仕上げやすいでしょう。

結露・雨シミに強い

樹脂にアクリルを使用していることから、他のラジカル塗料と比べて「透湿性」が高い製品です。
湿気を吸い込み、外に逃がす働きが他の樹脂と比較して強いため、結露や雨シミに強くなります。

安全、低刺激

溶剤を使用しない水性塗料のため、「VOC」(揮発性有機化合物)の含有が少なく(*2)、施工中のシンナー臭も軽減できます。

*2 環境省ガイドライン「すぐにできるVOC対策」PDF5ページ目より、塗料別のVOC含有率例から、水系塗料は溶剤系(油性)塗料に比べて「約1/4~1/9」のVOC含有率。

その他のメリット

「パーフェクトトップ」のメリットのうち、他の塗料にも比較的見られるものは次の通りです。

・防カビ、防藻
・仕上がりがキレイ
・施工時に塗りやすい

「パーフェクトトップ」のデメリット

耐用実績がまだない

メーカー発表のデータによると、「パーフェクトトップ」の耐用年数は「12~16年」と判断できますが、本品の発売は2012年であるため、耐用実績はまだ「経過観察中」と言える段階です。

メーカーによる促進実験は経た上で耐用年数を設定・発売されていますが、実験室の環境では想定していなかった要因が、実地では起こる可能性もあります。
「ラジカル制御形」塗料の最大のウリである「高耐候性、長耐用性」が確かめられるには、まだ時間がかかります。

白色や淡い色でないと「ラジカル制御」効果が薄い

「ラジカル制御」の効果は、白系などの淡い色の塗料で強く発揮されます。

ラジカルの発生原因は「酸化チタン」という顔料(着色)成分ですが、この酸化チタンは白色系の顔料に使われるものです。
「酸化チタン」の含有が少ない原色系や濃色系の塗料では、もともと劣化物質「ラジカル」の発生量が少ないため、「ラジカル制御形」塗料を選ぶメリットが少なくなります。

「ラジカル」が原因でない塗膜の劣化現象に対しては、同樹脂系の汎用塗料とほぼ同程度の耐久性と言えるでしょう。

【参考:「パーフェクトトップ」色見本】

画像出典:ナサホーム

他のラジカル制御形塗料との比較

ヌリカエ編集部にて、「パーフェクトトップ」を他のラジカル制御形塗料と比較してみました。

理論上の耐用1年あたりの設計価格(実勢価格÷耐用年数)では、「プレミアムシリコン」が「パーフェクトトップ」よりもわずか6円ほど安価でした。ツヤの選択肢、透湿性では「パーフェクトトップ」に強みがあります。

【表:ラジカル制御形塗料 データ比較】

商品名 「パーフェクトトップ」 「プレミアムシリコン」 「アレスダイナミックTOP」
メーカー 日本ペイント エスケー化研 関西ペイント
実勢価格(㎡) 2,400円 2,400円 2,600円
耐用年数 12~16年 14~16年 約15年
耐用1年あたりの
設計価格
約171円 約165円 約173円
特徴 再先発商品
光沢種類が豊富
防湿性
トータルコストが優秀 長耐久
雨天でも塗装可

「パーフェクトトップとプレミアムシリコンの比較」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「パーフェクトトップとプレミアムシリコンを徹底比較。性能・価格・仕上がりに違いはある?」

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「パーフェクトトップ」がオススメなのはどんな人?

パーフェクトトップを含む、「ラジカル制御形」塗料の使用がオススメな場合は、

・「安全、低刺激」な塗料を選びたい人
・「白色」か「淡色系」で塗りたい人
・「DIY」で外壁を塗りたい人
(水性塗料の扱いやすさのため)
です。

そのうえで、ラジカル塗料のなかでも「パーフェクトトップ」がオススメなケースを以下に挙げます。

「価格」「耐久性」「仕上がり」のバランスを重視する人

「パーフェクトトップ」が属する「ラジカル制御形」塗料のメリットを最大限活かせるニーズです。
費用と性能のバランスは、すべてのリフォーム検討者が気になるポイントのはずで、同様の理由で近年「ラジカル制御形」がすでに人気を集めています。

「ラジカル制御形」で塗りたい、かつ外壁の色にこだわりたい人

パーフェクトトップは、汎用塗料を含めても「光沢の選択肢」がもっとも豊富なため、塗装後の外見にもこだわりがある人にオススメです。
それに加え、「ラジカル制御形」であるため、性能・コストパフォーマンスも汎用塗料に劣る部分も特にありません。

ラジカル塗料のなかでは、どれを選んだらいいの?

前節の比較表のように、ラジカル制御形のなかではエスケー化研「プレミアムシリコン」が、「費用・耐久年数」視点では優れています。

トータルコストを気にする方は、施工業者が「プレミアムシリコン」を扱っているかどうか、先に確認するとよいでしょう。扱っていなかった場合は、残った2製品のうちでは「アレスダイナミックTOP」がトータルコストが安い傾向にあります。ヌリカエ編集部の調査では、ラジカル制御形塗料のなかでは「パーフェクトトップ」のコストパフォーマンス(「塗料実勢価格」と「耐用年数の期待値」のバランス)は、最良ではありませんでした。

「パーフェクトトップで塗装した外壁の仕上がり」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「パーフェクトトップの施工例13選。写真で外壁の色の仕上がりをチェック」

あまりオススメできない人は…

・耐用年数の実績を重視する人 「パーフェクトトップ」に限らず、発売した後まだ公称の耐用年数を経ていない「ラジカル制御形」塗料の実用性は、一般住宅を塗った場合の結果がまだ出ていません。

メーカーによる促進実験だけでなく、住宅に塗った事例を見極めてから判断をしたい方にとっては、別塗料を検討する選択肢もあります。

・ラジカル塗料にすることは決めていて、あとはコストで選びたい人 前述の通り、よりコストパフォーマンスの良い製品「プレミアムシリコン」があります。

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まとめ:他のラジカル塗料も扱っているか、業者に確認を

「パーフェクトトップ」をはじめとした「ラジカル制御形」塗料は、価格・耐用年数・仕上がり・安全性など、汎用塗料よりもバランス良く優れた製品です。

しかし、「パーフェクトトップ」で決める前に、
・業者が他のラジカル塗料(特に「プレミアムシリコン」)を扱っているか確認 をして、「扱っていなかった場合」「扱っていても安くなかった」「勧められなかった」場合は、
・より費用対効果の良い「プレミアムシリコン」を扱う別業者での見積り を経て、外壁用塗料を決定することをオススメします。

最後に、本記事の要点を振り返りましょう。

パーフェクトトップとはどんな塗料ですか?
ラジカル制御形塗料という、同価格帯の塗料よりも耐用年数が長い人気塗料です。詳しくはパーフェクトトップの概要と特徴をご覧ください。
パーフェクトトップのメリットは?
耐用年数が長い(11~14年)こと、チョーキング(白亜化)が起こりづらいこと、水性のため安全・低刺激なことなどです。詳しくはパーフェクトトップのメリットをご覧ください。
パーフェクトトップのデメリットは?
比較的新しい塗料なので、まだ一般住宅で耐用年数を経た実績がないことです。詳しくはパーフェクトトップのデメリットをご覧ください。
パーフェクトトップを使った外壁塗装の費用相場はいくらですか?
塗装面積1㎡あたり「2,400円」が目安です。詳しくはパーフェクトトップと汎用塗料の価格・耐用年数の比較をご覧ください。

以上、本記事が読者のみなさまのリフォームの役に立つことを、お祈り申し上げます。


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