遮熱塗料「サーモアイ」の特徴・費用対効果は? こんな人にピッタリ

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業者から勧められたり、見積もりで塗料名を目にしたことで
はじめて「遮熱塗料」や、「サーモアイ」という塗料を知った方もいらっしゃるかと思います。

本記事は、そういった方々に向けて、

・そもそも、自分の家では遮熱塗料を使うべきか
・遮熱塗料を使う場合、「サーモアイ」でよいのか
・他にどんな選択肢があるか

がわかる情報を徹底解説します。

遮熱塗料自体の機能や、「サーモアイ」の表面的な特徴は、カタログや既存のネット記事などでも多く見つけることはできますが、

「どんな人・場合にオススメなのか」「向いていない場合、他にどんなオススメがあるか」についての情報を集めるのは、難しい現状があります。

そこで、本記事は徹底調査のもと、そこまでを結論に落とし込んでいます。

検討のお役に立てば、ヌリカエ編集部一同幸いに思います。

Point
  • 「サーモアイ」は遮熱性能・費用対効果ともに高い。
  • 性能は弱点なし。ほとんどの人にオススメできる。
  • デメリットは、初期費用がやや高めなこと。
  • 屋根がセメント瓦の場合は適用外。

  • 1.「サーモアイ」とは? そもそも遮熱塗料とは

    1.1.遮熱塗料「サーモアイ」とは

    「サーモアイ」とは、最大手メーカー・日本ペイント株式会社が製造する、屋根用遮熱塗料のシリーズです。

    ベースの樹脂によって5種類の製品に分かれており、価格と耐用年数がそれぞれ異なります。
    また、「サーモアイ」には専用の下塗り材が2種類あります。こちらは「遮熱塗料」として扱われる上塗り材とは異なります。

    種別 品名 樹脂 耐用年数
    遮熱塗料 サーモアイ4F 油性・フッ素 12~15年
    サーモアイSi 油性・シリコン 8~12年
    サーモアイ1液Si 油性・シリコン 8~12年
    サーモアイUV 油性・ウレタン 6~10年
    サーモアイヤネガード 油性・アクリル 5~8年
    下塗り材 サーモアイシーラー 油性・エキポシ
    サーモアイプライマー 油性・エキポシ

    「サーモアイ」は、上塗りの塗料と下塗り材、どちらにも遮熱機能をもたせることで、遮熱塗料のなかでもトップクラスの遮熱能力を有しています。

    カラーバリエーションは全40種類 。色数では、エスケー化研「クールタイト」に次ぐNo.2の豊富さです。

    「サーモアイ」は、遮熱性能・耐久性・コストパフォーマンスともに高い遮熱塗料と言え、多くの場合でオススメできる製品となっています。
    以下で、詳しく触れていきます。

    1.2.そもそも「遮熱塗料」とは? 使ったほうがいいの?

    「遮熱塗料」とは、普通の(汎用)塗料に特殊セラミックなどを追加して「遮熱効果」を高めたものです。

    「遮熱効果」とは、日光を反射する力のことです。
    遮熱効果が高いと、屋根表面や屋根材に熱が蓄積されづらくなることで、住宅内の暑さを和らげる変化が期待できます。



    遮熱塗料を使うメリット・デメリットは?

    遮熱塗料のメリットは、次の3点です。

    まず、夏場の「室温を約1~3℃下げる」効果が期待できます。

    それにより、冷房の設定温度を数℃上げることができるようになり、「冷房代の節約」に繋がります。

    さらに、遮熱塗料を塗った部分の「住宅の熱劣化を軽減する」効果もあります。

    他方、デメリットとしては、汎用塗料に比べて、約2%ほど塗料代が高いこと挙げられます。

    屋根には遮熱塗料を使うべき?

    ヌリカエ編集部としては、屋根には遮熱塗料を前向きに検討することをオススメしています。

    ここ毎年、日差しや気温の厳しさが増す日本の夏において、「室温低下」「冷房代節約」の効果は有意義と判断しています。
    また、塗料代2%ぶんの投資も、毎年の冷房代節約により、取り返すことが可能です(*1)。

    遮熱塗料は、メーカー各社から遮熱性能、価格、耐久性、その他の付加効果が異なるさまざまな製品が出ているので、自分の住宅や希望に合うものを選ぶことがもっとも重要です。

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    遮熱塗料のススメ。効果・実績・費用、すべてをまとめました。

    次は、遮熱塗料のなかでも「サーモアイ」を検討するの場合の判断材料を詳しく見ていきましょう。

    *1 環境省の調査によると、「サーモアイSi」の空調代削減効率について、冬場の暖房効率減少を差し引いても「東京都で1,839円/年」「大阪府で7,547円/年」の電気代が節約できるとの実験結果が出ています。[ 「ヒートアイランド対策技術(建築物外皮による空調負荷低減等技術)実証試験報告書 サーモアイSi」目より。2019年8月13日閲覧 ]

    2.「サーモアイ」の特徴、メリット・デメリットは?

    2.1.「サーモアイ」のメリット

    最高クラスの「遮熱効果」

    遮熱効果は、太陽光をはね返す割合である 「日射反射率」という値で比較できます。
    「サーモアイ」は、この日射反射率が「90%以上」あるとうたう、唯一の製品です(*2)。

    高い遮熱効果は、サーモアイ専用の下塗り材にも遮熱効果をもたせていることにより実現しています。
    「上塗り材」と「下塗り材」の両方で日射を反射させる仕組みは、他製品には見られない特徴と言えるでしょう。

    *2 メーカーカタログより。「日射反射率91.0%」(全日射。もっとも値の大きい「クールホワイト」の値)。
    *「サーモアイ」には、遮熱効果と見た目の美しさを保つ「高耐候」「防汚」効果も付与されています。これらは、他社製品にも見られる補助効果ですが、遮熱性能の保持に直結する重要な効果です。製品に関わらず、遮熱塗料を選ぶ際には「耐候機能」「防汚機能」があるものかを確認するのがよいでしょう。
    「サーモアイ」の「日射反射率 保持率」:6ヶ月後約96%、24ヶ月後約95%。
    同「クールタイト」:6ヶ月後約95%。
    同「アドグリーンコート」:10年後約88%。

    コストパフォーマンスが高い

    サーモアイの塗料価格も比較的こなれており、耐用年数も加味するとコストバランスが非常に良い商品です。
    また、「サーモアイ」を含むいくつかの塗料は、施工会社からくる実際の見積もりでは、メーカー公表の設計価格よりも安くなる場合がほとんどです(「実勢価格」として下表に記入)。

    品名 設計価格 実勢価格 耐用年数 1年あたりの実勢価格
    サーモアイSi 3,950円/㎡ 約2,450円/㎡ 8~12年 約204~306円
    クールタイトSi 3,750円/㎡ 約2,200円/㎡ 6~8年 約275~367円
    アドグリーンコートEX 3,650円/㎡ 約3,650円/㎡ 8~12年 約313~469円
    ガイナ 5600円/㎡ 約3,800円/㎡ 15~20年 約190~253円

    施工面積120㎡の屋根に塗装する場合の比較では、

    品名 塗料代(実勢価格×120㎡) 耐用年数 1年あたりの塗料代
    サーモアイSi 約294,000円 8~12年 約24,500~36,750円
    クールタイトSi 約264,000円 6~8年 約33,000~44,000円
    アドグリーンコートGL 約450,000円 8~12年 約37,500~56,250円
    ガイナ 約456,000円 15~20年 約22,800~30,400円

    *実勢価格は監修者へのヒアリングによる。「ガイナ」の価格にはトップコーティング剤(約600円/㎡。使用推奨だが任意)を含まず。


    塗料代(初期費用に直結)に納得できれば、遮熱塗料のなかでも最も初期費用・トータルコストがバランスよく安い選択肢のひとつとなります。

    純粋にコストパフォーマンスだけを見ると、「ガイナ」に軍配が上がりますが、塗料代がかなり高額になります。編集部としては「サーモアイのほうが多くの人に勧めやすい」と考えています。

    「設計価格」より安くなる場合がほとんど
    塗装業者から見積もりをとった場合の塗料代は、上表の各メーカー設計価格より安くなる場合がほとんどです。実際にヌリカエ加盟店の施工会社に訪ねたところ、「サーモアイSi」の場合では1平米あたり「2000円代後半~約3000円」。「クールタイトSi」では「2000円台前半」で塗料代を出す業者が多いとの見解でした。
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    トップクラスに豊富なカラーバリエーション

    「サーモアイ」のカラーバリエーションは全40色となっています。
    これは、遮熱塗料では「クールタイト」の全41色に次ぐ多さです。

    「サーモアイ」と「クールタイト」以外の遮熱塗料では、バリエーションは10~20色と開きがあります。
    選べる色の数の多さにおいても、「サーモアイ」はトップクラスの製品と言えるでしょう。

    2.2.「サーモアイ」のデメリット

    光沢の種類が「ツヤあり」しかない

    塗料には、色のほかに「光沢」の選択肢があります。
    多くの塗料では「ツヤあり」「ツヤなし」「3分ツヤ」などの種類がありますが、サーモアイにはこの光沢の種類が「ツヤあり」のみです。
    光沢のハッキリした、眩しい印象の屋根になりやすいため、これが好みではない場合はデメリットと言えます。

    セメント瓦が適用対象外

    メーカーは塗料ごとに、品質・効果を保ったまま塗ることができる建材の区分を保証しています。
    これを「適用下地」と言いますが、サーモアイは「セメント瓦屋根」の素材を適用下地に含んでいません。
    他の遮熱塗料は、セメント瓦は適用下地に指定されているものがほとんどです。

    「サーモアイ」と他社製品の特徴・価格の違いは?

    サーモアイについてお話した「遮熱性能」「価格と耐用年数」「メリット・デメリット」などについて、他製品についてもまとめてみました。

    サーモアイSi クールタイトSi アドグリーンコートEX ガイナ
    実勢価格(㎡/年) 約204~306円 約275~367円 約313~469円 約190~253円
    耐久年数 8~12年 6~8年 8~12年 15~20年
    日射反射率(最大) 約90%以上 約80%以上 約90%以上 約90%以上
    メリット 遮熱性能が高い
    トータルコストが安い
    塗料が安い
    多数の防護効果
    安全・低刺激
    放熱効果アリ
    仕上がりがキレイ
    遮熱性能が高い
    断熱効果アリ
    長耐用年数
    デメリット ツヤありのみ
    セメント瓦が適用外
    耐用年数が短い コストが高い
    対応業者がまだ少ない
    初期費用が高い
    汚れがつきやすい
    オススメできる人 遮熱効果とコストパフォーマンスを両方求める人 すぐ再リフォーム・退去する人
    水辺・金属屋根
    きれいな外観を長く保ちたい人 冬場の暖房効率も上げたい人
    ※各製品、ラインナップ中「シリコン樹脂」のもの、もしくは同等価格の製品で比較。

    比較の結果、「サーモアイ」は、遮熱性能もコストパフォーマンスも高く、初期費用がやや高いことが気にならなければ、多くの方にオススメできる遮熱塗料と位置づけています。

    遮熱塗料のなかでも「サーモアイ」を前向きに検討するかどうか、比較にお役立てください。

    3.「サーモアイ」がオススメなのはどんな人?

    ここまでで、サーモアイの概要と特徴についてはお分かりいただけたかと思います。

    ではそれらの特徴を、リフォームを検討中の方の住宅環境や希望に当てはめて、「オススメできる場合」「できない場合」について考えてみましょう。

    3.1.「サーモアイ」をオススメできる人

    すでに部屋の暑さに悩んでいる人。暑さが苦手な人

    遮熱性能をあらわす「日射反射率」 において、サーモアイは各メーカーの公表値中「No.1」 の遮熱塗料です。
    夏場の屋内の暑さに毎年悩んでいる方には、遮熱塗料の中でもより日射反射率の高いものがオススメなので、サーモアイは有力な候補となります。

    今の家に10年以上住む予定の人

    サーモアイは、耐用年数でみたコストパフォーマンスの高い遮熱塗料です。10年以上居住予定であれば、その高いコストパフォーマンスを活かせる でしょう。

    最大手メーカー製の安心感を求める人

    サーモアイを製造する「日本ペイント株式会社」は、日本の二大塗料メーカーに数えられるほどのリーディングカンパニーです。また、サーモアイ自体も、遮熱性能に定評のある人気商品となっています。実績と信頼のある製品があたえる「安心感」を重視する方にもオススメ できます。

    繰り返しになりますが、ヌリカエ編集部では「サーモアイは多くの場合にオススメできる遮熱塗料」であると考えています。上記のいずれかにぴったり当てはまる場合以外でも、最適な選択肢になることも多いでしょう。

    3.2.「サーモアイ」をあまりオススメできない人

    性能・コストパフォーマンスのバランスのよい「サーモアイ」でも、場合によってはあまり選ばないほうがよい場合もあります。

    ・初期費用を安くおさえたい人
    長期間でみたコストパフォーマンスよりも、とにかくリフォーム代の高低を重視する場合はあまり向きません。
    初期費用をおさえたい場合は、エスケー化研「クールタイト」シリーズの遮熱塗料が有力な選択肢になります。

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    遮熱塗料「クールタイト」の特徴・費用対効果は? こんな人にピッタリ

    ・セメント瓦屋根の住宅に住んでいる人
    セメント瓦は、サーモアイの「適用下地」に含まれていません。塗れないことはないのですが、耐用年数が下がったり、そもそも業者が引き受けてうれなかったりする場合があります。
    「クールタイト」「ガイナ」「アドグリーンコート」など、他の遮熱塗料の多くはセメント瓦に適用しています。

    4.「サーモアイ」を検討する際の追加ポイント

    4.1.色数は豊富だが、光沢が「ツヤあり」しかない点に注意

    例えば、「今の屋根と同じ色でリフォームしたい」「今の屋根に一番近い色があったからサーモアイを選ぶ」という場合には、注意が必要です。

    サーモアイは、カラーバリエーションは多いのですが、光沢の種類は「ツヤあり」1種類のみです。そのため、使用した屋根ははっきりとした光沢のある屋根になります。
    このため、「色は同じものを選んだけど、ツヤのおかげで屋根のイメージが以前と変わってしまった」という事が起こりえます。

    設計価格屋根のイメージを保って塗替えを行いたい場合は、現在お住まいの屋根が「ツヤあり」「ツヤなし」「三分ツヤ」のどれなのか、施工前に業者と確認してみましょう。そのうえで「サーモアイ」を使うか判断することをオススメします。

    他の遮熱塗料であれば、光沢の種類が複数あります。ツヤのないマットカラーの屋根をご希望であれば、「クールタイト」「ガイナ」「アドグリーンコート」などの他の塗料が選択肢となります。

    4.2.ベースの樹脂は「4F」か「Si」がオススメ

    サーモアイシリーズには、ベースの樹脂の違いにより「4F」「Si」「1液Si」「UV」「ヤネガード」の5種類の塗料があります。

    品名 樹脂 耐用年数 設計価格
    サーモアイ4F 油性・フッ素 12~15年 4,610円/㎡
    サーモアイSi 油性・シリコン 8~12年 3,950円/㎡
    サーモアイ1液Si 油性・シリコン 8~12年 3,950円/㎡
    サーモアイUV 油性・ウレタン 6~10年 3,490円/㎡
    サーモアイヤネガード 油性・アクリル 5~8年 3,780円/㎡

    選び方の判断は、
    ・耐久性重視ならば「4F」。
    ・価格と効果のバランス重視ならば「Si」。
    ・「1液Si」は、施工中のニオイを軽減したい場合に。
    ・「UV」「ヤネガード」は、住居にはあまり使われない。

    を基準にしてください。

    耐久性が高い順に「4F」「Si」「1液Si」「UV」「ヤネガード」となり、耐久性が高いほど価格も上がります。

    「1液Si」は、現場で溶剤と混合する“2液塗料”の「Si」と比べて、シンナー臭が軽減することが期待できます。が、耐久性は2液塗料の「Si」に比べて若干低くなります。また、「1液Si」はスレート屋根専用塗料です。

    「UV」「ヤネガード」は、それぞれ「ウレタン」「アクリル」樹脂の塗料です。上記の樹脂に比べて、耐久性が低いかわりに設計価格が安いのですが、住宅の屋根の大きさではコスト上のメリットがあまり発揮されないので、オススメしていません。



    以上、遮熱塗料「サーモアイ」について、概要、特徴、向いている人や、向いていない場合の代替候補などについて解説いたしました。

    遮熱塗料の登場・普及により、屋根のリフォームは、住宅の耐久性だけでなく、夏の暑さや省エネの対策もできる機会になりました。本記事をもとに、読者の方の住宅リフォームがより良いものになるよう、ヌリカエ編集部一同お祈り申し上げます。



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