【画像あり】屋根瓦の見分け方とは?素材別・形状別に解説

  • 【更新日】2021-11-26
【画像あり】屋根瓦の見分け方とは?素材別・形状別に解説

 

本記事では、屋根瓦の見分け方をご紹介!素材別・形状別に価格やメリット・デメリットなども比較しています。
ぜひ参考にして、屋根瓦の購入・修理・メンテナンスなどにご活用ください。

「屋根材の種類性能」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「うちの屋根瓦の種類と特徴・外見・価格を徹底比較」

Point ・素材別は、釉薬瓦・いぶし瓦・素焼き瓦・セメント瓦・モニエル瓦がある
・形状別は、和瓦・平板瓦・スパニッシュ瓦がある
・素材別では釉薬瓦、形状別では和瓦が定番

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【素材別】屋根瓦の種類まとめ

 

屋根瓦の素材別の種類とその特徴をまとめました。
屋根瓦を葺き替えるタイミングで、今使っている素材とは別の種類の屋根瓦を選択してみてはいかがでしょうか。

釉薬瓦(陶器瓦)

 

もっとも一般的な瓦が「釉薬瓦(ゆうやくがわら)」です。粘土で瓦の形を作ったあと、釉薬と呼ばれるガラス質の薬剤を塗布して高温で焼いて作ります。お茶碗やお皿などの陶器を作る工程と同じですので「陶器瓦」と呼ばれることもあります。

釉薬を塗ることで瓦にツヤを与えることができるだけでなく、好みの色に仕上げることができ、種類が多いことも釉薬瓦の特徴です。また釉薬を塗ることで水を通しにくくなるため、耐水性に優れています。瓦自体に雨水が染み込まずに流れ落ちますので、瓦の下のルーフィングが傷みにくいというメリットもあります。

それに加えて、色やツヤが長持ちして古びにくいことも釉薬瓦の特徴です。いつまでも美しい外観をキープしたい方は釉薬瓦を選んでみてはいかがでしょうか。なお釉薬瓦は価格の幅が広く、お手軽なものなら1平米あたり5,000円ほどで葺き替えられますが、高級な素材なら1平米あたり15,000円以上もするものもあります。瓦自体は50~60年ほど持ちますので、こまめにメンテナンスしなくても良いという点も嬉しいポイントですね。

いぶし瓦

 

「いぶし瓦」とは寺社の屋根に使われることが多い古来伝統のある瓦です。粘土で作ることは釉薬瓦と同じですが、上薬をかけずに窯の中でいぶすことにより銀色~黒色の独特の色合いを出します。いぶし具合によって色が変わるため、釉薬瓦のような均一の美しさはないものの、1枚ごとに風合いが異なる独特の美があります。

いぶし瓦の銀色~黒色の色合いは、窯の中でいぶされている間に付着する炭素膜の色です。炭素膜は単に美しい色をつけるだけでなく、雨風から瓦を守る効果も発揮します。しかし時間経過とともに炭素膜が剥がれてしまいますので、30~60年を目途に葺き替えリフォームをする必要があります。

なお、いぶし瓦は粘土で作る瓦の中では高級品とされており、もっとも廉価なものでも1平米あたり8,000円ほどします。高級なものでは1平米あたり18,000円ほどすることもあります。

素焼き瓦

 

粘土で瓦の形を作り、そのまま焼いたものを「素焼き瓦」と呼びます。いぶし瓦と同じく釉薬を塗らないので、無釉薬瓦と分類することもあります。ただし炭素の色がつくいぶし瓦とは異なり、素焼き瓦は粘土そのものの赤い色合いが出るため、素朴な風合いを好む人や明るい屋根を希望する人にも好まれています。

また、いぶし瓦は全体的に銀色っぽく見えるため「銀瓦」と表現されることがありますが、素焼き瓦は全体的に赤みが強いため「赤瓦」と表現されることも多いです。独特の赤みから洋風建築と相性が良く、南欧風の建物に合わせてテラコッタ瓦やスパニッシュ瓦と呼ばれることもあります。

なお薬剤や炭素などが瓦に付着しないため、軽量で耐久性に優れることも特徴です。平均40~50年ほど持ちますので、屋根材の葺き直し2回ごとに1回のみ屋根瓦の葺き替えをすればOKです。手頃なものなら1平米あたり5,000円ほど、高級なものでも1平米あたり9,000円ほどと安価なことも素焼き瓦の魅力と言えるでしょう。

セメント瓦

 

粘土ではなくセメントと水、砂で作られる瓦を「セメント瓦」と呼びます。セメント瓦は陶器で作った釉薬瓦や素焼き瓦、いぶし瓦と比べると角の部分が角ばってギザギザとしていることが特徴です。セメント自体に色をつけて色付きのセメント瓦を作ることもありますが、セメント瓦を作ってから塗料で着色することも多いです。

陶器瓦は焼く工程で予想以上に縮んでしまうことがあるため、廃棄しなくてはならない瓦も多数生じます。それに比べてセメント瓦は焼かずに仕上げるため、製造中の縮みがほとんどなく、ほぼすべての瓦が無駄なく使えるというメリットがあります。

しかしデメリットも少なからずあります。上から塗料を塗っているセメント瓦は塗料が10~20年ほどで剥げてしまうため、瓦の葺き替えタイミングよりも早めに塗料の塗りなおしをしなくてはなりません。さらに、陶器瓦と比べると重量が重いために耐久性に劣るだけでなく、家屋自体に大きな負担をかけてしまいます。そのため、近年ではセメント瓦を使う家屋は減少しているのが実情です。

参考記事:セメント瓦とは?他の屋根材との見分け方と特徴、メンテナンス方法を解説

モニエル瓦(コンクリート瓦)

 

セメント瓦に着色スラリーと呼ばれる塗材が塗られている瓦を「モニエル瓦(コンクリート瓦)」と呼びます。日本モニエル株式会社が生産していたためモニエル瓦と呼ばれるようになりました。着色スラリーが防水性に長けているため、モニエル瓦はセメント瓦よりも防水性に優れます。

モニエル瓦もセメント瓦も、いずれもセメントからできているため、ちょっと見ただけでは見分けがつきにくいものです。切り口のギザギザが著しいときはモニエル瓦、比較的まっすぐなときはセメント瓦だと判断すれば間違いないでしょう。いずれも近年は減少してきていますので、葺き替えるときはモニエル瓦とセメント瓦の両方に精通しているリフォーム業者に依頼するようにしてくださいね。

なおモニエル瓦の耐久性はセメント瓦とほぼ同じで、塗料については10~20年ほど、瓦自体は20~40年ほどです。1平米あたりの価格もほぼ同じで、安いものでは5,000円ほど、高いものなら9,000円ほどです。

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【形状別】屋根瓦の種類まとめ

 

屋根瓦は
①飾りとして取り付ける瓦(鬼瓦や鍾馗(しょうき)さん・シーサー・鷹・鯱など)

②切妻部分や淵部分に葺く瓦(屋根を広く見せるための筒状の瓦など)

③屋根全体に葺く瓦(日本古来の和瓦と平面瓦、スパニッシュ瓦の3つ)

の3つに分けられます。
今回は、その中の ③屋根全体に葺く瓦 の、それぞれの特徴を探っていきましょう。

和瓦(J型)

 

もっとも一般的な瓦の形状は、波を打ったような自然なカーブのある「和瓦(わがわら)」です。Japaneseスタイルですので、「J型」と呼ばれることもあります。自然なカーブの部分に空気を含むために保温性に優れ、カーブ部分から適度に湿度が蒸発するために換気にも優れます。冬の寒さが厳しく、夏は湿度の高い日本の気候には最適な形状の瓦だと言えるでしょう。

また、和瓦の独特のカーブで、隣り合った瓦同士がずれずにしっかりと組み合わさることが可能になります。大きな地震のときには崩れてしまいますが、軽い揺れ程度なら、瓦同士の結束によって瓦がずり落ちたり崩壊したりすることを防げます。

和瓦の波打った形状には、雨や雪を溜まらせない効果もあります。雨や雪がスムーズに流れ落ちると屋根が重圧を受けずに済むため、家自体の耐久性を向上させる効果も期待できます。特に釉薬瓦は摩擦が少なく雨や雪が下に落ちやすくなりますので、降雨量や降雪量が多い地域にはオススメの屋根瓦の種類と言えるでしょう。

平板瓦(F型)

 

フラットな形状の瓦を「平板瓦」と呼びます。FlatのFをとってF型と呼ぶこともあります。日本古来の形状である和瓦とは異なりどんな様式の家屋にも合うため、和風建築だけでなく洋風建築に使われることも多いです。

平板瓦には、見た目がすっきりとしているため屋根が広く見えるという効果もあります。個性的なデザインを希望する方や屋根を広く見せたい方は、平板瓦を検討してみてはいかがでしょうか。

また太陽光発電システムを導入したいと考えている方にも、平板瓦はオススメです。どの瓦の種類でも太陽光発電システムを搭載することは可能ですが、瓦自体に凹凸がくっきりとしていると、太陽光発電本体が悪目立ちしてしまう恐れがあります。平板瓦なら太陽光発電のフラットな蓄電池部分にもなじむため、違和感なく溶け込みます。

スパニッシュ瓦(S型)

 

波打った形状の和瓦よりさらに大きく波打っているのが「スパニッシュ瓦」です。SpanishのSをとってS型と呼ぶこともあります。南欧風の風合いが強いため、伝統的な日本家屋より洋風家屋によく合います。

スパニッシュ瓦は和瓦と同様波打った部分に空気を含むため、保温性と通気性が高いことが特徴です。保温性と通気性を維持しつつも洋風の建築を希望する方には、ベストの選択と言えるのではないでしょうか。

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