外壁塗装も含んだリフォームの相談事例は毎年20,000件以上寄せられ、そのうち1割が法的解決が必要とされています。もはや、外壁塗装の詐欺は他人事ではありません。
しかし…
「外壁塗装の詐欺は、どんな手口があるの?」
「外壁塗装の詐欺はどうやって防げばいいの?」
「実際に詐欺に遭ったらどうすればいいの?」
といった疑問を持っていませんか?
そこで、この記事では外壁塗装の詐欺の疑問を解決するため、「詐欺の手口」「詐欺に遭わないための注意点」「詐欺に遭った時の対処」について、わかりやすく解説します。
- 費用が割高だったり、大割引されたり、追加請求を受けると詐欺。
- 詐欺を防ぐには「書類を確認する」「即決しない」「相見積もりをする」を守る。
- 外壁塗装の詐欺に遭っても、8日以内ならクーリングオフできる。
はじめての外壁塗装を検討されている方は、こちらの記事もおすすめです。
外壁塗装における詐欺は増えている!?
外壁塗装における詐欺の実態について解説をします。まずは問題の大きさを把握しておきましょう。
トラブルに関する相談件数は年々増えている
外壁塗装の詐欺に関連した調査結果をお伝えします。下のグラフは、「公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター 」がまとめた、住宅リフォームに関するトラブルの相談件数の推移です。
住宅リフォーム・紛争処理センターによると、2017年におけるトラブルの相談は、20,786件あったそうです。上の図は2000年から取得しているデータになりますが、年々トラブル相談の件数が増えていることがわかります。
年々拡大する外壁塗装の市場に合わせて、詐欺も増えているというが考えられます。依然として、悪徳業者は私たちを騙そうとしていることが考えられます。外壁塗装の詐欺は他人事ではありません。より一層、優良業者を見極めることが不可欠になっています。
リフォームに関する不具合は外壁や屋根でみられる
外壁塗装の詐欺に関連した調査結果に関して、どのようなトラブルがあったかをお伝えします。下のグラフも、「公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター 」がまとめたものになります。
「該当事象が多くみられる部位」を確認すると、上位5位には全て「外壁」であることが記載されています。また、外壁の塗装と一緒に屋根の補修も行う事があるため、上位6位には全て「屋根」が入っていることも確認できます。
外壁塗装に関するトラブルは、年々増えていて毎年2万件以上も相談のあることがわかりました。必ずしも詐欺であるとは言えませんが、少なからず詐欺に関連するトラブルがあると考えることができるでしょう。
外壁だけでなく屋根などに対して、様々な手口で騙そうとしてくる業者に注意をする必要がありそうです。
外壁塗装の詐欺の手口3つ
外壁塗装の詐欺において、どのような手口にがあるのか把握しておきましょう。
- ・詐欺の手口1:見積もり書・契約書を雑に書く
- ・詐欺の手口2:即決を求めてくる
- ・詐欺の手口3:前払いを要求される
詐欺の手口1:見積もり書・契約書を雑に書く
詐欺の手口として、見積もり書や契約書などの書類を雑に書くという手口があります。悪徳業者は、見積もり書・契約書を雑に書くことで、責任の追及から逃れようとしているのです。
具体的には、見積書が「一式」だらけで詳細に書かれていない、契約書に保証内容がしっかり書かれていない場合、注意が必要です。
業者から見積もり・契約書を渡されたら、雑な点は無いかしっかり確認しましょう。
詐欺の手口2:即決を求めてくる
詐欺の手口として、即決を求めてくるというものがあります。悪徳業者は、すぐの決断を迫り、正確な判断を鈍らせようとしてくるのです。
具体的には、突然訪問して外壁の不備を説明することで危機感を煽ります。そして不安にさせた顧客を、期間限定の割引価格など、言葉たくみに外壁塗装を行わせようと誘惑するのです。
相手に一切余裕をもたせないテクニックで、じっくり検討させないようにします。そのため、どんなに不安されても即決してはいけないことを覚えておきましょう。
詐欺の手口3:前払いを要求される
前払いを要求される場合、詐欺の可能性が高いです。これは、塗装を行わず、持ち逃げされてしまうからです。
外壁塗装の多くは後払い、または前払いと後払いと半々で行うことが一般的ですが、悪徳業者の場合は違います。彼らは前払いを要求することで、塗装を一切行わない、または途中までやって費用を持ち逃げします。もちろん、その後は連絡しても応答は返ってきません。
そのため、前払い要求には応じないように注意してください。外壁塗装の支払いについて詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
外壁塗装の詐欺のチェックポイント4つ
悪徳業者の被害に遭わないためにも、詐欺かどうかを確かめるポイントを4つ紹介します。
- ・詐欺のチェックポイント1:費用を大割引する
- ・詐欺のチェックポイント2:費用が割高
- ・詐欺のチェックポイント3:自社開発の塗料を勧める
- ・詐欺のチェックポイント4:追加請求される
詐欺のチェックポイント1:費用を大割引する
費用を大割引した場合、詐欺である可能性が高いです。なぜなら、大きく割引すると業者の利益を確保することが難しくなるからです。
そもそも外壁塗装の相場は80~120万円なのに、ここから30~50万円も割引されると、残り5割程度で塗装を行う必要があります。つまり費用を大割引するということは、利益を確保するため、粗悪な工事で誤魔化すということです。
このような事態にならないためにも、費用を大割引する業者には注意しましょう。外壁塗装の相場について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
詐欺のチェックポイント2:費用が割高
費用が割高の場合、詐欺である可能性が高いです。これは、顧客が正しい相場を知らないことを理由に、割高な費用を請求しているのです。
よく調べずに業者を信用していると、もしかしたら費用を高く請求されているかもしれませんよ?もし割高な費用を請求された場合、注意しましょう。
詐欺のチェックポイント3:自社開発の塗料を勧める
自社開発の塗料を勧める場合、詐欺である可能性が高いです。なぜなら、膨大な費用と時間がかかる塗料の開発を、簡単に行えるはずがないからです。
自社開発の塗料と聞くと良さそうに感じますが、中身は大手メーカーよりも質の低い塗料を使っています。質の低さを「自社開発」で誤魔化し、大手塗料よりも利益を確保したい思惑があるのです。
もし業者が自社開発の塗料を勧める場合、注意しましょう。外壁塗装の塗料について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
詐欺のチェックポイント4:追加請求される
追加請求される場合、詐欺である可能性が高いです。これは、悪徳業者が利益を確保したいため、または手を抜いたために発生するものです。
もちろん、優良業者でも追加請求を行いますが、多くはありません。では、悪徳業者はなぜ追加請求をするのかというと、利益を上乗せしたかったり、現地調査の手を抜いたり、安く見せた費用を追加請求で埋めたいからです。
このような事態に遭遇しないためにも、追加請求には注意してください。
これって詐欺?外壁塗装の紛争事例
この章では実際に「独立行政法人 国民生活センター」によせられた紛争事例の解説をします。
外壁塗装詐欺の紛争事例の紹介
今回紹介する紛争は、「安く値引きすると言われていたが、結局値引きはされなかった」という詐欺や「約束していた保証期間や施工内容に対して、期待していた仕上がりとは遠く保証を受け入れてもらえない」という詐欺だと考えることができるものです。
当事者の主張としては、相手方から「15 年保証」「3~5 ミリの厚さで塗装する」等と説明され、「看板を付けさせてもらえれば宣伝になるので、337 万円の工事を 140 万円に値引きする」と言われたので契約をしたことから始まります。
実際には、施工後の仕上げは塗膜が薄くピンホールと呼ばれる壁に穴が開いた症状がみられました。また、看板の在庫がないため掲示をしないという事を後から言われました。
当事者は、消費生活センターに相談をして契約書面に不備があるとわかりました。その相談内容をもとにクーリングオフを求めましたが、相手方は応じなかったそうです。
詐欺の紛争事例のその後
紛争に関して、国民生活センターに相談をし、当局の仲介委員によって和解にむけた手続きが行われます。
全部で4回の手続きが行われました。はじめは現地調査から行われます。その後、仲介委員をとおして相手方に資料の提出を求めたり、解決のための譲歩を求めるなどが行われます。
本件に関しては、相手方から10万円の減額で解決を要求されました。その要求に対して、仲介委員はさらなる譲歩を求め、最終的に20万円の減額によって同意がされ、和解が成立しました。
詐欺の紛争事例からわかること
今回の紛争事例から考えられることは、「大きな値引き」が詐欺のポイントだったと考えられます。
特に「看板を付ければ宣伝になるから値引きができる」というありそうな理由を信じてしまったことが、騙されるかどうかの大きな分かれ目だったのではないでしょうか。
当事者の方が詐欺を防ぐには、どんな詐欺の手口があるかを知っておく事だと考えられます。はじめて聞くことには騙されやすいものですが、事前に詐欺の可能性がある手口を知っておくことで、ピンとくるかもしれないからです。
外壁塗装で詐欺に合った時の対処法
外壁塗装をする際、詐欺に合った時にどうすれば良いのか対処法をお伝えします。そもそもそ外壁塗装での悪徳業者に関する相談は身近なものであることも理解しておきましょう。
万が一詐欺に遭ってしまったときは、契約してから8日以内なら「クーリングオフ制度」を活用しましょう。電話で「解約します」と業者に伝え、内容証明郵便で解約通知書を送付すればOKです。
契約してから8日を過ぎている場合には、消費生活センターか住宅リフォーム・紛争処理支援センターに電話をかけて相談してみましょう。1日早く相談すると1日早くトラブルが解決します。一人で悩むのではなく、迅速に行動するようにしてください。
相談窓口 | 電話番号 | 営業時間 |
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消費生活センター | 局番なしの188 | 24時間 |
住宅リフォーム・紛争処理支援センター | 0570-016-100 | 10:00~17:00(土日祝日と年末年始を除く) |